アダム　−神の使い　悪魔の子−

　「不慮の事故で息子を失った両親が息子を蘇らせる為に禁断の果実に手を伸ばす」というプロット。このプロットだけを聞けば誰もが（ホラーファンだけ？）『ペット・セメタリー』を思い出すに違いありません。しかし二つの映画はその「禁断の果実」が全く異なり、『ペット・セメタリー』では純粋にオカルトチックに死者を蘇らせるのに対して、本作はなんと「クローン技術」つまり科学の力で蘇らせるのです。ですから本作はジャンルとしてはＳＦのくくりでそこにサスペンスとホラーのエッセンスをミックスした作品です。
　お話の筋としてはかなり面白いんです。こういったストーリーはキライではありません。
言うなればロバート・デニーロ演じるちょっとアブナイ科学者が科学の力で死者から人造人間（クローン）を作り出すお話なので、悲哀に満ちたすばらしいＳＦが誕生する素地はあったのです。

　でも酷評が多いようにかなり中途半端なんです。何がって言うと全てが・・・。自分物設定、感情、人物の絡み合い、謎掛けなどなど、特に冒頭で意味ありげに登場する逸話や登場人物が本編の大筋とは全く関係なく最後まで意味が無かったのが最大に脱力した箇所です。

　キャスティングはかなり面白いんです。まあデ・ニーロは全く脱力した演技でしたけど。『X-MEN』のミスティークが実はこんな優しそうな表情の女性だったとは。あと、あまり可愛いとは思えないのですが子役のキャメロン・ブライト。『ウルトラヴァイオレット』や『X-MEN　ファイナル・ディシジョン』でも重要な役をやってましたね。まあ演技は上手ですがどうもオッサン顔が気になります。

　まあ酷評ほどにひどい作品ではないですがちょっと辛い部分も多いのも確か、あまり期待せずに見ればそれなりに楽しめるかと思います。


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私信
いつも私のレビューを読んでくださっている方ありがとうございます。一方通行のレビュー欄なのでレビューの中でお声を掛けて頂いてもなかなか挨拶をするタイミングが無い場合もあってちょっと気に掛けていましたがちょっとこの場をお借りしてご挨拶を。

100万回生きた猫さん、黒沢清ワールドへようこそ。おそらく私の方が二つ年下だと思います。でも同年代ですね。私も『ベン』のリメイクが見たいです。
べっちさんも黒沢ワールドに入ってますよね。『プライマー』私は途中で頭が痛くなって来ました。
翔華さん『ネバーランド』のレビュー読んでいただき有難うございます。翔華さんもまだ投稿数は多くないですが今私の中で注目のレビュアーさんです。
まゆまゆさん、以前からレビューは拝見しております。そのレビューの中に自分の名前を見つけてビックリです。
tomioさん、ローズさんとtomioさんのレビューから広がった『オレンジカウンティ』密かに人気急上昇中ですね。感謝。
みみさんにも随分に以前に声を掛けて頂いたのですが、ご挨拶の機会を逃していました。
皆様本当に有難うございます。
誤字脱字も多く（すいません）つたない文章ですが、自分なりに感じた事をこれからも書いていこうと思いますので、またよろしければ読んでください。

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デニーロはこんな役、合って無いよ。
悪役、それもクールでかっこいいのは素敵でバチっとハマるし、コメディーもいける！面白い。

しかし…この作品では善人の面をかぶったエゴおやじ。最低。
この役がデニーロが最適なんて誰が思ったんだ！
むかつく。

で、ホラーとしても、なんだかな〜。。。
怖くないし、パッとそないし、本当、全体的に残念な作品です。


もし、我が子を失ったとして…
私なら、クローンはいらないな。。。
失った悲しみはわかるけど…

又、二人で愛し合って赤ちゃん産めばいいのにね。

私は亡くなった子にもクローンで生まれた来た子にも罪悪感感じるわ。

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　　なんじゃろ、「ブラジルから来た少年」と「オーメン」足して二で割ったみたいな・・・・　解説やら読んでの感想。
　　クローンを扱ったホラー、興味はあるが大したことなさそう・・・・　ってところでJUCEさんのレビューを読んで、間違いなくC調ムービーだとわかったから、割り切って見られた。JUCEさんありがとうございました（コメントもいただき恐縮です）。

　　オープニングのタイトルバック、細胞分裂らしいけどまったくそうは見えない・・・・　でも傘で混み合う俯瞰とオーバーラップする映像はバクテリオファージの増殖を思わせてぞくっとさせる。
　　滑り出し、そして全体の空気は悪くない。ただなにを作りたいのかがいまひとつ見えてこずに話は進む。

（以下ネタバレあります）

　　オープニングでも明らかなように、「科学」の要素については手抜きを決め込んでいる作品。それがはっきりと明らかになるのがクローンの成否について医師が説得するシーン。
　　通常の体外受精でも着床の可能性が「完璧」なんてのは夢のまた夢。ところがこのセンセ、クローンで妊娠は確実だなどとのたまう。
　　これを非科学的だと笑う気は毛頭ない。「こりゃきっと科学以外の何かの力を借りているに違いない」そう確信しましたね、アチキ。
　　実際、話はどうやらそっち方向に進んでいく。クローニングで記憶が継承されるわけはないのだけど、ま、C調映画ならそういうこともあっておかしくはない。しかしクローンとはまったく関係なさそうな個体の記憶が入り込んできているとすれば、そりゃやっぱり「アッチ」関係の力を借りてるでしょう。

　　そう悪魔に魂を売った科学者、いやあデ・ニーロさんにふさわしい役どころじゃありませんか！

　　ところがどっこい、デ・ニーロさんたらたしかに「悪魔に魂を売ったような」科学者ではあるのですが、肝心の悪魔さんのことはお忘れで、全部ご自分でなさってしまったみたい。
　　全然説得力のない「科学的な」説明がとってつけられるのですが、屁理屈にもなっていないので理解不能でした。

　　思うにオカルトホラーと科学サスペンス、二つのシナリオがあって撮影中もどちらにするか決まってなくて、仕方なくでっち上げて公開しちまった・・・・　そんな裏話があるのではとかんぐりたくなる。

　　あながちハズレではないと思うのは、終盤の教会での格闘シーン以降を見て。
　　クローン少年アダムの父親とデ・ニーロふんする医師とが教会で取っ組み合い、デ・ニーロは父親を燭台か何かで思いっきりぶん殴るわ祭壇の蝋燭は倒れて、立ち去るデ・ニーロの背後では教会が煙を上げてるわ・・・・　これって父親が死んじゃったことを暗示してないかい。
　　そしてザカリーの霊（？）に取り憑かれたアダムに妻が襲われてる現場に駆けつける父。後頭部を思いっきり殴られて出血してるはずなのにそんな様子は微塵も感じられない。おまけにアダムは彼を「父さん」と呼ぶが・・・・　もしかしてデ・ニーロ医師が彼の体をのっとったか？！
　　「順当な」ホラーだったらこんな解釈になるところなんだけどね。ところがデ・ニーロはよそに出奔してるのが明らかになっちゃう。

　　うーん、全然ひねりがないぞ。というか、ひねった話を強引にもう一度もとに戻しちゃった、そんな感じ。

　　恐怖映画の見せ方として、一つ一つのシーンはちゃんと出来てるし、全体をオカルトホラーとして一本通して編集しなおせば結構面白くなると思う。
　　デ・ニーロ出てるから、中途半端でも公開しちゃえ、そんなとこですかね。

　中途半端です・・・。
　最愛の息子を事故で亡くした夫婦が、突然訪ねてきたデ・ニーロに、クローン技術による息子の再生を持ちかけられ、悩んだ挙句、その提案を受け入れ、無事クローン息子を出産。生前の息子と同じくアダムと名付け、しばらくは平穏な月日が流れるが、アダムが（オリジナル・アダムが死んだ）８歳を迎えた時、不気味な変貌を遂げていく・・・。
　何となく、面白そうだし、じっさい観ていて続きも気になります。
　なのに・・・どこにも着地しないまま、なんの決着もつかないまま、映画は終わってしまいます。しかも最後の最後に変な煽りの場面まで入れて。何や、あれは。
　それに、いちおうアダムの変貌の真実らしきものは説明されるのですが、まったく腑に落ちません。この手の映画のオチなんて少々荒唐無稽でも、それっぽい理由でそれなりに納得できることがほとんどなのに、本作はダメです。
　“だから、いったいなんやねん！”というモヤモヤだけが残ってしまいました。

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アダム８才のバースディ・パーティ。友人たちに囲まれ賑やかに催されている。とても幸せそうな家族が映しだされる。
ある日、ママから買ってもらったスニーカーを履きご機嫌なアダムはそのままお店の外に出る。そして突然、交通事故に巻き込まれ亡くなってしまう。悲しみに暮れる両親のポールとジェシーだが、雪が降りしきる中お葬式の準備を始める。そこへウエルズと名乗る産婦人科医が現れた。貴方たちを助けたい、違法な行為だがアダムのクローンを作ることが出来ると話を持ちかけられる。ポールは反対だったがジェシーの意見に従いそれは実行された。ウエルズの紹介で、リバートンと言う田舎町に引っ越し、築１００年の洋館に住むことになった。大きなお腹を抱え微笑むジェシー。その後、アダムそっくりの男の子が生まれた。
そして８年の月日が流れ、アダム８才のバースディ・パーティが催された。とても幸せそうな一家でアダムも良い子に育っているようだ。ウエルズも招かれ、アダムはおじさんと呼びとてもよくなついている様子が伺える。
しかし、アダムはこの頃から悪夢に悩まされる日々が続く。恐ろしい火事の現場や子供たちの泣き叫ぶ姿がアダムを苦しめる。
ラストに向かい次第に明らかにされていく衝撃の事実・・・。そしてどんでん返しに私は恐怖と怒りを感じた。
そしてラスト、あのままの状態で幕が閉じられるのは納得がいかない・・・。