空海

予約待ちの多いのは、貸出ディスク数を増やして下さい。

世の中には真の坊主と職業坊主があるが、京都の夜のネオン街にいけば坊主が泥酔してキャバ譲とたわむれている姿をよくみるが、禁欲の世界が坊主なのに、まったくありがたみがかんじられなくなりました！南無阿弥陀仏〜ちぃ〜ん〜

レビュー書きたくても、もう半年待っているんですけど、全然レンタルできねぇ

借りてる奴はよ返せ！！

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　洋画のイエス伝はいろんなバリエーションを見て、その都度感極まっているんですが。
自分の国の宗教者を描いた映画を知らなかった。待つこと一年、ついに…。

　第一の印象は、空海さんは知の巨人であったこと。語学は天才的で漢語の文献を縦横に読みこなし、梵語までマスターしてついには自ら独創的な仏教思想を組み立てる。２４歳で書いた「三教指帰」は「千夜千冊」に取り上げられています。映画では民衆を救うための医学、土木工学などにも才能を発揮している。書の名人だったのは「弘法も筆の誤り」と言われるくらいだから、レオナルド・ダヴィンチに８００年近く先立つ「万能の天才」といえるかも。肉体もタフで荒海にも険しい山道にも負けません。まこと、こういう人物は日本の誇り。
　北大路欣也はそんなスーパーマン空海をパワフルにエネルギッシュに演じています。

　ただ、肝心の宗教的感銘度はというと、刑場に引き立てられるイエスや否認するペテロや裏切りを悔いて縊れて死ぬユダらに比べると、個人的にはですが、ぐんと低い。その理由は、これも自分なりの感想ですが、主人公のあまりの強さ、苦悩のなさ、いつも前向きどんどん行こうという姿勢ゆえではないかと、思われます。そしてその根底にはイエスを翻弄する意地の悪い「父なる神」、絶対者の不在がある。絶対者と負けを覚悟の格闘をしないところに宗教的感興はないが、わたしの持論です。
　大日如来は万物の源となる仏と空海は言っていましたが、罰したり試したりする存在ではないようです。それどころかこの仏さまと人間は一体になれるそうです。伝染病に冒された村人に「生きて成仏せよ」と説くシーンは、生命賛歌、現世肯定の思想が力強く語られて感動的ではありました。

　長い映画で唐での修行と藤原薬子、小川真由美が色っぽいです、の乱までが前半、後半は最澄（加藤剛）との確執と全国行脚がメインでしょうか。空海の波乱に満ちた生涯に特撮によるスペクタクル場面もたっぷり、それほど退屈はしません。
貸さないとか言って、最澄との仲違いのもとになった「理趣釈経」は愛欲も菩薩と、男女の性的和合を肯定しているということです。文献第一主義の最澄師がこれを読むのはキケンと、五感を研ぎすませて真理を体得せよとの空海は判断したのでしょうか。最澄が気の毒だった。天台宗の方々からのクレームの話は聞いていないので立派だと思います。

　現代人の立場からどうしても共感できないのが、「加持祈祷」でした。政変を治めるのに加持祈祷はないでしょう。北大路欣也があまりに堂々としてしかも結果が出るので少々危険も感じました。

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仏教の映画は、脚本が勝負です。密教は教義が図像化しやすいので、もうすこし磨いてほしかった。天台が鎮護国家という枠で民衆救済するのに対し、空海の仏教が宇宙観であることは、高野山を修法の聖地とした説明で十分に表現できている。しかし、奈良時代、天台、真言、すべて唯識からスタートしているのが、戒律、特に女人と交われば破戒となり得道成仏できない奈良仏教では、在家の人間は全く成仏の道が閉ざされる。天台では、法華経を信じるのみで成仏できるとする。この戒律の壁の低さが、比叡山の評価を下げた。空海の場合は、法華経の奥義である仏性の本体が宇宙の生命にあるから、その中心にある太陽、それを仏性とした大日如来を宇宙観の中心におき、生命の営みの極致に他者の幸福を祈りきる仏性を自覚した時、大日如来の境地の吸い込まれるとする。死後には、この生命の躍動としての成仏の経験はできないとする。この映画では、それを必死に説明しているが、観客には分かりにくい。
最近、脳の科学では、太陽光を額に浴びたとき、ストレスを解消する脳内物質が分泌されるという研究があり、空海の仏教は、法華一乗仏論よりも、身体性の哲学としての完成度はたかい。けれども、異教からみると、密教という名称に妨げられ、不可思議な、まじないとして誤解されている。このあたりを映画で表現するのは、極めて難しい。