ザ・ヤクザ / ロバート・ミッチャム
ザ・ヤクザ
/シドニー・ポラック
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(9)
解説・ストーリー
義理と人情という日本的な観念で結ばれた日米の男2人がヤクザ組織に立ち向かうサスペンス・アクション。<BR> アメリカ人ハリーはある時、旧友からある助けを求められた。それは、日本滞在中にヤクザ組織の東野組に誘拐された旧友の娘の救出。東野組とビジネスを交わしていた旧友がトラブルを引き起こしたことがその原因であった。また、旧友はハリーがかつて進駐軍兵士として日本にいた頃、彼にある恩義ができたヤクザ幹部・田中健に協力させれば奪還できると判断した。こうして仕方なく日本へ向かったハリー。だが、再会した健は既にヤクザの世界から足を洗っていた。それでも健は義理を返すため、ハリーに協力するのだが…。
義理と人情という日本的な観念で結ばれた日米の男2人がヤクザ組織に立ち向かうサスペンス・アクション。<BR> アメリカ人ハリーはある時、旧友からある助けを求められた。それは、日本滞在中にヤクザ組織の東野組に誘拐された旧友の娘の救出。東野組とビジネスを交わしていた旧友がトラブルを引き起こしたことがその原因であった。また、旧友はハリーがかつて進駐軍兵士として日本にいた頃、彼にある恩義ができたヤクザ幹部・田中健に協力させれば奪還できると判断した。こうして仕方なく日本へ向かったハリー。だが、再会した健は既にヤクザの世界から足を洗っていた。それでも健は義理を返すため、ハリーに協力するのだが…。
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「ザ・ヤクザ」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
義理と人情という日本的な観念で結ばれた日米の男2人がヤクザ組織に立ち向かうサスペンス・アクション。<BR> アメリカ人ハリーはある時、旧友からある助けを求められた。それは、日本滞在中にヤクザ組織の東野組に誘拐された旧友の娘の救出。東野組とビジネスを交わしていた旧友がトラブルを引き起こしたことがその原因であった。また、旧友はハリーがかつて進駐軍兵士として日本にいた頃、彼にある恩義ができたヤクザ幹部・田中健に協力させれば奪還できると判断した。こうして仕方なく日本へ向かったハリー。だが、再会した健は既にヤクザの世界から足を洗っていた。それでも健は義理を返すため、ハリーに協力するのだが…。
「ザ・ヤクザ」 の作品情報
「ザ・ヤクザ」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ザ・ヤクザの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
112分 |
日本語 |
英語 |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DLR75315 |
2011年04月27日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
20枚
|
0人
|
0人
|
ザ・ヤクザの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
112分 |
日本語 |
英語 |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DLR75315 |
2011年04月27日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
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|
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ユーザーレビュー:9件
高倉健に魅せられた兄弟
(ネタばれあり)
ウエスト・ミーツ・イースト作品レビュー 7
本作はポール・シュレーダーの脚本家デビュー作で、このあと『タクシー・ドライバー』『モスキート・コースト』などを書くことになります。
原作者で、兄であるレナード・シュレーダーも脚本家で、のちに『蜘蛛女のキス』の脚色で知られました。
日本への縁も深く、レナードは本作の前の5年間同志社大学の英文科講師を勤め、のちに『太陽を盗んだ男』『ションベン・ライダー』の原案を書いたし小津安二郎について書いた著作もありますし、夫人のチェコ・シュレーダーは『太陽を盗んだ男』の共同脚本。
ポール・シュレーダーは三島由紀夫を描いた『Mishima』を監督しています。
いろんな面で異国趣味で、アメリカ映画によくある日本描写の違和感はたしかにありますが、基本的に日本に対する好意と共感を感じます。
前にも書いたことですが、この兄弟厳格なキリスト教信者の家に生まれ、映画などは信仰の妨げ、堕落の下という家庭教育を受けました。
ポールなどは初めて映画を観たのは18歳だと言われます。
その反動・反発から兄弟そろって映画脚本家になったのですが、小津や日本の任侠映画に魅せられたのは、なぜなのか。
また、共同で脚色に当たっているのは『チャイナタウン』で知られるロバート・タウン。
アメリカ生まれのハードボイルドでは、主人公は無法地帯に身を置き、自身も法を犯し、ダーティーではあり、世の中のルールやモラルは守らなくても、自分のルールやモラルには頑な。 ダーク・ヒーローの物語。
アウトローの話とは、裏側からの、逆説的なモラル・ストーリーと思います。
任侠映画の高倉健のヒーロー像は、アメリカのダーティー・ヒーローと違い、岸恵子との関わり、ロバート・ミッチャムとの友情にしても、不器用な生き方のストイックさが際立っています。
義理とは、言葉を変えれば、心の奥深くまで刷り込まれて課せられた厳格な戒律に他ならない。
親からの厳格な宗教的環境に反発したこの兄弟が、高倉健のキャラクターに魅せられたのは、そのストイックさに、異文化でありながら自分と通じるものを感じ、その葛藤に共感したからではないでしょうか。
暴力と流血による痛みをともない、命を懸けても人間には果たさなければならないものがある。
原罪か業か、贖罪か義理か、文化の違いを越えて、人間が生きていくうえで背負う重み、そこに美と悲劇を観ている点が興味深い。
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阿修羅道
投稿日:2011/07/03
レビュアー:ひろぼう
その昔、広島で数年過ごしたことがあり、職場の先輩から『仁義なき戦い』は実話
じゃけぇのうほんとにあった話なんよとさんざん聞かされはしたが全く興味がわかず、
今だやくざ者を扱った映画はほとんど観ていません。なので、本作でのやくざ者の
描写にどれほどの信ぴょう性があるかは推測に頼るしかありませんが、美意識過剰
ながらもそれほど的を外れていないと感じました。
路地裏のそのままの風景が良いです。ロバート・ミッチャムは警官崩れのくたびれた
男の役。彼と岸恵子や高倉健が歩く日本の街並みは現代とそう変わらず、雑然とは
しているが猥雑ではないため、いかがわしさは感じずしっとりとした情緒を覚えます。
高度経済成長に陰りが見え始めたこの頃、街にはまだ活気があり秩序の乱れは表だって
はおらず、裏でひそかに暗躍する阿修羅たちの息吹は、熱くはあれどいまださざ波を
立てるまでには至らない。
街に乗り込むのは軍隊時代に東京駐留を経験した警官崩れのハリー。久しぶりの日本、
そこにはかつての焦土の痕跡はなく、高層ビルが立ち並ぶ。威勢を失くしたハリーの
眼にビル群はまぶしく映ったことだろう。彼の国もまた戦争で疲弊しており、敗戦国
の復興に、その生命力に気圧されたのかもしれない。
表通りを抜け路地裏の、昔の女の元に辿り着くハリーが、再会を喜び、安堵の笑みを
浮かべるのは、また会うことができたことと変わらぬままでいてくれたことの、二つ
の理由からなのだと思う。
女の兄、健は昔気質のヤクザ。今では足を洗い京都で堅気の仕事に就いていた。ハリー
にある仕事を依頼される健。内心穏やかなる気持ちを隠し、妹を世話になったことを
“義理”として重んじる健は、一度は捨て去った修羅道へとまた向かうことになる。
“義理”や“道”、もはや現代日本においてあまり顧みられない言葉を、真剣に取り
上げているところに好感が持てます。アメリカ映画としてみれば、十分に及第点では
ないでしょうか。
前半はややまったり、特に情緒を煽るがための回想シーンは正直くどいと思いますが、
中盤の不意打ちやクライマックスの乱戦は見応えがあります。隠れ家や賭場での闘い
は遠距離からの乱射とはちがい、間の取りかたや敷居や襖などの遮蔽物越しの写し方
に工夫がいると思うのですが、見事に描写されていました。
健さんがかっこいいです。日本刀を構える所作に力がみなぎってます。対するロバート
はよれよれで、転びながらも銃を撃つ姿には必死さが伝わってきます。
健が日本刀でとどめを刺すシーンでハリーが顔をそむけるのですが、刀を肉に食い込ませ、
相手の死を手の感触として直に感じる行為に気圧されるのは、決意と精神性のちがい
からなのだろうと思わされます。
そして静寂を迎えたその時、切られた健さんの背中に彫られた、阿修羅像の目を伝う血が、
涙のように見えるのでした。
意外な秘密、ラストの友情の証と、闘いだけではないストーリーの工夫にも好感が
持てました。★3+
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「ヤクザ」の部分全部削除したらいいのに
投稿日:2011/06/01
レビュアー:忙中有閑
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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1974年製作の映画です。ショップの「旧作1枚100円サービス・デイ」に行って「本当に面白い映画」キャンペーンで見つけたんですが、かなり借りるの躊躇しました。どんなによく出来た作品でも外国人の作る「日本」を描いた映画が醸す「違和感」に居心地の悪さを感じてしまう。ましてタイトルが「ザ・ヤクザ」ですからねぇ。「網走番外地」や「仁義無き戦い」や「緋牡丹博徒」などこのジャンルの「名作」と言われる作品は以前一通り観てみたことありますが、全然面白いと思えなかったもんで。でも監督シドニー・ポラック、脚本ポール・シュレイダー、主演ロバート・ミッチャム、高倉健、岸恵子、音楽デイヴ・グルーシンですもんねぇ。手にとってしまったら観ないワケにいかなiい。
正直序盤はあの「居心地の悪さ」にかなり辟易しました。よくある「ヤクザ」と「サムライ」の混同や刺青、花札の「日本的」極彩色をアップで撮る悪趣味、長髪、ダブルのスーツで口上(「おひけぇなすって!」ってアレです)やったり、やたら「お辞儀」したり、あ〜こりゃダメだ、って思いましたね(笑)。ミッチャムも年取り過ぎで「やる気無い」人物を「演じている」んじゃなくて、この作品への出演そのものに「やる気無い」ように見えるし。
それが俄然面白くなったのは高倉健と岸恵子が登場してからです。と言うか、この映画彼ら二人の魅力を最大限に引き出すために全ての設定やストーリーを作ったんじゃないか?と思わせるくらいイイです。もう現在の日本には絶滅してしまった日本的(という言葉も既に陳腐化してますが)「男らしさと女らしさ(これまた完全に陳腐化してますね)」を当時健さん43歳、恵子さん42歳の男盛り、女盛り(二人とも実際よりかなり若く見えますが現在も80歳、79歳にはとても見えませんねぇ)が見事に演じています。そしてこの二人の魅力を際立たせる存在としてミッチャムが実にイイ味を出すんですねぇ。
ウィキで調べてみたら原作者レナード・シュレイダーはポールの実兄でこの脚本は兄弟の共同執筆なんですね。レナードは20代で来日して京大や同志社大で英文学の講師をしたり、山田洋次監督の「男はつらいよ寅次郎春の夢」の共同脚本にも名を連ねたり、生前の三島由紀夫と親交があったり、とにかく大変な親日家、知日家なんですね。奥さんも日本人です。で、どうも日本の「任侠、ヤクザ」にハマって研究してたらしい。
しかし私の個人的感想としてはこの映画、「ヤクザ」に関係する陳腐極まりない描写の部分は全部削除して、「普通の(堅気の)」中年の日本人の男女と年老いたアメリカ人男性の物語として描いて欲しかったですねぇ。そして当時の(太平洋戦争終戦から20年以上経過した)日本には経済成長に浮かれ騒ぐ「団塊の世代」の若者たちに混じって、敗戦と戦後の混乱に人生を翻弄されながらも黙々と生き延びた「戦中派」の人々が多くいて、その人たちの中には「日本的な」義理と人情の世界はまだ脈々と生き続けていた。占領軍兵士として戦後日本に駐留して若く美しい戦争未亡人と恋をしたけど結ばれずに帰国して20年後に再来日した初老のアメリカ人が、彼女とその兄との再会を果たす。そして隠されていたある重大な「事実」を知ることで日本人独特の「義理」の哲学を理解し、その「義理」ゆえに発露を禁じられて深く沈潜する「人情」の重みと寡黙で哀しみを湛えた表情の意味を理解する。そういう物語として描いていれば、日本人の私から見ても、そして世界中の観客にも立派に通用する「日本を描いた映画」として評価され得る作品になっていたんじゃないか?と大変残念に思うのですね。オハナシとしては「ヤクザ」の世界を絡ませる必然性全然無いですから。
このレビューは気に入りましたか?
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発掘良品
投稿日:2011/06/01
レビュアー:よふかし
これも発掘良品の一本。
ひとつ書いておきたいのは、TSUTAYAがこの企画をはじめてくれて、いままでなかなかdvdにならなかったものがなっている、ということ。全国の店舗とdiscasである程度の枚数が見込めるからこそできることで、個人的にとても嬉しいことだし、評価されていいことだと思いますよ。なんか回しものみたいなことを書いていますが、70年代〜80年代の娯楽映画って、新作と評価の決まった名作のはざまで、現代の観客にアピールするには難しいものがありますからね。この企画に勝手に「よふかし賞」を贈呈します。ありがとうございます。
さて『ザ・ヤクザ』ですが、テレビで観たきりの映画でしたが、こうやってdvdで観るとなかなか面白い作品でした。シドニー・ポラックというと、『追憶』とか『愛と哀しみの果て』とか、ロマンス映画のイメージがあるんですが、フィルモグラフィを見ると『コンドル』や『ザ・ファーム』なんて娯楽サスペンスもけっこうあるんですね。器用な人なのかな? 実はあまり感心したことはありませんが、なんとなく作品は観ている人。
『ザ・ヤクザ』もポール・シュレイダーの日本趣味(切腹のかわりに指きりとか)とロバート・タウンのノワール趣味だのに比べると、ポラックらしさってのはちょっと分かりにくいです。ロマンスもロバート・ミッチャムと岸恵子(耐える女に見えない)ではどうもぼんやりしてしまって、やっぱり見どころは様式美と高倉健になるわけです。
健さんはいいですね。良すぎてミッチャムの良さをすべて消してしまうくらい、いいです。プロットは任侠映画からの借り物ですが、ラストの殴りこみの演出なんてなかなか見せます。敵と対峙してじりじりとタイミングをうかがう「静」から「動」へのアクション演出なんて、なかなか堂にいっています。
誰か日本側で演出を補助していると思うのですが、……60点。
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・・・・
このご時世、義理と人情だけで動いてくれるヤクザなんんているの????
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ユーザーレビュー
高倉健に魅せられた兄弟
投稿日
2013/07/22
レビュアー
ロキュータス
(ネタばれあり)
ウエスト・ミーツ・イースト作品レビュー 7
本作はポール・シュレーダーの脚本家デビュー作で、このあと『タクシー・ドライバー』『モスキート・コースト』などを書くことになります。
原作者で、兄であるレナード・シュレーダーも脚本家で、のちに『蜘蛛女のキス』の脚色で知られました。
日本への縁も深く、レナードは本作の前の5年間同志社大学の英文科講師を勤め、のちに『太陽を盗んだ男』『ションベン・ライダー』の原案を書いたし小津安二郎について書いた著作もありますし、夫人のチェコ・シュレーダーは『太陽を盗んだ男』の共同脚本。
ポール・シュレーダーは三島由紀夫を描いた『Mishima』を監督しています。
いろんな面で異国趣味で、アメリカ映画によくある日本描写の違和感はたしかにありますが、基本的に日本に対する好意と共感を感じます。
前にも書いたことですが、この兄弟厳格なキリスト教信者の家に生まれ、映画などは信仰の妨げ、堕落の下という家庭教育を受けました。
ポールなどは初めて映画を観たのは18歳だと言われます。
その反動・反発から兄弟そろって映画脚本家になったのですが、小津や日本の任侠映画に魅せられたのは、なぜなのか。
また、共同で脚色に当たっているのは『チャイナタウン』で知られるロバート・タウン。
アメリカ生まれのハードボイルドでは、主人公は無法地帯に身を置き、自身も法を犯し、ダーティーではあり、世の中のルールやモラルは守らなくても、自分のルールやモラルには頑な。 ダーク・ヒーローの物語。
アウトローの話とは、裏側からの、逆説的なモラル・ストーリーと思います。
任侠映画の高倉健のヒーロー像は、アメリカのダーティー・ヒーローと違い、岸恵子との関わり、ロバート・ミッチャムとの友情にしても、不器用な生き方のストイックさが際立っています。
義理とは、言葉を変えれば、心の奥深くまで刷り込まれて課せられた厳格な戒律に他ならない。
親からの厳格な宗教的環境に反発したこの兄弟が、高倉健のキャラクターに魅せられたのは、そのストイックさに、異文化でありながら自分と通じるものを感じ、その葛藤に共感したからではないでしょうか。
暴力と流血による痛みをともない、命を懸けても人間には果たさなければならないものがある。
原罪か業か、贖罪か義理か、文化の違いを越えて、人間が生きていくうえで背負う重み、そこに美と悲劇を観ている点が興味深い。
阿修羅道
投稿日
2011/07/03
レビュアー
ひろぼう
その昔、広島で数年過ごしたことがあり、職場の先輩から『仁義なき戦い』は実話
じゃけぇのうほんとにあった話なんよとさんざん聞かされはしたが全く興味がわかず、
今だやくざ者を扱った映画はほとんど観ていません。なので、本作でのやくざ者の
描写にどれほどの信ぴょう性があるかは推測に頼るしかありませんが、美意識過剰
ながらもそれほど的を外れていないと感じました。
路地裏のそのままの風景が良いです。ロバート・ミッチャムは警官崩れのくたびれた
男の役。彼と岸恵子や高倉健が歩く日本の街並みは現代とそう変わらず、雑然とは
しているが猥雑ではないため、いかがわしさは感じずしっとりとした情緒を覚えます。
高度経済成長に陰りが見え始めたこの頃、街にはまだ活気があり秩序の乱れは表だって
はおらず、裏でひそかに暗躍する阿修羅たちの息吹は、熱くはあれどいまださざ波を
立てるまでには至らない。
街に乗り込むのは軍隊時代に東京駐留を経験した警官崩れのハリー。久しぶりの日本、
そこにはかつての焦土の痕跡はなく、高層ビルが立ち並ぶ。威勢を失くしたハリーの
眼にビル群はまぶしく映ったことだろう。彼の国もまた戦争で疲弊しており、敗戦国
の復興に、その生命力に気圧されたのかもしれない。
表通りを抜け路地裏の、昔の女の元に辿り着くハリーが、再会を喜び、安堵の笑みを
浮かべるのは、また会うことができたことと変わらぬままでいてくれたことの、二つ
の理由からなのだと思う。
女の兄、健は昔気質のヤクザ。今では足を洗い京都で堅気の仕事に就いていた。ハリー
にある仕事を依頼される健。内心穏やかなる気持ちを隠し、妹を世話になったことを
“義理”として重んじる健は、一度は捨て去った修羅道へとまた向かうことになる。
“義理”や“道”、もはや現代日本においてあまり顧みられない言葉を、真剣に取り
上げているところに好感が持てます。アメリカ映画としてみれば、十分に及第点では
ないでしょうか。
前半はややまったり、特に情緒を煽るがための回想シーンは正直くどいと思いますが、
中盤の不意打ちやクライマックスの乱戦は見応えがあります。隠れ家や賭場での闘い
は遠距離からの乱射とはちがい、間の取りかたや敷居や襖などの遮蔽物越しの写し方
に工夫がいると思うのですが、見事に描写されていました。
健さんがかっこいいです。日本刀を構える所作に力がみなぎってます。対するロバート
はよれよれで、転びながらも銃を撃つ姿には必死さが伝わってきます。
健が日本刀でとどめを刺すシーンでハリーが顔をそむけるのですが、刀を肉に食い込ませ、
相手の死を手の感触として直に感じる行為に気圧されるのは、決意と精神性のちがい
からなのだろうと思わされます。
そして静寂を迎えたその時、切られた健さんの背中に彫られた、阿修羅像の目を伝う血が、
涙のように見えるのでした。
意外な秘密、ラストの友情の証と、闘いだけではないストーリーの工夫にも好感が
持てました。★3+
「ヤクザ」の部分全部削除したらいいのに
投稿日
2011/06/01
レビュアー
忙中有閑
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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1974年製作の映画です。ショップの「旧作1枚100円サービス・デイ」に行って「本当に面白い映画」キャンペーンで見つけたんですが、かなり借りるの躊躇しました。どんなによく出来た作品でも外国人の作る「日本」を描いた映画が醸す「違和感」に居心地の悪さを感じてしまう。ましてタイトルが「ザ・ヤクザ」ですからねぇ。「網走番外地」や「仁義無き戦い」や「緋牡丹博徒」などこのジャンルの「名作」と言われる作品は以前一通り観てみたことありますが、全然面白いと思えなかったもんで。でも監督シドニー・ポラック、脚本ポール・シュレイダー、主演ロバート・ミッチャム、高倉健、岸恵子、音楽デイヴ・グルーシンですもんねぇ。手にとってしまったら観ないワケにいかなiい。
正直序盤はあの「居心地の悪さ」にかなり辟易しました。よくある「ヤクザ」と「サムライ」の混同や刺青、花札の「日本的」極彩色をアップで撮る悪趣味、長髪、ダブルのスーツで口上(「おひけぇなすって!」ってアレです)やったり、やたら「お辞儀」したり、あ〜こりゃダメだ、って思いましたね(笑)。ミッチャムも年取り過ぎで「やる気無い」人物を「演じている」んじゃなくて、この作品への出演そのものに「やる気無い」ように見えるし。
それが俄然面白くなったのは高倉健と岸恵子が登場してからです。と言うか、この映画彼ら二人の魅力を最大限に引き出すために全ての設定やストーリーを作ったんじゃないか?と思わせるくらいイイです。もう現在の日本には絶滅してしまった日本的(という言葉も既に陳腐化してますが)「男らしさと女らしさ(これまた完全に陳腐化してますね)」を当時健さん43歳、恵子さん42歳の男盛り、女盛り(二人とも実際よりかなり若く見えますが現在も80歳、79歳にはとても見えませんねぇ)が見事に演じています。そしてこの二人の魅力を際立たせる存在としてミッチャムが実にイイ味を出すんですねぇ。
ウィキで調べてみたら原作者レナード・シュレイダーはポールの実兄でこの脚本は兄弟の共同執筆なんですね。レナードは20代で来日して京大や同志社大で英文学の講師をしたり、山田洋次監督の「男はつらいよ寅次郎春の夢」の共同脚本にも名を連ねたり、生前の三島由紀夫と親交があったり、とにかく大変な親日家、知日家なんですね。奥さんも日本人です。で、どうも日本の「任侠、ヤクザ」にハマって研究してたらしい。
しかし私の個人的感想としてはこの映画、「ヤクザ」に関係する陳腐極まりない描写の部分は全部削除して、「普通の(堅気の)」中年の日本人の男女と年老いたアメリカ人男性の物語として描いて欲しかったですねぇ。そして当時の(太平洋戦争終戦から20年以上経過した)日本には経済成長に浮かれ騒ぐ「団塊の世代」の若者たちに混じって、敗戦と戦後の混乱に人生を翻弄されながらも黙々と生き延びた「戦中派」の人々が多くいて、その人たちの中には「日本的な」義理と人情の世界はまだ脈々と生き続けていた。占領軍兵士として戦後日本に駐留して若く美しい戦争未亡人と恋をしたけど結ばれずに帰国して20年後に再来日した初老のアメリカ人が、彼女とその兄との再会を果たす。そして隠されていたある重大な「事実」を知ることで日本人独特の「義理」の哲学を理解し、その「義理」ゆえに発露を禁じられて深く沈潜する「人情」の重みと寡黙で哀しみを湛えた表情の意味を理解する。そういう物語として描いていれば、日本人の私から見ても、そして世界中の観客にも立派に通用する「日本を描いた映画」として評価され得る作品になっていたんじゃないか?と大変残念に思うのですね。オハナシとしては「ヤクザ」の世界を絡ませる必然性全然無いですから。
発掘良品
投稿日
2011/06/01
レビュアー
よふかし
これも発掘良品の一本。
ひとつ書いておきたいのは、TSUTAYAがこの企画をはじめてくれて、いままでなかなかdvdにならなかったものがなっている、ということ。全国の店舗とdiscasである程度の枚数が見込めるからこそできることで、個人的にとても嬉しいことだし、評価されていいことだと思いますよ。なんか回しものみたいなことを書いていますが、70年代〜80年代の娯楽映画って、新作と評価の決まった名作のはざまで、現代の観客にアピールするには難しいものがありますからね。この企画に勝手に「よふかし賞」を贈呈します。ありがとうございます。
さて『ザ・ヤクザ』ですが、テレビで観たきりの映画でしたが、こうやってdvdで観るとなかなか面白い作品でした。シドニー・ポラックというと、『追憶』とか『愛と哀しみの果て』とか、ロマンス映画のイメージがあるんですが、フィルモグラフィを見ると『コンドル』や『ザ・ファーム』なんて娯楽サスペンスもけっこうあるんですね。器用な人なのかな? 実はあまり感心したことはありませんが、なんとなく作品は観ている人。
『ザ・ヤクザ』もポール・シュレイダーの日本趣味(切腹のかわりに指きりとか)とロバート・タウンのノワール趣味だのに比べると、ポラックらしさってのはちょっと分かりにくいです。ロマンスもロバート・ミッチャムと岸恵子(耐える女に見えない)ではどうもぼんやりしてしまって、やっぱり見どころは様式美と高倉健になるわけです。
健さんはいいですね。良すぎてミッチャムの良さをすべて消してしまうくらい、いいです。プロットは任侠映画からの借り物ですが、ラストの殴りこみの演出なんてなかなか見せます。敵と対峙してじりじりとタイミングをうかがう「静」から「動」へのアクション演出なんて、なかなか堂にいっています。
誰か日本側で演出を補助していると思うのですが、……60点。
・・・・
投稿日
2011/04/28
レビュアー
エロエロ大魔神
このご時世、義理と人情だけで動いてくれるヤクザなんんているの????
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