ドキドキ　Ｍｙ　Ｌｏｖｅ

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テーマはセルラーメモリー、すなわち記憶する細胞です。心臓移植された人間が提供者の趣味嗜好まで提供されちゃうってことかな？
記憶する心臓と言えば名作「夏の香り」。ドックンドックンと共鳴する心臓音がラブシーンのなかったドラマの代わりのようでした。
２０１１年度の最高傑作と呼び声高い「最高の愛」は、二人の愛を究極へと導く心拍数のドックンドックンが効果的でした。

こちらは連続お茶の間ドラマですので明るいラブコメ＆ホームドラマ仕上がり。
通称“ドキ甘”コンビのミンジュとドヒョンが相思相愛になっていく前半は特にオススメ！
二人とも無名に近い俳優さんなこともあって、とにかく新鮮で読めないなところもあって私的にはツボでした。

ミンジュ（ホ・ヨンラン）はＤＺ放送局の朝番組「あなたは大丈夫？」で視聴者からの不倫・浮気のお悩み相談を受け、
探偵並みに張り込み調査をし、テレビで暴露する、いわゆる低俗番組のＰＤ兼突撃リポーター。
ミンジュは５歳の女児を持つ未婚の母でもある。結婚式直前にミンジュは捨てられた。
妊娠はその後発覚したが婚約者は行方知らず。男によって深く傷ついたミンジュは浮気に走る男は絶対許せない。
ミンジュの朝チームがラブホテルを張り込み中、駐車場で若いカップルとトラブルを起こす。
その時ミンジュと言い合いになった男こそが新社長に付いたドヒョン（ミンソク）だった。
真っ先に打ち切りを迫られた朝番組。新企画が通らなかったら契約社員のミンジュも首になる。
にもかかわらず、ミンジュは社長が気に食わない。対する態度はつっけんどん。
ドヒョンの方は、不思議なことにこのキッツイ女ミンジュが気になる。彼女が近づくとなぜか心臓がドキドキして苦しくなってしまう。
ドヒョンの心臓は５年前に移植されたものだった。以後、趣味・趣向が変わった。
ミンジュをストーカーのように追い回すことになるドヒョン、ミンジュの方は女たらしは大嫌いと言いながらも、なぜか彼に元婚約者が重なり気になります。

某レビュアーさんは、ラブホの駐車場の一件も、社長に対するあの態度もミンジュが悪いと責めておりましたが、
私としては真っ昼間からエッチ帰りの男にいい顔できるかぁ〜！と思っております。
まあ、後でラブホの件は誤解だと判りますけどね。

このドヒョンを演じたミンソク氏。経歴を見るとほとんど端役に近い脇役ばかりで、大抜擢だったんですが最初は気に入らなかったな。
ニヤけてるし、社長らしさがない。ジャケットにＴシャツ、ピチピチの白いパンツ姿は、ミンジュが言うところの女たらしそのままやんか。
それに仕事できるんかこいつ！などとぶつくさ不満でした。
対して、ミンジュ役のホ・ヨンラン。脇役ばかりの女優さんですが、不機嫌な？アンニョイな表情が特徴です。
前半は突撃ＰＤらしく、お転婆ぶりがすごく可愛いかったです。作り過ぎず、カマトトにならずで良かったです。

２０話あたり、朝チームのカラオケにドヒョンが強引に着いて行き、歌を歌いますが・・・
曲は「僕を見てキスン」。うっううっ・・引きます、引きます。二枚目俳優があそこまでやるか。
この歌はあと２，３回歌うシーンがありますが、どんんヒートアップして行きますよ。
で――私はこのあたりからドヒョン役のミンソク氏がつぼになって来ました。よく見ると、ホ・ヨンランとアドリブ演技をやっているようです。
６０話あたりまでが“ドキ甘”でミンジュも明るくて二人のロマンスがとっても楽しいです。

後半、花も嵐も踏み越えての段になると、ミンジュを大学の時から好きだった弁護士のチャンホ（ウォン・ギジュン）、
ドヒョンの元妻で復縁を迫っているジニ、ドヒョンの家族の反対、未婚の母問題など反対勢力がすごくて、ミンジュがたまらず暗くなります。
そこからだんだん前半の楽しさが失われつつありました。そんな中、ドヒョンだけが明るかった。
もちろん、韓ドラですから、男は泣かなきゃいかんのでそんなシーンもありますが、でも、明るかった。１３５話乗り切ったのは彼のおかげかも。

このドラマは主役・準主役級の名の知れた俳優さんは出ていません。韓ドラでお目にかかる数名の脇役陣と後は初顔ばかり。
抜擢された割にはうまくない俳優が多いのも特徴ですが、それがある意味新鮮だったかもしれません。

連続ドラマには主役の他に柱となる俳優がいます。今回はミンジュの父親役のイ・ジョンギルさんです。悪役の印象が強かったのですが、人の良い庶民的な父親を演じてました。
その父親が一発奮起してクイズ番組に出ます。その時の問題。
「知れば愛するようになり、愛すれば心が見えてくる」
いい言葉でした。ここにドラマのテーマが見え、最後は家族っていいなぁ〜の連続ドラマのお約束ごとで終わりました。

毎年、数々の韓国ドラマを見ていますが、私にとって「今年の１番」はこれです。
完全にハマりました。

もともとノーマークだった作品で、主役のホ・ヨンランも「薯童謠」に出てたなぁ
くらいにしか思わず、ミンソクのことは全く知りませんでした。

ところが、見始めたら、展開の早さと脚本のおもしろさ、ミンソクにすっかり
心を奪われ、寝る間も惜しんで一気に見てしまいました。

１３５話だと思えば長く感じますが、１話３０分ちょっとなのと、続きが気になる
展開に、ハマること間違いなし！の作品です。

次は何を見ようか選ぶのに困っている時にこの作品のレビューを見て借りてみました。
メインの俳優2人とも知らないし、内容はどこかで見たことがあるような感じで（韓国ドラマでありがちな）自分の中で盛り上がりに欠けるなぁなんて思いながらなんとなく見ていたら、気付いたら毎日見るのが楽しみになってました。
まだ最終回までたどり着いてませんが、意外と面白いです。