今度の日曜日に

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けんもち聡監督の作品は一度も観たことがないのですが、
キャストに惹かれてレンタルしてみました。
これが結構思わぬ拾いものだったみたいで…。

主人公となるのは、憧れの先輩を追って
日本へやってきた韓国人留学生のソラ。
だけど憧れの先輩はソラと入れ違いで韓国へ帰国していて、
先輩との甘いキャンパスライフの夢も破れ、
大学にもあまり馴染めず、心にぽっかり穴があいてしまい…。
そんな時何度となく遭遇したのが、
ソラが通う大学の用務員に新聞配達やピザの宅配と、
借金返済の為朝から晩まで３つの仕事を掛け持ちする
苦労人の松元だった。
不慣れな留学生活を送る韓国人の女のコと
ビン集めが生き甲斐な冴えない中年男との心温まる交流に
殺伐とした現代に生きる私たちが失ってしまったもの、
人としての原点を教えて貰えた様な気がしました。

松元の唯一の趣味であるビン集め。
コレクションしているビンは
特にプレミアム品というわけでもなく、
その辺に転がっている何てことないものばかり。
普通の人なら見過ごしてしまうものに目を向ける
そんな心の豊かさがとても素敵だと思いました。

バツ一で今は離れて暮らす息子を励みにして
辛い仕事に耐える松元の姿にはしんみり。。
母親の再婚に前向きになれないでいたソラでしたが、
松元の直向きな親子愛に触れて
何か感じるものがあったのではないでしょうか。

主演の二人、市川染五郎とユンナの好演が光っていました。
市川染五郎は意外な役どころでしたが、
見事に冴えないおじさんを演じていました。
ユンナの本業は歌手だそうで、
フジテレビ系ドラマ「東京湾景」の挿入歌
『ゆびきり』で歌手デビューしているそう。
自然体の演技が魅力的で女優さんとしての
今後の可能性を感じました。
日本語のセリフも上手かったですし。

私が好きな長野県松本市が舞台なのも嬉しかったです♪

市川染五郎がすごく魅力的。

ダサくて、無精なのに、どこか憎めなくて、ほんわかしてて清潔感がある。
だけど、一本筋は通ってて、力強さを感じる。
なんとも不思議な感じのおじさんを好演。

ほかの俳優がやったら、何かが欠けてしまう気がする。
汚っぽくなってしまったり、怪しく見えたり、すごく情けなくみえたり...
両極端にみえるのに統一感があって、バランスが素晴らしいと感じた。

そして、彼を映画のテーマにしようとする映画監督志望の留学生。
初めて観た女優だが、本当に自然で普通で可愛らしい。

この二人が醸し出す雰囲気がまたバランスがいい。
恋愛感情でもなく、友情でもなく．．．
なんとも不思議なところでほんわり温かい空気を感じさせてくれる。

「この関係はこうだ！！」とか「この人間はこうだ！！」とか一切ない。
いろんな人間がいて、いろんな関係があって、いろんな感情がある。

だから、お互いを知り、思いやりをもって、優しくできることが
難しくもあるけれど大切なことなんだと思う。

韓国からの留学生と用務員のおじさんとのほのぼのした交流を描いた作品。
主人公の女の子はけっして美人ではないが、何か伝わってくるものがあり、可愛いと思った。
市川染五郎はおじさんと呼ぶにはちょっと可哀想か。でも演技はいい味をだしていた。
子役がオーバーな演技で違和感。

２人の涙のシーンはぐっときます。

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ソラと松本さんは結局心通わせたのでしょうか。

恋愛ということではなく、二人が本当にお互いをわかりあおうとしたのだろうか。そこが全くあいまいとしているので、どうもしっくりこないのです。

松本さんが置かれている状況も、ソラと先輩のことも、見ている我々はわかっているのだけれど、はたして二人はどうなのだろうか。

そんなことが最後まではっきりしないので、ソラが松本さんと出会ってことでなにが変わったのかわからないまま、終わってしまったようです。

やたらとＤＶＤに宣伝が入っていて借りてみた。日韓の共同なので、２国間のわだかまりを前面に出しているのかと思ったら、人間と人間のふれあいの大切さを描いていて、心温まる映画だった。リアルさがあまりない映画だけれども、淡い感じの気持ちの良い気分にしてくれた。

個人レベルでは、仲良くなれる韓国なんだが、全体になると色々わだかまりが出てしまう両国。このような映画をもっと作るのも大事なのかもしれない。