小さな村の小さなダンサー

これまた良かったです。
すごく感動しました。
すごく泣きました。

アメリカに亡命した実在のバレエダンサー、リー・ツンシン。
彼の書いた自伝”毛沢東のバレエダンサー”の映画化です。

1961年、山東省の田舎で7人兄弟の6番目として生まれたシンシン。
家はとても貧しく、食べるものはわずかな芋をみなで分け合って食べています。
父母は朝から農作業で働きづめめ。
それでも決して卑屈になることなく、誇り高くそして明るく生きている人たちです。

時は、1970年代前半、ある日毛沢東の英才教育の一環で、この小さな村にもスカウト団がやってきます。
小さな体の少年、ツンシンはそのメンバーに選ばれ、親元を離れ北京芸術学院で特訓の日々。
政府が選んだ人間のみ英才教育を受けることが出来、自分が何になりたいとか、自分の夢はこうだとか、
自分はやりたいとかやりたくないとかは、一切関係がないのです。
個人の意思などない国なのです。
すべては国のため、毛主席のため、泣いてもここから抜けることは出来ない、政府が決めた道を否応なしに進むしかない、半ば囚人状態と言えます。
洗脳教育で、この国が世界で一番素晴らしい国だと教わる少年少女たち。
井の中の蛙、大海を知らず・・です。
演目も中国の軍事力の強さを強調するようなバレエをさせられ、政治的な圧力には抵抗しようがないのです。
抵抗すれば、たちまち当局に反核分子として連れて行かれます。

1981年、たぐいまれな才能を発揮していたツンシンはアメリカのバレエ団に見染められ、研究生としての短期留学が認められます。
資本主義は悪だ、中国は世界一素晴らしい国だと常に教え込まれてきた彼にとって
見るもの聞くもの、びっくりすることばかり。
蛙はついに大海に放たれたわけです。
本当のバレエの魅力と自由と愛を見てしまったツンシン、やがて苦悩しながらも祖国を捨てる決意をするのです。
亡命した者の家族への酷い仕打ち、ここでは敢えてあまり描かれてはいませんが、それはきっと私たちには計り知れないほどの事があったに違いありません。

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のプリンシプル、ツァオ・チーが演じるリー・ツンシン。
素晴らしいバレエを披露してくれます。
そのダンスはどれも素晴らしく、しなやかで美しく、強さと優しさが溢れるダンスです。
それだけでも見る価値ありなのに、さらに子弟愛、親子愛の深さが涙を誘います。
私も思わずスタンディングオベーションしそうになりました。

脇を固める俳優陣の演技も素晴らしく、また一ついい映画に出会えた私は幸せです。

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原題の「Mao's Last Dancer」の通り、毛沢東の時代の中国に生まれ、アメリカに亡命した男性バレーダンサー、リー・ツンシンの伝記映画です。
ご本人は現在オーストラリア在住だそうで、製作国はオーストラリア、キャストにはハリウッドスターのブルース・グリーンウッド、カイル・マクラクランが顔をそろえるという変り種。全く期待していなかったせいか、わりとおもしろく観れました。

中国の寒村の貧しい家庭に、７人兄弟の６番目として育ったリーは、毛沢東の文化政策の一環で、才能ある子供を探す役人の目に止まり、家族から引き離されて、バレーの英才教育を受ける。
７歳や８歳の子供が無理やり親と引き離されて、好きでもないバレーの特訓を受ける、その様子はやはりかわいそうでした。
そんな中でも淡い恋があったり、芸術が政治に利用されることに抵抗する教師とのふれあいがあったり。

成長したリーは、米中交流の一環で、ヒューストン・バレー団の研修生として渡米する。
アメリカの空港に到着したリーの胸に輝く毛沢東バッジ。
空港のロビーには当時の大統領レーガンの写真が掲げられている。
そしてこのときのヒューストン・バレーの名誉総裁（？）は、副大統領だったパパ・ブッシュ。
共産主義の教育を受け、そのことに何の疑問ももたなかったリーだが、豊かで自由なアメリカでの生活は、リーの心に変化をもたらす。

プリンシパル・バレリーノが怪我をして、リーに代役のチャンスが回ってくる。
「中国人がドン・キホーテなんてありえない！」
と反対する人に、リーの才能を高く評価すうベン（グリーンウッド）が反論して、
「マーロン・ブランドだって日本人の農夫役をやってたじゃないか！」
え〜、そんな映画があったんですか？？

リーはアメリカ人女性と恋に落ちるが、その様子がとてもほほえましい。
結局彼はアメリカ亡命の道を選ぶのだけど、芸術のためというよりも、彼女と別れたくない気持ちの方が強かったように、私には見えました。予想通り、この結婚は破綻してしまうのだけど。

リーの母親役をやってるのが、「ラスト・コーション」「ラスト・エンペラー」など数々の映画に出演してるジョアン・チェン。大女優だけあってさすがの演技です。
村の希望の星だった息子が、亡命によって一転「恥さらし」と呼ばれるようになり、
「勝手に息子を奪ったくせに。息子を返してくれ！」
と反撃するところでは涙が出ました。

大使館員たちの対応があまりに杓子定規でひどく、中国という国は今もこの頃からあまり変わってないんだろうなと思えました。

かなり昔に観たので、記憶を探りながら『小さな村の小さなダンサー』をレビューします♪

簡単な話"実話"であるということは、非常に強力な魅力なのです！
ん？と思うことも実話と思えば、許してしまいます（笑）

そして、この作品は、本物のバレエダンサーが演じてるということもあり、
バレエシーンにウソが無いので、よりリアリティがあります（（φ（・д・。）

以上です←え！？

特に書くことが無くて今まで書けなかったので、こんなことになっちゃいました（´д｀lll）

なんというか普通に良いサクセスストーリーです♪

※こういう映画は書きにくいねー・・・

個人的満足度　73点！　オススメ度　70点！

いやぁ、これは泣きましたねー
ハンカチじゃ足りない、バスタオルくらい必要。
パッケージで損してるけど、これは「男の苦しみ」の映画。
自由の国「アメリカ」に研究生として渡った中国のリー。
前半はややまったりしてるけど、「中国にかえらない」と決めてからは怒涛の展開。
いやー、感動して今、もう１回再生してるとこです。

芸術を守ろうとする人々（舞台関係者、観客たち）の熱い思いがビンビンくる。
そして、小さいとき別れた母・・・。
「行きたくない」「お母さんのそばにいる」と言ったのに・・・。

栄光と才能に満ちた人生もいいけれど、平凡な幸せも十分味わって
もらいたかった。

ひとたび「運命の流れ」にのれば、その流れの力で数奇な生涯の中で
舞うしかないんだね。
苦しんだぶん、幸せになってほしいと心から思う。

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予告を観る限りでは、結構、ずっと小さいときの話かと思ったら、メインはアメリカにわたってからの話でした。


最初、ツンシンが子供のころ、オーディション？みたいので、選ばれるんだけど、そのときの身体の柔らかさにたまげた。

さすが、中国！

少年のときも、１０代のときのツンシンもすごく良かったけど、やっぱり、英国バーミンガム・ロイヤル・バレエのプリンシパル、ツァオ・チーにつきます。

このひと、アメリカに渡った時は英語がほとんど話せない、という設定なんだけど、たしかに単語はただただしくしゃべってるのに、発音が異常に良い（笑）
そして、すぐにペラペラになります。

とにかくダンスシーンは圧巻です。

バレエダンサーの肉体っていうのは、ほんとすごいね。
美しいし力づよいし、人間とは思えない。

ツンシンは、アメリカでビザの延長が赦されず、なんといきなり、アメリカ人のGFと結婚します。
このあたり、怪しいんだよね〜（笑）

実際のところはどうなんだろうか？

やっぱ、ツァオ・チーの演技が微妙なせいか、それほどGFのことを好きだとは思えないんだけど、なんとも、Visaの為に結婚した匂いがぷんぷん。

このとき、弁護士のフォスターが、ものすごく頑張ってくれちゃって、結局なんとかなるんだよね。

ツンシンは、イノセントな振りして、結構女性にも積極的だし、VISAとって１年で別れちゃうし、そして、そのあと再婚しちゃうし。
まあ、それはいいんだけど、彼が家族を捨ててまで、亡命したかった理由がイマイチみえない。
ちょっと、自分勝手なひとにもみえます。

もうちょっとそのあたりの葛藤を描いてほしかった気もするけど、彼は俳優ではないのでこれが限界か？

それにしても感動します。
踊りをみているだけで心を揺さぶられました。