プレイヤー

「アーティスト」で一躍有名になったジャン・デュジャルダンと、「この愛のために撃て」のジル・ルルーシュのふたりが主演をつとめる恋愛オムニバス映画。
４つ（５つだったかも）のお話に、短い挿話がいくつか加えられていて、最終話でそれらがつながるという構成。
「アーティスト」の監督ミシェル・アザナヴィシウスが監督としているパートもあり、話題性で公開されたのだと思いますが（レンタル解禁日も「アーティスト」と同じだし）、あまりおもしろくありませんでした。
とにかく、どうやって女と寝るかということだけを追求している中年男たちの話なので、下品なシーンが多いには閉口。
極めつけはあのラスト。私は全然笑えなかったけど、これを楽しめちゃうフランス人ってすごいなあと感心してしまいました。

私も主人公のオッサンたちと同年代。２回結婚したけど、浮気はしたことがない。けど、浮気したい人はすれば・・って思ってる。
先日、出張先で宴会になり、一次会が終わって二次会に行くことになったが、私は翌朝にランニングする予定だったので「俺は行かない」と言ってタクシーに乗った。すると、同僚の独身女性も「わたしもホテルに帰る」と言って同じタクシーに乗り込んできた。おっ、やるか・・と思ったが、結局は２人で二次会に参加してしまった。わたしにも彼女にも躊躇があった。ま、それでよかったと思っているが、やりたかった・・という思いもある。
この映画は、そういう場面でガンガン行く中年男たちの愉快でみじめな人生劇場。
浮気するなら、まず、その腹を引っ込めろや、って思ったが、作品の趣旨はコメディーだったらしいので、わざわざ腹の出たオッサンを主人公にしたみたい。けど、ぜんぜん可笑しくない。監督としては、腹の出た中年男がやりたくて我慢できずにハレンチ行為に及ぶ、っていう状況を若いおなごに見せて「カワイイ」と言ってもらいたいみたいだったが、しかし、それは可愛くない。
尚、オムニバスなら毎回役者を変えてもらいたかった。同じ役者が出てくるから話が続いてるように見える。ときどき出てくる女房役が変るのでヘンだなと思った。

いやー、困った。
オムニバスだってこと、なおかつ主演の二人がそれぞれのエピソードを違う人物で演じているってこと、
全く知らずに見ていたものだから、もう？？？？になっちゃって(;^_^A
全部見終わってから、あれ？もしかして違う人を演じてたの？なんて気がついてしまって
ははは、自分のバカさ加減に呆れましたわ（笑）

それにしても、ただただ女とやりたいだけの男たち。
もう呆れるばかり。
自分の浮気は本気じゃないんだからいいだろう、とばかりに隙あらばやりまくる男たち。
でも妻が浮気したら許せないと怒り狂う男たち。
この大きな矛盾にも気付かずに、男ってほんと自分勝手！
最後のエピソードのオチは、えええ？？そこにいくぅ？(＠_＠;)
笑いを取りたかったんだろうけど、笑えない・・
さすがおフランス的、浮気の顛末ってわけですかね(;^_^A

おやおや、フランスの恋愛事情も変わったもんだ、とちょっと驚く。
腹の出た中年男たちが女を追いかけ回してても別にいーけど、それで笑わせようって意図なら
ハリウッドのコメディーと変わらない。
フランス人は浮気だ不倫だって、ここまでいちいち大騒ぎしない人種だと思ってたんですけどね。
それに、遊ぶならもっと粋に遊べばいいのに、相手の女性への敬意も愛情もあったもんじゃない、
ただセックスだけっていう貧しさ。これじゃあミソジニー（女性蔑視）の国アメリカと同列じゃあないの、
それでいいんかい？とガッカリしてしまった。
「恋と愛の測り方」（11）ですっごく素敵だったギョーム・カネも、とんだオトボケ野郎だったし。
さらにガッカリ。別人だよ・・・。

とにかく。フランス人に自虐ネタは似合わないと思う。
シレッと格好良く自由恋愛を楽しんでいただきたい。なんだかんだ言って憧れの国なんだからね。
夢を壊さんといて。

46才男性です。すごく共感できる映画でした。まるで自分自身を見てるようです。
レビューはみなさん　　バカみたい　って意見でしたが、本当にそうでしょうか。
40過ぎた男性には　本当に身をつまされる映画ではないでしょうか。
女性には理解できない気持ちですし、若い男性にも理解できないでしょう。
同年代の男性でも　自分は違うという人もいると思います。
　これは　エロコメではないです。商業的にそういう要素を入れているかもしれませんが枝葉です。
　描きたかったのは　中年男性の喪失感ではないでしょうか。　失われた若さ、失われたチャンス
そういう自分を嘆く滑稽さ。取り戻せない物をあきらめられない愚かさ
そういう気持ちを味わった事のない人には駄作かもしれません。しかし自分は傑作だと思います。