２２才の別れ　Ｌｙｃｏｒｉｓ　葉見ず花見ず物語

　大林宣彦は、女優を美しく見せることに非常に長けた監督だ。古くは原田知世（「時をかける少女」）や小林聡美（「転校生」よりも「廃市」）、富田靖子（「さびしんぼう」）など、最近でも大分（臼杵）シリーズ第１段「なごり雪」の須藤温子は、出色の存在感だった。大分シリーズ第２段の本作では、鈴木聖奈という新人が、筧利夫とならんで主役を演じているのだが、やはり不思議な存在感があって、とても魅力的だ。映画の中で彼女は、髪を顔にかけていたり、帽子を目深にかぶっていたりして、あまりしっかり顔を見せないのだが、その演出がむしろ彼女の魅力を際立たせているように思える。

　ストーリーは割とシンプルで、若い頃に愛する女性と別れたことを後悔し続けて生きている男が主人公、彼が偶然その女性が遺した娘と出会ったことで、昔の記憶をたどりだす。ストーリーのこのシンプルさとは対照的に、映像は非常に凝っている。奇妙なアングルからの映像などが随所にちりばめられており、まさに大林ワールド全開といった感じだ。これに違和感を覚える人もいるかもしれないが、そこは独自の映像美として楽しむべきだろう。

　「なごり雪」にしても、この「22才の別れ」にしても、「あの名曲をネタに勝手に映画をつくりやがってけしからん」的な反感を持つ人も多いようだが、あくまで「１つの解釈」として楽しんだ方がいいのではないだろうか。まあ、それだけ反感がもたれるほど、これらの曲が多くの人たちの心の中で「大事なもの」になっているということなのだろうけど。

　大分シリーズ第３段では、いったいどの名曲がとりあげられるのか、予想してみるのも楽しい。

ちょうどこの歌のヒットを知っている世代で、こういう淡々とした話は好きです。

この時代の男女って結構煮え切らないのよね。

高度経済成長のあとで、おいしいところを持って行かれた、、なんてセリフもありましたが、その通りで。
３無主義なんで言われた世代です。

で、結構、思い出引きずったりして。

彼岸花のエピソードはよかったです。
子どもを残すだけがこの世の証ではなく、想いを人の心に残すことで、この世の証を残すことが出来るというふうに解釈しました。

あの頃、２１世紀が来るなんて思いませんでしたよ。

三浦友和の出番はもっと欲しかったですね。

南田洋子さんの、もしかしたら最後の映画出演じゃないですか？これ。

長門さんの焼き鳥屋の親父もなかなかよかった。

物静かな筧さんをはじめて見ました（失礼な。。）

今は亡き峰岸徹さんと山田辰夫さんも出ておられます。

私は好きですねぇ、こーゆーじれったい作品。

都道府県ご当地レビュー　大分県　その２

　( ネタばれあり　)　　　
　数日前、「　もうすぐ2022年2月22日 ！！」と気づき、例によっての急な思いつきで「　２２　」にちなんだ作品レビューを書こうと思いました。
　が、『　キャッチ２２　』はレビュー済。
　田淵幸一にちなんで『　がんばれ ! ! タブチくん !!　』とも思ったけれど、ディスカスさんには在庫なし。
　そこで本作『　22才の別れ　』にしましたが・・・・ダメでした。
　
　大林宣彦監督は好きで『　転校生　』とか『　時をかける少女　』など何回観たか知れないし、今でも大好きです。
　でも本作、作品に入っていけないし、心に響くものがない。
　ある時期から大林宣彦作品が苦手になってしまった。　晩年の作品を観てみようと録画しているのだけど、ためらったまま。
「　いったいどうしてしまったのでしょうか　?と　」見ながら自問してしまう。

　本作清水美砂や峰岸徹のキャラはいいし、津久見市など街並みは美しいし、何度か見どころはあるのだけど、しばらく見続けると萎えてしまう。

　考えられる理由の一つは延々と流れる「　22才の別れ　」かな。
　好きな曲ですが、心の中に甘ったるいものがあふれて「　くどい　! 」とウンザリしてしまい、
琴線に触れるはずのなつかしさが、神経を逆なでしてしまう。
　「　美しい青春　」というやつに自分の若い時を思い出させられると。時には痛いし、いやになるものだと思う。
　あと、尾美としのりが出てないからかな、

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優しさと自信のなさは、全く違うものである。彼女の幸福のために身を引くという言い訳は、望まぬ結果を見たくないという恐怖以外の何物でもない。一歩前に踏み出せない男の前に現れた女性。そのシーンが、まるでホラー映画のようなタッチで描かれているのが興味深い。「22才の別れ」を歌う女は、男にとってまさに幽霊であった。過去の逡巡を乗り越えられることができるのか。彼の過去と重なる若きカップルの姿から、再生の道が浮かび上がる。

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邦画で「叙情派」を一手に引き受けている監督は今回もおじさん
のノスタルジーを切なく描く。
若かりし日の残酷なエピソードを赤裸々に綴り、見ているこちらが
恥ずかしくなる青臭さが身上なのだが、それはそれで同年代として
感情移入できるところではある。
この手の構成は「はるか、ノスタルジィ」あたりからとお見受けするが。。。
かつては美少女発掘隊隊長だった監督も最近は取り立てて「面食い」
路線には傾倒せず、「不思議ちゃん」の起用が目立つ。
それも芝居なのか判然としないが、ボソボソと台詞が聞き辛い。
オープニングの紙芝居もどきの手法も含め、まるで「おもちゃ箱」
から物語が飛び出して来ているような印象だ。
主演のベテラン俳優の独壇場で他の俳優の活躍の場は極めて狭い。
まぁ個人の視点から見た「私的な話」なのだからしょうがないか。
三浦さんの出番が少ないのが玉にキズか？
そう云えば大物俳優の夫婦共演もありましたね。
お気付きでした？