俺たちサボテン・アミーゴ

去年のラテンビート映画祭にて鑑賞。
座席は８割方埋まってましたが、こんな映画をわざわざ観ようという人がこんなにいるってことが嬉しいです。
ひょっとしてみんなガエルくんファンかしら？？

とはいえ、主役はガエルくんではなく、ウィル・フェレル。だからこんな邦題をつけたのね。

アルマンド（フェレル）はメキシコの父の牧場で働いているが、父からは疎まれている。
そこにやり手のビジネスマンの兄ラウール（ディエゴ・ルナ）が超美人の恋人を連れて帰ってくる。
彼らの牧場周辺は麻薬王オンザ（ガエルくん）に牛耳られているが、ラウールとオンザの間に抗争が勃発！！

相当な脱力系の映画です。
だいたい、ウィル・フェレルとディエゴ・ルナが兄弟って一体どんな兄弟なんだよ！？
しかもディエゴの方が兄って！？

馬に乗ってるとは全く思えない乗馬シーン。
車中のシーンは２回とも流れる外の景色が全く同じだし。
出てくる動物はまるっきり剥製だし。
狙ってやってるんだろうけど、思いっきり安っぽい作り。
みんなこんな映画だろうとわかって観てるから、けっこう笑いが漏れてたけど、普通の人は馬鹿にされたと思うんじゃなかろうか？と心配。

動物が人を襲うシーンに至っては、
「いろいろとやってみたけど、この部分は撮れませんでした。けれども、みんなに低級な映画だといわないでね。」
とテロップが出る始末。ここもみんな暖かく笑ってたけどね。

こんな映画だけど、ガエルくんは素敵なので私は許します。

「俺たち〜」とあるからウィルフェレルとガエルとディエゴの3人でなんかやってくれるのかと思ってたよ（笑

これ、主役はウィルフェレルなのね。

で、メキシコが舞台で、全編スペイン語なんだけど、
ウィルがスペイン語流暢に喋ってる！！！！！
ちょー違和感！！！！！！

お話はどってことないんですよ（笑


メキシコで牧場を営んでたアルマンド（ウィル）ですが
実は経営は赤字で、大ピンチ。
そこへビジネスで成功をおさめた弟ラウル（ディエゴ）が婚約者を連れて帰ってくる。

牧場を立て直す・・・・・って話じゃなくて
実はそのラウルは麻薬ビジネスにも手を出してて
麻薬王オンザに目をつけられちゃうという。

ガエルの麻薬王の姿が似合わない・・・・（笑

なんか、ガエルはかわいらしいというか。
ゆるいコメディなのであえてこのキャスティングなのか謎だけど
麻薬王っていう威圧的な感じは全く無し（笑

あえて狙ったであろうチープな画ヅラとか
突然のウィルの歌とか
突然のテロップとか・・・・・

ちょくちょく小笑いと失笑が混じりそうな場面がありますが
ゆるい映画なので全くOKです♪

しかし、ウィルフェレルがモテる役っていう設定はなんだかな・・・
まあ、いいんだけどね・・・・（ブツブツ

なんてことないゆるい映画だけど
ウィルフェレルとガエルガルシアベルナル、ディエゴルナ
この3人の共演が観れただけで満足な1本でした。

ウィル・フェレルによる、全編スペイン語コメディ♪

の、前に・・・

ちょっと冷静になって考えてみて下さい・・・

ウィル・フェレルが、クソ真面目にスペイン語をしゃべって（しかも流暢！）
クソ真面目に、ラテンのノリで歌を熱唱＆トランペット熱演＆美女と恋に落ちる！
んです♪

これを想像して、ちょっとでも「ふふふ」の方向に心が動いた人は、観てもいいかもですが
「は？」って人は、手を出してはいけないと思います、はい・・・

観る前に、軽く周波数を合わしておく必要がありますね

でも、そうすることで、ハマったらどえらい事になるコメディです♪

クソが付くほど真面目な（いつもの♪）ウィル・フェレル
でも
背景が思いっきり“書き割り”で、絵丸出し、しかも継ぎ目がズレてる
とか
馬に乗ってるシーンが、ぬいぐるみ丸出し
とか
ちょいちょいマネキンが登場する
とか・・・

コント、です♪

しかも
持ってたお酒が、トロピカルカクテルに変わってたり
とか
血まみれのバラに、秘かにハエがたかってる
とか・・・

間違い探し、です♪

たぶん、めっちゃ見落としてるような気がするんですよね〜

悔しいんですよね〜

って、ハマってるし！！ｗｗｗ

そんな真面目にフザケた、グダグダコメディでも
ラストの１０分は、ビックリするくらい、ちゃんと撮ってるんですよね♪（上から目線ｗ）

“折れたタバコ”に、おなかヨジれましたぁぁぁ！

マジか！
マジっすか！
ウィル・フェレル、マジっすか！
彼の笑いは国を超え
言語を変えて芸術に達す。
なんですかコレは！
なんなんですかコレは！！
肩の力の抜き方が最早
映画界のヒクソン・グレイシーじゃないですか！
不動心で自然体
そんな感じで笑いを生産していくその姿。
全くカッコ良くないのにカッコイイ摩訶不思議。
全編にわたってスペイン語を操りながら
笑いを取る気など全くありませんという顔して
神に誓ってもありませんっていう顔して
「大笑い」だけが「笑い」じゃないんだよっていう「笑い」を生んでいく
食べても全然美味しくない深海魚の身のようなブヨブヨな体出も出しちゃって
我々を「芸術＝アルテ」に導くのです。

全てのシーンにある、と言っても過言ではないくらい。
良く観ると「違和感」がちりばめられています。
そのちりばめかた
さりげなさとくだらなさ
アルテ・ファンタスティコ。
素晴らしいという他ありません。
あの手この手のアルテ三昧。
きっとあの美尻も
ボディダブルなんでしょうねぇ・・・
なんなんでしょう。
ウィルの笑いは下品なものも多いけど
なぜか品を感じるんですよねぇ。
１ミリぐらい、フレンチの風が吹き抜ける。

ジェネシス・ロドリゲスがめちゃカワイイ。
ガエル君をキャスティングした時点で
ひとつめの「ボケ」っぽい。

ここまででもファンタスティコなのに
唄がごっつファンタスティコ。
興奮します。
サントラ欲しいです。

今回も「勝手にシリーズ化」で
「俺たち」シリーズとして日本に届けられていますが
「俺たち」シリーズの中では屈指の芸術性の高さです。
何度観ても楽しくなり
観れば見るほど新しい楽しさが発見できるでしょう。

観て「うわぁ」ってなる映画ってなかなかないのですが、この作品はモロにそうですね。アメリカのしょうもないコメディ映画なんで過度な期待はしていなかったのですが、あまりにもひどい内容。途中「これは夢オチみたいな感じなのかな？」というシーンがいっぱい出てくるんですが、一応ストーリーとして流れていきます。

つまりは、夢みたいな話を物語として描いている、ということで、まぁ、現実味がないから面白くない。コメディに現実味って、と思うかも知れませんが、やっぱりある程度はね、必要と思いますよ。

観終わって、なんか微妙な気分になったのは、中学生が妄想で作ったような物語だったせいだと思います。