風林火山　完全版

織田信長が台頭する前の、武田、今川、北条、上杉で争っていた時代の物語。
主人公・山本勘助の青春〜放浪生活、士官を求めて彷徨、そして足軽大将として
武田家に仕え、数々の戦で軍師として活躍。戦わずして勝つをモットーに
間者を放ち、裏切りや降伏で城を落とす。兵をムダに失わず、有利な和睦に
持ち込む。観ていてなーるほど♪と感心しました。
内野さん流石ですね。龍馬役同様に見事な演技でした。後半からは丹下段平
みたいになっちゃいましたが（笑　
ガクちゃんの謙信はうーんでした。ファンはうれしいんだろうけど。
千葉真一さんの武将ぶりも最高でした。脇役の方々もみなさん良かった。
本作のあと、天・地・人を観ると時代の流れが繋がっているので戦国が分りますよ。
武田にとって下手な小細工が通じない上杉謙信。ガチで勝負しかありません。
川中島のあの有名な逸話も再現され、壮絶な戦もついに・・・・

ちなみに、その後。
勘助が愛情を注いだ姫の忘れ形見・武田勝頼・・・後に織田に追い詰められ妻子と自害。
信玄の娘・菊姫の嫁ぎ先の上杉が援軍を送るも遅し・・・援軍対してのお礼の手紙には
武田は大丈夫だから、援軍なんていらないよ、でも有難うみたいな文面で、今でも
残っているそうです。乱世とはいえ、国が滅ぶということは虚しいですね。

NHK大河シリーズのDVD化されている作品をたて続けに借りていた私が、見た中で最高の感動を覚えた作品です。

キャスティングも非常に素晴らしいです。すべてのキャストが、作品づくりに没入している感があり、
私は、客観手kに俯瞰して演技評価をすることもなく、見るのに夢中となり。一気に見てしまった作品です。

何よりも光っていたのが、主人公、山本勘助を演じる、内野聖陽の演技。
内野聖陽の存在を知らずに借りました。NHKI大河、と言えば、私は、この作品をまず人に薦める程になっています。
歴史上のあまり知られていない人物が主人公ということでは異色作ですが、だからこそ演技がより光り輝いたと言える作品でしょう。
内野聖陽が、見事にその武田信玄軍師のキャラクターを確立し、光らせてくれました。その人間味あふれる人柄が、
内野聖陽の仲からにじみ出たようなものになっています。すばらしい、の一言に尽きます。

そして、ストーリー、演出共に素晴らしく、最初から最後に至るまで、つかみがよい作品になっており、一気に見てしまいました。
そして、その後もしょっちゅういろいろなシーンやかけあいを思い出し、また見てみたくなってしまう、作品です。

きれいごとの話ではありません。人間のどろどろしたところも、見事に人間のサガとして描ききれています。
そこが素晴らしいとも言えるのです。上杉謙信とのやりとりで、勘助が口にした言葉は非常に印象的です。

この作品から浮かび上がる言葉は、「生きる」「泣く」「愛する」「戦う」「悔いを残さない生き方をする」「燃え尽きる」

戦国の世のことですので、最後に主人公は亡くなってしまいますが、どこかハッピーエンドの余韻を残すところが、
この作品の、質の高さです。


見終わった後に、オープニングのテーマ曲を聴くにつけ、それはまさに、波乱万丈の人生を驀進した、
主人公山本勘助のテーマとして、高らかに響き渡るのです。

正直、見始めた頃のオープニングは、妙に高揚感があり、浮いた感じもしたものですが、
見進めるうちに、その音楽の語るところが、本編に一致して来ます。まさにサウンドトラックとしても印象的な曲となりました。

一部には、Gacktが出演することで、Gacktファンをひきつけた向きがありますが、華麗なビジュアルの上杉謙信が、
かすんでしまう程に、内野聖陽の演技は素晴らしかった、素晴らしい作品に昇華させた、と、私は言い切ることができます。

また、内野聖陽の演技力を使い、巧みにコミカルなシナリオも織り交ぜて、全体が重くなるようなことにはなっていないのも、
演出、シナリオの力として、むしろ、普通に「素晴らしさ」につながっています。
知性と常識のある、コミカルシーンです。

非常に知的エンタメ欲を、十分に満たす作品になっています。


騙されたと思って、是非第一巻を、少しでも多くの人が手に取ってほしいと思います。

私の中では、その後に見た、篤姫よりも作品の全体の出来栄えは、はるかに上と感じます。

是非。楽しんでみて下さい。


PS:
龍馬伝では、内野聖陽の大河復活を望んだファンが多かったと記憶していますが、私もそうでした。
裏番組のJINで龍馬を演じている内野聖陽を見て、この人の龍馬には誰も勝てない、と思って残念に思ったものです。

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オープニングのテーマ曲が流れるたびに、テンション上がります。
５０回、一度もスキップせずに毎回。観れちゃいました。
名曲だと思います。

武田家のメンバーの演技は、もの凄く熱くて濃いもので。すっごいことなってます。

家臣の甘利虎康が、敵の村上に内応したとわかったときの信玄の表情に爆笑してしまいました。思いっきり、歌舞伎面なんですもの。
板垣信方役の千葉真一も、相変わらず濃い演技で。熱い殺陣も見せてくれます。

主人公の山本勘助が、信玄の側室の由布姫とその息子の勝頼に入れ込む姿はすこしひいてしまいました。
あまりに、自己のことしか考えていないようにうつってしまいました。
周りの家臣が危惧するのもうなずけます。

熱くて濃い武田家に比べて、
ガクト率いる上杉家は、なかなか落ち着いた人たちで。カッコよかったです。
ボクとしては、上杉の人たちの方がカッコよくみえました。
熱い西岡徳馬にクールな緒方拳がガクトの両側に立っている姿はカッコよいです。

ラストの決戦に向う盛り上がり方は、全５０回観てきた価値のあるもので。
とても緊張感いっぱいで。ジリジリとした気持ちになりました。

今川義元を演じた谷川章介が、バツグンにカッコよかったですし。
北条氏康の松井誠。女優さんたちも。
役者さんたちは、みな重厚で面白かったです。

話の前半の信玄と父親との確執。宿敵・村上との戦い。
そして、上杉との決戦。

とても、楽しく観れた５０回でした。

この時代に産まれたかった

大河を1年通じて見たことのない私が
内野さん見たさのミーハー心のみで見始めたが
５０話完走できるのだろうかという当初の不安は
すぐにかき消された。

発表当時は地味とも言われた役者陣の確かな演技は
素晴らしかったし、
千住明さんのテーマ曲もとてもよかった。

私のように歴史に疎い者でも、
群雄割拠の戦国の時代、
どこに裏切り者が潜んでいるかもわからない状況下で
愛する者のため、信じる道のため、君主のために
命を賭して戦い抜く武士たちの生き様は
胸を打つものがあった。

真の大河ファン、歴史ファンには不評だったらしい
由布姫が側室になるくだりも私には興味深く、
その子四郎をいとおしそうに見つめる親バカ（爺バカ）的な
勘助の姿もとても印象的だった。

大河は苦手と食わず嫌いをしている方は
とりあえず１巻見てみてほしい。

１年間隻眼、左足を引きずりながらの渾身の演技を
見せてくれた内野さんに心の中で拍手を送りたい。