ミレニアム　ドラゴン・タトゥーの女

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全世界で２１００万部を発行したスウェーデン発の人気ミステリー。
４０年前にストックホルムの孤島で起きた少女失踪事件の調査を依頼された一線を追われたジャーナリストと、ワケあり天才ハッカーがはからずとも組むことになり、名門一族の忌まわしい秘密を暴いていくという話です。

少女失踪事件の捜査途中で、その背後にある本当の事件が見えてくるという構成が面白いと思います。
安っぽいタイトルとは裏腹に、一気呵成に見せていくミステリーは濃密で、手に汗をかいてしまうほど、スリリングでした。

ミレニアムというのは、月刊誌のことだったのですね。
その雑誌の発行者であるジャーナリスト、ミカエルが、悪徳実業家を告発して、名誉棄損で有罪になり、彼の元に別の大富豪から４０年前に失踪した少女を調べてほしいと依頼が来ます。
そして、ミカエルの助手となったのが、セキュリティ会社の有能な社員リスベットです。鼻ピアスに全身タトゥで、強力な個性を放ち彼女の生い立ちが気になって仕方がありませんでしたが、彼女の過去にあった事件の重さと、人間不信により言葉で伝えるのが下手なので、髪の毛や服装で武装しているようです。
彼女の持つ本当の武器は、天才ハッカーで、勿論能力の凄さには惚れてしまいますが、それ以上に惚れたのは、強さです。
サド的な後見人を徹底的に痛めつける辺りは、スカッとしました。

北欧の知られざる子供や女性に対する暴力、資本家の住む島、病んだ親族関係が織り込まれながらも、二人の探偵役の個性が上手く絡み、事件の捜査は意外な最終局面を見せ、爽やかな後味を残しました。続編も楽しみです。

　長さを感じず、面白かったのですが、どうもテレビドラマっぽく感じました。そこでふと私自身が考えるテレビッぽいとはなんなのかを考え込む羽目に陥ってしまいました。
　特にこの映画は結構面白いだけに、何がそう感じさせるのかがとても気になります。フィルムとビデオの違いなんていうのは今はほぼ関係ないですし、カメラワークに関して言えば、この作品はロングなサイズもきちんと使っていて、スクリーンを意識した撮影を行っているように思います。そういった意味ではこの映画に関して感じるテレビっぽさは撮影や機材的なものに起因するものでは無さそうです。

　ということは脚本面あるいは演出面でテレビドラマを感じさせるものがありそうです。

　この作品はベストセラーとなった原作があるとのこと。これは日本のテレビ局主導で明らかにテレビドラマっぽい映画にも共通しています。ただ原作があっても完全に映画的な作品も沢山存在するので必ずしも原作があるからテレビっぽい訳では無さそうです。原作自身が言葉からビジュアルが連想しやすいような作品なのかは、原作を読んでいない私には分かりません。ただかなりの長編の作品だそうです。長編の内容を映画にするために端折っている部分があるからでしょうか。なんとなくこのあたりに鍵がありそうです。

　この作品を観ていて思ったのは、とても観やすいつくりになっていて、途中で挫けそうなことも無かったし、それどころか悩む事もありませんでした。そうだこの映画はとても親切なつくり方になっているんだ。それもかなり万人向けに分かりやすい作品になっています。つまり私はこの作品を観ているときに、常に作品からの情報を受け取っている状態だったようです。自分から能動的に作品の方に歩み寄って情報を引き出してこようという作業をしなかった。飽きさせないために情報を与え続ける。これが私にテレビを感じさせる一番の要因になっているようです。
　思えばテレビは途中でチャンネルを変えるのも自由、必ずしもその作品を観たい人だけではなく、たまたまテレビをつけたらその番組が流れていたという状況を想定し、そうした視聴者を繋ぎ止めなくてはならない。一方映画はたとえそれがＤＶＤになるにせよ、少なくともその作品を観ようという明確な意思があって観ている。ここに大きな違いがあります。それによって脚本や演出もかなり影響されるはずです。


　映画の内容としては面白く、また観ていて飽きないのでDVDで鑑賞するには満足です。ただ私自身はちょと劇場に足を運んで観たいという作品ではないです。

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ん、よく練られている内容なので海外で大ヒットするだけはある。
それに、ぬぁ〜んと！ 私の好きな○○が肝心な部分で関係していた！
全く想定外のこんな展開ファンタスティック！＾＾

だが、主役の男女に魅力が無く面白みが見当たらず・・。
展開が遅いゆえに「２時間半」ってぇのはキツかった・・。
良かったのはラストだけかな。

近日パート２が公開されるようだが
これ、よっぽど感情移入できなきゃ
「劇場」で傍観するにはか〜なりの忍耐力が必要かと・・。

劇場で見て、ＤＶＤで再鑑賞です。

原作がかなりヒットしていて、
書店で見かけて気になってました。

すごいビックリするような話ではないけど、
王道的な流れのミステリーの中に、
経済スキャンダル、ジャーナリズム、女性蔑視や、
愛情のもつれ、確執、パートナーとの信頼関係
などの要素も絡め、じっくり観れる１本でした。

そんな中、1人キャラの強いリスベットが
やっぱり際立ってました。

ドラゴンタトゥーがＨシーンで
背中でゆらぐ姿はまるで昇竜に見えました。

今作ではリスベットの生い立ちや過去には
そんなに触れられていないけど、
彼女があのキャラたる所以は今後の作品で
描かれたりするのか気になるところ。

結末なんて予想することすら忘れて
じっくり見入ってしまっていたので、
終盤の展開は思わず「へー」と思ってしまった。

３部作ですが、いったんここで事件は解決するので、
「もー次まで持ち越し！？」という
モヤモヤもなく、スッキリ。

ハリウッドリメイク決定らしいですが、
これはこのままそっとしてほしいな〜（笑

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罠に嵌められ裁判の有罪判決を受け、収監が半年後に迫っている雑誌記者と、トラウマとなる何らかの陰惨な過去を持つ天才女性ハッカーが、３６年前に資産家一族が暮らす孤島で起きた若い女性の失踪事件を調査していくミステリー。

その日外界との唯一の連絡手段であった橋が事故のため通行不能であった、言わば”絶海の孤島”と云う密室状態からの人間消失、聖書の一節をなぞらえた猟奇連続殺人事件、ユダヤ人殺害にナチスの影等、ミステリー好きには垂涎の具材を揃えてくれるものの、実は謎そのものの解明までの過程が面白いのでは無く、あくまで女性ハッカーのキャラ造形の魅力で物語を進めて行くタイプのドラマです。
と云う事で物語に入り込むには天才女性ハッカーのキャラに魅力を感じるかが最重要課題なんですが、正直奇をてらって失敗してると言わざるを得ない魅力の薄いキャラでした（勿論個人的に）。

後見人の変態性趣味や女性への性虐待、同性愛、鼻ピアスに背中のドラゴンの刺青、など刺激的な娯楽的素材は豊富なモノの、結局主人公の過去に何がったのか、現在の主人公の性格造形に至るまでの過程を一切合財隠し通すため、本来この作品の謎である女性失踪事件や聖書なぞらえ猟奇殺人事件等が霞んでしまってます。

つまり、「そんな事件の解明も大事やけど主人公の過去の種明かしも同時に進めろ！」てな具合でしょうか（笑）
ただし、この主人公のキャラに興味や魅力を感じない場合、本来の謎の事件に視点の重きを置いても余りに普通過ぎて、事件が解明されても「なんじゃそりゃ！？」ってずっこけそうになります。

私の場合は主人公のキャラに魅力を感じなかったため、本来の謎である事件を追いましたが、なんせ天才ハッカーなんで素人が通常入手する事が困難な資料等をいとも簡単に入手して、駆け足で先へ急ぐので推理もへったくれもありません（笑）
結局、どちらの事件も最後にはきちんと解明されるものの、密室からの人間消失のトリックも「それはトリックとは言わん！」「押し花なんて意味深で回りくどいことすなよっ」と突っ込み、聖書なぞらえ猟奇殺人も、これこそ「警察に言えよー！」って落胆しながら突っ込みました。

ミステリーとしての謎解きの面白さは中途半端な感は否めませんでしたが、約１５０分の長丁場を飽きさせない物語の構成はお見事。
一度も途中中断することなく完走しましたから、楽しめたってことです。
続編で彼女の過去を紐解く展開があるのか、彼女の魅力に取りつかれた方は楽しみが増えて何よりです。