千年の愉楽 / 寺島しのぶ
千年の愉楽
/若松孝二
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全体の平均評価点: (5点満点)
(5)
解説・ストーリー
2012年10月、突然の事故で惜しまれつつこの世を去った反骨の映画作家・若松孝二監督の遺作となるドラマ。中上健次の同名短編集を基に、とある小さな集落で宿命を背負って生まれた男たちの美しくも儚い命の輝きを神話的スケールで見つめる。出演は寺島しのぶ、高良健吾、高岡蒼佑、染谷将太、佐野史郎。紀州の路地に生を受けた男たちは、誰もが唯一の産婆・オリュウノオバによって取り上げられた。また彼ら中本の美しい男たちは、女たちに圧倒的な愉悦を与える一方、決して逃れられない血の宿命を背負っていた。そんな自らの血に抗うように、懸命にもがき、己の思うがままに生きようとする男たちだったが…。
2012年10月、突然の事故で惜しまれつつこの世を去った反骨の映画作家・若松孝二監督の遺作となるドラマ。中上健次の同名短編集を基に、とある小さな集落で宿命を背負って生まれた男たちの美しくも儚い命の輝きを神話的スケールで見つめる。出演は寺島しのぶ、高良健吾、高岡蒼佑、染谷将太、佐野史郎。紀州の路地に生を受けた男たちは、誰もが唯一の産婆・オリュウノオバによって取り上げられた。また彼ら中本の美しい男たちは、女たちに圧倒的な愉悦を与える一方、決して逃れられない血の宿命を背負っていた。そんな自らの血に抗うように、懸命にもがき、己の思うがままに生きようとする男たちだったが…。
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「千年の愉楽」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
2012年10月、突然の事故で惜しまれつつこの世を去った反骨の映画作家・若松孝二監督の遺作となるドラマ。中上健次の同名短編集を基に、とある小さな集落で宿命を背負って生まれた男たちの美しくも儚い命の輝きを神話的スケールで見つめる。出演は寺島しのぶ、高良健吾、高岡蒼佑、染谷将太、佐野史郎。紀州の路地に生を受けた男たちは、誰もが唯一の産婆・オリュウノオバによって取り上げられた。また彼ら中本の美しい男たちは、女たちに圧倒的な愉悦を与える一方、決して逃れられない血の宿命を背負っていた。そんな自らの血に抗うように、懸命にもがき、己の思うがままに生きようとする男たちだったが…。
「千年の愉楽」 の作品情報
「千年の愉楽」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
千年の愉楽の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
118分 |
|
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
|
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
ASBX5635 |
2013年10月17日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
13枚
|
0人
|
0人
|
1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
千年の愉楽の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
118分 |
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1:ドルビーデジタル/5.1chサラウンド/日本語
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レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
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ASBX5635 |
2013年10月17日
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在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
13枚
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0人
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0人
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ユーザーレビュー:5件
痴情のもつれ
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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三重県尾鷲氏の小さな集落を舞台に、翻弄される男たちを官能的に描いた作品です。若松監督の遺作になってしまいましたね。
舞台は紀州の海岸沿いにある漁村、そこにある「路地」と言われる被差別部落に住む産婆のオリュウノオバ(寺島しのぶ)は、死を前にして、女たちに悦楽を与え散っていった美しい中本家の男たちを思い出し、夫の礼如(佐野史郎)の遺影写真に向って話しかけています。
冒頭から血まみれの男が自らの血をを呪いながら息絶えます。初っ端から業を描いた濃厚な世界にビックリしました。
3人の男半蔵(高良健吾)、三好(高岡蒼佑)、達男(染谷將太)は、それぞれ「中本」の血を引いているのでしょう、次々と若死にしていきます。
男たちは、生まれて、死んで、繰り返す。懲りない血の流れがもたらす悲劇のように描かれていますが、ある意味欲望の赴くままに生きてたせいじゃないかと思います。女に誘われれば誘われるがままに遊んでたわけで。
母性とそれに恐れ抗う若者達。そんな彼らの葛藤がまた凄まじかったです。
オリュウノオバは、彼らをいつも母性で男たちを見守っています。けれどもオリュウノオバも彼らの魅力に惑わされたという事ですか?
美貌と血筋と云う運命に翻弄された三人の高良君、高岡君、染谷君に見惚れてしまいました。
高台のオリュウノオバの門前から望んだ抜ける空。街並みが独特な雰囲気と、音楽も、幻想的な雰囲気でマッチしていたように思います。
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15人の会員が気に入ったと投稿しています
イザナミ と カグツチ の末裔たち
( ネタばれあり)
自他ともに認める反骨と反体制の映画人・若松孝二。
「ピンク映画の黒澤明」の異名を取り、「愛のコリーダ」をプロデュースするなど、性のタブーに挑戦してきました。
また連合赤軍、三島由紀夫など政治的なテーマの作品も撮ってきました。
不慮の交通事故ではからずも遺作となった本作は、神話的世界観で、「土着性」の風土に宿る日本人の「根源」を問うものとなりました。
明治維新以降の日本の近現代をふりかえると、どうしても西洋文明化に目が行きがちですが、天皇と神道のありようをそれまでと変え、天皇制と国家神道による原理主義的な「こころの体制化」を行ったことが大きい。
世俗化し西洋化した近代合理主義で生きる者にとっても、その国民、民族の歴史に根ざした「真・善・美」の価値観は心に深く沁みこんでいます。
生きていく心のよりどころの「真・善・美」が、一方で抑圧・差別・戦争などを正当化し、無理難題を振りかざしても、抗うのは難しいもの。
外国を見ても、世俗的な近代の政治思潮であるファシズムや共産主義には抗えても、キリスト教やイスラム教などの「原理主義」に苦悩しているのがうかがえます。
「 錦の御旗 」や聖書やコーランは恐ろしいものです。
体制が「古来からの正統性」を旗印に・近代的に体系化されたイデオロギーとして、「原理主義」を振りかざすとき、反体制が対抗するのは「土着性」からの視点です。
同じく反骨・反体制と目される今村昌平も『 神々の深き欲望 』『 楢山節考 』で「土着性」を描き、生身の人間の「愛と性」、「生と死」を描くことで、飼いならされる以前の「根源」を問い返しています。
本作の舞台は紀州の熊野。
土佐(高知県)と紀州(和歌山県と三重県南部)は北を険しい山々、南を太平洋の荒波で挟まれ、袋のような地形を為しています。
個人的な、かなりの偏見であるのを承知で申しますと、「くろしお文化圏」と言いましょうか、この地で生まれた文芸は、閉ざされた土地での血族と地縁の濃密な人間関係から生まれる、愛憎や情念をモチーフにしています。
土佐では宮尾登美子、大原富枝、中島丈博、西原理恵子ら、紀州では有吉佐和子そして本作の原作・中上健次の作風は、その風土の持つ土着性を抜きには語れません。
本作は、冒頭の、イザナミノミコトとカグツチノミコトを祀る「花の窟(いわや)」の描写から始まります。
花の窟は社殿がなく高さ45メートルにも及ぶ巨岩が御神体。
そこには「ほと穴」と呼ばれる大きなくぼみがあり、女陰を表しています。
生殖器崇拝をプリミティブで野蛮な土着信仰と、眉をひそめる向きもあるかもしれません。ですが、世界遺産に「熊野の霊場と参道」の一部として登録されていますし、古事記などで伝えられている日本神話を基にしていて、日本人の心の古層と言えましょう。
イザナミは国産みの神、神産みの神ですが、火の神であるカグツチを産んだ際、陰部をやけどして死んでしまいます。
イザナギは怒ってカグツチを殺し、亡くなった妻を黄泉の国まで追っていきました。
しかしイザナミは腐乱した死体の姿を見られ恥辱と感じ、激怒してイザナギを追いかけますが、イザナギは黄泉の国との道を巨岩で塞ぎ、出られなくしました。
ふたりの神は離縁し、イザナミは黄泉の国の主宰者として死の神、不浄の象徴となりました。
本作の語り部である産婆のオリョウ。 演じるのは寺島しのぶ。
佐野史郎が演じる毛坊主の夫と、産婆のオリョウとの夫婦は、神仏習合を表しているのでしょう。
紀州が生んだ学者・南方熊楠は地域の神社を整理統合しようとする政府の神社合祀令に抵抗し、鎮守の森を守ろうとしました。
そして紀州は高野山と熊野という日本人の聖地を二つ擁しています。
オリョウは死に瀕して、何世代もの中本の血をひく若者たちのことを回想し語ります。
井浦新、高良健吾、高岡蒼佑。染谷将太らが演じる彼らの生涯は、おのれの生を呪い、情欲に溺れ、罪を重ねていくものでした。
オリョウは、カグツチの伝説と重なる彼らに寄り添い、業の深さを受けとめ、無念のはけ口となってやります。
死に行く彼女の魂が時空を超えて、イザナミと一体化しているように、僕には思えます。
土着の神と、土着の民は深いつながりで結ばれているのです。
はからずも遺作となった本作。 若松孝二にとって、スケール感の大きい、集大成ともいえる作品となったのではないでしょうか
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中本の一統の男
投稿日:2014/02/21
レビュアー:Toma
紀州南端の路地とよばれる集落の人々と自然の織りなす世界観、
井浦新から始まり、高良健吾、高岡蒼佑、染谷奨太とつながる、
女を狂わせ、早逝していく、不吉な一族の血。
その若者たちを取り上げてきた、オリュウノオバとよばれる
産婆と、毛坊主の夫。
短編オムニバス形式のような構成だが、最後の話が釈然とせず
中上健次の原作も読んでみる。
原作も同様の短編形式だったが、おそらく映像化が面白そくなり
そうなエピソードを抽出して2時間にまとめたのだろう。
その試みや、映像化にあたってのアレンジもよかったと思う。
観終わったときは、何が言いたかったんだろう、この映画という
気持ちもあったが、意外と原作に忠実だった。
高良健吾のエピソードが良かったのだが、彼にはもっと狂気を
発してほしかった。
遺作のつもりで撮った訳ではなかろうが、寺島しのぶの好演も
あり、それらしい出来栄え。『キャタピラ』よりは楽しめたと
思う。
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中本の血
女にかかわり、早死にする中本の男たち。
この村の産婆オリュウノオバが、亡くなった夫に話かけながら,回想シーンで物語が進みます。
息子が生まれた日に、女に刺されて死ぬ父親のシーンから始まります。
出てくる中本の男たち、高良健吾、高岡蒼祐、染谷将太と、なんか、魅力的というか、母性本能をくすぐられるというか、いい配役でした。
運命に抗おうとしているのに、流されていく男たち。
オバはそんな彼らを見守ります(というか、最後まで見守ってほしかったんですけど。。。)
生まれて死んで、生まれて死んで、同じことを繰り返して、女たちに愉楽を与えて死んでいった男たちの話です。
今話題の山本太郎君がちょいと出てますよ(笑)
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なんかたりないね。
投稿日:2014/02/07
レビュアー:金色の銀杏
この映画 役者はいいですね。予算がないのだか、セットがお粗末ですね。森のなかで下草を刈るシーンとか文学性を持たせて欲しかったな.。神々しさが画面からつたわってくるような撮り方あったんじゃないですかね。
中上文学が田舎の痴情のもつれ的なものになった感があります。
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ユーザーレビュー
痴情のもつれ
投稿日
2013/10/08
レビュアー
ミルクチョコ
※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
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三重県尾鷲氏の小さな集落を舞台に、翻弄される男たちを官能的に描いた作品です。若松監督の遺作になってしまいましたね。
舞台は紀州の海岸沿いにある漁村、そこにある「路地」と言われる被差別部落に住む産婆のオリュウノオバ(寺島しのぶ)は、死を前にして、女たちに悦楽を与え散っていった美しい中本家の男たちを思い出し、夫の礼如(佐野史郎)の遺影写真に向って話しかけています。
冒頭から血まみれの男が自らの血をを呪いながら息絶えます。初っ端から業を描いた濃厚な世界にビックリしました。
3人の男半蔵(高良健吾)、三好(高岡蒼佑)、達男(染谷將太)は、それぞれ「中本」の血を引いているのでしょう、次々と若死にしていきます。
男たちは、生まれて、死んで、繰り返す。懲りない血の流れがもたらす悲劇のように描かれていますが、ある意味欲望の赴くままに生きてたせいじゃないかと思います。女に誘われれば誘われるがままに遊んでたわけで。
母性とそれに恐れ抗う若者達。そんな彼らの葛藤がまた凄まじかったです。
オリュウノオバは、彼らをいつも母性で男たちを見守っています。けれどもオリュウノオバも彼らの魅力に惑わされたという事ですか?
美貌と血筋と云う運命に翻弄された三人の高良君、高岡君、染谷君に見惚れてしまいました。
高台のオリュウノオバの門前から望んだ抜ける空。街並みが独特な雰囲気と、音楽も、幻想的な雰囲気でマッチしていたように思います。
イザナミ と カグツチ の末裔たち
投稿日
2019/09/14
レビュアー
ロキュータス
( ネタばれあり)
自他ともに認める反骨と反体制の映画人・若松孝二。
「ピンク映画の黒澤明」の異名を取り、「愛のコリーダ」をプロデュースするなど、性のタブーに挑戦してきました。
また連合赤軍、三島由紀夫など政治的なテーマの作品も撮ってきました。
不慮の交通事故ではからずも遺作となった本作は、神話的世界観で、「土着性」の風土に宿る日本人の「根源」を問うものとなりました。
明治維新以降の日本の近現代をふりかえると、どうしても西洋文明化に目が行きがちですが、天皇と神道のありようをそれまでと変え、天皇制と国家神道による原理主義的な「こころの体制化」を行ったことが大きい。
世俗化し西洋化した近代合理主義で生きる者にとっても、その国民、民族の歴史に根ざした「真・善・美」の価値観は心に深く沁みこんでいます。
生きていく心のよりどころの「真・善・美」が、一方で抑圧・差別・戦争などを正当化し、無理難題を振りかざしても、抗うのは難しいもの。
外国を見ても、世俗的な近代の政治思潮であるファシズムや共産主義には抗えても、キリスト教やイスラム教などの「原理主義」に苦悩しているのがうかがえます。
「 錦の御旗 」や聖書やコーランは恐ろしいものです。
体制が「古来からの正統性」を旗印に・近代的に体系化されたイデオロギーとして、「原理主義」を振りかざすとき、反体制が対抗するのは「土着性」からの視点です。
同じく反骨・反体制と目される今村昌平も『 神々の深き欲望 』『 楢山節考 』で「土着性」を描き、生身の人間の「愛と性」、「生と死」を描くことで、飼いならされる以前の「根源」を問い返しています。
本作の舞台は紀州の熊野。
土佐(高知県)と紀州(和歌山県と三重県南部)は北を険しい山々、南を太平洋の荒波で挟まれ、袋のような地形を為しています。
個人的な、かなりの偏見であるのを承知で申しますと、「くろしお文化圏」と言いましょうか、この地で生まれた文芸は、閉ざされた土地での血族と地縁の濃密な人間関係から生まれる、愛憎や情念をモチーフにしています。
土佐では宮尾登美子、大原富枝、中島丈博、西原理恵子ら、紀州では有吉佐和子そして本作の原作・中上健次の作風は、その風土の持つ土着性を抜きには語れません。
本作は、冒頭の、イザナミノミコトとカグツチノミコトを祀る「花の窟(いわや)」の描写から始まります。
花の窟は社殿がなく高さ45メートルにも及ぶ巨岩が御神体。
そこには「ほと穴」と呼ばれる大きなくぼみがあり、女陰を表しています。
生殖器崇拝をプリミティブで野蛮な土着信仰と、眉をひそめる向きもあるかもしれません。ですが、世界遺産に「熊野の霊場と参道」の一部として登録されていますし、古事記などで伝えられている日本神話を基にしていて、日本人の心の古層と言えましょう。
イザナミは国産みの神、神産みの神ですが、火の神であるカグツチを産んだ際、陰部をやけどして死んでしまいます。
イザナギは怒ってカグツチを殺し、亡くなった妻を黄泉の国まで追っていきました。
しかしイザナミは腐乱した死体の姿を見られ恥辱と感じ、激怒してイザナギを追いかけますが、イザナギは黄泉の国との道を巨岩で塞ぎ、出られなくしました。
ふたりの神は離縁し、イザナミは黄泉の国の主宰者として死の神、不浄の象徴となりました。
本作の語り部である産婆のオリョウ。 演じるのは寺島しのぶ。
佐野史郎が演じる毛坊主の夫と、産婆のオリョウとの夫婦は、神仏習合を表しているのでしょう。
紀州が生んだ学者・南方熊楠は地域の神社を整理統合しようとする政府の神社合祀令に抵抗し、鎮守の森を守ろうとしました。
そして紀州は高野山と熊野という日本人の聖地を二つ擁しています。
オリョウは死に瀕して、何世代もの中本の血をひく若者たちのことを回想し語ります。
井浦新、高良健吾、高岡蒼佑。染谷将太らが演じる彼らの生涯は、おのれの生を呪い、情欲に溺れ、罪を重ねていくものでした。
オリョウは、カグツチの伝説と重なる彼らに寄り添い、業の深さを受けとめ、無念のはけ口となってやります。
死に行く彼女の魂が時空を超えて、イザナミと一体化しているように、僕には思えます。
土着の神と、土着の民は深いつながりで結ばれているのです。
はからずも遺作となった本作。 若松孝二にとって、スケール感の大きい、集大成ともいえる作品となったのではないでしょうか
中本の一統の男
投稿日
2014/02/21
レビュアー
Toma
紀州南端の路地とよばれる集落の人々と自然の織りなす世界観、
井浦新から始まり、高良健吾、高岡蒼佑、染谷奨太とつながる、
女を狂わせ、早逝していく、不吉な一族の血。
その若者たちを取り上げてきた、オリュウノオバとよばれる
産婆と、毛坊主の夫。
短編オムニバス形式のような構成だが、最後の話が釈然とせず
中上健次の原作も読んでみる。
原作も同様の短編形式だったが、おそらく映像化が面白そくなり
そうなエピソードを抽出して2時間にまとめたのだろう。
その試みや、映像化にあたってのアレンジもよかったと思う。
観終わったときは、何が言いたかったんだろう、この映画という
気持ちもあったが、意外と原作に忠実だった。
高良健吾のエピソードが良かったのだが、彼にはもっと狂気を
発してほしかった。
遺作のつもりで撮った訳ではなかろうが、寺島しのぶの好演も
あり、それらしい出来栄え。『キャタピラ』よりは楽しめたと
思う。
中本の血
投稿日
2013/11/27
レビュアー
じゃじゃまる
女にかかわり、早死にする中本の男たち。
この村の産婆オリュウノオバが、亡くなった夫に話かけながら,回想シーンで物語が進みます。
息子が生まれた日に、女に刺されて死ぬ父親のシーンから始まります。
出てくる中本の男たち、高良健吾、高岡蒼祐、染谷将太と、なんか、魅力的というか、母性本能をくすぐられるというか、いい配役でした。
運命に抗おうとしているのに、流されていく男たち。
オバはそんな彼らを見守ります(というか、最後まで見守ってほしかったんですけど。。。)
生まれて死んで、生まれて死んで、同じことを繰り返して、女たちに愉楽を与えて死んでいった男たちの話です。
今話題の山本太郎君がちょいと出てますよ(笑)
なんかたりないね。
投稿日
2014/02/07
レビュアー
金色の銀杏
この映画 役者はいいですね。予算がないのだか、セットがお粗末ですね。森のなかで下草を刈るシーンとか文学性を持たせて欲しかったな.。神々しさが画面からつたわってくるような撮り方あったんじゃないですかね。
中上文学が田舎の痴情のもつれ的なものになった感があります。
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