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三時間を超える大作だが、その長尺を気にさせないJ・リヴェットの映画遊戯の迷宮。パリの公園のベンチで魔術の本を読んでいたジュリー(ラブリエ)はふとした事からセリーヌ(ベルト)と知り合う。唐突に開始される二人の共同生活。やがて、郊外の屋敷にひきつけられた二人は、そこで起こる少女毒殺に至る物語を幾度となく幻視する。二人は結末を変え少女を助け出そうとするのだが……。
製作年: |
1974年 |
---|---|
製作国: |
フランス |
原題: |
CELINE ET JULIE VONT EN BATEAU |
監督: |
ジャック・リヴェット |
---|---|
出演: |
ジュリエット・ベルト 、 ドミニク・ラブリエ 、 マリー・フランス・ピジェ 、 バーベット・シュローダー 、 ビュル・オジェ 、 ナタリー・アズナル |
脚本: |
ドミニク・ラブリエ 、 ビュル・オジェ 、 エドゥアルド・デ・グレゴリオ 、 マリー・フランス・ピジェ 、 ジュリエット・ベルト 、 ジャック・リヴェット |
撮影: |
ジャック・ルナール 、 ジャック・レナール |
音楽: |
ジャン=マリー・セニア |
三時間を超える大作だが、その長尺を気にさせないJ・リヴェットの映画遊戯の迷宮。パリの公園のベンチで魔術の本を読んでいたジュリー(ラブリエ)はふとした事からセリーヌ(ベルト)と知り合う。唐突に開始される二人の共同生活。やがて、郊外の屋敷にひきつけられた二人は、そこで起こる少女毒殺に至る物語を幾度となく幻視する。二人は結末を変え少女を助け出そうとするのだが……。
製作年: |
1974年 |
---|---|
製作国: |
フランス |
原題: |
CELINE ET JULIE VONT EN BATEAU |
監督: |
ジャック・リヴェット |
---|---|
出演: |
ジュリエット・ベルト 、 ドミニク・ラブリエ 、 マリー・フランス・ピジェ 、 バーベット・シュローダー 、 ビュル・オジェ 、 ナタリー・アズナル |
脚本: |
ドミニク・ラブリエ 、 ビュル・オジェ 、 エドゥアルド・デ・グレゴリオ 、 マリー・フランス・ピジェ 、 ジュリエット・ベルト 、 ジャック・リヴェット |
---|---|
撮影: |
ジャック・ルナール 、 ジャック・レナール |
音楽: |
ジャン=マリー・セニア |
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
186分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル/モノラル/フランス語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
COBM5547 | 2007年12月19日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
2枚 | 3人 | 1人 |
収録時間:
186分
字幕:
日本語
音声:
1:ドルビーデジタル/モノラル/フランス語
レイティング:
記番:
COBM5547
レンタル開始日:
2007年12月19日
在庫枚数
2枚
1位登録者:
3人
2位登録者:
1人
DVD
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
186分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル/モノラル/フランス語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
COBM5547 | 2007年12月19日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
2枚 | 3人 | 1人 |
収録時間:
186分
字幕:
日本語
音声:
1:ドルビーデジタル/モノラル/フランス語
レイティング:
記番:
COBM5547
レンタル開始日:
2007年12月19日
在庫枚数
2枚
1位登録者:
3人
2位登録者:
1人
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僕も実にこの映画のレビューが書きにくくて、もう二カ月近くも書いては消してを繰り返しています(その間に三回借りた)。それは、先達のレビューがそれぞれ素晴らしいことも一因なのですが、それより、どう書いてもこの作品の愉しさを少しも表現できていないような気がしてしまうからです。
あえて乱暴にカテゴライズすると、本作は「不思議の国&鏡の国のアリス」にインスパイアされた、「ファンタジー・コメディ」の大傑作とでも言えましょうか。楽しく、笑いと高揚感に満ちた三時間を過ごし、上映時間残り数分。本作の白眉ともいえる美しくも可笑しい湖上のシーンのあと、映画は無造作に、かつ鮮やかに、美しい円環を完成させて終わります。『北の橋』の開かれたラストとは実に対象的で、この閉じた終幕によって『セリーヌとジュリーは舟でゆく』の世界は永遠に持続し、回り続けるのでしょう。おそらく、次はセリーヌとジュリーがすべての役を入れ替えての「鏡の国」の冒険です。そして次々回は、また本作に戻るのです。冒頭に掲げられたphantom ladiesとは、セリーヌとジュリーのことだったのだ、と思いました。
素人考えの駄解釈はさておき、リヴェットは女性を演出するのが本当にうまいと思います。・・・公園のベンチに座ったジュリーが足で魔方陣(?)を描いて呪文を唱えると、セリーヌが駆けてくる。落し物をしたので追いかけると、追いかけっこになる。どうしてそうなるのか、特に理由はありません。たぶん楽しいからでしょう。モンマルトルの丘に登るケーブルカーに並走して、ヒールの音を響かせながら階段を駆け上がるジュリーは実に楽しげで、それを見るセリーヌも何か楽しいことが始まりそうな予感を抱いています。
実際、彼女たちは互いに入れ替わることで楽しいことに遭遇します。公園でのギルー(このキャラ最高)とセリーヌの大爆笑の一幕、手品ショーに代役で立つジュリーの雄姿も実に楽しい。
主人公ふたりの自然な芝居と対称的なのが、まさに幻影のようにインサートされる、謎のお屋敷で毎日繰り広げられているメロドラマです。この実に大時代な通俗芝居を、セリーヌとジュリーは居間で映画を観るように幻視するのですが、ついにふたりで「映画」の中に入っていくと、大ドタバタの末に可哀相な少女を助け出そうとします。
この二通りの芝居の絶妙な混合が、ほとんどコントのようなおかしさを醸し出しているのを観ながら、ふと、『カイロの紫のバラ』を思い出しました。ウディ・アレンがこのセリーヌとジュリーの活躍を観ていないと言っても、にわかには信じられないような気もしました。アレンの物語は最終的に現実と映画の世界が再び分かたれ、安定するというものでしたが、ジャック・リヴェットは、アレンほど制約を受けていないのでしょう、軽々と異界へと越境したまま、前述したように、観客を予想もつかないところへ導いてくれます。90点。
このレビューは気に入りましたか? 15人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
まだ見ていない人がうらやましい。やっぱり、一番最初に見た時のどきどきわくわくが、一番カラフルで大きいから。ラスト手前の、蝋人形のように固まったオリビエ、カミーユ、ソフィーをのせた舟が、すーっと不自然なスピードで横切るシーンに、背筋がぞくっとし、鳥肌が立った。3時間以上映画館の暗闇に座っていたのに、そのまま続けて見ちゃった。
魔法に興味津々の図書館員ジュリーと、自称魔術師の踊り子ちゃんセリーヌが午後ののどかな公園でばったり出逢う場面からお話は始まる。ジュリーがセリーヌを追いかける。セリーヌがジュリーを追いかける。ジュリーの思い出がセリーヌの思い出になって、セリーヌの思い出がジュリーの思い出に。ひっくりがえってかわりばんこで、どっちが頭でおしりだかわからなくなる。
そんなふたりが、閉ざされた屋敷内で妻を失ったオリビエとその娘マドリン、オリビエを巡る争奪戦を繰り広げるカミーユとソフィーの、舞台とも日常ともつかない世界をのぞいてしまう。こちらの世界に戻ってきたときに、口の中からぽろっと出てきたキャンディーが、またあちらの世界に連れて行ってくれることを発見し、その物語に夢中になるうちに、マドリンの命が狙われていることに気づく。あちらの世界で、看護婦アンジェルとして登場できるまでになって、セリーヌとジュリーが代わる代わるマドリン救助に立ち向かうのだが・・。
もう、何回見ただろう。いまのところ、断トツで一番好きな映画だ。自分も、なんかセリーヌとジュリーと一緒になって、あっちへ行ったりこっちへ来たり。リヴェットの撮るモンマルトルの坂道と階段のやたらと多い町並みも素敵で。
セリーヌ役のジュリエット・ベルトと、カミーユ役のビュル・オジェは、この映画でその魅力を知った。ジュリエット・ベルトはゴダール作品にたくさん出ているけど、そこでは全然気になる女優さんではなかった。セリーヌ役は、ほんとに彼女にぴったりで、この映画の脚本にも関わって、この後自分で監督をするまでになるので、彼女にとってもリヴェットとの出逢いはきっと転機になったと思う。残念ながら、わたしが彼女を知ったときにはもう、癌で他界した後だった。
ビュル・オジェは、今思えば、もうこの時はパスカル・オジェを生んだあと。とても出産した人には見えない。真っ赤なドレス。壊れそうな、硝子細工みたいに繊細な存在。ショッキングピンク、深紅、真っ赤なばら、ガーベラ、ダリアを束ねる姿も美しい。
お気に入りのシーンもほんとにたくさんある。
セリーヌがジュリーになりすまして、ジュリーの初恋の相手グレゴワールと公園でデートする。たぶん、平日の午後に普通に公園で遊ぶ子供たちやその母親たちに、特に映画の撮影ですとか説明せずに撮ったのでは。お芝居がかった正装のふたりが、大仰に語り合い、ダンスで頂点に!のバックで、普段着の子供たちがなんなの、この二人?って笑いながら不思議がってるのがシュールで対照的。なんか、こういうばかばかしさとか、お遊びを楽しんでるかんじが、このシーンをはじめ、映画全体ににじみ出ている。
アンジェルに扮して二人で屋敷に乗り込んで、交互に登場する段取りが、誤って同時に出てしまってからのしっちゃかめっちゃかぶりも、愉快痛快。鏡に映ってるていで、演技するんだけど、全然対称になってなかったり。そうそう、屋敷の部屋にはどの部屋にも鏡がある。これも印象的。だるまさんがころんだのシーンも大好きだし、全身タイツにローラースケートで、夜の図書館に忍び込むところも大好きだし、挙げていくときりがない。
さいごはひっくりかえって、またさいの目が振り出しになって、ぐるぐるぐるぐる、まるでメビウスの輪のように永遠に続いていく。このさいごを、夢おち、とか評する人もいるんだけど、わたしはそうじゃないと解釈してる。で、いまも、さかさりんご通りのあの屋敷の閉ざされた扉の向こうで、オリビエとマドリンとソフィとカミーユとアンジェラが、今日もあの演目を繰り返している気がする。
何度も挿入される猫ちゃんがまたかわいい。
わたしは今回も2回続けて見てしまったけど、これ、退屈な人は退屈なんだろな(笑)。わたしにはめくるめくパノラマ万華鏡。
このレビューは気に入りましたか? 12人の会員が気に入ったと投稿しています
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
パリの街が大きく貢献しているのだとは思いますが、この映画に映し出される外の風景は、どこを切り取ってもポスターになるぐらい絵になっています。
眺めているだけでも楽しい。
冒頭の手品師と図書館司書の主人公二人の出会いと、追いかけっこ、そして、突然の同居。
ここまでで、もうこの映画の虜になります。
その後は、観る側に想像力を強いられる展開に。
ストーリィは、逆さリンゴ通りにある家が現実と空想の境界になっていて、その家の外と内、両方の世界での、少しシュールな物語。
「ところが、次の朝」という表現にみられるように、次に何が来るのか、二人の行動に予想がつきません。
いろいろと次の展開を考えながら観ていても、どうにも追いつきません。
途中で、どちらが現実で空想なのか、逆に考えることは難しいのですが、いっそのこと最後は現実と空想が反対になったらとか、考えて観ていました。
結局、少し交錯してしまうのですが。
それで、ラストは二人の役割が逆転したり、メビウスの輪になったりしたのかな?
実際に存在する家を見て、その中で起こっていることを空想しながらジャック・リベットはこの作品をつくったのでしょうか?
それとも、二人の女性の友情を通して子供の頃にともだちとつくった秘密の場所の大人版を想ったのか。
観るこちら側の想像力が刺激されます。
但し、逆さリンゴ通りの家の中での出来事の繰り返しがうっとうしく、終盤にくると息がつまりそうだったので、個人的には、「北の橋」の方が好みです。
どちらも感性が、きらきらきらめくチャーミングな秀作。
だけど、体調がよくない時に観たせいか、3時間以上は、長かった。ぜいぜい。
よふかしさん、真さん、ポッシュさん、リナさん、tomioさん、高評価ですね。
レビューが参考になりました。
よふかしさんは、3回も観られましたか。
私は、二度観る気力がありません。
よふかしさんがご指摘されている「アリス」は、まさに、冒頭とラストの落し物をしながら走っていくところが、アリスに登場するウサギの姿を思い出します。
mayumiさんやメメスケ君さんのおっしゃるように途中で寝てしまったり、観ることをやめる人がいるということも肯定できます。
この作品は、ご覧になった方々の感想が、すごく気になります。それだけ不可思議。
そういえば、nekoさんのレビューが8月に入ってありませんね。お元気かな。
このレビューは気に入りましたか? 10人の会員が気に入ったと投稿しています
入力内容に誤りがあります。
内容をご確認のうえ、修正いただきますようお願いいたします。
ユーザーレビュー:24件
投稿日
2008/03/04
レビュアー
よふかし※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
僕も実にこの映画のレビューが書きにくくて、もう二カ月近くも書いては消してを繰り返しています(その間に三回借りた)。それは、先達のレビューがそれぞれ素晴らしいことも一因なのですが、それより、どう書いてもこの作品の愉しさを少しも表現できていないような気がしてしまうからです。
あえて乱暴にカテゴライズすると、本作は「不思議の国&鏡の国のアリス」にインスパイアされた、「ファンタジー・コメディ」の大傑作とでも言えましょうか。楽しく、笑いと高揚感に満ちた三時間を過ごし、上映時間残り数分。本作の白眉ともいえる美しくも可笑しい湖上のシーンのあと、映画は無造作に、かつ鮮やかに、美しい円環を完成させて終わります。『北の橋』の開かれたラストとは実に対象的で、この閉じた終幕によって『セリーヌとジュリーは舟でゆく』の世界は永遠に持続し、回り続けるのでしょう。おそらく、次はセリーヌとジュリーがすべての役を入れ替えての「鏡の国」の冒険です。そして次々回は、また本作に戻るのです。冒頭に掲げられたphantom ladiesとは、セリーヌとジュリーのことだったのだ、と思いました。
素人考えの駄解釈はさておき、リヴェットは女性を演出するのが本当にうまいと思います。・・・公園のベンチに座ったジュリーが足で魔方陣(?)を描いて呪文を唱えると、セリーヌが駆けてくる。落し物をしたので追いかけると、追いかけっこになる。どうしてそうなるのか、特に理由はありません。たぶん楽しいからでしょう。モンマルトルの丘に登るケーブルカーに並走して、ヒールの音を響かせながら階段を駆け上がるジュリーは実に楽しげで、それを見るセリーヌも何か楽しいことが始まりそうな予感を抱いています。
実際、彼女たちは互いに入れ替わることで楽しいことに遭遇します。公園でのギルー(このキャラ最高)とセリーヌの大爆笑の一幕、手品ショーに代役で立つジュリーの雄姿も実に楽しい。
主人公ふたりの自然な芝居と対称的なのが、まさに幻影のようにインサートされる、謎のお屋敷で毎日繰り広げられているメロドラマです。この実に大時代な通俗芝居を、セリーヌとジュリーは居間で映画を観るように幻視するのですが、ついにふたりで「映画」の中に入っていくと、大ドタバタの末に可哀相な少女を助け出そうとします。
この二通りの芝居の絶妙な混合が、ほとんどコントのようなおかしさを醸し出しているのを観ながら、ふと、『カイロの紫のバラ』を思い出しました。ウディ・アレンがこのセリーヌとジュリーの活躍を観ていないと言っても、にわかには信じられないような気もしました。アレンの物語は最終的に現実と映画の世界が再び分かたれ、安定するというものでしたが、ジャック・リヴェットは、アレンほど制約を受けていないのでしょう、軽々と異界へと越境したまま、前述したように、観客を予想もつかないところへ導いてくれます。90点。
投稿日
2008/01/03
レビュアー
真※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
まだ見ていない人がうらやましい。やっぱり、一番最初に見た時のどきどきわくわくが、一番カラフルで大きいから。ラスト手前の、蝋人形のように固まったオリビエ、カミーユ、ソフィーをのせた舟が、すーっと不自然なスピードで横切るシーンに、背筋がぞくっとし、鳥肌が立った。3時間以上映画館の暗闇に座っていたのに、そのまま続けて見ちゃった。
魔法に興味津々の図書館員ジュリーと、自称魔術師の踊り子ちゃんセリーヌが午後ののどかな公園でばったり出逢う場面からお話は始まる。ジュリーがセリーヌを追いかける。セリーヌがジュリーを追いかける。ジュリーの思い出がセリーヌの思い出になって、セリーヌの思い出がジュリーの思い出に。ひっくりがえってかわりばんこで、どっちが頭でおしりだかわからなくなる。
そんなふたりが、閉ざされた屋敷内で妻を失ったオリビエとその娘マドリン、オリビエを巡る争奪戦を繰り広げるカミーユとソフィーの、舞台とも日常ともつかない世界をのぞいてしまう。こちらの世界に戻ってきたときに、口の中からぽろっと出てきたキャンディーが、またあちらの世界に連れて行ってくれることを発見し、その物語に夢中になるうちに、マドリンの命が狙われていることに気づく。あちらの世界で、看護婦アンジェルとして登場できるまでになって、セリーヌとジュリーが代わる代わるマドリン救助に立ち向かうのだが・・。
もう、何回見ただろう。いまのところ、断トツで一番好きな映画だ。自分も、なんかセリーヌとジュリーと一緒になって、あっちへ行ったりこっちへ来たり。リヴェットの撮るモンマルトルの坂道と階段のやたらと多い町並みも素敵で。
セリーヌ役のジュリエット・ベルトと、カミーユ役のビュル・オジェは、この映画でその魅力を知った。ジュリエット・ベルトはゴダール作品にたくさん出ているけど、そこでは全然気になる女優さんではなかった。セリーヌ役は、ほんとに彼女にぴったりで、この映画の脚本にも関わって、この後自分で監督をするまでになるので、彼女にとってもリヴェットとの出逢いはきっと転機になったと思う。残念ながら、わたしが彼女を知ったときにはもう、癌で他界した後だった。
ビュル・オジェは、今思えば、もうこの時はパスカル・オジェを生んだあと。とても出産した人には見えない。真っ赤なドレス。壊れそうな、硝子細工みたいに繊細な存在。ショッキングピンク、深紅、真っ赤なばら、ガーベラ、ダリアを束ねる姿も美しい。
お気に入りのシーンもほんとにたくさんある。
セリーヌがジュリーになりすまして、ジュリーの初恋の相手グレゴワールと公園でデートする。たぶん、平日の午後に普通に公園で遊ぶ子供たちやその母親たちに、特に映画の撮影ですとか説明せずに撮ったのでは。お芝居がかった正装のふたりが、大仰に語り合い、ダンスで頂点に!のバックで、普段着の子供たちがなんなの、この二人?って笑いながら不思議がってるのがシュールで対照的。なんか、こういうばかばかしさとか、お遊びを楽しんでるかんじが、このシーンをはじめ、映画全体ににじみ出ている。
アンジェルに扮して二人で屋敷に乗り込んで、交互に登場する段取りが、誤って同時に出てしまってからのしっちゃかめっちゃかぶりも、愉快痛快。鏡に映ってるていで、演技するんだけど、全然対称になってなかったり。そうそう、屋敷の部屋にはどの部屋にも鏡がある。これも印象的。だるまさんがころんだのシーンも大好きだし、全身タイツにローラースケートで、夜の図書館に忍び込むところも大好きだし、挙げていくときりがない。
さいごはひっくりかえって、またさいの目が振り出しになって、ぐるぐるぐるぐる、まるでメビウスの輪のように永遠に続いていく。このさいごを、夢おち、とか評する人もいるんだけど、わたしはそうじゃないと解釈してる。で、いまも、さかさりんご通りのあの屋敷の閉ざされた扉の向こうで、オリビエとマドリンとソフィとカミーユとアンジェラが、今日もあの演目を繰り返している気がする。
何度も挿入される猫ちゃんがまたかわいい。
わたしは今回も2回続けて見てしまったけど、これ、退屈な人は退屈なんだろな(笑)。わたしにはめくるめくパノラマ万華鏡。
投稿日
2008/08/21
レビュアー
カプチーノ※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
パリの街が大きく貢献しているのだとは思いますが、この映画に映し出される外の風景は、どこを切り取ってもポスターになるぐらい絵になっています。
眺めているだけでも楽しい。
冒頭の手品師と図書館司書の主人公二人の出会いと、追いかけっこ、そして、突然の同居。
ここまでで、もうこの映画の虜になります。
その後は、観る側に想像力を強いられる展開に。
ストーリィは、逆さリンゴ通りにある家が現実と空想の境界になっていて、その家の外と内、両方の世界での、少しシュールな物語。
「ところが、次の朝」という表現にみられるように、次に何が来るのか、二人の行動に予想がつきません。
いろいろと次の展開を考えながら観ていても、どうにも追いつきません。
途中で、どちらが現実で空想なのか、逆に考えることは難しいのですが、いっそのこと最後は現実と空想が反対になったらとか、考えて観ていました。
結局、少し交錯してしまうのですが。
それで、ラストは二人の役割が逆転したり、メビウスの輪になったりしたのかな?
実際に存在する家を見て、その中で起こっていることを空想しながらジャック・リベットはこの作品をつくったのでしょうか?
それとも、二人の女性の友情を通して子供の頃にともだちとつくった秘密の場所の大人版を想ったのか。
観るこちら側の想像力が刺激されます。
但し、逆さリンゴ通りの家の中での出来事の繰り返しがうっとうしく、終盤にくると息がつまりそうだったので、個人的には、「北の橋」の方が好みです。
どちらも感性が、きらきらきらめくチャーミングな秀作。
だけど、体調がよくない時に観たせいか、3時間以上は、長かった。ぜいぜい。
よふかしさん、真さん、ポッシュさん、リナさん、tomioさん、高評価ですね。
レビューが参考になりました。
よふかしさんは、3回も観られましたか。
私は、二度観る気力がありません。
よふかしさんがご指摘されている「アリス」は、まさに、冒頭とラストの落し物をしながら走っていくところが、アリスに登場するウサギの姿を思い出します。
mayumiさんやメメスケ君さんのおっしゃるように途中で寝てしまったり、観ることをやめる人がいるということも肯定できます。
この作品は、ご覧になった方々の感想が、すごく気になります。それだけ不可思議。
そういえば、nekoさんのレビューが8月に入ってありませんね。お元気かな。
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セリーヌとジュリーは舟でゆく