十一人の侍 / 夏八木勲
十一人の侍
/工藤栄一
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全体の平均評価点: (5点満点)
(5)
解説・ストーリー
『十三人の刺客』の工藤栄一監督が手掛けた時代劇巨編。徳川将軍の弟を狙う11人の侍たちの戦いを、実録タッチの作風と画期的な映像手法でアクションたっぷりに表現する。夏八木勲、里見浩太郎、西村晃ら往年の豪華キャストたちの共演も見もの。
『十三人の刺客』の工藤栄一監督が手掛けた時代劇巨編。徳川将軍の弟を狙う11人の侍たちの戦いを、実録タッチの作風と画期的な映像手法でアクションたっぷりに表現する。夏八木勲、里見浩太郎、西村晃ら往年の豪華キャストたちの共演も見もの。
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「十一人の侍」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
『十三人の刺客』の工藤栄一監督が手掛けた時代劇巨編。徳川将軍の弟を狙う11人の侍たちの戦いを、実録タッチの作風と画期的な映像手法でアクションたっぷりに表現する。夏八木勲、里見浩太郎、西村晃ら往年の豪華キャストたちの共演も見もの。
「十一人の侍」 の作品情報
「十一人の侍」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
十一人の侍の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
100分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DRTD03497 |
2012年03月09日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
2枚
|
0人
|
1人
|
十一人の侍の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
100分 |
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1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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DRTD03497 |
2012年03月09日
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在庫枚数 |
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ユーザーレビュー:5件
討ち取るべきは斉厚ただ一人
監督:工藤栄一(1967年・日本・100分・モノクロ)
Wikipediaによると、本作は「集団抗争時代劇」というジャンルの一本だそうです。
※(注)あくまでも東映京都撮影所で作られる時代劇のみに適用される命名らしい。
工藤栄一監督作品で、同じく集団抗争時代劇と言われる『十三人の刺客(1963年)』と『大殺陣(1964年)』を観ましたが、観ているとその2作品に似ていると感じました。
※(注)『十三人の刺客』において、異常性格の暴君を演じたのも、本作の菅貫太郎でした!
館林藩主・松平斉厚(なりあつ/菅貫太郎)は、狩りを楽しんでいましたが、逃した鹿を追って忍藩(おしはん)の領地に入ってしまいます。
慌てた家臣たちは「国外でござるぞ!」と叫びますが、斉厚は構わず進み、自分の前を歩いていた百姓を邪魔だとばかりに矢を射って殺してしまいます。
それを忍藩主・阿部正由(まさより/穂高稔)が見咎め、斉厚の身勝手な振る舞いを窘めます。
しかし、今回は見逃そうと温情を掛けたのに、斉厚は正由に向けて矢を放ち、その矢は目に突き刺さり死亡します。
この事態に忍藩自責家老・榊原帯刀(たてわき/南原宏治)は、老中・水野越前守(佐藤慶)に訴状を送ります。
受け取った水野は、非は一方的に斉厚にあると理解するも、「斉厚は将軍の弟であり、公になっては威信に係わる事。有ってはならぬ事。そんな事はなかったのだ。」と訴状を破り捨てました。
帯刀は、忍藩の取り潰しまで一カ月の猶予を願い出て、その間に主君の仇討を計画。親友の仙石隼人(夏八木巌)に斉厚の暗殺を依頼します。
仙石は、かつての柳生道場で剣を学んだ仲間です。
仙石は自分の他に十人の侍を暗殺隊に選びます。
この辺の流れは、「忠臣蔵」を思い浮かべました。
この暗殺隊には、三田村健四郎(里見浩太朗)、県ぬい(大川栄子)、金庫番・市橋弥次郎(汐路章)、連絡役・藤堂幾馬(唐沢 民賢)らがいました。
後に、井戸大十郎(西村晃)が加わります。
最大の見せ場は、江戸から館林までの15里ほどの行程を行く斉厚らを街道の森で迎え討つシーンの筈でした。
ところが、連絡役がやって来て「忍藩断絶は無し!中止!」と叫ぶのです。
何処まで行っても正直者は騙され、臍を噛むのでしょうか。
水野越前守の謀略と分かって、豪雨の中でのクライマックスとなります。
雨宿りに逃げ込んだ農家を十一人を三つに分けて農家の前面、裏手、渡しのある方に配置します。
この時の仙石の言葉が「討つべきは、斉厚ただ一人。他の者はかまうな。」でした。
陽動及び斬り込みの者たちは、最初から死ぬのを覚悟ですから、腹に爆弾を巻き付けて焚火の中に身を投げます。
激しい雨とぬかるみでの戦いは、「大殺陣」のラストそっくりです。
ストーリーは分かり易く、チャンバラはアクション性が高く、テンポよく進んで行くので退屈する暇はありませんでした。
でも、既視感があったり物足りなく感じるのは、暗殺計画の緩さと、配役のせいでしょうか。
主役の夏八木勲よりも老中役の佐藤慶、舘林藩家老・秋吉刑部役の大友柳太郎の方が、圧倒的に存在感と迫力を放っていました。
また、途中から仲間に加わった井戸(西村晃)ですが、彼の立場は、個人的な恨みではなく、権力への抵抗者でした。
ラストでは、彼一人が好いとこ取りでした。(笑)
女郎が「いずれ殿さまのいない時代が来ると良い」と言っていたというのが、唯一庶民の言葉だったように思います。
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個性派悪役そろい踏み
投稿日:2021/11/21
レビュアー:趣味は洋画
十一人の侍(1967年、日本・東映、モノクロ、100分)
工藤栄一監督の「集団抗争時代劇・三部作」を観終えることができました。
63年「十三人の刺客」、64年「大殺陣」、そして本作「十一人の侍」です。東映の往年チャンバラ映画がこれほどまでに迫力があったのかと、あらためて実感した次第です。
ご紹介いただいた「さっちゃん」さん、「kazupon」さんに御礼を申し上げます。
3作品はそれぞれ独立した筋立てです。
「十三人の刺客」は今月上旬に観たばかりですが、重厚な俳優陣に圧倒されました。片岡千恵蔵をはじめ、月形龍之介、嵐寛寿郎、内田良平、西村晃、等々。特に片岡千恵蔵の他者を圧する存在感は群を抜いており、まさに日本映画界の重鎮であったことを認識させられました。
「大殺陣」は昨年3月に観たのですが、冒頭に登場する ‘雨天の江戸屋敷を捉えたカット’ が素晴らしく、
そこに芥川隆行の流麗なる口調のナレーションが加わって、時代劇の気品を感じました。勿論、タイトルどおりの殺陣のシーンが凄まじく、集団と集団の斬り合いは大迫力でした。
そして本作「十一人の侍」ですが、前2作品から製作が3〜4年経過しており、やや中弛み感というか小粒な印象は否めません。しかし見事な映像シーンがありました。館林藩・松平斉厚が家老の秋吉刑部率いる50人の騎馬隊に守られ、日光街道を帰藩する場面です。霧に覆われた街道をカメラが斜め前方から捉え、微動だにしない。馬の蹄のコツコツという音だけが聞こえ、やがてその音は次第に大きくなってくる。うっすらとした霧が少しずつ消えるとともに、50騎の侍たちの姿が徐々に現れてくる。そのカメラアングルの見事さ、静寂のなかの蹄の音、侍たちの息づかいまで聞こえそうな名シーンなのです。
それにしても松平斉厚(なりあつ)を演じた菅貫太郎ですが、「十三人の刺客」に続いてのバカ殿ぶりは健在です(笑)。今回は化粧顔の白塗りが強調されているようで、まさに志村のバカ殿を連想させる。
何でも自分の思うとおりにならないと気が済まない駄々っ子が、平気で人殺しをする。
ここで主要登場人物と演じた俳優について触れておきたいと思います。(年齢は出演時のもの)
仙石隼人(夏八木勲28歳)本作の主人公。忍藩の藩士で剣術に長けており、暗殺隊を率いる。
三田村健四郎(里見浩太朗31歳)忍藩藩士。11人の侍の中では血の気が多く、先走りの傾向あり。
榊原帯刀(たてわき/南原宏治40歳)忍藩次席家老。主君が殺され、訴状を老中に差し出す。
仙石織江(宮園純子24歳)隼人の良妻。常に夫に尊敬の念を抱き、武士の妻の立場を守る。
県ぬい(あがた ぬい/大川栄子20歳)暗殺隊11名のなかの唯一の女性。
水野越前守(佐藤慶39歳)腹黒い老中。将軍家の体裁を保つことのみを画策している。
松平斉厚(なりあつ/菅貫太郎33歳)将軍の実弟で、館林藩主。別の意味で本作主人公(?)。
伊奈喬之助(近藤正臣25歳)織江の弟。隼人の行動に疑念を抱き、単独行動に走る。
秋吉刑部(ぎょうぶ/大友柳太郎55歳)館林藩の家老で、剣術に長ける。斉厚を常に守る。
井戸大十郎(西村晃44歳)凄腕の浪人で暗殺隊に加わる。ラストシーは見もの。
ほかにも青木義朗や汐路章といった個性派が出ています。
佐藤慶は毎度の「超悪役」ですが、それ以外の「いつもは悪役」の面々が、本作に限っては逆の立場で登場するので、それが興味深かったです。
夏八木勲と大友柳太郎の対決シーンは、親子ほどの年齢差ですが、それを感じさせませんでした。
芥川隆行のナレーションがないのが淋しいですが、その分、歯切れ良い鼓のポン・ポンという音に絡まる
‘いよお〜〜っ いよお〜〜っ’ の合いの手が心地よかったです。
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仕置人の方へ
投稿日:2021/08/26
レビュアー:さっちゃん
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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これで工藤栄一監督の“集団抗争時代劇”をすべて観たことになる。『十三人の刺客』、『大殺陣』、そして本作である。
主命を貫く二人の男がぶつかり合う『十三人の刺客』、体制側と反体制側との衝突に巻き込まれた不運な男の破れかぶれの復讐と、その行動に更に巻き込まれる男をアナーキーに描いた『大殺陣』。それらに対して本作は権力に踏みにじられる弱者の恨みを前面に出しているように思う。
主人公の忍藩藩士、仙石隼人(夏八木勲)は最初、友人でもある次席家老、榊原帯刀(南原宏治)の依頼で主君、阿部正由(穂高稔)を殺害した館林藩藩主、松平斉厚(菅貫太郎)の暗殺を企てるが、その間にも妻、織江(宮園純子)の弟、伊奈喬之助(近藤正臣)が単身、斉厚の通う廓に切り込み無念の最期を遂げ、織江が足手まといにならぬようにと自害したことから失うものがなくなり、仲間と共に斉厚暗殺に動き出す。このメンバーの中に『大殺陣』の里見浩太朗もいるのだが、特筆すべきは井戸大十郎という浪人に扮する西村晃であろう。腕の立つ人物だが、最初から権力に対する憎悪を持つという点で前2作にはいなかったキャラクターである。
この間にも将軍の弟を護るために忍藩取り潰しを図る老中、水野忠邦(佐藤慶)と舘林藩家老、秋吉刑部(大友柳太朗)との企みで取り潰しが沙汰止みになると思わされた榊原帯刀が仙石隼人に襲撃を中止するように命じるくだりとか、その後、騙されたことを知って陰腹を切って馬で隼人らに再度の襲撃を依頼に来るくだりとか緊迫感に満ちた場面があるのだが、私は最初の林間の襲撃準備の描き方が念入りだったので、まさか、あそこで中止という展開に驚いた。
そして、クライマックスの隼人らの斉厚襲撃が始まるのだが、豪雨の中の斬りあいに当初の襲撃に使用するはずだった爆裂弾を使った爆発もあり、前2作にも負けないアクション・シーンになっている。ラストで隼人と刑部が相討ちになり、一人、残った井戸が隼人が斬った斉厚の首を持って去って行く先には仕置人が待っているのではないだろうか。虐げられた者の恨みを晴らす男女の集団が。
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峠の襲撃計画
投稿日:2012/05/03
レビュアー:よふかし
工藤栄一の「集団時代劇三部作」の三作目。前二作はリメイクもされた『十三人の刺客』、宿場町の大規模な集団戦に突如参戦する浪人者が印象的な『大殺陣』。それらとよく似たプロットで、つまらないわけではないけれど、前二作に比べると軽量級。主演の夏八木勲も、襲撃計画の空間設計も軽い。
何より本作の場合、脚本がやや甘く感じられる(前作までの池上金男が三人の共同脚本に代わったことも影響しているのだろうか)。
凶暴な将軍の弟を討ちとろうとする暗殺計画を描いたものだが、幸手の峠道での待ち伏せが、中盤の見せ場となる。
将軍の愚弟が馬でやってくるのをじっと待ちうける際の、台詞を排して馬の足音を聞かせる長いシーン。ジリジリとしたサスペンスが盛り上がる。霧の向こうから響くドドドという音、その前にすっくと立つ主人公――後年の『その後の仁義なき戦い』の新幹線を思い起こさせるいいシーンだ。『十三人の刺客』とよく似た役で登場する西村晃が、竹筒の砲を斜面に備え付けたりし、これまでとは違う飛び道具の登場に期待は高まる。
ところが、とある事情でこの襲撃計画は敢行されないのだ。盛り上がった分、肩透かし感は大きい。結局、ここでのアクションシーンは「襲撃計画の手順の説明」という形で、つまり映画内では実際に起こらなかったという設定で、映像化されるだけなのであるが、そんなふうな手法も重厚さ・悲壮感をそぐばかりのような気もする。
結局ラストの襲撃も仕切り直しで計画が出たこ勝負な印象は否めないし、演出も『十三人』によく似ている。
もともと東映の集団時代劇なるリアル路線は、かつて隆盛を誇った東映チャンバラ映画が下火となり、東宝・黒澤明の『用心棒』などの衝撃もあって生まれたものだそうだが、一年半ほどの間に何作かが作られて萎んでしまったという(ものの本による)。やはりこの路線ではプロットに変化をつけにくかったのだろうか? しかし後に人気を博す実録ヤクザ映画には少なからぬ影響を与えたような気がする。
のっけから矢で目を貫くとか、残酷度は三作で一番だが、55点。
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十一人の侍
投稿日:2014/11/10
レビュアー:片山刑事
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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いきなり、暴君をいさめた主君が弓矢を目玉に突き刺されるという殺され方をしてびっくりしました。なんなんだこの将軍の弟は! と驚くオープニングでした。
一方的に悪いほうにされて理不尽な裁きに納得の出来ない侍たちがリベンジをくわだてますが。主人公の夏八木勲さん以外のキャラクターが薄くて残念でした。たまたまた立ち聞きしてしまった浪人の西村晃さんなんかも面白い人物でしたが、そのほかは顔と名前がほとんどわからなかったです。
そのため、クライマックスで囮となって必ず死ぬ役割をする侍とかも盛り上がりそうですが誰かよくわからないためもったいなかったです。
将軍の弟を狙うという緊迫感もほとんどなく、将軍の弟がいるところに難なく暗殺部隊が控えてるのでサスペンスも盛り上がることがなかったです。
ただ、映像美は最高にカッコよくて霧の中を遠くから馬のひづめだけ聞こえてきて。その後わらわらと現れる一行などは見たことが無いくらい綺麗な映像でカッコよかったです。クライマックスの雨の中の死闘も泥まみれで凄かったです。
狙うもの狙われるものの知力と体力を尽くした攻防が見たかったですが、狙う暗殺者たち、ギリギリで作戦中止、また狙う、作戦中止の繰り返しで面白味にかけてしまいました。そして、侍たちの個性のなさももったいなかったです。
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ユーザーレビュー
討ち取るべきは斉厚ただ一人
投稿日
2021/10/25
レビュアー
kazupon
監督:工藤栄一(1967年・日本・100分・モノクロ)
Wikipediaによると、本作は「集団抗争時代劇」というジャンルの一本だそうです。
※(注)あくまでも東映京都撮影所で作られる時代劇のみに適用される命名らしい。
工藤栄一監督作品で、同じく集団抗争時代劇と言われる『十三人の刺客(1963年)』と『大殺陣(1964年)』を観ましたが、観ているとその2作品に似ていると感じました。
※(注)『十三人の刺客』において、異常性格の暴君を演じたのも、本作の菅貫太郎でした!
館林藩主・松平斉厚(なりあつ/菅貫太郎)は、狩りを楽しんでいましたが、逃した鹿を追って忍藩(おしはん)の領地に入ってしまいます。
慌てた家臣たちは「国外でござるぞ!」と叫びますが、斉厚は構わず進み、自分の前を歩いていた百姓を邪魔だとばかりに矢を射って殺してしまいます。
それを忍藩主・阿部正由(まさより/穂高稔)が見咎め、斉厚の身勝手な振る舞いを窘めます。
しかし、今回は見逃そうと温情を掛けたのに、斉厚は正由に向けて矢を放ち、その矢は目に突き刺さり死亡します。
この事態に忍藩自責家老・榊原帯刀(たてわき/南原宏治)は、老中・水野越前守(佐藤慶)に訴状を送ります。
受け取った水野は、非は一方的に斉厚にあると理解するも、「斉厚は将軍の弟であり、公になっては威信に係わる事。有ってはならぬ事。そんな事はなかったのだ。」と訴状を破り捨てました。
帯刀は、忍藩の取り潰しまで一カ月の猶予を願い出て、その間に主君の仇討を計画。親友の仙石隼人(夏八木巌)に斉厚の暗殺を依頼します。
仙石は、かつての柳生道場で剣を学んだ仲間です。
仙石は自分の他に十人の侍を暗殺隊に選びます。
この辺の流れは、「忠臣蔵」を思い浮かべました。
この暗殺隊には、三田村健四郎(里見浩太朗)、県ぬい(大川栄子)、金庫番・市橋弥次郎(汐路章)、連絡役・藤堂幾馬(唐沢 民賢)らがいました。
後に、井戸大十郎(西村晃)が加わります。
最大の見せ場は、江戸から館林までの15里ほどの行程を行く斉厚らを街道の森で迎え討つシーンの筈でした。
ところが、連絡役がやって来て「忍藩断絶は無し!中止!」と叫ぶのです。
何処まで行っても正直者は騙され、臍を噛むのでしょうか。
水野越前守の謀略と分かって、豪雨の中でのクライマックスとなります。
雨宿りに逃げ込んだ農家を十一人を三つに分けて農家の前面、裏手、渡しのある方に配置します。
この時の仙石の言葉が「討つべきは、斉厚ただ一人。他の者はかまうな。」でした。
陽動及び斬り込みの者たちは、最初から死ぬのを覚悟ですから、腹に爆弾を巻き付けて焚火の中に身を投げます。
激しい雨とぬかるみでの戦いは、「大殺陣」のラストそっくりです。
ストーリーは分かり易く、チャンバラはアクション性が高く、テンポよく進んで行くので退屈する暇はありませんでした。
でも、既視感があったり物足りなく感じるのは、暗殺計画の緩さと、配役のせいでしょうか。
主役の夏八木勲よりも老中役の佐藤慶、舘林藩家老・秋吉刑部役の大友柳太郎の方が、圧倒的に存在感と迫力を放っていました。
また、途中から仲間に加わった井戸(西村晃)ですが、彼の立場は、個人的な恨みではなく、権力への抵抗者でした。
ラストでは、彼一人が好いとこ取りでした。(笑)
女郎が「いずれ殿さまのいない時代が来ると良い」と言っていたというのが、唯一庶民の言葉だったように思います。
個性派悪役そろい踏み
投稿日
2021/11/21
レビュアー
趣味は洋画
十一人の侍(1967年、日本・東映、モノクロ、100分)
工藤栄一監督の「集団抗争時代劇・三部作」を観終えることができました。
63年「十三人の刺客」、64年「大殺陣」、そして本作「十一人の侍」です。東映の往年チャンバラ映画がこれほどまでに迫力があったのかと、あらためて実感した次第です。
ご紹介いただいた「さっちゃん」さん、「kazupon」さんに御礼を申し上げます。
3作品はそれぞれ独立した筋立てです。
「十三人の刺客」は今月上旬に観たばかりですが、重厚な俳優陣に圧倒されました。片岡千恵蔵をはじめ、月形龍之介、嵐寛寿郎、内田良平、西村晃、等々。特に片岡千恵蔵の他者を圧する存在感は群を抜いており、まさに日本映画界の重鎮であったことを認識させられました。
「大殺陣」は昨年3月に観たのですが、冒頭に登場する ‘雨天の江戸屋敷を捉えたカット’ が素晴らしく、
そこに芥川隆行の流麗なる口調のナレーションが加わって、時代劇の気品を感じました。勿論、タイトルどおりの殺陣のシーンが凄まじく、集団と集団の斬り合いは大迫力でした。
そして本作「十一人の侍」ですが、前2作品から製作が3〜4年経過しており、やや中弛み感というか小粒な印象は否めません。しかし見事な映像シーンがありました。館林藩・松平斉厚が家老の秋吉刑部率いる50人の騎馬隊に守られ、日光街道を帰藩する場面です。霧に覆われた街道をカメラが斜め前方から捉え、微動だにしない。馬の蹄のコツコツという音だけが聞こえ、やがてその音は次第に大きくなってくる。うっすらとした霧が少しずつ消えるとともに、50騎の侍たちの姿が徐々に現れてくる。そのカメラアングルの見事さ、静寂のなかの蹄の音、侍たちの息づかいまで聞こえそうな名シーンなのです。
それにしても松平斉厚(なりあつ)を演じた菅貫太郎ですが、「十三人の刺客」に続いてのバカ殿ぶりは健在です(笑)。今回は化粧顔の白塗りが強調されているようで、まさに志村のバカ殿を連想させる。
何でも自分の思うとおりにならないと気が済まない駄々っ子が、平気で人殺しをする。
ここで主要登場人物と演じた俳優について触れておきたいと思います。(年齢は出演時のもの)
仙石隼人(夏八木勲28歳)本作の主人公。忍藩の藩士で剣術に長けており、暗殺隊を率いる。
三田村健四郎(里見浩太朗31歳)忍藩藩士。11人の侍の中では血の気が多く、先走りの傾向あり。
榊原帯刀(たてわき/南原宏治40歳)忍藩次席家老。主君が殺され、訴状を老中に差し出す。
仙石織江(宮園純子24歳)隼人の良妻。常に夫に尊敬の念を抱き、武士の妻の立場を守る。
県ぬい(あがた ぬい/大川栄子20歳)暗殺隊11名のなかの唯一の女性。
水野越前守(佐藤慶39歳)腹黒い老中。将軍家の体裁を保つことのみを画策している。
松平斉厚(なりあつ/菅貫太郎33歳)将軍の実弟で、館林藩主。別の意味で本作主人公(?)。
伊奈喬之助(近藤正臣25歳)織江の弟。隼人の行動に疑念を抱き、単独行動に走る。
秋吉刑部(ぎょうぶ/大友柳太郎55歳)館林藩の家老で、剣術に長ける。斉厚を常に守る。
井戸大十郎(西村晃44歳)凄腕の浪人で暗殺隊に加わる。ラストシーは見もの。
ほかにも青木義朗や汐路章といった個性派が出ています。
佐藤慶は毎度の「超悪役」ですが、それ以外の「いつもは悪役」の面々が、本作に限っては逆の立場で登場するので、それが興味深かったです。
夏八木勲と大友柳太郎の対決シーンは、親子ほどの年齢差ですが、それを感じさせませんでした。
芥川隆行のナレーションがないのが淋しいですが、その分、歯切れ良い鼓のポン・ポンという音に絡まる
‘いよお〜〜っ いよお〜〜っ’ の合いの手が心地よかったです。
仕置人の方へ
投稿日
2021/08/26
レビュアー
さっちゃん
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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これで工藤栄一監督の“集団抗争時代劇”をすべて観たことになる。『十三人の刺客』、『大殺陣』、そして本作である。
主命を貫く二人の男がぶつかり合う『十三人の刺客』、体制側と反体制側との衝突に巻き込まれた不運な男の破れかぶれの復讐と、その行動に更に巻き込まれる男をアナーキーに描いた『大殺陣』。それらに対して本作は権力に踏みにじられる弱者の恨みを前面に出しているように思う。
主人公の忍藩藩士、仙石隼人(夏八木勲)は最初、友人でもある次席家老、榊原帯刀(南原宏治)の依頼で主君、阿部正由(穂高稔)を殺害した館林藩藩主、松平斉厚(菅貫太郎)の暗殺を企てるが、その間にも妻、織江(宮園純子)の弟、伊奈喬之助(近藤正臣)が単身、斉厚の通う廓に切り込み無念の最期を遂げ、織江が足手まといにならぬようにと自害したことから失うものがなくなり、仲間と共に斉厚暗殺に動き出す。このメンバーの中に『大殺陣』の里見浩太朗もいるのだが、特筆すべきは井戸大十郎という浪人に扮する西村晃であろう。腕の立つ人物だが、最初から権力に対する憎悪を持つという点で前2作にはいなかったキャラクターである。
この間にも将軍の弟を護るために忍藩取り潰しを図る老中、水野忠邦(佐藤慶)と舘林藩家老、秋吉刑部(大友柳太朗)との企みで取り潰しが沙汰止みになると思わされた榊原帯刀が仙石隼人に襲撃を中止するように命じるくだりとか、その後、騙されたことを知って陰腹を切って馬で隼人らに再度の襲撃を依頼に来るくだりとか緊迫感に満ちた場面があるのだが、私は最初の林間の襲撃準備の描き方が念入りだったので、まさか、あそこで中止という展開に驚いた。
そして、クライマックスの隼人らの斉厚襲撃が始まるのだが、豪雨の中の斬りあいに当初の襲撃に使用するはずだった爆裂弾を使った爆発もあり、前2作にも負けないアクション・シーンになっている。ラストで隼人と刑部が相討ちになり、一人、残った井戸が隼人が斬った斉厚の首を持って去って行く先には仕置人が待っているのではないだろうか。虐げられた者の恨みを晴らす男女の集団が。
峠の襲撃計画
投稿日
2012/05/03
レビュアー
よふかし
工藤栄一の「集団時代劇三部作」の三作目。前二作はリメイクもされた『十三人の刺客』、宿場町の大規模な集団戦に突如参戦する浪人者が印象的な『大殺陣』。それらとよく似たプロットで、つまらないわけではないけれど、前二作に比べると軽量級。主演の夏八木勲も、襲撃計画の空間設計も軽い。
何より本作の場合、脚本がやや甘く感じられる(前作までの池上金男が三人の共同脚本に代わったことも影響しているのだろうか)。
凶暴な将軍の弟を討ちとろうとする暗殺計画を描いたものだが、幸手の峠道での待ち伏せが、中盤の見せ場となる。
将軍の愚弟が馬でやってくるのをじっと待ちうける際の、台詞を排して馬の足音を聞かせる長いシーン。ジリジリとしたサスペンスが盛り上がる。霧の向こうから響くドドドという音、その前にすっくと立つ主人公――後年の『その後の仁義なき戦い』の新幹線を思い起こさせるいいシーンだ。『十三人の刺客』とよく似た役で登場する西村晃が、竹筒の砲を斜面に備え付けたりし、これまでとは違う飛び道具の登場に期待は高まる。
ところが、とある事情でこの襲撃計画は敢行されないのだ。盛り上がった分、肩透かし感は大きい。結局、ここでのアクションシーンは「襲撃計画の手順の説明」という形で、つまり映画内では実際に起こらなかったという設定で、映像化されるだけなのであるが、そんなふうな手法も重厚さ・悲壮感をそぐばかりのような気もする。
結局ラストの襲撃も仕切り直しで計画が出たこ勝負な印象は否めないし、演出も『十三人』によく似ている。
もともと東映の集団時代劇なるリアル路線は、かつて隆盛を誇った東映チャンバラ映画が下火となり、東宝・黒澤明の『用心棒』などの衝撃もあって生まれたものだそうだが、一年半ほどの間に何作かが作られて萎んでしまったという(ものの本による)。やはりこの路線ではプロットに変化をつけにくかったのだろうか? しかし後に人気を博す実録ヤクザ映画には少なからぬ影響を与えたような気がする。
のっけから矢で目を貫くとか、残酷度は三作で一番だが、55点。
十一人の侍
投稿日
2014/11/10
レビュアー
片山刑事
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いきなり、暴君をいさめた主君が弓矢を目玉に突き刺されるという殺され方をしてびっくりしました。なんなんだこの将軍の弟は! と驚くオープニングでした。
一方的に悪いほうにされて理不尽な裁きに納得の出来ない侍たちがリベンジをくわだてますが。主人公の夏八木勲さん以外のキャラクターが薄くて残念でした。たまたまた立ち聞きしてしまった浪人の西村晃さんなんかも面白い人物でしたが、そのほかは顔と名前がほとんどわからなかったです。
そのため、クライマックスで囮となって必ず死ぬ役割をする侍とかも盛り上がりそうですが誰かよくわからないためもったいなかったです。
将軍の弟を狙うという緊迫感もほとんどなく、将軍の弟がいるところに難なく暗殺部隊が控えてるのでサスペンスも盛り上がることがなかったです。
ただ、映像美は最高にカッコよくて霧の中を遠くから馬のひづめだけ聞こえてきて。その後わらわらと現れる一行などは見たことが無いくらい綺麗な映像でカッコよかったです。クライマックスの雨の中の死闘も泥まみれで凄かったです。
狙うもの狙われるものの知力と体力を尽くした攻防が見たかったですが、狙う暗殺者たち、ギリギリで作戦中止、また狙う、作戦中止の繰り返しで面白味にかけてしまいました。そして、侍たちの個性のなさももったいなかったです。
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