燃える平原児

　最初の頃は歌ありのいつものパターンだなと観ていましたが、後半からエルヴィスの演技にストーリーに夢中になり、いつしか涙が止まらなくなり切なくなりました。
　この役はエルヴィスには当たり役とでも言いましょうか、情熱的な中に激情する怖い面を見せながら、それでいて母親、父親そして兄思いのエルヴィスがいました。
　インディアンでありながら白人でもあるエルヴィスは中立の立場を取りながら、母親を殺された後インディアンの仲間にはなりはしたが、兄がインディアンに殺られそうになると兄を助ける為に仲間のインディアンを殺し、最後には……
　なんで、どうしてなのとラストシーンでは悲しくて悲しくて泣いてしまいましたが、本当に見応えのある映画です。
役者のエルヴィスを発見したお薦め映画です。
エルヴィスファンの方は是非、観てください。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

　エルヴィス・プレスリーの主演作ということで、軽い作品と想像してはいけません。冒頭サーヴィスのように歌った後は、ハードなテーマを内包した面白いウエスタンに変貌します。
　主人公は、西部開拓者の父と長男（白人）、後妻に迎えられたカイオワ族（インディアン）の女性、そしてハーフとして生まれた次男（プレスリー）。非常に結びつきが強く、お互いを大事にしている一家四人です。
　周辺でインディアンと開拓民の対立が激化すると、この「どちらにも属さない」家族は、窮地に追い込まれます。どっちの味方なのか、はっきりしろと双方から迫られるのです。彼らはどちら側にも与しない、家族を守ることが大事で、家族を害する者が敵だと言います。
　しかし、一家四人の中でも、その出自、置かれたポジションによって微妙に見方がズレてゆく。そこにドラマが生まれます。本作が多くの部分では紋切り型のよくあるウエスタンでありながら、現在でも色あせない面白さを持っているのは、この一家のドラマを描いた脚本の見事さによるところが大きいような気がします。もっとも、娯楽映画の枠組みでは、プレスリーの苦悩をあまり描きこめなかったのか、その言動がややあっさりと変遷し、シリアスなテーマに反して軽さを感じさせてしまうのが残念です。
　ドン・シーゲルの演出は突出した素晴らしさを感じさせはしませんが、過不足なく、最後まで緊張感を保っています。
　白人と結婚したことで同族からも蔑視されたインディアン女性が、死に瀕して「燃える（死の）星」（原題＝死兆星みたいなもの）を観て、死に場所を追い求める。その叙情的なシーンはなかなか忘れがたいものです。６０点。

ってのが本作のエルヴィスの役どころ。
主演はエルヴィスだが、他の音楽映画とは一線を画すシリアスな映画。
1880年後半の開拓時代のアメリカをテーマにしてる。
多分、ポール・マッカトニーやニール・ヤングなんかもこの映画を見て、色々曲を書いたのかとも思う。
まあ歴史の大きな流れの中では、この映画のようなイザコザも小さな通過点なのかな？
最近の国際情勢を見てるとそう思わずにはいられない。