Ｐｈａｎｔｏｍ〜Ｒｅｑｕｉｅｍ　ｆｏｒ　ｔｈｅ　Ｐｈａｎｔｏｍ〜

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旅行中、アメリカギャングの美少女暗殺者”ファントム”の、
暗殺現場を、偶然、目撃したことから、
その連中に囚われてしまう、男子学生。

しかし、その組織から、暗殺者としての才能を見出され、
記憶を消されたあと、その美少女暗殺者”アイン”の元で、
”ツヴァイ”として、暗殺者としての訓練することとなる。

彼女のもと、暗殺者として仕込まれたツヴァイは、
その組織”インフェルノ”の”サイス・マスター”と呼ばれる
男と、その組織の美女幹部、クロウディア・マッキェネンの
命ずるまま、暗殺を続けていくが・・・


”人を殺して得られる自由って、何？”
という、暗いテーマを、うまく表現されていて、
全体的な、雰囲気がいいし、
銃に、造詣がある方が描いているんでしょうか・・・
そういう細かい描写もいい感じがします。
私は、詳しくないけど・・・

ストーリー全体としても、直接的な性描写はないものの、
当然、こういうつながりには、男女間のつながりもあるわけで、
そこも、ちゃんと描いていて、大まかには、説得力はあり、
映画になってもおかしくないような、ストーリーでもあり、
そういう人間関係の描写は、魅力的にできていて、
良い感じだと思います。

ネタばれになるが、
最後に日常編を入れるのも、ここ１０年数年ほどの、アニメで、
成功するひとつのセオリーでもあるわけで、
構成としても、必要だろうと思うし、
セーラー服と機関銃的な、アインは、
結構、絵になっていて、いいです（笑）

ただ、、、細かいところで、
アメリカン・ギャングを震撼させるファントム３人の割りに、
ちょっと、アメリカ映画のヒーローものみたいに、
変に語るために、ちょっと馬鹿げた間があったり、
敵の銃弾は、
どうやっても、主人公には、当たらないよ的な表現で、
ちょっと、興ざめしてしまう部分もあるのが、
残念。

このあたりの演出はありきたりなところを、
もうすこし脚本、構成で煮詰めていれば、
もっと、良い作品になった気がして、
残念な感じは残りますね。

あと、時間の流れも、、、
アイン、ツヴァイは、ファントムのときは、何歳だったんだろう、、、
逃亡の２年後で、高校生をやってるって、、、、
どうなの？って気もする。。。

大学生ぐらいの設定の方がいい感じもするけど、
やっぱり、アインにセーラー服を着せたいがための、
処置なんでしょうかね（笑）

逆に、キャルは、２年で、胸、成長しすぎ・・・（笑）

ま、それは、いいとして、ちょっと、疑問なのは、
アイン（江漣）が、
美緒と、ツヴァイ（玲二）との間を受け持つ面もあるが、、、
これ、アイン的には、ＯＫなのか？？？

逃げ延びるために、殺されないために、
美緒を利用するためには、必要という判断なのかもしれないけど、
他の選択肢も、この時点では、たくさんある感じもして・・・
ちょっと、疑問に感じた。

それと、ちょっと、根本的だけど、
ドライが、ツヴァイを、そこまで恨みに思う、
その気持ちが、よくわからない面もあった。
確かに、姉が殺された後、ツヴァイに、
見捨てられたと思いこんだのかもしれないけど、
状況から見て、彼が暗殺者であることは知っているわけで、
それぐらいの知恵が働いてもいい気がするのに・・・
って、気がする。

あとは、ラストですが、、、
賛否あるでしょうけど、
私は、好きですね。

ある意味、因果応報と言いましょうか・・・
サイス・マスターを倒したら、
終わりになりがちな物語を、きちんと引き戻しているといいましょうか。。。
これ以上は、本当に、ラストのワンシーンだけのことなので、
控えますが、
私は、ありだと思いました。。。

声優に関しては、重要な登場人物は、比較的少なくて、
３人のファントムに焦点があたっており、
演技力もその３人に多くを求められる内容です。

高垣彩陽さん、入野自由さん、沢城みゆきさん
の三人がそれをやっているのですが、
とくに、沢城さんは、少女時代と、ファントムになった、キャルとの差、
高垣さんは、普通のときの暗いアインと、
人混みや、日常を演じる明るいアインとの、演じ分けを、
うまくこなしていています。
そこも、見所でしょうね。

ニトロプラスのゲーム版は未体験でしたが、このアニメは素晴らしいと思いました。
作品に流れている閉塞感、絶望感、そしてその絶望感から脱出しようとするツヴァイこと怜二とアインこと江蓮、二人の生きざまが見事に描かれています。そして後に登場するキャルや藤枝美緒といったキャラの微妙な心理描写もしっかりと描かれています。

絵も細かく綺麗に描かれていて、銃撃戦やアクションもリアルで迫力があり、見応えがありました。ＳＥもリアルで銃器の発疱音、飛び出した空薬莢が地面に落ちる音、空薬莢同士がぶつかる微細な音まで表現されていたのが見事でした。

私はガンマニアではないので、一つ一つの銃の名前まではわかりませんが、ＯＰタイトル（第１期）の冒頭に描かれている回転型の拳銃とオートマチック型の拳銃が、アインとツヴァイを象徴しているように感じます。深夜枠での放映だったので見逃してはと思い、毎回タイマー予約していましたが、殆どリアルタイムか翌日にはチェックするほどハマった作品です。

この巻では、平凡な日本人旅行者の少年が偶然、殺人現場に遭遇し、そのために暗黒組織インフェルノに捕らえられる。しかしその潜在能力を見込んだサイスマスターによって過去の記憶を消されスナイパー・ファントムになるべく教育を受ける。それを任されるのがアインと呼ばれる少女。少年は自身の意思とは関係なく、そうしなければ生きる術の無いことを知る。と、ここまではいわばプロローグ的なもので、本筋は次巻からです。

はじめは無表情、無感情だったアインが、次第にツヴァイに対する感情の変化が見られいつしか二人は…、これ以上はどうか本作品をご覧下さい。見始めたら一時も息を抜くことができません。登場人物に一人の無駄がないということも、この作品の完成度の高さが感じられます。

先日、テレビ放映が終了しましたが、“Requiem for the Phantom”（亡霊の鎮魂歌）のタイトルから、ハッピーエンドにはならないと想像はしていましたが、この終わり方は、ほぼ私の満足がいくものでした。なぜか若い頃に読んだ梶原一騎原作「愛と誠」のラストを連想したのは、おそらく私だけかも知れません。

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2000年に発売されたゲーム「Phantom -PHANTOM OF INFERNO-」の
アニメ化された作品で、同作品を制作したニトロプラスの
10周年記念作品です。

2004年に発売されているアニメ「Phantom -PHANTOM THE ANIMATION-」では3話で尺が足りず全体的に燃焼不足でしたが、
今作では全26話ということでその点は心配ないと思われます。

真下耕一監督作品で、随所にガンアクションがありますが、
派手さはあまりないので、NOIRやMADLAXが好きな方には
ちょっと物足りないかもしれません。

また、ヒロインが無感情であるため、萌えの要素は皆無です。
話数が進めば「おおっ！」と思うシーンもあるにはあります。

第1巻は主人公が暗殺者に仕立て上げられるところまでが収録されています。

■個人的に面白くなってくる話数
10話ぐらいから