遺言シネマ殺人事件 / エドワード・フォックス
遺言シネマ殺人事件
/ヘンリー・パリス
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(5)
解説・ストーリー
ラドリー・メツガー監督が『猫とカナリヤ』をリメイク。ある夜、大富豪の遺産を相続するために親族が集まった。遺言はフィルムの中に隠されていると知り、驚愕する相続人たち。かくして、大惨劇が幕を開ける。オリヴィア・ハッセーが出演。 JAN:4571244177668
ラドリー・メツガー監督が『猫とカナリヤ』をリメイク。ある夜、大富豪の遺産を相続するために親族が集まった。遺言はフィルムの中に隠されていると知り、驚愕する相続人たち。かくして、大惨劇が幕を開ける。オリヴィア・ハッセーが出演。 JAN:4571244177668
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「遺言シネマ殺人事件」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
ラドリー・メツガー監督が『猫とカナリヤ』をリメイク。ある夜、大富豪の遺産を相続するために親族が集まった。遺言はフィルムの中に隠されていると知り、驚愕する相続人たち。かくして、大惨劇が幕を開ける。オリヴィア・ハッセーが出演。 JAN:4571244177668
「遺言シネマ殺人事件」 の作品情報
「遺言シネマ殺人事件」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
遺言シネマ殺人事件の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
102分 |
日 |
英:モノラル |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
IDM766 |
2021年12月03日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
2枚
|
0人
|
0人
|
遺言シネマ殺人事件の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
102分 |
日 |
英:モノラル |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
IDM766 |
2021年12月03日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
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ユーザーレビュー:5件
“オールド・ダーク・ハウスもの”の雰囲気を楽しむ
監督:ラドリー・メツガー(1979年・英・102分・カラー)
原題:THE CAT AND THE CANARY
原作:ジョン・ウィラードの1922年の同名戯曲
いきなり画面に籠の中のカナリアが現れ、それを狙っている黒猫が映る。「ミューミュー」と猫を呼ぶ声が聞こえ、ちょっと間をおいて小さな男の子が走ってくる。「坊や」と呼ぶ声が聞こえる。
先程の黒猫が次に映し出された時には、変わり果てた姿になっていた。
本編での犯人は、恐らくこの「(成長後の)坊や」だろうと推理しながら観たのだけれど、それが誰なのか最後まで自分では見つけられなかった。
1934年9月27日。サイラス・ウェストの遺した屋敷に人々が集まって来る。
サイラスの死後20年目のこの日、彼の遺言が開示されるからだ。それは生前のサイラスが製作した「シネマ」による発表だった。
この風変わりな形で指名された遺産相続人は、唯一ウェスト姓を名乗っている「アナベル・ウェスト」だった。
その場にいたアナベルのいとこたちの落胆の表情と、すぐさま取り繕った笑顔には、あからさまに不満が混じっていた。
シネマの中から語りかけるサイラスは人払いを命じ、アナベルだけに家宝の高価なネックレスの在処のヒントを与える。
サイラスは第2の相続者も指名しており、もしも第1の相続人が死亡あるいは精神に異常が見られる場合は、翌日に2本目のフィルムで発表されることになっていた。
折しも、近所の精神病院からヘンドリックスという医師が、脱走した精神異常者を捜しにやって来る。脱走した患者は、猫のような爪をしているという。
20年間鳴らなかった時計が突然鳴り、長年メイドを務めたプレザント夫人が奇妙なことを言い出したり、時計の打つ回数が減る度に誰かがいなくなるなど、雰囲気は満点。
廊下や部屋の片隅に大きな布で覆われた椅子や家具があり、そこに異常者が潜んでいるのでは?という心理効果もある。
しかし、建物内の階段や壁などが「白」を基調としているため、古い屋敷ではあっても“おどろおどろしさ”は少ない。
タイトルにあるカナリアは弱き者、あるいは疑心暗鬼に揺れる心情であり、ネコは脅かすもの、恐怖心を与えるものの象徴なのだろうか。
《登場人物とキャストの紹介》
・サイラス・ウェスト(ウィルフリッド・ハイド=ホワイト)…20年前に亡くなった屋敷の主。『マイフェア・レディ』のピカリング大佐。
・プレザント夫人(ベアトリックス・レーマン)サイラス家のメイド。
・アリソン・クロスビー(ウェンディ・ヒラ―)弁護士。『ピグマリオン』のイライザ。
・スーザン・シルズビー(オナ―・ブラックマン)狩猟家。
・チシリー・ヤング(オリビア・ハッセー)スーザンのルームメイトで従妹。『ロミオとジュリエット』のジュリエット。
・ポール・ジョーンズ(マイケル・カラン)作曲家。『キャット・バルー』のクレイ・ブーン役。
・チャーリー・ワイルダー(ピーター・マッケナリー)戦争で活躍した英雄。飛行機乗り。
・ハリー・ブライス(ダニエル・マッセイ)外科医。
・アナベル・ウェスト(キャロル・リンレイ)デザイナー。第一の相続人。『バニーレークは行方不明』のアン・レーク。
・ヘンドリックス(エドワード・フォックス)精神病院の医師。『遠すぎた橋』のホロックス中将。『クリスタル殺人事件』のクラドック警部。
オールスターキャストと言ってもよい程の名優たち。彼らの出演作を思い浮かべながら観るのも一興。
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
桁外れの富は人を怪物にする
とても爽やかな終り方で、ちょっとしたサプライズもあり、エンディングクレジットの出し方も洒落ているのは、せめてもの救いだけれど、基本的に、「猫とカナリア」という原題がぴったりの、非常に悪趣味な内容。遺産相続人に選ばれた若い女性が、嵐の夜、周囲で起こる奇怪な出来事に、猫に狙われたカナリアのように恐怖に怯えるさまを、たっぷりと見せる映画。(ただし恐怖の表現はさすがに控え目。)無惨に殺されるのも女性ばかり。そういう意味では軽いホラーだと言えるし、その夜起こる殺人事件の犯人は誰か、という点ではミステリーにもなっている。
一代で財を築いた富豪サイラス・ウェストの死後20年目に、相続権のある縁者6人が、弁護士によって彼の屋敷に集められる。遺言の内容は、夜のディナーで、サイラス自身が生前に自作自演したシネマによって伝えられる。唯一の相続人に指定されたのはウェストの姓を持つ、その中で最も若い女性アナベル。それには条件があり、彼女が死ぬか、あるいは精神異常と分かった場合は、12時間後の翌日の朝食の席で、二つ目のシネマが上映され、次の相続人が明らかになるというのだ。
その夜、周りで次々と奇怪な出来事が起こり怯えるアナベルに、長らく屋敷に仕えてきた家政婦のぺザント夫人は、「恐れるべきは恐怖心で、恐怖は人の正気を奪う。猫がカゴの側を通るだけで、恐怖がカナリアを殺す」と、ウェスト氏が常々言っていたと助言する。つまり、ウェスト氏はこの事態を予測して、このような手の込んだ遺言を遺したわけだ。恐怖のあまり精神に異常をきたしたり、他の相続資格者に殺されたりすることなく、生き延びられるかを試されている。そして私たちは図らずも観客になって、ハラハラしながら、それを楽しむ。
犯人は自業自得だけれど、猫が、カナリアをいたぶる悪趣味な象徴的役割を負わされて酷い目にあうのは、とても理不尽だ。ウェスト氏が好きだったという猫も、犯人の嫉妬の対象になったのかもしれない。
このレビューは気に入りましたか?
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大雷雨の夜に
投稿日:2022/02/08
レビュアー:趣味は洋画
遺言シネマ殺人事件(1979年・イギリス、カラー、102分)
イギリス映画らしいミステリー・ドラマを楽しみました。
登場人物は10人(後述)で、遺産相続をめぐる殺人犯は一体誰なのか...というよくあるパターンですが、変わった趣向や工夫がなされていて、なかなか面白い作品でした。
大富豪サイラス・ウェストの死から20年が経過した1934年9月27日の夜、遂にサイラスの遺言が公開される。邸には続々と親族がやって来るが、最初に顧問弁護士のアリソン・クロスビー女史が到着し、同家の家政婦プレザント夫人が丁重に出迎えた。続いて外科医のハリー・ブライス、狩猟家のスーザン・シルスビーとシシリー、元軍人のチャーリー・ワイルダー、米国の作曲家ポール・ジョーンズ、そしてデザイナーのアナベル・ウェストである。莫大な財産は誰が受け継ぐのか、そして50万ポンドといわれる高級ネックレスの行方...本来ならば顧問弁護士のクロスビー女史から相続人の名が告げられるところだが、ウエスト氏は生前、自ら発表するべく遺言を2本のフィルムに納めていた。暗闇に包まれた部屋で、スクリーンにサイラス老人の映像が映り、親族を前に話しかける。‘やあ皆集まってるね。これから相続人を発表するが、その前に言っておく。実は映画は2本ある。指名した者が死ぬか気が狂った場合は、次の相続人は2本目の映画で明かされることになっている’ と。顔色が変わる親族たち。そして最初に相続人として発表された名前は...。
登場人物は次の10名です。役名の前の〇数字はクレジット順(アルファベティカル・オーダーでした)
Iサイラス・ウェスト(ウィルフリッド・ハイド=ホワイト)20年前に亡くなっている大富豪。本人が
生前に撮っている映画のスクリーンの中だけでの登場。
Cアリソン・クロスビー女史(ウェンディ・ヒラー)サイラス家の顧問弁護士で、進行役。
Gハリー・ブライス(ダニエル・マッセイ)外科医として成功している。チャーリーとは犬猿の仲。
@スーザン・シルスビー(オナー・ブラックマン)女狩猟家で、ベンガル虎狩の世界記録保持者。
Dシシリー・ヤング(オリヴィア・ハッセー)スーザンの同僚で狩の名手。昔、クラブで踊っていた頃、
支配人に襲われたことがある。
Hチャーリー・ワイルダー(ピーター・マッケナリー)戦時下のヒーローで元・戦闘機乗り。ハリーから
は女たらしと云われている。
Aポール・ジョーンズ(マイケル・カラン)米国の有名作曲家。
Fアナベル・ウェスト(キャロル・リンレイ)異例の早さでロンドンの人気デザイナーとなった才女。
Bヘンドリックス(エドワード・フォックス)サイラス家の近くの精神病院に勤める医師兼心理学者。
Eプレザント夫人(ビアトリス・レーマン)サイラス家の家政婦。老女だがしっかりした仕事ぶり。
何となくアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を連想させますが、ニール・サイモンの「名探偵登場」の雰囲気も感じられます。ミステリーですが、サスペンスの要素もかなり高い。
クレジットの最初にオナー・ブランクマンが登場し、思わず64年「007/ゴールドフィンガー」のボンド・ガールを思い出しました。えっ?彼女が主役?...しかし続くマイケル・カラン、そしてエドワード・フォックスの名前を見ているうち、なるほど、アルファベティカルのクレジットと認識した次第。
そして特定の主役という位置づけはなかったと思います。
皆、怪しいといえば怪しい、怪しくないといえば怪しくない(どっちやねん!)。
ただ、老女プレザント夫人が独特の雰囲気を醸し出しており、最後になにかあるな...という妙な期待感はありました。
願わくば、大富豪サイラスと、遺産相続の権利がある面々との関係(続柄)がもっと詳しく説明されていたら、より効果的だったと。まあ大勢に影響はありませんが。
さて皆さん、真犯人を当てることは出来るでしょうか。(私は外してしまいました)
このレビューは気に入りましたか?
4人の会員が気に入ったと投稿しています
サスペンス映画として楽しめる!
1979年 イギリス映画
原題:THE CAT AND THE CANARY
監督・脚本:ヘンリー・パリス(別名:ラドリー・メツガー)
とても面白くて2回続けて観てしまいました。これが劇場未公開だったなんてもったいない。DISCASでのジャンルはホラーになっていますが、サスペンス色の方が強い気がします。タイトルに惹かれて鑑賞しましたが、なるほど、よく練られた脚本でした。
1914年の9月27日、ちょっと変わり者で大富豪のサイラス・ウエストが他界する。
サイラスは自分の死期を予期してか数年前から、2本の映画を遺言として作成し、その保管をメイドのプレザント夫人に託す。20年後の1934年9月27日の夜、親戚一同が屋敷に集まりその映画(遺言)を晩餐会で映す事に。序盤は一体誰が相続人になるのかという緊張感と同時にこの晩餐会が実に巧みで、随所に工夫が施されていて感心しました。テーブルについた8人と、映写機で映された主人のサイラスがまるで席に居るかのような演出とユーモアが全く飽きさせない。1本目の映画(遺言)で8人の中から1人が相続人として公表されますが、2本目の映画(遺言)の試写は1本目で指名した相続人が死亡するか、あるいは精神異常にならない限り、12時間後に破棄する事になっています。つまり、1本目で公表した遺産相続人が相続出来ない場合にのみ次の相続人が指定されるという訳です。
稲妻が鳴り響く嵐の晩に集まってくる親戚達と、この晩に巻き起こる数々の謎の事件・・。内容こそ違いますが、この感じは「名探偵登場」の序盤と似ている。そして集まる8人の面々は医師やデザイナー、狩猟の名手やアメリカの作曲家と様々な肩書きの持ち主たち。
はじめは気が付かなかったのですが、ウェンディ・ヒラーが弁護士役のクロスビー夫人を演じている他、デザイナーのアナベル・ウエスト役をキャロル・リンレーが演じています。
オリビア・ハッセーは相変わらず綺麗でしたが、話を左右する様な役どころではありませんでした。また、親戚の一員ではありませんが、自分が勤務する病院から精神異常者が脱走したと告げに来る如何にも怪しいヘンドリックスと名乗る医師にエドワード・フォックス。
彼が言うには脱走した患者は長いコートに黒い帽子を被っていて、非常に危険なため、決して外には出ないようにと告げる。この辺りから面白さが増してきて目が離せなくなります。
一体誰が相続人になるのか、そして脱走したという長いコートに黒い帽子の精神異常者とは誰なのか?エドワード・フォックス演じた医師の素性も後に明らかになります。
いやぁ、この謎解きを考えるだけでも面白かったです。
ジョン・ウィラード原作の古典戯曲の映画化で、「猫とカナリヤ」のリメイク作だそうですが、是非オリジナルも取り扱いをお願いします。
このレビューは気に入りましたか?
3人の会員が気に入ったと投稿しています
十分楽しめるミステリー映画! でも画像はひどい
ずっと見たかったオリビア・ハッセーの出演映画。時期としては「ナイル殺人事件」と「復活の日」の間となる作品です。まだ20代、綺麗ですね。でもあまりストーリーの展開を左右するような役でないのが残念です。この映画、ジャッカルやボンドガールもでていて俳優陣は豪華です。誰が主役なのかは解釈によるかもしれませんが、一番多く画面に登場するのはキャロル・リンレーです。ポセイドン・アドベンチャーの歌手役だった彼女に出会えたのも思わぬ収穫でした。
この作品、富豪の遺言が映画の中で告げられるという設定は面白いですし、スリル度もまずまずのミステリー映画としては充分合格点です。最後の最後まで楽しんで観ることができました(エンドクレジットにも注目です)。以上は作品の評価です。
しかしながら、DVDの画像がひどい! 大画面では絶対無理。乱視になりそうな画像、何とか画像処理できないんですかねえ。
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ユーザーレビュー
“オールド・ダーク・ハウスもの”の雰囲気を楽しむ
投稿日
2022/03/08
レビュアー
kazupon
監督:ラドリー・メツガー(1979年・英・102分・カラー)
原題:THE CAT AND THE CANARY
原作:ジョン・ウィラードの1922年の同名戯曲
いきなり画面に籠の中のカナリアが現れ、それを狙っている黒猫が映る。「ミューミュー」と猫を呼ぶ声が聞こえ、ちょっと間をおいて小さな男の子が走ってくる。「坊や」と呼ぶ声が聞こえる。
先程の黒猫が次に映し出された時には、変わり果てた姿になっていた。
本編での犯人は、恐らくこの「(成長後の)坊や」だろうと推理しながら観たのだけれど、それが誰なのか最後まで自分では見つけられなかった。
1934年9月27日。サイラス・ウェストの遺した屋敷に人々が集まって来る。
サイラスの死後20年目のこの日、彼の遺言が開示されるからだ。それは生前のサイラスが製作した「シネマ」による発表だった。
この風変わりな形で指名された遺産相続人は、唯一ウェスト姓を名乗っている「アナベル・ウェスト」だった。
その場にいたアナベルのいとこたちの落胆の表情と、すぐさま取り繕った笑顔には、あからさまに不満が混じっていた。
シネマの中から語りかけるサイラスは人払いを命じ、アナベルだけに家宝の高価なネックレスの在処のヒントを与える。
サイラスは第2の相続者も指名しており、もしも第1の相続人が死亡あるいは精神に異常が見られる場合は、翌日に2本目のフィルムで発表されることになっていた。
折しも、近所の精神病院からヘンドリックスという医師が、脱走した精神異常者を捜しにやって来る。脱走した患者は、猫のような爪をしているという。
20年間鳴らなかった時計が突然鳴り、長年メイドを務めたプレザント夫人が奇妙なことを言い出したり、時計の打つ回数が減る度に誰かがいなくなるなど、雰囲気は満点。
廊下や部屋の片隅に大きな布で覆われた椅子や家具があり、そこに異常者が潜んでいるのでは?という心理効果もある。
しかし、建物内の階段や壁などが「白」を基調としているため、古い屋敷ではあっても“おどろおどろしさ”は少ない。
タイトルにあるカナリアは弱き者、あるいは疑心暗鬼に揺れる心情であり、ネコは脅かすもの、恐怖心を与えるものの象徴なのだろうか。
《登場人物とキャストの紹介》
・サイラス・ウェスト(ウィルフリッド・ハイド=ホワイト)…20年前に亡くなった屋敷の主。『マイフェア・レディ』のピカリング大佐。
・プレザント夫人(ベアトリックス・レーマン)サイラス家のメイド。
・アリソン・クロスビー(ウェンディ・ヒラ―)弁護士。『ピグマリオン』のイライザ。
・スーザン・シルズビー(オナ―・ブラックマン)狩猟家。
・チシリー・ヤング(オリビア・ハッセー)スーザンのルームメイトで従妹。『ロミオとジュリエット』のジュリエット。
・ポール・ジョーンズ(マイケル・カラン)作曲家。『キャット・バルー』のクレイ・ブーン役。
・チャーリー・ワイルダー(ピーター・マッケナリー)戦争で活躍した英雄。飛行機乗り。
・ハリー・ブライス(ダニエル・マッセイ)外科医。
・アナベル・ウェスト(キャロル・リンレイ)デザイナー。第一の相続人。『バニーレークは行方不明』のアン・レーク。
・ヘンドリックス(エドワード・フォックス)精神病院の医師。『遠すぎた橋』のホロックス中将。『クリスタル殺人事件』のクラドック警部。
オールスターキャストと言ってもよい程の名優たち。彼らの出演作を思い浮かべながら観るのも一興。
桁外れの富は人を怪物にする
投稿日
2022/02/19
レビュアー
hinakksk
とても爽やかな終り方で、ちょっとしたサプライズもあり、エンディングクレジットの出し方も洒落ているのは、せめてもの救いだけれど、基本的に、「猫とカナリア」という原題がぴったりの、非常に悪趣味な内容。遺産相続人に選ばれた若い女性が、嵐の夜、周囲で起こる奇怪な出来事に、猫に狙われたカナリアのように恐怖に怯えるさまを、たっぷりと見せる映画。(ただし恐怖の表現はさすがに控え目。)無惨に殺されるのも女性ばかり。そういう意味では軽いホラーだと言えるし、その夜起こる殺人事件の犯人は誰か、という点ではミステリーにもなっている。
一代で財を築いた富豪サイラス・ウェストの死後20年目に、相続権のある縁者6人が、弁護士によって彼の屋敷に集められる。遺言の内容は、夜のディナーで、サイラス自身が生前に自作自演したシネマによって伝えられる。唯一の相続人に指定されたのはウェストの姓を持つ、その中で最も若い女性アナベル。それには条件があり、彼女が死ぬか、あるいは精神異常と分かった場合は、12時間後の翌日の朝食の席で、二つ目のシネマが上映され、次の相続人が明らかになるというのだ。
その夜、周りで次々と奇怪な出来事が起こり怯えるアナベルに、長らく屋敷に仕えてきた家政婦のぺザント夫人は、「恐れるべきは恐怖心で、恐怖は人の正気を奪う。猫がカゴの側を通るだけで、恐怖がカナリアを殺す」と、ウェスト氏が常々言っていたと助言する。つまり、ウェスト氏はこの事態を予測して、このような手の込んだ遺言を遺したわけだ。恐怖のあまり精神に異常をきたしたり、他の相続資格者に殺されたりすることなく、生き延びられるかを試されている。そして私たちは図らずも観客になって、ハラハラしながら、それを楽しむ。
犯人は自業自得だけれど、猫が、カナリアをいたぶる悪趣味な象徴的役割を負わされて酷い目にあうのは、とても理不尽だ。ウェスト氏が好きだったという猫も、犯人の嫉妬の対象になったのかもしれない。
大雷雨の夜に
投稿日
2022/02/08
レビュアー
趣味は洋画
遺言シネマ殺人事件(1979年・イギリス、カラー、102分)
イギリス映画らしいミステリー・ドラマを楽しみました。
登場人物は10人(後述)で、遺産相続をめぐる殺人犯は一体誰なのか...というよくあるパターンですが、変わった趣向や工夫がなされていて、なかなか面白い作品でした。
大富豪サイラス・ウェストの死から20年が経過した1934年9月27日の夜、遂にサイラスの遺言が公開される。邸には続々と親族がやって来るが、最初に顧問弁護士のアリソン・クロスビー女史が到着し、同家の家政婦プレザント夫人が丁重に出迎えた。続いて外科医のハリー・ブライス、狩猟家のスーザン・シルスビーとシシリー、元軍人のチャーリー・ワイルダー、米国の作曲家ポール・ジョーンズ、そしてデザイナーのアナベル・ウェストである。莫大な財産は誰が受け継ぐのか、そして50万ポンドといわれる高級ネックレスの行方...本来ならば顧問弁護士のクロスビー女史から相続人の名が告げられるところだが、ウエスト氏は生前、自ら発表するべく遺言を2本のフィルムに納めていた。暗闇に包まれた部屋で、スクリーンにサイラス老人の映像が映り、親族を前に話しかける。‘やあ皆集まってるね。これから相続人を発表するが、その前に言っておく。実は映画は2本ある。指名した者が死ぬか気が狂った場合は、次の相続人は2本目の映画で明かされることになっている’ と。顔色が変わる親族たち。そして最初に相続人として発表された名前は...。
登場人物は次の10名です。役名の前の〇数字はクレジット順(アルファベティカル・オーダーでした)
Iサイラス・ウェスト(ウィルフリッド・ハイド=ホワイト)20年前に亡くなっている大富豪。本人が
生前に撮っている映画のスクリーンの中だけでの登場。
Cアリソン・クロスビー女史(ウェンディ・ヒラー)サイラス家の顧問弁護士で、進行役。
Gハリー・ブライス(ダニエル・マッセイ)外科医として成功している。チャーリーとは犬猿の仲。
@スーザン・シルスビー(オナー・ブラックマン)女狩猟家で、ベンガル虎狩の世界記録保持者。
Dシシリー・ヤング(オリヴィア・ハッセー)スーザンの同僚で狩の名手。昔、クラブで踊っていた頃、
支配人に襲われたことがある。
Hチャーリー・ワイルダー(ピーター・マッケナリー)戦時下のヒーローで元・戦闘機乗り。ハリーから
は女たらしと云われている。
Aポール・ジョーンズ(マイケル・カラン)米国の有名作曲家。
Fアナベル・ウェスト(キャロル・リンレイ)異例の早さでロンドンの人気デザイナーとなった才女。
Bヘンドリックス(エドワード・フォックス)サイラス家の近くの精神病院に勤める医師兼心理学者。
Eプレザント夫人(ビアトリス・レーマン)サイラス家の家政婦。老女だがしっかりした仕事ぶり。
何となくアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を連想させますが、ニール・サイモンの「名探偵登場」の雰囲気も感じられます。ミステリーですが、サスペンスの要素もかなり高い。
クレジットの最初にオナー・ブランクマンが登場し、思わず64年「007/ゴールドフィンガー」のボンド・ガールを思い出しました。えっ?彼女が主役?...しかし続くマイケル・カラン、そしてエドワード・フォックスの名前を見ているうち、なるほど、アルファベティカルのクレジットと認識した次第。
そして特定の主役という位置づけはなかったと思います。
皆、怪しいといえば怪しい、怪しくないといえば怪しくない(どっちやねん!)。
ただ、老女プレザント夫人が独特の雰囲気を醸し出しており、最後になにかあるな...という妙な期待感はありました。
願わくば、大富豪サイラスと、遺産相続の権利がある面々との関係(続柄)がもっと詳しく説明されていたら、より効果的だったと。まあ大勢に影響はありませんが。
さて皆さん、真犯人を当てることは出来るでしょうか。(私は外してしまいました)
サスペンス映画として楽しめる!
投稿日
2022/01/26
レビュアー
かつ
1979年 イギリス映画
原題:THE CAT AND THE CANARY
監督・脚本:ヘンリー・パリス(別名:ラドリー・メツガー)
とても面白くて2回続けて観てしまいました。これが劇場未公開だったなんてもったいない。DISCASでのジャンルはホラーになっていますが、サスペンス色の方が強い気がします。タイトルに惹かれて鑑賞しましたが、なるほど、よく練られた脚本でした。
1914年の9月27日、ちょっと変わり者で大富豪のサイラス・ウエストが他界する。
サイラスは自分の死期を予期してか数年前から、2本の映画を遺言として作成し、その保管をメイドのプレザント夫人に託す。20年後の1934年9月27日の夜、親戚一同が屋敷に集まりその映画(遺言)を晩餐会で映す事に。序盤は一体誰が相続人になるのかという緊張感と同時にこの晩餐会が実に巧みで、随所に工夫が施されていて感心しました。テーブルについた8人と、映写機で映された主人のサイラスがまるで席に居るかのような演出とユーモアが全く飽きさせない。1本目の映画(遺言)で8人の中から1人が相続人として公表されますが、2本目の映画(遺言)の試写は1本目で指名した相続人が死亡するか、あるいは精神異常にならない限り、12時間後に破棄する事になっています。つまり、1本目で公表した遺産相続人が相続出来ない場合にのみ次の相続人が指定されるという訳です。
稲妻が鳴り響く嵐の晩に集まってくる親戚達と、この晩に巻き起こる数々の謎の事件・・。内容こそ違いますが、この感じは「名探偵登場」の序盤と似ている。そして集まる8人の面々は医師やデザイナー、狩猟の名手やアメリカの作曲家と様々な肩書きの持ち主たち。
はじめは気が付かなかったのですが、ウェンディ・ヒラーが弁護士役のクロスビー夫人を演じている他、デザイナーのアナベル・ウエスト役をキャロル・リンレーが演じています。
オリビア・ハッセーは相変わらず綺麗でしたが、話を左右する様な役どころではありませんでした。また、親戚の一員ではありませんが、自分が勤務する病院から精神異常者が脱走したと告げに来る如何にも怪しいヘンドリックスと名乗る医師にエドワード・フォックス。
彼が言うには脱走した患者は長いコートに黒い帽子を被っていて、非常に危険なため、決して外には出ないようにと告げる。この辺りから面白さが増してきて目が離せなくなります。
一体誰が相続人になるのか、そして脱走したという長いコートに黒い帽子の精神異常者とは誰なのか?エドワード・フォックス演じた医師の素性も後に明らかになります。
いやぁ、この謎解きを考えるだけでも面白かったです。
ジョン・ウィラード原作の古典戯曲の映画化で、「猫とカナリヤ」のリメイク作だそうですが、是非オリジナルも取り扱いをお願いします。
十分楽しめるミステリー映画! でも画像はひどい
投稿日
2021/12/16
レビュアー
blumental
ずっと見たかったオリビア・ハッセーの出演映画。時期としては「ナイル殺人事件」と「復活の日」の間となる作品です。まだ20代、綺麗ですね。でもあまりストーリーの展開を左右するような役でないのが残念です。この映画、ジャッカルやボンドガールもでていて俳優陣は豪華です。誰が主役なのかは解釈によるかもしれませんが、一番多く画面に登場するのはキャロル・リンレーです。ポセイドン・アドベンチャーの歌手役だった彼女に出会えたのも思わぬ収穫でした。
この作品、富豪の遺言が映画の中で告げられるという設定は面白いですし、スリル度もまずまずのミステリー映画としては充分合格点です。最後の最後まで楽しんで観ることができました(エンドクレジットにも注目です)。以上は作品の評価です。
しかしながら、DVDの画像がひどい! 大画面では絶対無理。乱視になりそうな画像、何とか画像処理できないんですかねえ。
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遺言シネマ殺人事件