ドラッグ・ウォー　毒戦

１０分くらいで　何だこりゃ「ルーシー」じゃねえかよとなる　ドラッグを運ぶトラック　それを追う警察車両　早くも　チェイスと　
意外に重要なファクターであることになる　疲労の主題が現れる　相変わらずどんな展開になるかわからずの３０分　
しかしルイスクーが寝返ってからが　ジョニートーお得意の錯綜したお話に

ライター　シガレットケース　携帯　金銭　手話　隠しカメラなどの　小物マクガフィンの配置も万全　女刑事の寡黙さが
マイケルマンみたいで　これまた良し　わお　一時間でラムシュー登場！　ぶふ

毒戦とは　ドラッグをめぐる攻防より　ドラッグを飲んだ人間の狂態に焦点を当てるのが　ジョニーの目の付け所かなと
思ったりするのだが　そんなことを忘れる　俄然面白い展開となり　しかしその作劇（薬の摂取）は意図的な演出だったとは　
最後にまたわかるのね

ジョニートーの演出は　個々の人物なり物体が　運動を開始して　めまぐるしく交差していく様子を巧みに編集して　
ついに各運動線の交点で　爆発するような按配に作り上げる

横道にそれない　チェイスモードの一定したトーンの物語の大団円は　おうっと驚く　久しぶり非情なトーでしたね　
追跡で始まって　当然終着点と物語の結末は　車両がその役目を終わって　銃撃戦となる　登場人物たちに　等しく襲う　
疲労　疲弊の主題は　伏線を回収し　大いなる眠りにつくことによって終わりを告げるだろう

ジョニートー監督作、緊張感と男臭さプンプンかと思ったけど
これ、前半は思ったよりタルかった・・・・（すみません）

麻薬組織の一員を使って潜入捜査！ってことですが、
この前半のじわじわ捜査が思いのほかね・・・・

しかし、後半の展開が楽しかった、というか良かったですね。
衝撃の展開があるとか、そういう類のものではないけれど。

コカイン製造工場爆発事故で瀕死の重傷を負ったテンミンが
麻薬組織と絡んでるってことで、
減刑を条件に捜査協力を仰ぐ。

捜査側メインが麻薬捜査官のジャン。

まあ、このテンミンがほんとに協力するのかい？ということと、
麻薬捜査が進むにつれて
どんどんでてくる裏の組織、
しまいには香港7人衆なるものまで出てきて。

誰がほんとのキーパーソンで
誰と誰が味方同士で
誰が誰を裏切るのか

そのあたりの興味が最後まで持続することと、
なんといっても銃撃戦のボリューム。

予想以上にやってた・・・（笑

あとから予告観たらこの場面がかなりの「ウリ」ポイントにもなっているよう。

至近距離での銃撃戦、もえげつなさ炸裂ですな。


その他に、「え！？こいつらこんなに○○だったの！？」っていう
まさかのヤツらがキレキレ大活躍ってのも良いです。

そして、ラスト付近のシーンがこれまた良いですよ。

細かく書けないけど、テシミンの卑劣さみっともなさと、ジャン警部のアレ。

なまぬるいラストではなく、キッチリ筋が通ってるのも好感です。

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香港の名匠・ジョニー・トー監督の最新作。
巨大な麻薬組織に挑む中国公安警察の極秘潜入捜査チームの凄絶でスリリングなサスペンス・クライムアクションです。
麻薬捜査官ジャン警部（スン・ホンレイ）は、危険を顧みず捜査チームを引き連れ巨大な麻薬組織に潜入する。
協力するのは、爆発があったコカイン工場から車で脱出するも事故に遭い逮捕されたテンミン(ルイス・クー)です。死刑と引き換えに捜査に協力することになった。
さっそく、テンミンの情報を基に裏社会の大物に会い架空取引を仕掛けることに・・・。
その後、俳優顔負けのジャン警部の演技や捜査チームの素早い連係プレイで心理合戦と共にスリリングな展開を見せる。
終盤、味方なのか敵なのか・・・。遂には壮絶な銃撃戦が繰り広げられ、そして・・・。

とにかく冒頭から驚かされるシーンが飛び出します。吐き気が伴うほどなので、飲食は控えて下さい。
ゲロはまだいい方です。バスに乗った麻薬の運び屋たちが捕まり、洗面器にピンポン玉くらいか少し小さめのカプセルを排出するよう強要されているシーンが・・・。
何と、ひとりで２０個以上もの汚物にまみれたカプセルを・・・。早く出さないと体内で破裂し命の危険があると言うが、破裂し血が噴出している映像も。
全体的に息もつかせぬほど惹き込まれましたが、結末は残念な気持ちで一杯になりました。
日本だったらこんな結末にはならなかったと思います。★4のところ★3.5

ジョニー・トーはこうでないと！

物語はいきなり始まり、ノンストップで衝撃のラストまで。
状況説明皆無、観客が自然に察する、唸ってしまう神懸かり的演出。
そこここの「間」にも静的テンション充分で、怒濤の後半をより盛り上げている。
麻薬組織を追う警察、組織を裏切りイヌになる男、巨大組織の三つ巴の大乱闘。
ありがちな設定をここまで料理し切るウデにシビれるのは、ファンの贔屓目ばかりじゃ無いだろう。
善悪で括らず末端の有象無象もきちんと描き、ひとりとして余計な人間を登場させない。
工場の煙に始まり、隠しカメラ、ライター、シガレットケース、手話に至るまで、全てに意味があり無駄が無い。
金のために命の危険を犯す運び屋、ろうあ者が仕切る麻薬工場等々、何気に「社会」を見せているのも面白い。
おとこ達は「仕事」を全うするために命をかけるのだ。
全ての役者を一同に集め、銃撃と血煙と、衝撃のクライマックス！
これは言わぬが華だろう。

ルイス・クーもいいが、断然スン・ホンレイ。
なんだってこんな風采の上がらないおっさんが、ここまで格好良く見えるのか。
アンソニー・ウォンでもサイモン・ヤムでも無い、この人にはトー作品をひと味変える旨味がある。
クールなクリスタル・ホアンもなかなかのもの。
ラム・シュー、ラム・カートンのご両人は顔出しだけでウキウキだし。
おとこまえのウォレス・チョンに出遭えたのも嬉しい。

寡黙で非情、さすがトーさん、正に独壇場だ。

やはり監督はただものではない
とにかく捜査のプロセス　銃撃戦の迫力は半端じゃない
公開時　監督のファンぐらいにしか注目されず本当に悔しい
香港映画ファンだけではなく犯罪映画ファン必見です！