丹下左膳餘話 百萬兩の壺 / 大河内傳次郎
丹下左膳餘話 百萬兩の壺
/山中貞雄
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(25)
解説・ストーリー
わずか29歳の若さで戦死してしまった早世の天才映画監督・山中貞雄の現存する3本のうちの1本。それまでチャンバラものとして人気のあった丹下左膳を主人公に、擬似家族が織り成すホームドラマ風人情喜劇が展開する。とある小藩に伝わるこけ猿の壺。実はこの壺に先祖が埋め隠した百万両のありかが示されていることが判明する。だが、壺は先日江戸の道場屋敷に婿入りした弟・源三郎が知らずに持って行ってしまっていた。やがて、その壺は道具屋を介して少年・安吉の金魚入れとなる……。
わずか29歳の若さで戦死してしまった早世の天才映画監督・山中貞雄の現存する3本のうちの1本。それまでチャンバラものとして人気のあった丹下左膳を主人公に、擬似家族が織り成すホームドラマ風人情喜劇が展開する。とある小藩に伝わるこけ猿の壺。実はこの壺に先祖が埋め隠した百万両のありかが示されていることが判明する。だが、壺は先日江戸の道場屋敷に婿入りした弟・源三郎が知らずに持って行ってしまっていた。やがて、その壺は道具屋を介して少年・安吉の金魚入れとなる……。
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「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
わずか29歳の若さで戦死してしまった早世の天才映画監督・山中貞雄の現存する3本のうちの1本。それまでチャンバラものとして人気のあった丹下左膳を主人公に、擬似家族が織り成すホームドラマ風人情喜劇が展開する。とある小藩に伝わるこけ猿の壺。実はこの壺に先祖が埋め隠した百万両のありかが示されていることが判明する。だが、壺は先日江戸の道場屋敷に婿入りした弟・源三郎が知らずに持って行ってしまっていた。やがて、その壺は道具屋を介して少年・安吉の金魚入れとなる……。
「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」 の作品情報
「丹下左膳餘話 百萬兩の壺」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
丹下左膳餘話 百萬兩の壺の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
92分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
NKDN54 |
2004年12月25日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
2枚
|
0人
|
0人
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丹下左膳餘話 百萬兩の壺の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
92分 |
日本語 |
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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NKDN54 |
2004年12月25日
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在庫枚数 |
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ユーザーレビュー:25件
ちっとも古びていない傑作コメディ
投稿日:2007/07/12
レビュアー:吟遊旅人
今見ても古くさくない。ただ、音楽がうるさすぎるのはサイレント時代の名残なのか?
この映画を見終わってから知ったのだが、山中貞雄監督25歳の作品だというではないか。これにはびっくり仰天した。25才でこれほど完成度の高い作品ができるのであれば、彼が29歳で戦病死しなければいったい日本映画界はどれほどの僥倖を得ることができたのだろう、と思う。
ストーリーじたいは実に単純な人情コメディだが、そのテンポのいい展開と、省略法を多用したカットのつなぎのうまさにはうなってしまう。ほとんど室内劇なのに、矢場を写したカメラはきちんとその奥行きを見せているし、繰り返し同じ描写を見せるタイミングも絶妙。これは後の映画にずいぶん影響を及ぼしたのではなかろうか?
猿のように飛び跳ねる殺陣には驚いてしまったのだが、大河内伝次郎の身軽さに感心した。殺陣一つとっても笑えるし、クズ屋のコンビは登場した瞬間に爆笑を誘う滑稽さに充溢しているし、矢場の女将と居候丹下左前のけんか腰のように見える歯切れのよい会話といい、婿養子武士夫婦の珍妙な会話といい、コメディの原典のような面白さがある。剣術道場の婿養子になった大名の次男坊は藤山寛美みたいな風貌とぼけぶりだったが、沢村国太郎という役者で、津川雅彦と長門裕之の父親だった。そういえば似ている。
本来ニヒルな素浪人のはずの丹下左前が矢場の用心棒として居候し、どうやら女将とデキているらしいのだがそんなふりはちらともみせずにこの二人がいつもツンケンと言い合いをしているというのが可笑しい。それに偶然拾って一緒に暮らすことになった坊やを可愛がるやさしい男、という外見とは裏腹な一面を見せているのがまたホロリとさせる。
で、百万両の宝のありかを隠してあるという壺、本来ならば厳重な秘密のはずなのに婿養子は大声で言いふらすのだから始末が悪い。おまけにラストのオチのつけかた、これは最高にシニカルでよかった。
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16人の会員が気に入ったと投稿しています
この作品に下手なコメントなど不要だ
びっくりした。『百萬兩の壺』まで揃えてあったとは。ジャケットのデザインが昨年発売された日活のものとは異なっているので、最近洋画で多く出回っているパブリック・ドメイン(著作権に伴う販売等の独占権が切れたため、自由に販売できるようになった作品のこと)ものなのかもしれない。パブリック・ドメインに関してはソースをどうやって確保するのかとか、粗悪品が出回り原盤からのりまスター作品が発売されなくなってしまうのではなどと言った懸念はあるけれど、でも『百萬兩の壺』のような作品が手軽に観られるようになること自体は大いに歓迎すべきことだと思う。
さて、伝説の作家・山中貞雄の代表作(個人的には残存する中では一番だと思う)とも言われる『百萬兩の壺』だから、私如きがとやかく言う筋合いのものではない。是非とも体調が優れている時に身を清めた上で姿勢を正して観て欲しい・・・と言うのは冗談だけれど、傑作とはかくあるべきと言う作品なので、一人でも多くの人に山中貞雄の天才振りを愉しんで欲しい。
ただし、正直言って何の気なしに最近の話題作や人気テレビドラマを観るようなつもりでこの作品に接したら、きっとその愉しさを味わえないと思う。別に難解な作品ではないし、それどころか痛快活劇として作られているものなので、本来なら余分な知識などは全く必要ないのだ。でも人間の眼(や心)と言うのは恐ろしいもので、見えるものしか観ない、つまり自分の枠、受け入れ範囲でないものについては拒否反応を示したり退屈さしか感じなかったりするものなのだ。
もし、例えば大河内傅二郎の道場破りとの破天荒な殺陣のシーンに血湧き肉躍るものを感じなかったのなら、あるいは大河内傅二郎と喜代三との会話や高勢実乗と鳥羽陽之助コンビ扮する古道具やコンビの振舞に腹を抱えて笑えなかったとしたら、まだ自分はこの作品に受け入れてもらえなかったのだと後悔と反省をして、いろいろな作品をたくさん観ることに励み、しかるべき時にリターンマッチに臨んでいただきたい。その時には上記の愉しさだけではなく、何故山中貞雄が天才の名を欲しいままにしているかが理解できるようになっていると思う。
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たんげさぜんよわ・ひゃくまんりょうのつぼ
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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昭和10年(1935年)日活京都製作所91分
構成・監督:山中貞雄、
原作:林不忘、脚色:三村伸太郎
撮影:安本淳、音楽:西梧郎
出演:大河内傳次郎、喜代三(きよぞう)、沢村国太郎、山本礼三郎、宗春太郎、高勢実乗、鳥羽陽之助、花井蘭子、深水藤子
百万両の金子が隠し場所が塗り込められた「こけ猿の壺」をめぐって左膳と柳生一門との争奪戦に、左膳が居候をしている矢場の女主人櫛巻きお藤と孤児ちょび安とのエピソードを絡めたコメディ。
本作以前に丹下左膳映画を撮っていた伊藤大輔監督が1934年9月に日活を退社する。三部作の予定だったトーキー版「丹下左膳」の最終作にあたる「尺取横町の巻」の企画が宙に浮いてしまい、急きょ山中貞雄が製作にすることになりました。
山中監督は、伊藤丹下左膳をパロデイ化し、アメリカ映画「歓呼の涯」をモデルに明るい作品を指向して、お藤役には歌手の喜代三を登用し、屑屋役の高瀬実乗、鳥羽陽之助コンビでコミカルさを加えるなどの演出を施します。その他にも、敢えて丹下左膳の虚無的イメージを廃して、根っからの好人物に変えてしまうことで、逆に大河内傳次郎の喜劇における可能性を引きだしているといえるでしょう。そのイメージ変更では、原作者林不忘側からは抗議を受けています。 映画終盤でのアクションシーン部分のフィルムは、戦後行方不明になっていたましが2004年に再発見されました(ただし、音声は無)。
現存する作品では最古の山中作品。とは言うものの、山中監督のキャリアでは後期に差しかかる時期の作品です。「雁太郎街道」「国定忠治」につづくトーキーでの三作目にあたります。
現在日活から発売されているビデオ、LDは、フィルムセンターに保存される最も状態の良いプリントからマスターを採っています。保存状態は昭和初期日本映画では驚異的で、製作当時すら何をいってるのかを聞き取るのが精一杯だった日本トーキー映画にあって、日活だけが導入したアメリカ輸入の音声方式、ウェスタン・エレクトリック・システムの技術的水準を確認出来ます。「百万両の壺」では、独特の喋り方のために台詞がよくわからないことで有名な大河内伝次郎の台詞の、ほとんどがハッキリと聞き取れるという稀なフィルムなのです。
本作では、先の読めないストーリー展開や、スター俳優による怪演ぶりに驚かされることと思います。当時の二枚目スター沢村国太郎(長門裕之、津川雅彦の父)の超三枚目ぶりや、屑屋コンビ高勢実乗、鳥羽陽之助の容貌で笑わない人は、かつてはいなかったのでしょう。(現在ではあまり笑えません)また、大河内伝次郎を初めて観る人は、その奇矯な口調に正直驚かされるでしょう。(日活の当時の看板女優花井蘭子、深水藤子も別箇作品へ華を添えています)
監督の山中貞雄(やまなか さだお、1909年11月8日−1938年9月17日)は京都生まれ(高知という説あり)。
1927年、中学校の先輩であるマキノ正博(「日本映画の父」こと牧野省三の息子)を頼って、マキノ御室撮影所へ入社。マキノは1928年に山中に活動の場を与えるために、脚本家兼助監督として第一次嵐寛寿郎プロダクションに移籍させますが、その年に独立プロは失敗。実家に戻った山中を親戚一同は足を洗えと説得するのですが、本人の映画に対する想いは絶えてはいなかったようです。
1930年に嵐寛が東亜に招かれ、山中を含む旧寛プロもそのもとに参集しました。「むっつり右門」の脚本で山中の力量を確信した嵐は、1932年、長谷川伸の戯曲を脚色させた『磯の源太 抱寝の長脇差』を監督第一作として製作をさせます。この作品が評論家・岸松雄に大絶賛されたことで、山中に大きな注目が集まり、処女作にしてその年のベストテンに名を連ねるなど、山中貞雄は日本映画界での地位を確立していくキッカケとなりました。
翌年には、第二次寛プロから日活京都へ移籍します。若き天才監督の名前のもとに『盤獄の一生』『街の入墨者』を順次発表していきます。
また、製作会社の枠組をこえ、稲垣浩、滝澤英輔や脚本家の八尋不二らとシナリオ集団「鳴滝組」を結成。時代劇映画において大きな革新の流を生み出し、その新潮流は一般観客からも大きな支持を得ていたようです。交友関係は広く、「鳴滝組」面々のほかにも、伊藤大輔、伊丹万作ら京都映画人はもとより、小津安二郎、清水宏など東京在住の映画人とも緊密な交流があったようです。
1937年、PCL(現在の東宝)で発表した『人情紙風船』を最後として従軍し、翌年に中国河南省開封の病院内で戦病死しました。享年29歳。生涯に発表した監督作品は23作品。現在では、『丹下左膳余話 百萬両の壺』『河内山宗俊』『人情紙風船』の三作品のみ正尺(全編)で見ることができます。(他の作品は断片としてのみ残存)
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6人の会員が気に入ったと投稿しています
左膳さまぁ〜♪
地中に隠された百万両のありかを示す地図が塗りこめられた茶壷をめぐって起きる大騒動が、軽快かつユーモラスに展開していく。
豊川悦司の映画版や中村獅童の舞台版が立て続けに上演され、名前は聞き及んでいたものの、なるほどこうゆうストーリーだったのね、と今回初めて知った次第。
70年も前の映画だけれど、無駄なくスピーディーにストーリーが展開し、その内容がギュッと詰まった語り口は、かつて芝居か活動ぐらいしか人々の娯楽がなかった時代だからこその輝きがあるような気がする。
山中版では元祖丹下左膳の大河内傳次郎が主役を務めている。
彼の左膳は妙にエキセントリックというか、青筋立てて片目をギラギラ見開き怒鳴り散らしているのには少し閉口するが、矢場で難癖つけてきたチンピラに刀の鞘を口にくわえて刀身を抜き凄むところなどはなんとも素敵であった。
怖い男だけれど、ひょんなことから面倒をみる事になった子供にはめちゃ優しい。
そんな二面性のある男に私は弱かったりするのだ。
それにしても字幕がないと彼のセリフはかなり聴き取りづらいかも。
そういえば、京都の嵯峨野にある広々とした庭園で有名な大河内山荘は、元はこの大河内傳次郎の別荘であったとか。
修学旅行で訪れたのがもう一昔前になろうとしている。
矢場の女将役の喜代三が元芸者らしい粋で婀娜な女っぷりで大河内に負けない存在感がある。
矢場に勤める女の子たちもそんな場所柄にしては上品でかわゆらしい。
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擬似家族 人情の機微 笑えます
投稿日:2007/03/30
レビュアー:Yの3乗
名作という噂に惹かれレンタルしてみました。
本当にわかり易い楽しい作品。
時代劇を借りた擬似家族の笑えるホームドラマでした。
左善とお藤の擬似夫婦のやり取りが実に面白い。
お互い見栄やツッパリで言い合いますが、結局は実に妥当な結果になっているのが笑えました。
百万両の壷をめぐる奪い合いのアクションではなく、壷をめぐっての皮肉な偶然を楽しめるストーリー。
モノクロですが、十分楽しめました。
お勧めします。
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ユーザーレビュー
ちっとも古びていない傑作コメディ
投稿日
2007/07/12
レビュアー
吟遊旅人
今見ても古くさくない。ただ、音楽がうるさすぎるのはサイレント時代の名残なのか?
この映画を見終わってから知ったのだが、山中貞雄監督25歳の作品だというではないか。これにはびっくり仰天した。25才でこれほど完成度の高い作品ができるのであれば、彼が29歳で戦病死しなければいったい日本映画界はどれほどの僥倖を得ることができたのだろう、と思う。
ストーリーじたいは実に単純な人情コメディだが、そのテンポのいい展開と、省略法を多用したカットのつなぎのうまさにはうなってしまう。ほとんど室内劇なのに、矢場を写したカメラはきちんとその奥行きを見せているし、繰り返し同じ描写を見せるタイミングも絶妙。これは後の映画にずいぶん影響を及ぼしたのではなかろうか?
猿のように飛び跳ねる殺陣には驚いてしまったのだが、大河内伝次郎の身軽さに感心した。殺陣一つとっても笑えるし、クズ屋のコンビは登場した瞬間に爆笑を誘う滑稽さに充溢しているし、矢場の女将と居候丹下左前のけんか腰のように見える歯切れのよい会話といい、婿養子武士夫婦の珍妙な会話といい、コメディの原典のような面白さがある。剣術道場の婿養子になった大名の次男坊は藤山寛美みたいな風貌とぼけぶりだったが、沢村国太郎という役者で、津川雅彦と長門裕之の父親だった。そういえば似ている。
本来ニヒルな素浪人のはずの丹下左前が矢場の用心棒として居候し、どうやら女将とデキているらしいのだがそんなふりはちらともみせずにこの二人がいつもツンケンと言い合いをしているというのが可笑しい。それに偶然拾って一緒に暮らすことになった坊やを可愛がるやさしい男、という外見とは裏腹な一面を見せているのがまたホロリとさせる。
で、百万両の宝のありかを隠してあるという壺、本来ならば厳重な秘密のはずなのに婿養子は大声で言いふらすのだから始末が悪い。おまけにラストのオチのつけかた、これは最高にシニカルでよかった。
この作品に下手なコメントなど不要だ
投稿日
2006/01/26
レビュアー
parole
びっくりした。『百萬兩の壺』まで揃えてあったとは。ジャケットのデザインが昨年発売された日活のものとは異なっているので、最近洋画で多く出回っているパブリック・ドメイン(著作権に伴う販売等の独占権が切れたため、自由に販売できるようになった作品のこと)ものなのかもしれない。パブリック・ドメインに関してはソースをどうやって確保するのかとか、粗悪品が出回り原盤からのりまスター作品が発売されなくなってしまうのではなどと言った懸念はあるけれど、でも『百萬兩の壺』のような作品が手軽に観られるようになること自体は大いに歓迎すべきことだと思う。
さて、伝説の作家・山中貞雄の代表作(個人的には残存する中では一番だと思う)とも言われる『百萬兩の壺』だから、私如きがとやかく言う筋合いのものではない。是非とも体調が優れている時に身を清めた上で姿勢を正して観て欲しい・・・と言うのは冗談だけれど、傑作とはかくあるべきと言う作品なので、一人でも多くの人に山中貞雄の天才振りを愉しんで欲しい。
ただし、正直言って何の気なしに最近の話題作や人気テレビドラマを観るようなつもりでこの作品に接したら、きっとその愉しさを味わえないと思う。別に難解な作品ではないし、それどころか痛快活劇として作られているものなので、本来なら余分な知識などは全く必要ないのだ。でも人間の眼(や心)と言うのは恐ろしいもので、見えるものしか観ない、つまり自分の枠、受け入れ範囲でないものについては拒否反応を示したり退屈さしか感じなかったりするものなのだ。
もし、例えば大河内傅二郎の道場破りとの破天荒な殺陣のシーンに血湧き肉躍るものを感じなかったのなら、あるいは大河内傅二郎と喜代三との会話や高勢実乗と鳥羽陽之助コンビ扮する古道具やコンビの振舞に腹を抱えて笑えなかったとしたら、まだ自分はこの作品に受け入れてもらえなかったのだと後悔と反省をして、いろいろな作品をたくさん観ることに励み、しかるべき時にリターンマッチに臨んでいただきたい。その時には上記の愉しさだけではなく、何故山中貞雄が天才の名を欲しいままにしているかが理解できるようになっていると思う。
たんげさぜんよわ・ひゃくまんりょうのつぼ
投稿日
2007/05/24
レビュアー
わたる
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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昭和10年(1935年)日活京都製作所91分
構成・監督:山中貞雄、
原作:林不忘、脚色:三村伸太郎
撮影:安本淳、音楽:西梧郎
出演:大河内傳次郎、喜代三(きよぞう)、沢村国太郎、山本礼三郎、宗春太郎、高勢実乗、鳥羽陽之助、花井蘭子、深水藤子
百万両の金子が隠し場所が塗り込められた「こけ猿の壺」をめぐって左膳と柳生一門との争奪戦に、左膳が居候をしている矢場の女主人櫛巻きお藤と孤児ちょび安とのエピソードを絡めたコメディ。
本作以前に丹下左膳映画を撮っていた伊藤大輔監督が1934年9月に日活を退社する。三部作の予定だったトーキー版「丹下左膳」の最終作にあたる「尺取横町の巻」の企画が宙に浮いてしまい、急きょ山中貞雄が製作にすることになりました。
山中監督は、伊藤丹下左膳をパロデイ化し、アメリカ映画「歓呼の涯」をモデルに明るい作品を指向して、お藤役には歌手の喜代三を登用し、屑屋役の高瀬実乗、鳥羽陽之助コンビでコミカルさを加えるなどの演出を施します。その他にも、敢えて丹下左膳の虚無的イメージを廃して、根っからの好人物に変えてしまうことで、逆に大河内傳次郎の喜劇における可能性を引きだしているといえるでしょう。そのイメージ変更では、原作者林不忘側からは抗議を受けています。 映画終盤でのアクションシーン部分のフィルムは、戦後行方不明になっていたましが2004年に再発見されました(ただし、音声は無)。
現存する作品では最古の山中作品。とは言うものの、山中監督のキャリアでは後期に差しかかる時期の作品です。「雁太郎街道」「国定忠治」につづくトーキーでの三作目にあたります。
現在日活から発売されているビデオ、LDは、フィルムセンターに保存される最も状態の良いプリントからマスターを採っています。保存状態は昭和初期日本映画では驚異的で、製作当時すら何をいってるのかを聞き取るのが精一杯だった日本トーキー映画にあって、日活だけが導入したアメリカ輸入の音声方式、ウェスタン・エレクトリック・システムの技術的水準を確認出来ます。「百万両の壺」では、独特の喋り方のために台詞がよくわからないことで有名な大河内伝次郎の台詞の、ほとんどがハッキリと聞き取れるという稀なフィルムなのです。
本作では、先の読めないストーリー展開や、スター俳優による怪演ぶりに驚かされることと思います。当時の二枚目スター沢村国太郎(長門裕之、津川雅彦の父)の超三枚目ぶりや、屑屋コンビ高勢実乗、鳥羽陽之助の容貌で笑わない人は、かつてはいなかったのでしょう。(現在ではあまり笑えません)また、大河内伝次郎を初めて観る人は、その奇矯な口調に正直驚かされるでしょう。(日活の当時の看板女優花井蘭子、深水藤子も別箇作品へ華を添えています)
監督の山中貞雄(やまなか さだお、1909年11月8日−1938年9月17日)は京都生まれ(高知という説あり)。
1927年、中学校の先輩であるマキノ正博(「日本映画の父」こと牧野省三の息子)を頼って、マキノ御室撮影所へ入社。マキノは1928年に山中に活動の場を与えるために、脚本家兼助監督として第一次嵐寛寿郎プロダクションに移籍させますが、その年に独立プロは失敗。実家に戻った山中を親戚一同は足を洗えと説得するのですが、本人の映画に対する想いは絶えてはいなかったようです。
1930年に嵐寛が東亜に招かれ、山中を含む旧寛プロもそのもとに参集しました。「むっつり右門」の脚本で山中の力量を確信した嵐は、1932年、長谷川伸の戯曲を脚色させた『磯の源太 抱寝の長脇差』を監督第一作として製作をさせます。この作品が評論家・岸松雄に大絶賛されたことで、山中に大きな注目が集まり、処女作にしてその年のベストテンに名を連ねるなど、山中貞雄は日本映画界での地位を確立していくキッカケとなりました。
翌年には、第二次寛プロから日活京都へ移籍します。若き天才監督の名前のもとに『盤獄の一生』『街の入墨者』を順次発表していきます。
また、製作会社の枠組をこえ、稲垣浩、滝澤英輔や脚本家の八尋不二らとシナリオ集団「鳴滝組」を結成。時代劇映画において大きな革新の流を生み出し、その新潮流は一般観客からも大きな支持を得ていたようです。交友関係は広く、「鳴滝組」面々のほかにも、伊藤大輔、伊丹万作ら京都映画人はもとより、小津安二郎、清水宏など東京在住の映画人とも緊密な交流があったようです。
1937年、PCL(現在の東宝)で発表した『人情紙風船』を最後として従軍し、翌年に中国河南省開封の病院内で戦病死しました。享年29歳。生涯に発表した監督作品は23作品。現在では、『丹下左膳余話 百萬両の壺』『河内山宗俊』『人情紙風船』の三作品のみ正尺(全編)で見ることができます。(他の作品は断片としてのみ残存)
左膳さまぁ〜♪
投稿日
2007/02/03
レビュアー
かふう
地中に隠された百万両のありかを示す地図が塗りこめられた茶壷をめぐって起きる大騒動が、軽快かつユーモラスに展開していく。
豊川悦司の映画版や中村獅童の舞台版が立て続けに上演され、名前は聞き及んでいたものの、なるほどこうゆうストーリーだったのね、と今回初めて知った次第。
70年も前の映画だけれど、無駄なくスピーディーにストーリーが展開し、その内容がギュッと詰まった語り口は、かつて芝居か活動ぐらいしか人々の娯楽がなかった時代だからこその輝きがあるような気がする。
山中版では元祖丹下左膳の大河内傳次郎が主役を務めている。
彼の左膳は妙にエキセントリックというか、青筋立てて片目をギラギラ見開き怒鳴り散らしているのには少し閉口するが、矢場で難癖つけてきたチンピラに刀の鞘を口にくわえて刀身を抜き凄むところなどはなんとも素敵であった。
怖い男だけれど、ひょんなことから面倒をみる事になった子供にはめちゃ優しい。
そんな二面性のある男に私は弱かったりするのだ。
それにしても字幕がないと彼のセリフはかなり聴き取りづらいかも。
そういえば、京都の嵯峨野にある広々とした庭園で有名な大河内山荘は、元はこの大河内傳次郎の別荘であったとか。
修学旅行で訪れたのがもう一昔前になろうとしている。
矢場の女将役の喜代三が元芸者らしい粋で婀娜な女っぷりで大河内に負けない存在感がある。
矢場に勤める女の子たちもそんな場所柄にしては上品でかわゆらしい。
擬似家族 人情の機微 笑えます
投稿日
2007/03/30
レビュアー
Yの3乗
名作という噂に惹かれレンタルしてみました。
本当にわかり易い楽しい作品。
時代劇を借りた擬似家族の笑えるホームドラマでした。
左善とお藤の擬似夫婦のやり取りが実に面白い。
お互い見栄やツッパリで言い合いますが、結局は実に妥当な結果になっているのが笑えました。
百万両の壷をめぐる奪い合いのアクションではなく、壷をめぐっての皮肉な偶然を楽しめるストーリー。
モノクロですが、十分楽しめました。
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丹下左膳餘話 百萬兩の壺
※こちらはイメージ画像になります。