悪魔の虚像

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　僕がドッペルゲンガーという現象（と言って良いのか）を知ったのは、テレビで放映されたオムニバス映画『世にも怪奇な物語』のルイ・マル編だったような気がします。ドッペルゲンガーと対決するアラン・ドロンが美しく、ラストの衝撃もあってとても印象的でした。それ以前に作られている、本作と同じ原作「ペラム氏の事件」を映像化したヒッチコック劇場はたぶん見ていないと思います。
　そっくりな自分が現れ、それはどちらかというと邪悪な精神の持ち主であり、この世での存在をめぐって自分自身と争うはめになる――という物語は、さまざまに形を変えながら小説や映画に生き続けています。この『悪魔の虚像』は、ドッペルゲンガーをスタンダードに、きっちりと描いているように思え、とても面白い作品です。
　もちろん１９７０年の作品ですから、昨今の映画の視覚効果やスピーディなテンポは期待できません。けれども、物語の発端となる自動車のシーン（ドッペルゲンガーが生まれようとする瞬間を巧みに表現している）のイマジネーションはとても素晴らしいですし、その後もサスペンス映画として見事な出来栄えです。追いかけても追いかけても、なかなかドッペルゲンガーに出会えないあたりの呼吸がいいと思いました。
　廉価セル版の特典では、ジョー・ダンテとスチュアート・ゴードン（！）が本作の魅力を語っていてとても興味深いところです。『死ぬのは奴らだ』より少し前のロジャー・ムーアもなかなかに演技派で二役を楽しませてくれますし、ネクタイやカラーや英国紳士のマストアイテムたる山高帽に傘という小道具の使い方もうまい。必ずしも本人＝善、ドッペルゲンガー＝悪とは限らないというのもまた面白く、終盤からラストにかけての追跡劇はさまざまに光や映像を工夫しての鮮烈なイメージの連続で、とても感心しました。
　惜しむらくは、ＤＶＤの字幕が非常に荒っぽく、興ざめしかねないほどの出来の悪さでしょうか。メジャー会社の発売なので、ちょっとこれは残念です。７５点。

これは掘り出し物。隠れた秀作で、アナログ的サスペンスの上級品です。
邦題に「ドッペルゲンガー」を付けたのはいただけませんねえ。ドッペルゲンガーのことを知っている人には重大なネタばれになってしまいます。それでもこの作品には十分な見ごたえがありますが。
主人公役のロジャー・ムーアが意外なほどの演技派ぶりを見せており、’７０年代らしい適度に抑えの効いたお色気ムードもナイス。
特典映像で、二人の著名監督(ジョー・ダンテ、スチュアート・ゴードン)により、この映画のすばらしさがじっくりと解説されています。

満点(５)でもいいくらいだけど、ロジャー・ムーアの髭だけは違和感あり。−０．５。
そんなことで減点するなって？
失礼すますた。

ドッペルゲンガーと聞いただけでレンタルしてみました。
まさか００７のロジャームーアが主演していたとは！、いい加減なレンタルの仕方。

そもそもドッペルゲンガー（分身、時として多重人格）はミステリーにはおいしいネタ。
それだけにどう料理するのかが楽しみでした。

このドッペルくんもヤヌスの鏡ばりに生真面目な男とプレイボーイの正反対の人格に分かれた分身。

多重人格だったのか？、ジキルとハイドなのか？そしてラストは？
なかなかラストまで？の展開で楽しませたくれました。
７０年の作品で古くさい感じはしますが、英国の紳士階級の暮ぶりはカッコイイ感じがしました。
ロジャームーアはやっぱり００７にピッタリかも。

古めかしく出だしのテンポはゆっくり目ですが、楽しめました。

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字幕ー！
字幕古いー！おもすれー！

それにつきます。この映画のよさは古さにある。
時代を感じますねぇ…紳士クラブとかいいな…

肝心の物語ですが、ラストが微妙になぞでした。
生真面目なほうの男が死んだ時、なぜドッペルゲンガーのほうがおなかを押さえていたのでしょうか？おそらく意味があるんでしょうけれど、わからなかったです。

ホラー？サスペンス？
怖い映画にはまりたての方もどうぞ。