王の涙　−イ・サンの決断−

名君として名高い李氏朝鮮第22代国王イ・サンの暗殺計画として、1777年7月28日に起こった「丁酉逆変」を史実とフィクションを巧みに交えて映画化。
理想を抱きながらも暗殺の危機に怯えていた若き王が、偉大なる王へと成長していくきっかけとなった運命の一日を描きます。
朝鮮王朝歴代王の中でも名君と謳われたイ・サン（ヒョンビン）は、陰謀により罪人とされた父親を祖父王に殺され、次期王として子供の頃から暗殺の危機にさらされています。

陰謀物と思いきや、アクションたっぷりのエンターテイメント活劇でした。
ヒョンビンは、これまでのイメージとは全く違って、男らしく、聡明な若き王を演じています。孤独で繊細なキャラクターを表現。
王が唯一心を許した宦官カプスをチョン・ジェヨンが演じていますが、それまでのエネルギッシュな役とは違って、王を優しく支える忠臣ぶりです。
イ・サンも素敵だけど、カプスには涙が止まりませんでした。チョン・ジェヨンの演技力と存在感の大きさは群を抜くのではないでしょうか？
厚い男の友情物語な面もあります。

たった１日の間の出来事なのに、宮廷内の人々から刺客まで多くの人物の幾重にも絡まった思いが、徐々に見えてきて繋がりが分かって来るのが面白かったです。
アクションに力を入れたせいで人間関係の描写が薄くなってしまったのは、お愛嬌でしょうか？

マイブーム(笑)のヒョンビン目当てで見ました。
今、世の女性たちを虜にしている韓国イケメン男優といえばヒョンビンでしょう。
そう、あの話題のドラマ『愛の不時着』で北朝鮮のエリート将校を演じたヒョンビンです。
友人に勧められて何気なく見始めたら、どっぷりハマりました。
全１６話を５日で一気見してしまった私。
今はすっかりヒョンビンロスな毎日。
そのロスを埋めようと、本作をチョイスした次第です。
動機は不純ながら(笑)、映画の方も面白かったです。

李朝の名君、イ・サン王の暗殺計画を企てられた一日を時間を追いながら描くも
陰謀に加担する者たちの生い立ちをも描き
刻一刻と迫るその時を、サスペンスタッチで描いていきます。
アクションシーンは、実に見応えがあり、ハラハラしました。
ヒョンビン演じる王は精悍で美しく、弓や剣さばきは舞を踊るように優雅でした。
幼い頃から側付きの家臣として一緒に過ごしたカプスとの友情には
胸に熱いものがこみ上げてきました。

見応えがあってとても面白かったです。
(冒頭シーンでいきなりヒョンビンの逆三角形の美しい上半身が晒されて
きゃ〜！！！もう目がハードでした　←バカ(;^_^A
いや、そのことだけで見応えあり、という訳では決してございませんよ！）

イ・サン暗殺未遂事件、ヒョンビンのイ・サン役、ハン・ジミンの貞純王后役と予告。公開始まりすぐ見ました。
最初は全く繋がりのない登場人物たちが王の暗殺で一気に一つに繋がっていきます。チョン・ジェヨンのガプス役はただの有能な宦官から実は悲しい宿命の人物で、チョ・ジョンソクの刺客ウルス役
との絆の物語は二人の演技に最高に切なくなり、ヒョンビンのイ・サン役も良かった。ただ、ハン・ジミンはTVシリーズのソンヨンのイメージが強くて悪役に見えず、残念でした。
話の展開はベタだったけど、最後まで切なさ感とドキドキ感は続き飽きませんでした。そして、刺客との攻防シーンに代表されるように映像も素晴らしい仕上がりでした。
映画では人物相関図も出てきますが、この時代の史実や人物を少し知っておくと、全く知らないよりは、さらに楽しめる気がしました。

正直ここまでの域にたっしたか、、といったかんそうをもちました。物語の組み立てかたがおもしろく、異論もあるかとおもいますが、ソーダーバーグをおもわせました。ありきたたりの勧善懲悪ではなく、、主人公のおさえた演技にこめられた様々な心情がむねをうちました。いままでみた韓国映画のナンバー1です。
このような作品が多くでてきてくれると、アジア映画会も先があかるいです。
つづきも作っていただきたいです。

ヒョンビンのファンには良い作品だと思います。
個人的には・・・ビニ・・・時代劇似合わない気がする・・・