パフォーマンス／青春の罠

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　ミック・ジャガーの初出演作というより、ニコラス・ローグの初監督（共同）作品として以前から観たかった一本。一部ではカルトと言われているみたいですが、その単語から想像する「マニア向け」ということもなく、まっとうで（というか）面白い作品でした。もっとも収録のドキュメンタリーによると、ローグは主として絵作りに専心しており、演出はドナルド・キャメルが主にしていたようです。この人、割と好きな『デモンシード』などを後に撮るのですが、才能ありそうなのにどこかうまく行かなかったのでしょうか、90年代に自殺してしまったそうです。

　映画は今ならガイ・リッチーあたりが撮りそうな、英国風ギャング＆ヴァイオレンスものとして始まります。暴力に長けたボスの用心棒（ジェームズ・フォックス）が問題を起こし、追われる身となって偶然逃げ込んだ先が、ロンドンの片隅の寂れた古いアパート。そこには引退したロック・スター（ミック・ジャガー）とその愛人（アニタ・パレンバーグ）がいて……。
　たとえばヒチコックの『サイコ』のように、思いがけない方向に映画がグンとカーブを切って実に面白いのです（とはいうものの、逃げるギャングという物語の基本線を映画は最後までけっして踏み外さないので、まとまりがよく、カルト的ではないと僕は感じるのです）。
　ギャングと才能が枯渇したらしい元ロック・スターが出会い、触発し合い、ドラッグとセックスと暴力のスパイスもからめて、何かが生まれてゆく。現時点からするととても6、70年代的な展開と演出で、そのサイケな感じは古臭く思われても仕方ないかもしれません。しかしジャガーとパレンバーグの存在感はいまでもとても魅力的に映ります。終盤の「史上初のPV」部分はいまでも古びていないでしょう。
　僕はそれほどストーンズが好きというわけでもないのですが、どうやら本作がクランクインした時にはまだブライアン・ジョーンズはメンバーで、この作品が長々と編集に手間をかけている間に『ワン・プラス・ワン』があって、ジョーンズは脱退し、この世を去ってしまう、そうした時の流れにはやはり感慨を持ちます。それだけ練った編集は、やはり当時としてはかなり先鋭的なものだったと想像できますし、今でもなお観る側（つまり僕）の神経をピリピリと刺激してやみません。ラストもなかなか考えさせます。ミック・ジャガーのパフォーマンス込みで、70点。

ミック・ジャガーの映画初主演作品ということで、見てみたかった映画。最近のモンスターのようになってしまったミックばかり見慣れてしまった身には、若かりしころのミックはまぶしいです。
いやああああ、これは。
美しいですなあ。ってか、妖艶でセクシー。そしてスキャンダラス。当時の彼の立ち居地が非常によくわかります。

しかし、ミックはこの映画では実は後半から登場する脇役であるわけですよね。主役はジェームス・フォックスです。
ジェームス・フォックスだって、十分に存在感のある俳優なわけで、彼がこんな役柄に挑戦したってのはもっとフォーカスされてもいいんじゃないか、と思うわけですが。

当時の予告編などを見てみると、ミック・ジャガーのほうが主役なんじゃないかと思うような取り扱いです。
予告映像もミックのプロモ映像とみまごうようなものばかり。確かに、化粧してエキセントリックなファッションに身を包んだミックが、中年太りのハダカの男性を回りに配置して怪しげに歌いまくるあたりは、かなり芸術的に絵になっています。

この映画は、ミックを見るために劇場にやってくる人も大いにアテにしていたんでしょう。非常にそんな傾向の強い映画です。


ストーリーや描いている世界観は、悪くはないと思うんです。意外と伏線もあって、暴力シーンなんかも半端じゃなくておもしろい。前半はそんなハードボイルド風な緊張感もあって、好奇心をそそります。その前半から後半に突入するにつれ、なんだかストーリーは漠然としはじめて、最後には爽快感を失っていきます。

これ、なんじゃろうなあ、と思っていたのですが、どうもこの映画は何度も何度も編集を繰り返されているみたいですね。当初の編集ではミックが登場する場面が後半かなり遅くなってからだったためにミック目当ての観客のブーイングを買い、急遽前半にミックの意味のないショットを挿入したりしているようです。
公開後も編集を何度か繰り返している模様。

前衛的なもの、エネルギーのあるものを作りたい！　と気鋭の気持ちで取り組んで、そこに稀代のスターが入り込んできたことで、いろんなものがいろんな思惑で揺れ動いてしまったのかもしれない、なんて思ってみたりもします。この監督は、数作の制作のあと自殺しちゃってます。いろいろ葛藤も多かったんじゃないのかな。
才能って扱いを間違えると難しいもんなのかもしれません。

私はミックも美しかったけど、ジェームス・フォックスもとっても頑張っている映画だと思います。
ストーリーを楽しむというより、この時代を楽しむという意味でおもしろい映画でした。

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「ジャッカルの日」で好きなエドワード・フォックスの弟
ジェームズ・フォックスってどんな人だ？　と思って
映画館に足を運びました。
っていうのもあるけど、この時の併映が
デヴィッド・ボウイの「地球に落ちてきた男」！！

変態映画２本立てです。

ええ、こんなトンデモな取り合わせだから観に行ったんです。



本作は主役のヤクザな兄ちゃんより、周りの人々の
インパクトが特大。７０年代の香りがぷんぷん。
ミック・ジャガー扮するターナーはフリフリのゴージャスな
衣装に身を包み、もう蠢惑的そのもの。
なんでも、役作りの上ではマリアンヌ・フェイスフルの
アドバイスで、ブライアン・ジョーンズを意識したとか？
（ブライアンてこんなだっけか？？？）
ドレス姿があるかと思えば、なぜかオールバックのスーツ姿
も披露。これも男装(男だって）の割りになんだか見ては
ならぬものを見てしまった感が・・・

ストーリー自体はもうヤクづけで破綻しております。
ミックのゴージャスな色香に酔いしれる一本。
ちょっと「ロッキー・ホラー・ショー」とか
「ファントム・オブ・パラダイス」とかと共通する
匂いあり。

ごちゃごちゃの閉塞感たっぷりの映画が苦手な人には
おすすめしません。

60年代のロンドンの雰囲気が良く伝わります（行ったことはありませんが）。
チャス（ジェームズ・フォックス）はギャングの手先でユスリとかオドシが仕事です。暴力が得意です。でもある時ちょっとやり過ぎてしまいます。
組織から命を狙われる立場になってしまい、とある屋敷に間借りして、身を隠しながら国外逃亡を企てます。その屋敷のオーナーが元ロックスター？のターナー（ミック・ジャガー）。
ターナーは朝から女の子二人とお風呂に入ってます。昼はギターを弾いて、夜になると麻薬＆セックス。チャスとターナーの出会いと別れ、それがこの映画のテーマのようです。
オシャレな脚本と凝った画作りでなかなか楽しめます。ちょっとシュール過ぎてついて行けないところもありますが。
皆様おっしゃるとおりエッチのシーンがいいです。おまけの特典映像（スタッフ、キャストのインタビュー）でも自画自賛してます。