御金蔵破り / 大川橋蔵
御金蔵破り
/石井輝男
平均評価点:
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全体の平均評価点: (5点満点)
(8)
解説・ストーリー
時代劇の2大スター・大川橋蔵と片岡千恵蔵が顔を揃えた痛快サスペンス時代劇。貧しいがゆえに、権力に媚びねばならない侍稼業を棄てた半次と、大盗人・富蔵がコンビを組み、江戸城御金蔵を襲撃するが…。監督は『網走番外地』の石井輝男。
時代劇の2大スター・大川橋蔵と片岡千恵蔵が顔を揃えた痛快サスペンス時代劇。貧しいがゆえに、権力に媚びねばならない侍稼業を棄てた半次と、大盗人・富蔵がコンビを組み、江戸城御金蔵を襲撃するが…。監督は『網走番外地』の石井輝男。
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「御金蔵破り」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
時代劇の2大スター・大川橋蔵と片岡千恵蔵が顔を揃えた痛快サスペンス時代劇。貧しいがゆえに、権力に媚びねばならない侍稼業を棄てた半次と、大盗人・富蔵がコンビを組み、江戸城御金蔵を襲撃するが…。監督は『網走番外地』の石井輝男。
「御金蔵破り」 の作品情報
「御金蔵破り」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
御金蔵破りの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
93分 |
|
1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
DRTD03583 |
2012年11月09日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
2枚
|
0人
|
0人
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御金蔵破りの詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
93分 |
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1:ドルビーデジタル/モノラル/日本語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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DRTD03583 |
2012年11月09日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
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ユーザーレビュー:8件
江戸城ミッション・インポッシブル
投稿日:2013/12/15
レビュアー:さっちゃん
いやぁ、自分で候補に挙げておいて何ですが面白かったです。
私の世代では、大川橋蔵といえば銭型平次という刷り込みがありますが本作での役所は身分と組織にがんじがらめになっている社会に抗うぎらぎらした青年で、不思議な魅力があります。その稚気に溢れた若者に自分の若い頃を重ね合わせて江戸城の御金蔵破りという大仕事を持ちかけるのが片岡千恵蔵扮する煙の富蔵という土蔵破りの達人であります。この組み合わせから最初、『地下室のメロディ』のジャン・ギャバンとアラン・ドロンの組み合わせを連想しましたが、流石に大川橋蔵ですからあの作品のドロンほどチンピラの扱いではありません。
話は突然、変わるのですが、故丸谷才一さんの随筆で作家を二種類に分類する方法としてスカトロジーを好むか嫌うかというのがありましたが、それでいうと石井輝夫監督は明らかに前者ですね。オープニングタイトルの中にもいじめか制裁か分かりませんが囚人の一人に糞尿を頭からかけているシーンがありましたし、御金蔵から盗み出した千両箱の運搬方法もアレでしたから。そういった要素も含めて全体に猥雑なエネルギーとでも言うべきものが満ちているように感じました。
閑話休題。主役二人の計画がメインプロットになる訳ですが、目標は江戸城内、当然、警備はそこらの商家の比ではないし、さらに彼らの計画を嗅ぎつけた地回りの弥太五郎一味が盗み出した金を横取りしようと動き出し、いやがうえにもハラハラドキドキが昂まるという寸法です。この弥太五郎に扮している安部徹さんも実に味のある悪役で、脇を固めております。また、大川橋蔵扮する元貧乏旗本の平次の昔の同僚、神谷帯刀役が杉浦直樹で、この人も中盤以降、重要な役を振られています。
ここに江戸城へ潜り込むために絡んでくるのが朝丘雪路扮する大奥の中老おこうであります。平次が彼女を脅したりくどいたりして城中への侵入の手引きをさせようとする場面は、特に肌を露出している訳でもないのに艶っぽいのは演出もあるでしょうが、橋蔵の眼の魅力も大きいような気がします。男の私が見ても色気があるし、やくざ者の役でもどこか品が感じられました。
終盤、富蔵と平次が潜んだ長持が江戸城内に運び込まれてからはサスペンスフルな展開になってきます。花火に合わせて御金蔵の窓を爆破し、『スパイ大作戦』よろしく隣の大奥の屋根へ千両箱を運びだし、成功と思ったら富蔵が危うく転落しそうになるといったお約束もあります。クライマックスはお宝を運び出す二人、御金蔵破りに気づいた警備の侍、横取りを狙う弥太五郎一家の三つ巴の闘いになり、これも見せ場になっております。
ラストは『地下室のメロディ』や『現金に身体を張れ』などと共通するものですが、60年代には観客の倫理にも合致するエンディングだったのでしょう。しかし失敗しても虚無感ではなくからっと明るいのは石井監督のカラーなのか、明日への期待があった時代故なのでしょうか。
(ykk1976さんの映画会:第39回)
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7人の会員が気に入ったと投稿しています
ああ、これでいいのか
石井輝男作品、初めてです。
どうも、『網走外番外地』シリーズ(高倉健さん文化勲章おめでとう)の監督としてしか知らないわたし(しかも、そのシリーズひとつも観たことないし)、
いきなりここから始めてもいいものなのでしょうか。
もちろん、片岡千恵蔵さまもお初ですし、大川橋蔵二代目も初めて。
大川サマ二代目は、映画やドラマは観たことなくても、もっときりっとした二枚目だと思っていたので、
いや二枚目は二枚目なんだけど、まゆげぼさばさだし、なんか寝起きの二枚目といった風情だったので、それだけでなんかハズレ映画と感じた・・・
アホで、おバカなミーハーな自分に気づいただけでした。
緋牡丹半次は、牢内で煙りの富蔵(片岡千恵蔵)と出会います。
富蔵は、名をとどろかせている大盗人であり、
自分の若いころのような、鼻っぷしの強い半次を気に入ります。
半次は、権力に日様づかねばならぬ旗本の生活に嫌気がさし、市井に身を沈めていました。
富蔵は、半次に自身の夢を打ち明け、彼ら二人で大きな権力へ挑むことになるのです。
その権力への挑み方なんですけどね、金蔵破りはいいとして、なんか意外に地味じゃありませんでしたか。
横で花火が上がって、派手っちゃあ派手だし、爆発もするけど・・・。
緊迫感に乏しい気もするし、それにしちゃアクションはそこまでないし・・・私ハリウッドの派手さとCGに毒されているんでしょうか。
物足りなさを感じました。
ラストは好きです。沈む小判、うごめくタコ・・・。人知れずっていうところと、
人生を賭したことに満足を感じ、そのあと金銀小判を世にばらまいて生きていくっていうのせせこましさがないのに、男のロマンを感じます。
朝丘雪路さん演じる中臈おこうは美しいのですが、色と欲に惑わされて夢を見るある意味薄汚れたヒロイン。
薄汚れたヒロインだからこそ、「女」を感じましたね。
花のようなそそとした女性って、女から見ると嘘と男の虚像のかたまりにしか見えないけど、おこうにはなんか「実」がありました。
でも、歳を経た彼女を自分が知っているのが、残念でした。どうしても今の朝丘さんが重なってしまって、余計でした。
エログロの代名詞を持つ石井作品のイメージが、これでよいのでしょうか。
いや、でも、ところどころやっぱりグロくて、エロかったけど。
もっとガンガンのエロくてグロい石井作品を観た方がいいのでしょうか。
(ykk1976の映画会、第39回)
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6人の会員が気に入ったと投稿しています
むかしなつかし
「雲霧仁左衛門」みたいなのを予想してたんですが、比べるのが失礼でしたか。
(大盗人とはいえ)熟年おじさん&(斜に構えた二枚目)旗本崩れの即席コンビに狙われるんですから、江戸城もナメられたもんです。
色仕掛けの情報収集にはヤレヤレだし、ケチなヤクザに計画は筒抜けだし、あんまりワキが甘過ぎじゃないですか。
せめて錠前は指先で破らないと、ねぇ。(なんで爆破?)
千両箱抱えてえっちらおっちらには本気で笑……いえ、微笑ましく拝見しましたが。
「甘い」と言えばとうの警備も穴だらけで、旗本八万騎も太平惚け。
将軍は「おなぁ〜りぃ〜」になるなりひょいとお部屋に入ってしまうし、ケンもホロロの側室にあっけなく退散するていたらく。
確かに当方「時代劇はかくあるべし」と洗脳されてるきらいはありますが、それにしてもあんまりお気楽過ぎやしませんか。
その他もろもろ「ん〜?」な箇所が度々なんですが、実はこれ体裁だけ借りた現代劇?との勝手な解釈に至ったのは、お話半ばを過ぎてからです。
硬派なタイトルに大川橋蔵・片岡千恵蔵、これはまさしく正統派と思い込んだものだから、あっちもこっちも食い足りない。
「人生の集大成」だの「本当の自分探し」だのセンチメンタルを大上段で語るんだから、かの時代の青春映画そのまんまじゃないですか。
高度成長期には乗り遅れ、バブルもひとごと、超現実思考のおばさんはどうもそこいらが気恥ずかしくて(笑)
おまけに、まとわりつく岡っ引き、ライバル視する生意気旗本、自信過剰なお部屋様と、思いつく限りの「如何にも」な脇役オールスターズ(笑)
賑やかではありますが、あれもこれもと欲張りすぎて、消化不良になってるような気がします。
などとケナしてる割には結構楽しかったのは、作り手が「楽しんでる」感がほの見えるからでしょうか。
でもねぇ、いくらなんでも『地下室のメロディ』パクッたなんて、それはちょっと言い過ぎなんじゃないかと。
(当時の東映社長が言ったとか言わないとか。)
平次親分、若い頃からおとこまえだ。
雪路さんは可愛いけど、お部屋様ってより「お年寄り」って感じかな。
親分と雪路さん、当時ウワサだったって本当なんでしょうか?
知恵蔵さんは……お顔が大きかったです(失礼…笑)
時代劇華やかなりし頃の大スタア、右太衛門さんと区別がつかなかった幼い頃を、懐かしく思い出しました。
父親が好きで、よく(TVを)付き合ってたなぁ。
映画会あればこそで、感謝です。
(ykk1976さんの映画会・第39回)
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タコに小判。
投稿日:2013/12/15
レビュアー:ぴよさん
「まっとうな映画じゃないか!」こんな感想を持ってしまうのは、石井輝男=アブノーマルという図式
に慣れきっているが故だ。なんだ、普通の映画を撮れるんじゃないか、という。
もちろん『網走番外地』的な「汚し」の萌芽は見られるし、後のエログロ系に繋がるような、
シモネタも見受けられはする。しかしこの作品は、それでも真っ当に作られていると言える。
江戸城の御金蔵を破るという一世一代の犯罪なのに、どこかアバウト。計画はあちこちでダダ漏れだし
結構な行き当たりばったりの連続。「緻密であるより、猥雑であれ」でお馴染みの(勝手なスローガン)
石井輝男っぽいと言えばその通りだが。
話によるとこの作品、当時の東映・岡田社長の命により、和製『地下室のメロディー』を目指して
作られたそうだ。なるほどキャスティング、設定、そしてオチまでが『地下メロ』に準じている。
だが、ギャバンの千恵蔵はいいとして、ここでの橋蔵にはアラン・ドロンの色気を感じることが出来ない。
せっかく全てを投げうって協力してくれた雪路に、なんともつれないぞ橋蔵。ちょこっと抱きしめて
あげるくらいのこともできないのか。
しかしこれは、石井が、ドロン的な人間に魅力を感じていないからだと思う。
だから、この橋蔵に対する「汚し」は意図したものだ。ここには一見してヒーロー的な者はいない。
誰もが劣等感に満ち、どこか卑屈なキャラクターとして画面に映る。
額の「犬」の刺青は、前科三犯の証しだという。これほどにみっともない悪役がいただろうか。
一方、美しいはずのおんなたちはどうか。裏切り、陰口、打算、性欲…やはりうつくしくない。
しかし石井は、そういう人々にこそ魅力を感じたのだろう。虚飾の無い、みにくいひとたちにこそ。
正統派筋から外れた監督人生を、石井輝男は喜々として全うした。うつくしい者をうつくしく映す
ことには、なんら興奮を感じなかった男。崩してこそ、そして汚してこそ、真の姿が立ち現れると
言いたかったのではないか。
水面に華々しく浮き上がるドル紙幣よりも、タコのからみつく海底の小判。紙幣は拾って使えるが
小判はもう誰の手にも渡らない。
その、どうしようもなさが、彼にとっては興奮材料だったのかもしれない。
…いや、ただの性癖か(笑)
(ykk1976さんの映画会・第39回)
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あっかんべー
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( 内容についてかなりネタばれあり )
『 御金蔵破り 』というタイトなタイトル、冒頭の牢内のハードな展開から、どんなクライムサスペンス時代劇になるかと思いきや、緊迫する場面になると、「はずし」をかけて、観客の予想というか予定調和を次々とかわして、毒とユーモア( かなりゲスいけれど 笑 )のあるシニカルな笑劇(ファース)になっていて面白かった。
皮肉でも何でもなく、石井輝男監督を見直しました。
「はずし」というのは、
まず主役の大川橋蔵。 たしかに女を垂らすいい男という設定ではあるけれど、『 新吾十番勝負 』「 銭形平次 」を代表作に、京本政樹が師と仰ぐ、メイクばっちり、目元が妖艶な美男子スターが、石黒賢 ? と見まがう太い眉毛に髭面。
悪役、敵役を見てみると、片岡千恵像に対応する安部徹、丹波哲郎、橋蔵に対応する杉浦直樹、青木義朗( ひたいの「犬」って。 笑 )なんですが、コワモテぶりがどんどん崩れていく。 笑。
安部徹。 精悍でシブい悪役が多く、登場の出所出迎えシーンこそ貫禄十分だが、せこくて恩着せがましい小人物がすぐに露わになって、のちの『 仁義なき戦い 』の金子信雄に通じるものがある。
杉浦直樹。 権威側の武士道を振りかざす役かと思ったら、腐敗した小役人。
丹波哲郎にしたって、油断して千恵蔵に簡単にまかれてしまう。 抜けてる。
いや御金蔵破りを企てる二人にしたって、手の内がだだ漏れで間が抜けている。
潜入したカゴの怪しさが簡単に見抜かれて、まともな鋭い武士が出てきたと思うと、これも簡単に予想をくつがえされて、本作ではことごとく「熱い対決」が避けられていく。
そうした「ゆるさ」はかなり時代を先行しているように思います。
昭和30年代前半に全盛期を迎えた東映のチャンバラ時代劇は、黒澤明のリアルな演出やテレビに押され、転換を迫られて模索していたが、たとえば前年公開が『 十三人の刺客 』であり、おなじく前年鶴田浩二主演の『 人生劇場・飛車角 』のヒットで任侠映画路線に移行していきます。
任侠映画でも、殴り込みに行く高倉健、池部良に観客から「 異議なし 」の声がかかっていたと言いますし、その後の『 仁義なき戦い 』でも反体制の反逆、男同士の熱い対決、鬱屈した情念などというものがありました。
それなのに、公開が東京オリンピックを2か月先に控えた時期の本作。
体制も、反体制もない。 世の中、どこ行ったってろくでもないし、みんなダメでいい加減な奴ばかり。
熱い時代に、それを対立の構図をあっさりとスルーして、はずした作品。 ゆえに、あまり評価もされず、人気も出ませんでしたが、ユニークですよね。
時代劇ブームを担った京都の撮影所、ぼくは勝手に歌舞伎になぞらえて、ざっくりと「和事の作風の大映」と「荒事の作風の東映」と評していますが、東映時代劇はマッチョな男性的なもの。
東映撮影所は片岡千恵蔵と市川右太衛門の両御大をトップにスターとスタッフのヒエラルキーのピラミッドを作ってきたところ。
そこで、男のしょうもなさ、だらしなさを笑い、ヒエラルキーを否定する時代劇を作ったユニークさ。
千恵蔵と橋蔵のコンビも、年齢キャリアに差があるにもかかわらずイコール・パートナー。
不浄な糞尿だが、身分の上下に関係なく、人間出るものは出る。
画面から肥溜めの匂いが伝わってくるようなシーンのある川島雄三の『 雁の寺 』が2年前、今村昌平の『 豚と軍艦 』や、深作欣二の『 県警対組織暴力 』にもトイレは出てきますが、下半身から見れば、人間なんてみんな同じという表現と言えるでしょうか。
他の監督と比べても、本作の石井監督の、お城の奥女中が用を足すシーンは、いかにもエログロの巨匠で、露悪的で下品だな( 笑 )と思いますが。
( つづく )
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ユーザーレビュー
江戸城ミッション・インポッシブル
投稿日
2013/12/15
レビュアー
さっちゃん
いやぁ、自分で候補に挙げておいて何ですが面白かったです。
私の世代では、大川橋蔵といえば銭型平次という刷り込みがありますが本作での役所は身分と組織にがんじがらめになっている社会に抗うぎらぎらした青年で、不思議な魅力があります。その稚気に溢れた若者に自分の若い頃を重ね合わせて江戸城の御金蔵破りという大仕事を持ちかけるのが片岡千恵蔵扮する煙の富蔵という土蔵破りの達人であります。この組み合わせから最初、『地下室のメロディ』のジャン・ギャバンとアラン・ドロンの組み合わせを連想しましたが、流石に大川橋蔵ですからあの作品のドロンほどチンピラの扱いではありません。
話は突然、変わるのですが、故丸谷才一さんの随筆で作家を二種類に分類する方法としてスカトロジーを好むか嫌うかというのがありましたが、それでいうと石井輝夫監督は明らかに前者ですね。オープニングタイトルの中にもいじめか制裁か分かりませんが囚人の一人に糞尿を頭からかけているシーンがありましたし、御金蔵から盗み出した千両箱の運搬方法もアレでしたから。そういった要素も含めて全体に猥雑なエネルギーとでも言うべきものが満ちているように感じました。
閑話休題。主役二人の計画がメインプロットになる訳ですが、目標は江戸城内、当然、警備はそこらの商家の比ではないし、さらに彼らの計画を嗅ぎつけた地回りの弥太五郎一味が盗み出した金を横取りしようと動き出し、いやがうえにもハラハラドキドキが昂まるという寸法です。この弥太五郎に扮している安部徹さんも実に味のある悪役で、脇を固めております。また、大川橋蔵扮する元貧乏旗本の平次の昔の同僚、神谷帯刀役が杉浦直樹で、この人も中盤以降、重要な役を振られています。
ここに江戸城へ潜り込むために絡んでくるのが朝丘雪路扮する大奥の中老おこうであります。平次が彼女を脅したりくどいたりして城中への侵入の手引きをさせようとする場面は、特に肌を露出している訳でもないのに艶っぽいのは演出もあるでしょうが、橋蔵の眼の魅力も大きいような気がします。男の私が見ても色気があるし、やくざ者の役でもどこか品が感じられました。
終盤、富蔵と平次が潜んだ長持が江戸城内に運び込まれてからはサスペンスフルな展開になってきます。花火に合わせて御金蔵の窓を爆破し、『スパイ大作戦』よろしく隣の大奥の屋根へ千両箱を運びだし、成功と思ったら富蔵が危うく転落しそうになるといったお約束もあります。クライマックスはお宝を運び出す二人、御金蔵破りに気づいた警備の侍、横取りを狙う弥太五郎一家の三つ巴の闘いになり、これも見せ場になっております。
ラストは『地下室のメロディ』や『現金に身体を張れ』などと共通するものですが、60年代には観客の倫理にも合致するエンディングだったのでしょう。しかし失敗しても虚無感ではなくからっと明るいのは石井監督のカラーなのか、明日への期待があった時代故なのでしょうか。
(ykk1976さんの映画会:第39回)
ああ、これでいいのか
投稿日
2013/12/15
レビュアー
ykk1976
石井輝男作品、初めてです。
どうも、『網走外番外地』シリーズ(高倉健さん文化勲章おめでとう)の監督としてしか知らないわたし(しかも、そのシリーズひとつも観たことないし)、
いきなりここから始めてもいいものなのでしょうか。
もちろん、片岡千恵蔵さまもお初ですし、大川橋蔵二代目も初めて。
大川サマ二代目は、映画やドラマは観たことなくても、もっときりっとした二枚目だと思っていたので、
いや二枚目は二枚目なんだけど、まゆげぼさばさだし、なんか寝起きの二枚目といった風情だったので、それだけでなんかハズレ映画と感じた・・・
アホで、おバカなミーハーな自分に気づいただけでした。
緋牡丹半次は、牢内で煙りの富蔵(片岡千恵蔵)と出会います。
富蔵は、名をとどろかせている大盗人であり、
自分の若いころのような、鼻っぷしの強い半次を気に入ります。
半次は、権力に日様づかねばならぬ旗本の生活に嫌気がさし、市井に身を沈めていました。
富蔵は、半次に自身の夢を打ち明け、彼ら二人で大きな権力へ挑むことになるのです。
その権力への挑み方なんですけどね、金蔵破りはいいとして、なんか意外に地味じゃありませんでしたか。
横で花火が上がって、派手っちゃあ派手だし、爆発もするけど・・・。
緊迫感に乏しい気もするし、それにしちゃアクションはそこまでないし・・・私ハリウッドの派手さとCGに毒されているんでしょうか。
物足りなさを感じました。
ラストは好きです。沈む小判、うごめくタコ・・・。人知れずっていうところと、
人生を賭したことに満足を感じ、そのあと金銀小判を世にばらまいて生きていくっていうのせせこましさがないのに、男のロマンを感じます。
朝丘雪路さん演じる中臈おこうは美しいのですが、色と欲に惑わされて夢を見るある意味薄汚れたヒロイン。
薄汚れたヒロインだからこそ、「女」を感じましたね。
花のようなそそとした女性って、女から見ると嘘と男の虚像のかたまりにしか見えないけど、おこうにはなんか「実」がありました。
でも、歳を経た彼女を自分が知っているのが、残念でした。どうしても今の朝丘さんが重なってしまって、余計でした。
エログロの代名詞を持つ石井作品のイメージが、これでよいのでしょうか。
いや、でも、ところどころやっぱりグロくて、エロかったけど。
もっとガンガンのエロくてグロい石井作品を観た方がいいのでしょうか。
(ykk1976の映画会、第39回)
むかしなつかし
投稿日
2013/12/15
レビュアー
まりこ
「雲霧仁左衛門」みたいなのを予想してたんですが、比べるのが失礼でしたか。
(大盗人とはいえ)熟年おじさん&(斜に構えた二枚目)旗本崩れの即席コンビに狙われるんですから、江戸城もナメられたもんです。
色仕掛けの情報収集にはヤレヤレだし、ケチなヤクザに計画は筒抜けだし、あんまりワキが甘過ぎじゃないですか。
せめて錠前は指先で破らないと、ねぇ。(なんで爆破?)
千両箱抱えてえっちらおっちらには本気で笑……いえ、微笑ましく拝見しましたが。
「甘い」と言えばとうの警備も穴だらけで、旗本八万騎も太平惚け。
将軍は「おなぁ〜りぃ〜」になるなりひょいとお部屋に入ってしまうし、ケンもホロロの側室にあっけなく退散するていたらく。
確かに当方「時代劇はかくあるべし」と洗脳されてるきらいはありますが、それにしてもあんまりお気楽過ぎやしませんか。
その他もろもろ「ん〜?」な箇所が度々なんですが、実はこれ体裁だけ借りた現代劇?との勝手な解釈に至ったのは、お話半ばを過ぎてからです。
硬派なタイトルに大川橋蔵・片岡千恵蔵、これはまさしく正統派と思い込んだものだから、あっちもこっちも食い足りない。
「人生の集大成」だの「本当の自分探し」だのセンチメンタルを大上段で語るんだから、かの時代の青春映画そのまんまじゃないですか。
高度成長期には乗り遅れ、バブルもひとごと、超現実思考のおばさんはどうもそこいらが気恥ずかしくて(笑)
おまけに、まとわりつく岡っ引き、ライバル視する生意気旗本、自信過剰なお部屋様と、思いつく限りの「如何にも」な脇役オールスターズ(笑)
賑やかではありますが、あれもこれもと欲張りすぎて、消化不良になってるような気がします。
などとケナしてる割には結構楽しかったのは、作り手が「楽しんでる」感がほの見えるからでしょうか。
でもねぇ、いくらなんでも『地下室のメロディ』パクッたなんて、それはちょっと言い過ぎなんじゃないかと。
(当時の東映社長が言ったとか言わないとか。)
平次親分、若い頃からおとこまえだ。
雪路さんは可愛いけど、お部屋様ってより「お年寄り」って感じかな。
親分と雪路さん、当時ウワサだったって本当なんでしょうか?
知恵蔵さんは……お顔が大きかったです(失礼…笑)
時代劇華やかなりし頃の大スタア、右太衛門さんと区別がつかなかった幼い頃を、懐かしく思い出しました。
父親が好きで、よく(TVを)付き合ってたなぁ。
映画会あればこそで、感謝です。
(ykk1976さんの映画会・第39回)
タコに小判。
投稿日
2013/12/15
レビュアー
ぴよさん
「まっとうな映画じゃないか!」こんな感想を持ってしまうのは、石井輝男=アブノーマルという図式
に慣れきっているが故だ。なんだ、普通の映画を撮れるんじゃないか、という。
もちろん『網走番外地』的な「汚し」の萌芽は見られるし、後のエログロ系に繋がるような、
シモネタも見受けられはする。しかしこの作品は、それでも真っ当に作られていると言える。
江戸城の御金蔵を破るという一世一代の犯罪なのに、どこかアバウト。計画はあちこちでダダ漏れだし
結構な行き当たりばったりの連続。「緻密であるより、猥雑であれ」でお馴染みの(勝手なスローガン)
石井輝男っぽいと言えばその通りだが。
話によるとこの作品、当時の東映・岡田社長の命により、和製『地下室のメロディー』を目指して
作られたそうだ。なるほどキャスティング、設定、そしてオチまでが『地下メロ』に準じている。
だが、ギャバンの千恵蔵はいいとして、ここでの橋蔵にはアラン・ドロンの色気を感じることが出来ない。
せっかく全てを投げうって協力してくれた雪路に、なんともつれないぞ橋蔵。ちょこっと抱きしめて
あげるくらいのこともできないのか。
しかしこれは、石井が、ドロン的な人間に魅力を感じていないからだと思う。
だから、この橋蔵に対する「汚し」は意図したものだ。ここには一見してヒーロー的な者はいない。
誰もが劣等感に満ち、どこか卑屈なキャラクターとして画面に映る。
額の「犬」の刺青は、前科三犯の証しだという。これほどにみっともない悪役がいただろうか。
一方、美しいはずのおんなたちはどうか。裏切り、陰口、打算、性欲…やはりうつくしくない。
しかし石井は、そういう人々にこそ魅力を感じたのだろう。虚飾の無い、みにくいひとたちにこそ。
正統派筋から外れた監督人生を、石井輝男は喜々として全うした。うつくしい者をうつくしく映す
ことには、なんら興奮を感じなかった男。崩してこそ、そして汚してこそ、真の姿が立ち現れると
言いたかったのではないか。
水面に華々しく浮き上がるドル紙幣よりも、タコのからみつく海底の小判。紙幣は拾って使えるが
小判はもう誰の手にも渡らない。
その、どうしようもなさが、彼にとっては興奮材料だったのかもしれない。
…いや、ただの性癖か(笑)
(ykk1976さんの映画会・第39回)
あっかんべー
投稿日
2013/12/15
レビュアー
ロキュータス
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( 内容についてかなりネタばれあり )
『 御金蔵破り 』というタイトなタイトル、冒頭の牢内のハードな展開から、どんなクライムサスペンス時代劇になるかと思いきや、緊迫する場面になると、「はずし」をかけて、観客の予想というか予定調和を次々とかわして、毒とユーモア( かなりゲスいけれど 笑 )のあるシニカルな笑劇(ファース)になっていて面白かった。
皮肉でも何でもなく、石井輝男監督を見直しました。
「はずし」というのは、
まず主役の大川橋蔵。 たしかに女を垂らすいい男という設定ではあるけれど、『 新吾十番勝負 』「 銭形平次 」を代表作に、京本政樹が師と仰ぐ、メイクばっちり、目元が妖艶な美男子スターが、石黒賢 ? と見まがう太い眉毛に髭面。
悪役、敵役を見てみると、片岡千恵像に対応する安部徹、丹波哲郎、橋蔵に対応する杉浦直樹、青木義朗( ひたいの「犬」って。 笑 )なんですが、コワモテぶりがどんどん崩れていく。 笑。
安部徹。 精悍でシブい悪役が多く、登場の出所出迎えシーンこそ貫禄十分だが、せこくて恩着せがましい小人物がすぐに露わになって、のちの『 仁義なき戦い 』の金子信雄に通じるものがある。
杉浦直樹。 権威側の武士道を振りかざす役かと思ったら、腐敗した小役人。
丹波哲郎にしたって、油断して千恵蔵に簡単にまかれてしまう。 抜けてる。
いや御金蔵破りを企てる二人にしたって、手の内がだだ漏れで間が抜けている。
潜入したカゴの怪しさが簡単に見抜かれて、まともな鋭い武士が出てきたと思うと、これも簡単に予想をくつがえされて、本作ではことごとく「熱い対決」が避けられていく。
そうした「ゆるさ」はかなり時代を先行しているように思います。
昭和30年代前半に全盛期を迎えた東映のチャンバラ時代劇は、黒澤明のリアルな演出やテレビに押され、転換を迫られて模索していたが、たとえば前年公開が『 十三人の刺客 』であり、おなじく前年鶴田浩二主演の『 人生劇場・飛車角 』のヒットで任侠映画路線に移行していきます。
任侠映画でも、殴り込みに行く高倉健、池部良に観客から「 異議なし 」の声がかかっていたと言いますし、その後の『 仁義なき戦い 』でも反体制の反逆、男同士の熱い対決、鬱屈した情念などというものがありました。
それなのに、公開が東京オリンピックを2か月先に控えた時期の本作。
体制も、反体制もない。 世の中、どこ行ったってろくでもないし、みんなダメでいい加減な奴ばかり。
熱い時代に、それを対立の構図をあっさりとスルーして、はずした作品。 ゆえに、あまり評価もされず、人気も出ませんでしたが、ユニークですよね。
時代劇ブームを担った京都の撮影所、ぼくは勝手に歌舞伎になぞらえて、ざっくりと「和事の作風の大映」と「荒事の作風の東映」と評していますが、東映時代劇はマッチョな男性的なもの。
東映撮影所は片岡千恵蔵と市川右太衛門の両御大をトップにスターとスタッフのヒエラルキーのピラミッドを作ってきたところ。
そこで、男のしょうもなさ、だらしなさを笑い、ヒエラルキーを否定する時代劇を作ったユニークさ。
千恵蔵と橋蔵のコンビも、年齢キャリアに差があるにもかかわらずイコール・パートナー。
不浄な糞尿だが、身分の上下に関係なく、人間出るものは出る。
画面から肥溜めの匂いが伝わってくるようなシーンのある川島雄三の『 雁の寺 』が2年前、今村昌平の『 豚と軍艦 』や、深作欣二の『 県警対組織暴力 』にもトイレは出てきますが、下半身から見れば、人間なんてみんな同じという表現と言えるでしょうか。
他の監督と比べても、本作の石井監督の、お城の奥女中が用を足すシーンは、いかにもエログロの巨匠で、露悪的で下品だな( 笑 )と思いますが。
( つづく )
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御金蔵破り
(C)東映
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