ヒトリシズカ

あるアパートでおきた殺人事件から幕を開ける。
出世の話やら、なんやらわらわらと出てくる。
そこは売春斡旋アパートで、警察官が見張っていたところから、実は部長の娘シズカがかかわっており、彼女はその後行方不明となる。
彼女の現在の行方と過去が交錯し、本当の父親の存在が明らかになっていく。

筋自体はとても面白かったのですが、最後までシズカの気持などは、自分語りされません。
周りが捜査していくうちに行き当たり、他者が想像していきます。

無機質な性格になってしまったのは、母親に対する反発なのか、自分の中の血を憎んでいるのか、本当は人間の感情を取戻したかったのか、
それは進んでいく物語からこちらが察していきます。

大物は岸部一徳ぐらいですが、佳作です。

刑事小説に定評のあるというか
第一線でバリバリ活躍している誉田さんの原作小説をドラマ化したもの
一人の少女の失踪から続く彼女の人生を
章立てて描くという手法。
その章ごとに印象の違う少女であり女性であり伊東静加
彼女の８歳から３１歳までの６つの物語
どの章においても
捉えどころのない女性・静加
彼女は一体何を感じ
何を考え
どう存在していたのか
そのどれものちゃんとして実体を掴めない
輪郭を掴めないような
そんな印象を抱かせ続ける
彼女の周りにいた誰もが
本当の彼女を知らなかったのではないだろうか
彼女の目的は望みは何だったのだろう
その存在は陽炎のように
ゆらめいて歪み続ける
ヒトリシズカ
ユラメイテカゲロウ

主人公を夏帆ちゃんが演じて
捉えどころのない女性の魅力を
どことなく浮遊感、現実感の薄さを織り交ぜながら
表現していたような気がしました。
悪女役は初ということですが
そんなイメージがない夏帆ちゃんが演じるからこそってとこですかね
各章のタイトルも凝ってて好きです。

『ストロベリーナイト』の誉田哲也原作!
謎が謎を呼ぶ傑作警察ミステリードラマということで、
夏帆さんが女優デビュー以来初の“悪女"に挑戦したことも話題になったのだそうです。

WOWOWのドラマらしく鑑賞し甲斐のあるドラマと感じ、
6話まで一気に鑑賞しました。

1,2話で静加の”ヤクザ、チンピラ嫌い”が後味悪く描かれ、
3,4話でその意思はヤクザ抗争にまで発展、
5話でその意思の経緯が語られます。

最終章の6話でどのような結末を迎えるのかと期待していたら、まさかの失速…

原作未見ですので的外れなのかもしれませんが、
ここまでの生い立ちがあるのなら完全な悪女として描いて欲しかったかも。
あと母親の責任も…
最後はモヤモヤでいっぱいになりましたわっ！

夏帆が主演という事で借りました。
ドラマとしては、時々ある「時間を前後させる手法」が使われていて多少わかりにくい面がありますが、特に良くも悪くも無い印象でした。
夏帆は子供の頃は可愛くて「清楚な美少女」といった感じで好きでしたが、時が経ち大人になってしまい、今ではもうすっかり「美人」になりました。
ドラマの評価は★２．５、夏帆が美人なのでプラス★１つです。
今２０代の美人女優・タレントが過剰なほど大量にいますので席の取り合いが熾烈ですが、主演作品がもっと増えるのを期待しています。

闇を吐いて生きていたシズカが、どうして聖女のようになったのか？

原作者の誉田さんは、それを母性に求めているようだけど、女性の側からすると、それはちょっと同意できない。
母性は、時として本人（本体？　宿主？）をも狂わすほどの強く恐ろしい力を持っているものだから。

そして、シズカの吐いた闇の中で犠牲になっていった女性たち。救いがない。

本当は汚い部分やグロイところも沢山あったけれど、本作では、それは避けられていました。
出演者のみなさんは、熱演されていたと思います。

重いテーマに取り組まれた姿勢に敬意を表します。