天使の眼、野獣の街

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　ジョニー・トー印のサスペンス・アクションの快作です。トー自身は製作にまわり、トー作品の脚本を担当してきたヤウ・ナイホイがメガホンを撮りました。
　よくある警察ものとは一味違っていて、本作の主人公となるのは香港警察の刑事情報課・監視班。事件が起こってから駆け付けて捜査にあたるのではなく、情報を収集し犯罪容疑者を監視・追尾し、タイミングを図って強制捜査に乗り出す。日本で言うと、公安警察の手法に近い感じがします。
　ひじょうに緻密に組み上げられた脚本で、冒頭からラストまでほとんどノンストップに緊迫した捜査が描かれます。さまざまな監視装置を駆使し、次々とバトンタッチしながら繰り広げられる尾行。警察と犯罪グループの駆け引き、行き詰る頭脳戦の面白さがこの作品の大きな魅力です。
　監視班のリーダーがサイモン・ヤム、強盗団のリーダーがレオン・カーフェイというところで、ちょっと『エレクション』一作目を思い出してしまいますが、この二人は相変わらず安定して、それぞれいい持ち味を出しています。しかし本作は主人公に新米女性警官（ケイト・ツィ。可愛いです）を持ってきたところがうまく、彼女の警察学校出たてのような初々しさ、狡猾な強盗団に立ち向かえるとは思えない心細い感じが映画のよいスパイスになって、サスペンスを盛り上げています。
　尾行中にパトロール警官が襲われるくだりなどは、彼女がどう行動すべきか、見ているこちらもずいぶんドキドキしました。
　女性が主人公ということで、ジョニー・トー作品の過剰なロマンティシズムは控えめ。そこが苦手という方にもお勧めできます。やはり彼が製作を担当した秀作『デッドポイント』に勝るとも劣らない面白さで、75点。

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今日ようやく　薄型ＴＶとブルーレイを買いました　一日調整その他で大忙し　その前に見たのが古いＴＶ最後の鑑賞のこれですね

内容に関しては　ぶわちゃんとかわかりやすくレヴューしてくれていて　そちらを読まれてください　トニー・スコットの「エネミー・オブ・アメリカ」とかの監視社会物　サベイランスなプロの世界ですね

冒頭から多人数の二重プロットなお話が展開　うまいですねえ　このさばきかたはジョニー・トーです　ラム・シューとセブン・イレブンの組み合わせなんか意外ですねえ　面白い　また食べてますわ

撮影と編集も巧みで揺れるカメラではない見せ方ってえものが　香港映画にはあるんだよね　機械の目と人の瞳で　４５分で敵をキャッチ　意外な展開　飽きさせません　香港映画はサベイランスな世界でも人間臭いくていいね　さてまたブルーレイに戻って「野良犬と億万長者」です　おやすみなさい

　ジョニー・トー自身は製作にまわり、彼の作品の多くで脚本を手掛け、“ジョニー・トーの頭脳（by予告編）”と言われているヤウ・ナイホイが初メガホンをとった（もちろん脚本も）クライム・サスペンス。
　
　いや実に良かったです。
　舞台となるのは、凶悪犯罪の容疑者の監視、追跡を専門に行う香港警察刑事情報課“監視班”。この監視班に配属された新人女性刑事ホーと、彼女を指導する監視班リーダー、ウォンを中心に、連続強盗団との攻防がなかなかの緊迫感をもって描かれています。

　俳優陣は、ウォン役に今やジョニー・トー映画に欠かすことのできないサイモン・ヤム。若干メタボな腹が不自然ながら、新人ホーを厳しくそして優しく鍛え上げていくベテラン刑事を本当にいい感じで演じてます。
　そして、新人刑事ホーを演じたのは、なんとこれが映画初出演というケイト・ツイ。目にすごく力を感じるかなり魅力的な女優で、これから断然注目です。
　また強盗団のリーダーにはレオン・カーファイ。切れ者であり、キレるとコワイ不気味な男をこれまた好演。『エレクション』の仕返しとばかりにサイモン・ヤムに襲い掛かります。それにしても、いっつも思うんですけどこの人が『愛人／ラマン』でジェーン・マーチとうらやましいこと（おい！）をしていた人と同一人物だとはいまだに信じられません。
　で、ラム・シューさんは本作では悪い人のほうにおられます。

　ストーリー的には、香港の町の至る所に設置されている監視カメラ、そして人海戦術による尾行追跡を駆使して、８人の強盗団メンバーを特定してく様と、新人刑事ホーが成長していく様がうまく絡み合い、本当に観応えのある作品に仕上がっています。

　それからサイモン・ヤム演じるウォンが劇中何度となく「小噺をひとつ・・・本当の話だ」と言って、適当な話ばかりして同僚たちを失笑、時には安堵させるのですが、最後に話す小噺だけが「本当の話」で、これがすごく素敵だなあと思います。

　ジョニー・トー系列の作品って、とっつきにくい面があるのかＤＩＳＣＡＳではあんまり盛んに観られてはいないように思いますが、本作は普段ジョニー・トー作品に馴染みのない方でも愉しめるのではないかという気がします。
　もっと多くの方の目に触れてほしいなあと思いますね。

３年前に製作され、日本では昨年劇場公開。私の仲間うちでは相当評判のよかった作品なんですが…

歩きながら串焼きを食ってその串をポイ捨てしたり、コンビニの中で食ったり、相変わらず君達はお行儀が悪いのォ…
そんな余計なことに気を取られていると、開巻から２つのエピソードが同時進行する。観客に「？？？」と思わせておいて途中でクロスする構成は『デッドポイント』と同じ手法。主人公たちは警察の中でも身分を隠し、尾行を専門に行う監視班というチーム＝つまりかなり地味な存在で、犯人と直接対決することもない。それをどうやって見せ場たっぷりのエンターテイメントに仕上げるのかが一つのポイントで、結論から言えば満足度８０点。例えば、降りしきる雨の中で犯人を見失ったヒロインが呆然となった次の瞬間、雨が上がって人々が次々と傘をたたむ。その向こうに犯人の後姿がチラリと見える一幕などは素晴らしい。その反面、ファーストフード店で犯人がヒロインの正体を見破るシーンなどはもう少しハラハラドキドキ感が欲しい。

監修＝ジョニー・トー、と聞いただけで食指が動くファンなら納得の１本。ただ、映画なのにテレビ的な軽さを感じさせる部分もあり、連ドラの“初回拡大スペシャル”的な雰囲気が拭えない。

サイモン・ヤムの下っ腹の出具合が異常に気になったが、それってストーリーに重要な関わりがあったんですねえ。俺のメタボ腹はなんの役にも立ちませんが（ハハハ）。

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香港映画は暫く遠ざかっていたので、久々の鑑賞です。

これで警察モノとなると、刑事はみんなカンフー使って、犯罪者も残酷な奴という偏見を持っていました。
ところが……です。

本作は新人捜査官をヒロインに迎え、「監視班」を中心に物語が展開します。
カンフーのカの字も出ません。
敵も緻密な計画のもとに犯行を行う強盗団だし、血生臭さは抑えられています。

尾行シーンなど緊張感絶えぬ演出で、派手さ皆無の割には物語に引き込まれていきます。
特に新人捜査官役ケイト・ツイは、不思議な魅力の持ち主。
とても警官に見えないギャップ、緊張に満ちた表情、時折見せる笑顔など、印象深いです。
脇を固めるベテラン勢も、貫禄の演技。
リアルな警察モノに仕上がっています。

気に入ったシーンは、強盗団の内輪もめを止めたアレ。
あれは、マキシマム・インパクトですね♪