ユビサキから世界を

谷村美月や北乃きいが出ているので観てみようと思いました。
この作品は集団自殺する者に向けたメッセージとでも言うのでしょうか。
娯楽性がないので、特別面白かったとか良かったとはコメントできませんが、主人公たちの思いが伝わってきて何とは無しに良い作品です。
ただ何とは無く良いで長続きするほど観ている方はやさしくない。
この作品の62分という時間はベストタイムです。
この62分は観てよかったと感じるぎりぎりでしょう。

　山形に住む4人の女子高生。彼女たちはそれぞれ事情を抱えているが、なにより退屈な人生に飽きてしまい、集団で自殺を考えていた。そして決行当日、彼女たちは学校へと向かう・・・。

　４人がメインなのですが、プラス１人登場して５人が主人公です。５人とも高校の同級生。それぞれ小さな問題を抱えている(妊娠とか両親の不和は大事かも)のですが、しかし自殺するほど大きな問題だとは思えません。彼女たちは「生きていても面白くない」という、思春期の青少年が陥る「人生つまらない症候群」に陥ってしまっています。私も身に覚えがある・・・かな？

　物語は淡々としているのですが、随所にありえないような箇所が見受けられます。しかしそのあたりは置いておいて、しばし彼女達の世界観、揺れ動く乙女の心にどっぷり浸かってみましょう。

　映画としては小ぶりで微妙な映画だと思いますが、１時間くらいで終る中編映画としては、なかなか出来も良いし、そこそこ楽しめました。

　最後に下世話な話ですが。。。。

　彼女達がかなり元気に動くからなのでしょうが、本編通して数箇所のチラリシーンがあります。画面が暗いので分かり難いですが、結構チラチラしてます。ああ下品だわ・・・。

　呼塚的評価：６０点、谷村美月とか、北乃きいとか、実はこれから一気に伸びる若手女優さんが出演してます。おじいちゃん早く助けに行かなきゃ。

インディーズ時代の作品に戻ってます。
（メジャー監督のマイナー作品。レビュー少ない…）

シャンプータイアップの次の仕掛けは、アンダーグラフの同名曲からの映画化。
女子高生4人＋1名が主人公の群像劇。
なので、正直、あまり期待しないで観ました。

ところが、今作は、しっかりとした行定オリジナル脚本で、やりたいことをやってくれています。
よーく考えると全部ヘンな設定。
悪いことが、結果良いことになってしまうみたいな。
それでいて、最後に爽やかな気分になれる映画でした。

「このＤＶＤを良いと評価した人」欄の『リンダ リンダ リンダ』かなり近いです。
『ひまわり』 (2000) や『ロックンロールミシン』 (2002) のテイストが好きだった人にお勧め。1時間ドラマ（上映時間たったの63分）の感覚で、気軽に観れます。

あと、アンダーグラフのファン。山形で行われた伝説のライブ（会場）名がどこかに使われているそうです。探してみてください。










＜ネタバレ＞
おかしくなくない？
タクシーの運転手は、リンネ（谷村美月）を轢いて土に埋めながら助けてしまう。
教科書燃やしながら、勉強はじめてしまう。
ラストなんて、
自殺しようとしてる時に、いじめてた乳牛[ちちうし]（上原香代子）に、
「乳牛、お前も来るか？」
「良いよね」
って自殺仲間にしちゃうんだよ。
いじめられてた乳牛も、嬉しそうに、生きることより仲間になれることの方を選択。
それでいて、仲間から離れ一人「死」を思いつめたリンネをユビサキで救う。

生と死、善と悪が同じく平等に描かれている。
（メイキングで、↑そこを意識して撮ったと行定監督が言ってました）

偽特攻隊じいさんの墜落現場を目指して、山形の田舎道を走る5人…
ユビサキにも、あったかい血が通っていて、目的を見つけられない毎日。
でも、ワッーとみんなで走っていれば、永遠とまでは言わないまでも希望があるかもしれないと感じられる。
「生きていると楽しいことあるさ」の爽やか映画でした。

あと、伝説のライブ（会場）名は、主人公5人が通っていた学校名に使ったそうです。

ひょんなことから自殺をしたり、ひょんなことで自殺をやめたり自分の存在や行動や発言が周りに少なからず良・悪な影響があることを知りました

確かに最初はついて行けないとこあったけど、最後は爽やかに締めてくれました。
良いと思います。