わが教え子、ヒトラー

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まず、シリアスな内容かと思い込んでたので、
「あまり語られない事実」とはいえ、
精神的に不安定なヒトラーを
思いっきり皮肉っている描写がちょっと意外でした。

コメディか！？と思ってしまうほど。

ヒトラー自殺の数ヶ月前、精神的に不安定だった頃。
彼を再生させようと、盛大な演説会を計画。
その準備のため元俳優のユダヤ人教授を呼び寄せ
演説指導・演技指導を受けることに・・・
という話。

教授はヒトラーを殺したい衝動に何度も駆られながらも
一緒についてきた家族の安全のためには、と
そのつど葛藤の末押さえてきた様子。

ヒトラーのほうは意外に教授に対して敵対心がなく、
言われたことはそのとおりにやるし、
彼が収容所に戻されたと聞いたらすぐ連れ戻す・・・。
それに、嫌なものは何が何でも嫌！！
っていう感じが子供みたい・・・。

笑ってしまうのはヒトラーの部下たちが
ころころ変更する命令に振り回されるところ。
命令系統がしっかりしてないから、
現場は混乱、どっちの命令が正しいのか？で
味方同士であわや銃撃戦（汗
不謹慎かもしれないけど、まるでコント。

ラストの大演説会は、ヒトラーの声が潰れるという
これまたおマヌケな事態に。

そこで助っ人となった教授ですが、
最後の最後に仕返しをします。
別に暗殺するわけじゃないんですが。

その行為に対しする聴衆のドイツ人の反応が
「以前ほど絶対的でもなくなってるんだ」
と思わせるような反応でした。
（これもコントみたい）

ナチスもの初でこれを観るのは
おススメしていいのか迷うところですが、
ある程度観た方なら、ちょっと角度が違う映画として
一度観てみてもいいかもしれません。

※教授役の俳優さんは「善き人のソナタ」のアノ人かな？

実話らしいですが、どこまで脚色なんだろうと
つい考えてしまう作品でした。

ヒトラーを扱った作品としては、異色なのでしょうね。
ちょっとコメディ仕立てなんですが、
ヒトラーの自分勝手で我儘な小心者っぷりは
事実に近いんじゃないかという気がしました。

「ハイル」が「癒し」という意味なのは、初めて知りました。
その所業を考えると、皮肉すぎて怒りを感じてしまい、
コメディだというのに楽しみきれませんでした。

ＳＳの「ハイル・ヒトラー」が、ヒトラーが見てないときにはおざなりなのは
笑えましたけど。ほとんど惰性状態。「ああ、はいはい。」みたいな。

後はラストの教授の行動が気持ちよかったです。
そして、その後のシーンが印象的でした。

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本作がドイツで撮られたというのは皮肉たっぷりで
迫害は今も続いていると再確認できる作品です。

ユダヤ人と言われれば、私も含め殆どの人達がこの時代を思い浮かべるでしょうが
本作に意味を持たせるなら、少なくとも迫害の歴史を知る事が不可欠だと感じます
それを踏まえて笑える方達にはコメディであり
涙する方が居られるなら立派な迫害だと感じます。

この際ヒトラーは関係なく、政府要人なら誰が主役でも同じです
ドイツ人とユダヤ人が心を通わせるという事が
両人種から見てどうなのかが重要なファクターだと思います
作中ヒトラーが「私はユダヤ人は嫌いじゃない」と言う台詞や
終盤のヒトラーとグリュンバウムが抱き合うシーンは
双方の方達にはどう写るのだろうか？、聞くのが怖いですｗ
そしてラストの展開は真実ならしょうがないですが
観客の誰もが哀れみを感じなかったのではないでしょうか？
ヒトラーも人の子という親近感に当てられた結果で
ヒトラーを取り上げる意味は有っても
ユダヤ人を取り上げる意味は無かったと感じます。

コメディなのかどうなのかは微妙ですね
文化や時代の違いで滑稽に見えるのは、某北国を見ても同じですし
他のレビュアさん指摘の、本作を撮る意味は私も感じられないです
強いて言うならドイツからすれば過去の出来事って事でしょうかね
エンドロールでの素人インタビューがそれを物語ってます。

「英国王のスピーチ」の中で、ヒトラーの演説映像をみたコリン・ファース演じるジョージ６世が、「何を言っているのかわからないけど、この男は上手いな。」と言うシーンがありましたが、この映画はヒトラーにも演説の指南をした人物がいて、なんとそれがユダヤ人だったという内容の作品です。

側近たちは儀礼的に何度も敬礼を繰り返し、その中のひとりは腕にギブスのようなものをはめて、ずっと敬礼の姿勢になっている、というあたりまではちょっと笑えたのですが、だんだん「ほんとに笑っていいの？」という気持ちになってしまいました。

ヒトラーと愛人の性交のシーンとか、ヒトラーが指南役の教授夫婦のベッドにもぐりこむシーンとか、なんだか趣味の悪い類の笑いですね。

主演のウルリッヒ・ミューエの遺作となった作品ですが、これが遺作というのもなんだか気の毒なような気がしました。

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これ、ドイツで作られたいるんですよね。
それが、いちばんびっくりしました。
でも、ドイツ以外でも作られない気がする・・・どっちにしろ、ある意味すごい作品です。

ヒトラーとユダヤ人が抱き合うシーンがある、ヒトラーと一緒のベッドで寝る・・・
本当にホロコーストの方が見たら、卒倒したり罵倒してしまうようなシーンがあります。

でも、切り口がコメディで、やっぱりナチスを美化して描いているわけではなく、
映画冒頭で言われるように「真実すぎる真実なので、どの歴史書にも載っていない」部分も
否めない気がするし、悪いであろう奴はやっぱり悪いし、後味は悪くないのではないでしょうか。

ゲッベルズは、わたしが観た大概の映画で、真の悪者のようですが、
この映画でもいちばん狡猾でいやな野郎ですね。
本作でもゲッベルズを演じているシルヴェスター・グロートさんは、
「イングロリアス・バスターズ」でもゲッベルスを演じています。
当たり役だからでしょうが、本人はどう思っていらっしゃるのでしょう。

主人公を演じたウルリッヒ・ミューエさんが、お亡くなりになっていることを本作を観た後知りました。
「善き人のためのソナタ」などで、好演されていたので残念です。ご冥福をお祈りいたします。