ライセンス・トゥ・キル　殺しのライセンス

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

　観始めてすぐに、
「なんか、古くさい映像だなあ・・」
と思ったのでした。最近流行のノワールっぽい古い映画風につくっているのかと思ったら、１９８３年のＴＶ映画でした。
　ハリウッド俳優の未公開作品を発掘してリリースする新レーベル「Treasure Hollywood」第2弾ドラマだそうで（DISCASのイントロダクションくらい見とけって話・・・）そう言われてみると、デンゼル・ワシントンがかなり若いです。（でも２０年以上前には見えんけど）

　物語は、これと言ったひねりも無い無難な展開です。
　高校を優秀な成績で卒業した娘が、飲酒運転の車に突っ込まれて死んでしまう。
「たいして飲んでいない」
と主張する建設会社の社長に対して、娘の親が
「民事なんて興味ない。金なんかいらない。娘を殺したことを償わせたい」
と裁判する話で、担当の検事がデンゼル・ワシントン。パッケージがデンゼルの写真なので主役なのかと思ったら、なかなか出てきません。出てきても、決して優秀な検事というわけでもなく、
「３０件もの訴訟を抱えていて忙しいんだ」
と事件に身が入っていないようです。弁護側、検察側がそれぞれ裁判当日に証人が出廷できないとかいって延期、延期で、娘を亡くした親に感情移入しているとイライラします。

　最後の裁判官の判決が名調子で、
「これぞアメリカの正義」
と言う感じなんですけど、物語としては一本調子で褒められたものではないですね。
　娘を亡くしたことで家族の間に軋轢があったり、加害者側の夫婦の関係も微妙な状態になったりと、ドラマとして面白く出来そうなエピソードもあるのに、なんとなくだらだら〜と終わっちゃいました。
　暇なら観てもいいですけど、是非にと言う作品ではありませんね。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

Treasure Hollywoodレーベルのリリース作品2作目です。　1作目も見ましたけど、大した事なかったな…(既にタイトルとか忘れてしまってるし…)。　今回は、ちゃんとレンタルする時点で1983年の作品だということは分かっていましたが、ここまで淡々と話が進む話だったとは…。　Denzel Washingtonは主役ではなくても、検事として活躍するkey person的な役かと思っていたのに、本当に期待外れ!!

将来を約束された高校を卒業したばかりの女の子が、飲酒運転の男が運転する車に正面衝突されて亡くなってしまうのですが、この男が本当に最後の最後まで自分が悪いということを全く認めず、そればかりが見ていて嫌な気持ちになる映画でした…。　飲酒運転が本当に危ない事で、犯罪にもなっているのに、それが原因での交通事故は今でも後を絶ちません。　

25年前よりは少しは改善されてるのかもしれませんが、ちょっと前に聞いた話では、未だにラスベガス(他のアメリカの都市だって同じだと思いますが)では金曜の夜は90%のドライバーが飲酒運転だそうです。　その中には、この映画の飲酒運転の男のように、"事故を起こさなければイイじゃないか!"っていう人もまだまだいるんでしょうね。

ちゃんとした理由なく延期を繰り返す裁判、遺族を目の前にしても反省の態度1つ見せず、どんな手段を使ってでも無罪を主張する犯人、事務的に進められる裁判…どれをとっても映画作品としては面白くも何ともない、ただの事件の記録を見てるだけって感じのストーリーでした。

私はお酒も飲まないし、車の免許も持っていませんが、この映画を見て改めて感じた事は、「乗ったら飲むな!　飲んだら乗るな!」です。

評価６６点（１００点満点）
題名からするとスパイアクション作品かと思ってしまうが、
１９８３年の少し古い作品で、飲酒運転を扱ったもの。平和な家庭に突然前触れも無く訪れる不幸。最愛の娘を事故で失った父親が無罪を主張する加害者の裁判に没頭するというテーマで当時まだまだ甘かった飲酒運転を題材にしたもの。確かに当時は日本でもそうだったがアメリカでは酩酊さえしなければ平気という風潮だったのも確かで、「マティーニを２杯」しか飲んでいないと主張する加害者。それをデンセル・ワシントン扮する地方検事が追いつめてゆくという流れだが、法廷物として観るともう一つひねりもないし、迫力に欠ける。又娘を奪われた夫婦の心が微妙に食い違うあたりも説得力に欠ける。この作品を通じて当時の世の中の風潮に警鐘を鳴らしたといえる作品。

辛口レヴューが多いのですが、なかなかの佳作だと思います。　飲酒運転による死亡事故．．．現実的な恐ろしさと虚無感が痛切に心に響きます。　複雑なストーリー展開もなく、単純明快で、観終わるまであっという間の９６分でした。

監督のジャド・テイラー氏は、６３年「大脱走」に出演し、８８年「大脱走２」を製作している人物です。
また５９年「アンネの日記」で、思春期のみずみずしさを清楚に演じ切ったミリー・パーキンスの‘２４年後の姿’に会えるのも感激です。
主演は勿論、デンゼル・ワシントンではありません。　ジェームス・ファレンティノ．．．７５年「潜入警官」というＴＶ映画が印象深い俳優ですが、８０年「ファイナル・カウント・ダウン」で原子力空母の中佐役で出ています。７４年「恐怖のエレベーター／高層ビルパニック」など、米ＴＶ映画に出演の多いＢ級俳優ですが、なかなか味のある俳優です。
そしてミリアム・ロス裁判長を演じたジャクリーン・ブルックス。　毅然として、まさに裁判長にうってつけの女優です。８１年「ゴースト殺人事件／黒衣の死美人」、８９年「シー・オブ・ラブ」などに出ています。

キャストにこだわりをもって観る私としては、納得のいく映画でした。　ＤＩＳＣＡＳさん、新レーベルの作品、引き続いてよろしくお願いします。

デンゼルワシントン人気で、旧作を掘り出してきただけのものと思っていたが、それほど悪くない。６０年代の米国映画の雰囲気が随所に感じられ、往年の俳優を何人も起用しているので楽しめる。

とくに、「アンネの日記」で一世を風靡したミリーパーキンスのその後が見られるのが興味深い。

主役のドンマーレイは、バス停留所以外は万年Ｂ級映画でおなじみだが、なかなか好演している。

そうしたものだと思ってみれば、後ろのほうで、今や大御所のデンゼルが出てきて、借りた甲斐があったと思える。

なお、殺しのライセンスという題は、００７映画の亜流、トーンアダムスのヒット作からの借り物だが、本作での実質的な意味は、殺しにつながる運転免許証のこと。

しかし、この題名で、サスペンス系と思い込ませる宣伝スタッフには敬服する。