71フラグメンツの画像・ジャケット写真

71フラグメンツ / ガブリエル・コスミン・ウルデス

71フラグメンツ /ミヒャエル・ハネケ

平均評価点: 

予告編を検索

全体の平均評価点: (5点満点)

25

DVD

旧作

お届け率:欠品中

解説・ストーリー

『隠された記憶』の奇才、ミヒャエル・ハネケ監督が手掛けた初期作品集のシリーズ第3弾。ウィーン市内の銀行で19歳の大学生が銃を乱射。3人が死亡し、本人も自殺を図る。犠牲者と加害者それぞれの過去を遡りながら、現代社会の矛盾に迫る。

作品情報

製作年:

1994年

製作国:

オーストリア

原題:

71 FRAGMENTE EINER CHRONOLOGIE DES ZUFAL

DVD

旧作

お届け率:欠品中

ジャンル :

新規ご登録はこちら

新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を

14日間無料お試し!
  • 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
    新作をレンタルする方法はこちら
  • ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
  • @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
  • A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
  • B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
  • 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
  • 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。

「71フラグメンツ」 の解説・あらすじ・ストーリー

解説・ストーリー

『隠された記憶』の奇才、ミヒャエル・ハネケ監督が手掛けた初期作品集のシリーズ第3弾。ウィーン市内の銀行で19歳の大学生が銃を乱射。3人が死亡し、本人も自殺を図る。犠牲者と加害者それぞれの過去を遡りながら、現代社会の矛盾に迫る。

「71フラグメンツ」 の作品情報

作品情報

製作年:

1994年

製作国:

オーストリア

原題:

71 FRAGMENTE EINER CHRONOLOGIE DES ZUFAL

「71フラグメンツ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ

TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!

TSUTAYAだから可能な圧倒的作品数!!

洋画・邦画

35,500
タイトル以上

国内ドラマも一部含まれております

国内・海外ドラマ

5,400
タイトル以上

アニメ

9,200
タイトル以上

R-18

210,000
タイトル以上

CD

250,000
タイトル以上

※2022年2月 現在のタイトル数

新規ご登録はこちら

新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を

14日間無料お試し!
  • 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
    新作をレンタルする方法はこちら
  • ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
  • @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
  • A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
  • B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
  • 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
  • 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。

関連作品

関連作品

50年後のボクたちは

ファニーゲームU.S.A.

愛、アムール

ハッピーエンド

カフカの「城」

ユーザーレビュー:25件

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

この作品に関するあなたの感想や意見を書いてみませんか?

1〜 5件 / 全25件

運命の断片 (隠された記憶・解説レビューも) ネタバレ

投稿日:2007/02/20 レビュアー:masamune

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

ミヒャエル・ハネケ映画祭から厳選レビュー、最終回は「71 FRAGMENTE EINER CHRONOLOGIE DES ZUFALLS」と言う長い原題の本作。感触としては「クラッシュ」に手触り感が近い気もするが、ストレスを感じやすいHaneke監督の中では、取っつき易い作品だと思うので、食わず嫌いの方にもお薦め出来る。本作は実際に起きた事件をモチーフに、映像的な表現で人物描写を上手く構築しながら物語を進めてる語り口を見ると、これが監督3作目とは思えない。テーマは「人の世には偶然はない」この世に運命などと言うものは無く全ての事柄は必然なのだと。本作は人間とは人種や国境に関わらず、全ての人が同じ時間軸の中で暮らしている・・・ニュースで取り上げられる出来事は、その断片つまり「フラグメント」に過ぎないのだと。秀逸なのは、下世話なTV映像とリンクさせる事で、深みの有る作品に仕上げてる点だと思う。Michael Hanekeコンプリートを目指す方なら、是非押さえておきたい作品だと思う。
<隠された記憶・解説レビュー>
今日のCNN-J(スカパー)に依れば「ダヴィンチ・コードのプロデューサーBrian Grazerが隠された記憶のハリウッド版リメイクの権利を獲得した」と報じていた。既に発売され月日も経ちましたので、今回は私なりの解説編を綴りたいと思います。整理する意味で登場人物のおさらいを。Daniel Auteuil=ジョルジュ、Juliette Binoche=アン、Lester Makedonsky=ピエロ、Maurice Benichou=マジッド、Walid Afkir=マジッドの息子。さて前回のレビューで私は自転車が登場するシーンが重要だと申しました。その理由は、あのシーンがジョルジュの性格を現してる象徴的なシーンだからです。このシーンで大事な点は、ジョルジュはアンの前では強がってみるものの、相手が厳つい黒人だと知るや否や態度が急変します。つまりジョルジュが気弱な性格で或る事をあの短いシーンで端的に述べています。このジョルジュのプライドが高く気弱な性格が本作のベースと成っています。そして本当のテーマは私はアンの浮気に有ると推測します。思うにジョルジュはアンの浮気に早い段階で気づいていたのではないか?。しかしプライドが高く気弱なジョルジュは、正面切って問い質す事が出来ない。そこへ偶然にもピエロとマジッドの息子が同じ学校に通っていた事を知った。この事で、ジョルジュはマジッドとの忘れる事の出来ない過去である「無邪気な悪意」を思い出し、これを利用する事を思いついた。予めマジッドの住所を息子から聞きだして隠しカメラを取り付けた。そして自らが自宅を盗撮したのだ(彼は放送局で仕事をしてる)。理由は「強くて優しい男、そして夫」をアンに認めてもらいたかったのだ、その為にビデオを自作自演で送りつけた。後に実家へ行く際にもビデオは必要だった、それは母親に対して優しい息子を演じる必要が有ったからだ。つまり最初はアンに対して、ある種の恐怖心を与える事で夫としての威厳を取り戻したいだけなのだと思う。劇中でピエロが母親を詰るシーンが在る事でも、ピエロが父親に同情的だった事は説明されている。しかし、この陳腐な計画を知ったピエロが家出をしてしまう事で計画は狂い始めた。本来なら一早く警察に届けるべきなのに、それをしないのは不自然だ。それは自作自演が露呈する恐れが有るからに他ならない。家の中に仕掛けたカメラがバレたら計画も終わりだからだ。事なきを経てマジッド親子が釈放されたが、これはジョルジュが告発を取り下げた可能性が高い。思わぬ展開に困ったジョルジュは、再びビデオを使う事を思い立ちマジッドの家へ行き、強い夫を演じようとした。しかし、ここで最大の問題が発生する。そうマジッドの首切り自殺だ。ここで計画は頓挫し、ジョルジュは警察に全てを話して釈放される。マジッドの息子がテレビ局に乗り込むシーンは、この幼稚な計画の顛末の象徴とも言える。そしてジョルジュは過去の「無邪気な悪意」を吐露する事で、アンから浮気の告白を導き出そうと最後の賭けに出たのだと思う。つまり本作の犯人はジョルジュで、部分的に息子のピエロとマジッドの息子が共犯だった。だから最後のシーンが「あれ」なのだと私は思います。しかし・・・冒頭の自宅を写すシーン(視点が高い)や、この最後のシーン(視点が遠い)のは「人」の温かみも感じられません。つまり最終的にはジョルジュは自殺し、その視点が最初と最後に表れたのだと思う。私はジョルジュが家を離れて実家へ行く行動を見て、犯人を確信しました。
私は原題の「HIDDEN」の本当の意味をずっと考えていました・・・さて、もう一度見直してみるか。

このレビューは気に入りましたか? 20人の会員が気に入ったと投稿しています

ザ・グレート・コンポーザ、ハネケ。

投稿日:2008/02/06 レビュアー:JUCE

このレビューは気に入りましたか? 17人の会員が気に入ったと投稿しています

マイケルのカムバック ネタバレ

投稿日:2007/12/24 レビュアー:裸足のラヴァース

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

「タイム・オブ・ザ・ウルフ」がショットの数々が 映画館で観ないと充分伝わらない質を持ったものであるとすると こちらはDVDでも ハネケの才能がかなりはっきり分かるようになっていますね 面白いんです誰が見ても 違いますかあなたは ふふふ

ハネケは脚本も書いてますし 作るのは大変だったでしょうね まとめて撮ったものを 単にばらばらにした印象はないですからね ハネケの編集 カットつなぎの絶妙なうまさがよくわかります 観ていてだんだん こちらもどこでカットするか なににつなげるかとかゲームみたいに 考え出すんですよね 題名は71のシークェンスで組み合わされているシネマって ことですよね

青年の起こした悲惨な事件の内実 原因を探るような心理主義的な内容の映画ではないですね またそれを投げ出すようにして観客に考えさせようとの方向とも違うと思います みなさん言ってます様に あくまで各登場人物の生は交わらず 映画はその断片を捉えるだけだということでしょうか またそれは映画など この断片の組み合わせがまことしやかにつながって 錯覚を強いているものだとの宣言でしょうか 

登場人物の交じり合わない人生を 映画は編集で冷徹に描き出すのですが これがある事件 銀行での乱射事件によって 登場人物達が偶然の遭遇を演じるわけですが それは映画では断片的であり 誰がどうなったのかはわかりません しかしこ映画内のTV画面が 冒頭と最後のニュースに顕著なように 実は登場人物達の接点となっています 彼らの偶然のそれぞれの生は まさにTV画面の中のニュースとして 最後に偽の必然のように統合されてしまいます

映画がでたらめな断片を編集でつないでみせる手品だとしても そのひとつひとつの断片は厳密なショットによって出来上がっているのであり 独立した強度を持っているのです しかしTVはすべてをだらしなく溶け合わせてしまう この二つのメディアの違いの寓意をハネケは 観客に皮肉にしめしているのでしょうか この断絶と溶解のテーマは 黒沢清の「叫び」により深化されて描かれるのです 

このレビューは気に入りましたか? 15人の会員が気に入ったと投稿しています

本質を知れば見えてくるもの。 ネタバレ

投稿日:2009/10/28 レビュアー:ナナメ歩き

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

いや〜凄いですよ本作、テーマをここまで一点に絞り込んで
今まで誰もが心の中で思ってた何気ないものを表現し
スポンサーに金を出させるのは、やはりハネケ監督だからだろうか。(笑)

私達は新聞やテレビ、そして実生活で様々な人の終焉を目にします
誰もが何度も思ったであろう、「この人にも家族や色々な出来事があったんだろうな〜」
という点の出来事ではなく、知り得ぬ成り立ちを描写した珍しい趣向の作品です
タイミングさえ違えば加害者と被害者は逆転し得るという事なんでしょうか
銃乱射による無差別殺人に至るまでの大学生の行動が主ではなく
被害者達も、どちらに倒れても不思議ではなかったんだと感じる
皆が他人に危害を加える選択をするかどうかは別で、自殺に向うかも知れないし
もっと大掛かりな事件を起こしてしまうかも分からない
全てはその人が辿って来た道に起因するが、不良セクタは自らも分からないし
いつ不具合が生じ、どんな症状が出るか分からないというものです
意思は関係なく全てはタイミングの成せる業って感じで
よくこんな部分を肥大させようと思い付いたものだと思います
なかでも孤児を引き取る夫婦は、一見倫理的にも世間的にも尊敬に値しそうですが
本質は自らの満足を得る為に子供を引き取ったに過ぎません
動物園での女の子の対応が双方が幸せでない事を物語っています
もしこのまま女の子が打ち解けなければ、悲劇が起こるかも知れないですね。

ラストは皆が居合わせた銀行で、大学生が銃を乱射し登場人物達が犠牲に成ります
ですがこれは、たまたま大学生の身に限界が来たに過ぎないんですよね
そしてこの惨状をテレビで見ている人達は思うのでしょう
「可愛そうに、この人達にも家族や色んな人生が有っただろうに
 でも私達には分からないし関係もないから・・・。」っと。

本作の特長は善悪でもなく、かと言って世相風刺や政情批判でもないです
中には密入国の子供などの描写もあるが、それは一つの例にしか過ぎません
ハネケ監督にしては珍しく作業に振った作品だと感じます
個人の感情を挟まず、理路整然と繋がりと起因だけを映し出した作品ですね
少し肩透かし感?(苦笑)もありますが
物事の本質を知る事が如何に難しく、上辺だけしか見ていないかが良く分かります
決して観ていて楽しさは皆無ですが、ある程度の年齢に達した方達にはズシリと来そうです。

このレビューは気に入りましたか? 11人の会員が気に入ったと投稿しています

★★★★★ 世界一周する71フラグメンツ ネタバレ

投稿日:2008/02/07 レビュアー:ガラリーナ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

感情の氷河期三部作 完結編
「コード・アンノウン」を観て何だかよくわからなかったと言う方は、この作品が良い肩慣らしになるのではないでしょうか。とにかく、ハネケの構築する力にただ驚くばかりです。天才ですね。才能ではなく、天才。JUCEさんは作曲家と称されましたが、私は彼のあまりにも冷徹な客観性とピースを積み上げて壮大な理論を作り出す様から、天文学者のようなイメージを持っています。こういう違いも面白いですね。

私は、本作を観て我が家にあるおもちゃを思い浮かべました。これは、建築をやっている夫が気に入り息子にプレゼントしたもので、「STUDY ROOM」という教育玩具を販売するショップで買った物です。(化石や恐竜の模型なども置いてある店で息子は大好きでしたが、なぜか最近クローズしてしまいました)そのおもちゃの材料は、直径1センチほどの白いゴム製のリングと長さ10センチほどの竹ひごだけ。リングには6箇所の穴が空いてあり、そこに竹ひごを突き刺します。そうして、3つのリングと3本の竹ひごで、基本形となる正三角形を作ります。で、どんどん正三角形を繋げていくと、最終的には大きな球体ができあがるのです。

球体の表側の白いリングと裏側の白いリングは、場所こそ遠くに離れていますが、何本かの竹ひごをルートにしっかりと繋がっています。しかも、そのルートは1方向だけではなく、何方向も存在している。球体なのですから、どんなルートを通ろうと、必ず目的の白いリングが目指せます。しかも、それぞれのリングは各ルートで中継地点としての役割も担っているのです。ここで、ハネケの示す断片は白いリング。観客が断片同士を何とか繋げようと試みるのが、竹ひごを刺していくという作業。そして、最終的にできあがる球体は、地球だと考えてみると、何だか楽しくありませんか。

さて、この初期三部作では、全てラジオニュース及びテレビニュースがとめどなく流されています。それらは文字通り、世界の出来事と「個」の距離感を示し続けているのでしょう。この物語は最終的に登場する人物たちが偶発的に銀行強盗事件に遭遇してしまいます。それは、単純に言えば世界は繋がっているということなのでしょうが、ハネケが示す断片は、さらに別の繋がりを示唆し続けているので、我々のイマジネーションもぐんぐん広がらざるを得ないのです。不法滞在で逮捕される貧しい子供が万引きをするのはディズニーの絵本です。カメラは意図的にドナルド・ダッグの表紙を映していますので、これはアメリカを中心とする消費社会を示しているのでしょう。アメリカを意識しているのは、そこかしこで見受けられ、強盗事件が起きた後のニュースがマイケル・ジャクソンの児童虐待の報道であることからも明らかです。日本の寿司を食べてみたらどんな味だったか、なんてニュースも流れてきます。

このように、銀行強盗事件へと集結するという基本路線はあるものの、断片が内包しているものは別のルートからまた違う断片を我々に想像させ、その作業は観客の意思次第で無限に行うことができると言っても過言ではありません。これはもう、いつまでもしゃぶり続けることのできるキャンディのようなものです。しかも、中にはピンポンのレシーブ練習を延々と続けているというどこに繋げていいか分からない断片すら紛れ込んでいます。だから、観客は最終的に、球体を作れなくてもいいんです。おそらく、それはハネケの頭の中にしかないのでしょうから。でも、どこかで竹ひごを繋げるという作業の面白さが分かったら、きっとあなたもハネケ作品の虜です。観れば観るほど、竹ひごを繋げるのも上手になってくるはずです。

このレビューは気に入りましたか? 11人の会員が気に入ったと投稿しています

1〜 5件 / 全25件

ユーザーレビュー

入力内容に誤りがあります。

内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。

  • 入力内容に誤りがあります。

ユーザーレビュー:25件

運命の断片 (隠された記憶・解説レビューも)

投稿日

2007/02/20

レビュアー

masamune

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

ミヒャエル・ハネケ映画祭から厳選レビュー、最終回は「71 FRAGMENTE EINER CHRONOLOGIE DES ZUFALLS」と言う長い原題の本作。感触としては「クラッシュ」に手触り感が近い気もするが、ストレスを感じやすいHaneke監督の中では、取っつき易い作品だと思うので、食わず嫌いの方にもお薦め出来る。本作は実際に起きた事件をモチーフに、映像的な表現で人物描写を上手く構築しながら物語を進めてる語り口を見ると、これが監督3作目とは思えない。テーマは「人の世には偶然はない」この世に運命などと言うものは無く全ての事柄は必然なのだと。本作は人間とは人種や国境に関わらず、全ての人が同じ時間軸の中で暮らしている・・・ニュースで取り上げられる出来事は、その断片つまり「フラグメント」に過ぎないのだと。秀逸なのは、下世話なTV映像とリンクさせる事で、深みの有る作品に仕上げてる点だと思う。Michael Hanekeコンプリートを目指す方なら、是非押さえておきたい作品だと思う。
<隠された記憶・解説レビュー>
今日のCNN-J(スカパー)に依れば「ダヴィンチ・コードのプロデューサーBrian Grazerが隠された記憶のハリウッド版リメイクの権利を獲得した」と報じていた。既に発売され月日も経ちましたので、今回は私なりの解説編を綴りたいと思います。整理する意味で登場人物のおさらいを。Daniel Auteuil=ジョルジュ、Juliette Binoche=アン、Lester Makedonsky=ピエロ、Maurice Benichou=マジッド、Walid Afkir=マジッドの息子。さて前回のレビューで私は自転車が登場するシーンが重要だと申しました。その理由は、あのシーンがジョルジュの性格を現してる象徴的なシーンだからです。このシーンで大事な点は、ジョルジュはアンの前では強がってみるものの、相手が厳つい黒人だと知るや否や態度が急変します。つまりジョルジュが気弱な性格で或る事をあの短いシーンで端的に述べています。このジョルジュのプライドが高く気弱な性格が本作のベースと成っています。そして本当のテーマは私はアンの浮気に有ると推測します。思うにジョルジュはアンの浮気に早い段階で気づいていたのではないか?。しかしプライドが高く気弱なジョルジュは、正面切って問い質す事が出来ない。そこへ偶然にもピエロとマジッドの息子が同じ学校に通っていた事を知った。この事で、ジョルジュはマジッドとの忘れる事の出来ない過去である「無邪気な悪意」を思い出し、これを利用する事を思いついた。予めマジッドの住所を息子から聞きだして隠しカメラを取り付けた。そして自らが自宅を盗撮したのだ(彼は放送局で仕事をしてる)。理由は「強くて優しい男、そして夫」をアンに認めてもらいたかったのだ、その為にビデオを自作自演で送りつけた。後に実家へ行く際にもビデオは必要だった、それは母親に対して優しい息子を演じる必要が有ったからだ。つまり最初はアンに対して、ある種の恐怖心を与える事で夫としての威厳を取り戻したいだけなのだと思う。劇中でピエロが母親を詰るシーンが在る事でも、ピエロが父親に同情的だった事は説明されている。しかし、この陳腐な計画を知ったピエロが家出をしてしまう事で計画は狂い始めた。本来なら一早く警察に届けるべきなのに、それをしないのは不自然だ。それは自作自演が露呈する恐れが有るからに他ならない。家の中に仕掛けたカメラがバレたら計画も終わりだからだ。事なきを経てマジッド親子が釈放されたが、これはジョルジュが告発を取り下げた可能性が高い。思わぬ展開に困ったジョルジュは、再びビデオを使う事を思い立ちマジッドの家へ行き、強い夫を演じようとした。しかし、ここで最大の問題が発生する。そうマジッドの首切り自殺だ。ここで計画は頓挫し、ジョルジュは警察に全てを話して釈放される。マジッドの息子がテレビ局に乗り込むシーンは、この幼稚な計画の顛末の象徴とも言える。そしてジョルジュは過去の「無邪気な悪意」を吐露する事で、アンから浮気の告白を導き出そうと最後の賭けに出たのだと思う。つまり本作の犯人はジョルジュで、部分的に息子のピエロとマジッドの息子が共犯だった。だから最後のシーンが「あれ」なのだと私は思います。しかし・・・冒頭の自宅を写すシーン(視点が高い)や、この最後のシーン(視点が遠い)のは「人」の温かみも感じられません。つまり最終的にはジョルジュは自殺し、その視点が最初と最後に表れたのだと思う。私はジョルジュが家を離れて実家へ行く行動を見て、犯人を確信しました。
私は原題の「HIDDEN」の本当の意味をずっと考えていました・・・さて、もう一度見直してみるか。

ザ・グレート・コンポーザ、ハネケ。

投稿日

2008/02/06

レビュアー

JUCE

マイケルのカムバック

投稿日

2007/12/24

レビュアー

裸足のラヴァース

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

「タイム・オブ・ザ・ウルフ」がショットの数々が 映画館で観ないと充分伝わらない質を持ったものであるとすると こちらはDVDでも ハネケの才能がかなりはっきり分かるようになっていますね 面白いんです誰が見ても 違いますかあなたは ふふふ

ハネケは脚本も書いてますし 作るのは大変だったでしょうね まとめて撮ったものを 単にばらばらにした印象はないですからね ハネケの編集 カットつなぎの絶妙なうまさがよくわかります 観ていてだんだん こちらもどこでカットするか なににつなげるかとかゲームみたいに 考え出すんですよね 題名は71のシークェンスで組み合わされているシネマって ことですよね

青年の起こした悲惨な事件の内実 原因を探るような心理主義的な内容の映画ではないですね またそれを投げ出すようにして観客に考えさせようとの方向とも違うと思います みなさん言ってます様に あくまで各登場人物の生は交わらず 映画はその断片を捉えるだけだということでしょうか またそれは映画など この断片の組み合わせがまことしやかにつながって 錯覚を強いているものだとの宣言でしょうか 

登場人物の交じり合わない人生を 映画は編集で冷徹に描き出すのですが これがある事件 銀行での乱射事件によって 登場人物達が偶然の遭遇を演じるわけですが それは映画では断片的であり 誰がどうなったのかはわかりません しかしこ映画内のTV画面が 冒頭と最後のニュースに顕著なように 実は登場人物達の接点となっています 彼らの偶然のそれぞれの生は まさにTV画面の中のニュースとして 最後に偽の必然のように統合されてしまいます

映画がでたらめな断片を編集でつないでみせる手品だとしても そのひとつひとつの断片は厳密なショットによって出来上がっているのであり 独立した強度を持っているのです しかしTVはすべてをだらしなく溶け合わせてしまう この二つのメディアの違いの寓意をハネケは 観客に皮肉にしめしているのでしょうか この断絶と溶解のテーマは 黒沢清の「叫び」により深化されて描かれるのです 

本質を知れば見えてくるもの。

投稿日

2009/10/28

レビュアー

ナナメ歩き

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

いや〜凄いですよ本作、テーマをここまで一点に絞り込んで
今まで誰もが心の中で思ってた何気ないものを表現し
スポンサーに金を出させるのは、やはりハネケ監督だからだろうか。(笑)

私達は新聞やテレビ、そして実生活で様々な人の終焉を目にします
誰もが何度も思ったであろう、「この人にも家族や色々な出来事があったんだろうな〜」
という点の出来事ではなく、知り得ぬ成り立ちを描写した珍しい趣向の作品です
タイミングさえ違えば加害者と被害者は逆転し得るという事なんでしょうか
銃乱射による無差別殺人に至るまでの大学生の行動が主ではなく
被害者達も、どちらに倒れても不思議ではなかったんだと感じる
皆が他人に危害を加える選択をするかどうかは別で、自殺に向うかも知れないし
もっと大掛かりな事件を起こしてしまうかも分からない
全てはその人が辿って来た道に起因するが、不良セクタは自らも分からないし
いつ不具合が生じ、どんな症状が出るか分からないというものです
意思は関係なく全てはタイミングの成せる業って感じで
よくこんな部分を肥大させようと思い付いたものだと思います
なかでも孤児を引き取る夫婦は、一見倫理的にも世間的にも尊敬に値しそうですが
本質は自らの満足を得る為に子供を引き取ったに過ぎません
動物園での女の子の対応が双方が幸せでない事を物語っています
もしこのまま女の子が打ち解けなければ、悲劇が起こるかも知れないですね。

ラストは皆が居合わせた銀行で、大学生が銃を乱射し登場人物達が犠牲に成ります
ですがこれは、たまたま大学生の身に限界が来たに過ぎないんですよね
そしてこの惨状をテレビで見ている人達は思うのでしょう
「可愛そうに、この人達にも家族や色んな人生が有っただろうに
 でも私達には分からないし関係もないから・・・。」っと。

本作の特長は善悪でもなく、かと言って世相風刺や政情批判でもないです
中には密入国の子供などの描写もあるが、それは一つの例にしか過ぎません
ハネケ監督にしては珍しく作業に振った作品だと感じます
個人の感情を挟まず、理路整然と繋がりと起因だけを映し出した作品ですね
少し肩透かし感?(苦笑)もありますが
物事の本質を知る事が如何に難しく、上辺だけしか見ていないかが良く分かります
決して観ていて楽しさは皆無ですが、ある程度の年齢に達した方達にはズシリと来そうです。

★★★★★ 世界一周する71フラグメンツ

投稿日

2008/02/07

レビュアー

ガラリーナ

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

感情の氷河期三部作 完結編
「コード・アンノウン」を観て何だかよくわからなかったと言う方は、この作品が良い肩慣らしになるのではないでしょうか。とにかく、ハネケの構築する力にただ驚くばかりです。天才ですね。才能ではなく、天才。JUCEさんは作曲家と称されましたが、私は彼のあまりにも冷徹な客観性とピースを積み上げて壮大な理論を作り出す様から、天文学者のようなイメージを持っています。こういう違いも面白いですね。

私は、本作を観て我が家にあるおもちゃを思い浮かべました。これは、建築をやっている夫が気に入り息子にプレゼントしたもので、「STUDY ROOM」という教育玩具を販売するショップで買った物です。(化石や恐竜の模型なども置いてある店で息子は大好きでしたが、なぜか最近クローズしてしまいました)そのおもちゃの材料は、直径1センチほどの白いゴム製のリングと長さ10センチほどの竹ひごだけ。リングには6箇所の穴が空いてあり、そこに竹ひごを突き刺します。そうして、3つのリングと3本の竹ひごで、基本形となる正三角形を作ります。で、どんどん正三角形を繋げていくと、最終的には大きな球体ができあがるのです。

球体の表側の白いリングと裏側の白いリングは、場所こそ遠くに離れていますが、何本かの竹ひごをルートにしっかりと繋がっています。しかも、そのルートは1方向だけではなく、何方向も存在している。球体なのですから、どんなルートを通ろうと、必ず目的の白いリングが目指せます。しかも、それぞれのリングは各ルートで中継地点としての役割も担っているのです。ここで、ハネケの示す断片は白いリング。観客が断片同士を何とか繋げようと試みるのが、竹ひごを刺していくという作業。そして、最終的にできあがる球体は、地球だと考えてみると、何だか楽しくありませんか。

さて、この初期三部作では、全てラジオニュース及びテレビニュースがとめどなく流されています。それらは文字通り、世界の出来事と「個」の距離感を示し続けているのでしょう。この物語は最終的に登場する人物たちが偶発的に銀行強盗事件に遭遇してしまいます。それは、単純に言えば世界は繋がっているということなのでしょうが、ハネケが示す断片は、さらに別の繋がりを示唆し続けているので、我々のイマジネーションもぐんぐん広がらざるを得ないのです。不法滞在で逮捕される貧しい子供が万引きをするのはディズニーの絵本です。カメラは意図的にドナルド・ダッグの表紙を映していますので、これはアメリカを中心とする消費社会を示しているのでしょう。アメリカを意識しているのは、そこかしこで見受けられ、強盗事件が起きた後のニュースがマイケル・ジャクソンの児童虐待の報道であることからも明らかです。日本の寿司を食べてみたらどんな味だったか、なんてニュースも流れてきます。

このように、銀行強盗事件へと集結するという基本路線はあるものの、断片が内包しているものは別のルートからまた違う断片を我々に想像させ、その作業は観客の意思次第で無限に行うことができると言っても過言ではありません。これはもう、いつまでもしゃぶり続けることのできるキャンディのようなものです。しかも、中にはピンポンのレシーブ練習を延々と続けているというどこに繋げていいか分からない断片すら紛れ込んでいます。だから、観客は最終的に、球体を作れなくてもいいんです。おそらく、それはハネケの頭の中にしかないのでしょうから。でも、どこかで竹ひごを繋げるという作業の面白さが分かったら、きっとあなたもハネケ作品の虜です。観れば観るほど、竹ひごを繋げるのも上手になってくるはずです。

1〜 5件 / 全25件

新規ご登録はこちら

新規登録で
「定額レンタル4」月額1,026円(税込)を

14日間無料お試し!
  • 無料お試し期間中『新作』はレンタル対象外です。
    新作をレンタルする方法はこちら
  • ※本キャンペーンの無料お試しの対象者は、次の@ABのいずれかに該当する方に限ります。
  • @「TSUTAYA DISCAS」の定額プラン(定額プランの種類は問いません。以下同じ)の利用開始時に「無料お試し」を利用したことがない方
  • A2022年10月2日以前に「TSUTAYA DISCAS」の定額プランの利用を終了された方であって、2022年10月3日以降、「TSUTAYA DISCAS」の定額プランを利用していない方
  • B上記@Aのほか、当社が不定期で実施する期間限定キャンペーンにおいて、キャンペーン開始時に、当社が定める参加条件を満たした方
  • 無料お試し期間中(14日間)、新作はレンタル対象外です。(但し、上記Bの対象者に限り、新作もレンタル対象となる場合があります)
  • 無料お試し期間終了後、登録プラン料金で自動更新となります。

ご利用の流れ

ご利用の流れ

@ 会員登録

申し込みフォームへ記入

申し込みフォームへ記入したら登録完了!

A 作品をレンタル

作品をレンタル

借りたい作品をリストアップするだけ!
発送可能な商品を自宅にお届けします。

B ポストに返却

ポストに返却

商品をポストに投函すればOK!

よくあるご質問

よくあるご質問

もちろん無料お試し期間中に退会することも可能です。 また、その場合は料金は一切かかりません。

無料お試し中も、都度レンタルは、有料でご利用いただくことができます。
また、無料お試し中に解約され、何らかの理由でレンタル商品を期日までにご返却いただけなかった場合に、追加料金が発生する場合がございます。

定額プランは1つの封筒に2枚入り、お届けいたします。
届いた往復封筒でポストへご投函いただき、当社配送センターにてご返却を確認できましたら次の封筒を発送致します。繰り返しでご登録のプラン枚数までご利用いただけます。

各プランはこちら

各プランはこちら

  • 宅配レンタル 定額4プラン
    月額1,026円税込
    • DVD/CDが定額で月4枚レンタルできる!※1
    新規登録する
  • 都度課金 プラン
    無料会員 月額0円税込 ※都度レンタル時の費用は発生します
    • 月額無料で単品レンタルを楽しみたい方におすすめ!
    新規登録する

※1 無料お試し期間中の「新作」レンタルは対象外です。

71フラグメンツ