ブレイキング・バッド　ファイナル・シーズン

ウォルターの戦いもとうとう最終章に入りました。
本国アメリカではシーズン５が全１６話で終了となっていますが、日本では８話ずつに分け、【シーズン５】【ファイナルシーズン】となっています。
でも、２つに分けるのには納得。それくらい、内容が濃いです。
全話見終えて。。。。ため息が出ました。良い意味のため息です。
ハラハラドキドキの連続で張り詰めていた緊張が解けたため息。
満足のため息です。
とても完成度の高い作品です。

ガンが見付かったしがない高校教師が、残される家族にお金を残す為に麻薬精製に手を出すというストーリー。
しかしながら、物語が進むにつれて、ウォルターの変化に気が付かされるのです。
いつしか、目的は【家族の為】ではなく【自分の為】になっていくのだ。
結局彼は、元々、野心の強い人物だったのだ。
友人達と立ち上げた会社での失敗が心の奥底にくすぶっていたのだろう。
麻薬精製の過程で、自身の可能性を見出し、頂点に立つ事に酔いしれてしまったのだ。
そしていつしか、目的は【帝国を築く事】に変わってしまった。
でも、これこそが本来のウォルター・ホワイトだったのだろう。
そう考えると、ガンが見付かってからのこの２年間が彼にとって、本当の意味で生きている事を実感出来る時間だったのではないだろうか。
最期に本来の自分を見つめる事が出来たというのは、ある意味幸せなのかもしれない。

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いつもどんな事があっても人の先を行っていたウォルター。
ガスにすら打ち勝った彼が、周囲が見えないほどに動揺してしまった。
せっせと１人で隠した金をジェシーに燃やされると思ったウォルターは前後の見境なく隠し場所へと車を走らせてしまうのです。
それが罠とも知らずに。。。
いつものウォルターなら、それがはったりだと気が付いたでしょう。
だが、家族に残す為のなけなしの金が燃やされそうなのだ。こうなったら頭なんて働かない？！
でも、もしかしたら別の見方もあるのかもしれません。
どんなに見下した態度を取っていたとしても、心の底ではジェシーの事を認めていたのではないでしょうか。
自分を破滅させられるのはジェシーだけだと分かっていたとも考えられる。
だからこそ、彼の言葉を鵜呑みにして、なんの防衛策も取らずに隠し場所へと行ってしまったのではないだろうか。
そしてまんまと罠にはまってしまったウォルター。
しかしながら、天はウォルターに味方した。。。のだろうか？
とうとう最後の一線を越えてしまったのだ。すべて自業自得。
彼は良くも悪くも強運すぎるのだ。悪運はすべて周囲の人間に降りかかる。
そして本当の意味で家族を失ってしまったウォルター。
ウォルターの存在意義はどこにあるのだろうか。

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　とうとうウォルターの正体がバレてからジェットコースターのように展開していきます。しかも下降線。
　ブルーメスの王様ハイゼンベルグの正体がわかって一気に対立の構図が爆発していく面白さ。

　ハイゼンベルグ逮捕に向けて執念を燃やすDEA。家族に何とかお金を残そうとして殺し屋集団に邪魔になる人を殺害させるけど、それが悲劇の方向に転がっていく。
　バラバラになった家族で孤独になったウォルターの寂れた感じが見てて辛いし、ジェシーは監禁されて廃人みたくなる。それにしてもジェシーが好きになる人はとんでもない結末になってしまうのが凄いです。

　本当に面白くてどうしてこんなことになっちゃんだろうと悲しくなるドラマシリーズでした。

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自分と家族に害をなす者をことごとく排除してきたウォルター。
とうとう年貢の納め時です。
家族は離れ、孤独な中、それでも家族の身に危険が及ばないようにすべてを丸く収めて最後を飾りました。
当初の目的であった【家族の面倒】もみる事が出来た。
家族を取り戻す事は出来なかったけど、最後にスカイラーに対して【自分の為にやった】と、本心を語る事が出来たウォルター。
プライドの高いウォルターが、この言葉を言うのは相当な覚悟がいったはず。
多分、スカイラーにとってはこの言葉で十分だったのではないでしょうか。
ガンが発見されてから初めて心が通じた瞬間だったのではないでしょうか。
ウォルターがやった事は褒められた事ではないけど、彼にとってはこの２年間が１番充実していたはず。
そういう意味では、最高の最期を迎えられたと言っても良いのでしょうね。
見応えのある作品でした。





今回のゲスト。
第７話【ニューハンプシャー】
エドは【アルカトラズ】のレイ・アーチャー。

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追い詰められたウォルターは、ハンクが黒幕だという告白ビデオを作る。
なんだか、とっても説得力がある^^;
【自分は無関係】とは言わないところがミソ。今後、自分の名前が出てきても言い逃れが出来るように緻密に考え抜かれた告白ビデオなのだ。
うーん。ウォルターって頭が良いなぁ。でも、人としてはサイテーだけどね　爆
そしてそのサイテーな行動の一つを知ったジェシーがブチ切れてウォルターの家に乗り込み、ガソリンをまくのです。
さすがに、ブロックの件がバレてしまったら修復の可能性はゼロでしょうね。
これからは、ハンクだけではなくジェシーの影にも怯える事となったのだ。
とはいえ、どんな状況になってもジェシーを見捨てる事が出来ないウォルター。
ウォルターにとってジェシーとは何なのだろう？
これこそが今作品最大の謎なのだ。
どんなに窮地に立たされてもジェシーだけは見捨てる事が出来なかったウォルター。
それ以外は冷血なのに。。。
やはり、ウォルターにとってジェシーは【家族】なのだろうか。