尚衣院−サンイウォン−

コ・スさんは今まで好きでも嫌いでもなかったが、この作品をみて好きになった。
自由な夢あふれる才能人、といったところか。次から次ときれいな衣装が出てくるので楽しい。
王妃でありながら哀しい境遇のパク・ウネ。あの誰もがひれ伏した衣装は豪華だったが、誤解され
結局、哀しいまま。
本来の主人公である「刺繍人」彼もまた苦悩だらけ。指やツメがボロボロになるまで管服を作ってきた。誰ひとり幸せな人間はいないようだが、映画は目が覚めるように美しかった。

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映画の中では王様が誰なのか、詳しく言及されてないですが、英祖をモデルにしているらしいです。息子を米びつの中に閉じ込めて餓死させた王様で、この事件も映画になってますし、餓死した息子の子（つまり王様の孫）は、ドラマ「イ・サン」で有名な正祖です。
なので、映画は、「その後の物語」につながるように、王様の疑心暗鬼による悲劇で終わります。
映画の内容は、『アマデウス』と同じようなベクトルになってます。つまり、地位や名声も確立しているベテランと、天賦の才を持つ新人の対立になっている。
ベテランは、人並外れた才能を持っているけど秀才タイプで、天才に出会うことで自分の凡才を認めざるを得ない状況に陥り、そして嫉妬にかられるというパターンです。
ベテランは新人の才能に困惑し、嫉妬もします。新人はベテランの苦悩も知らず、能天気で、空気読めないタイプです。二人は真逆な性格をしていますが、服飾の職人として、同じ美しい世界を共有しています。
ベテランを演じているハン・ソッキュは、新人に向ける困惑や親近感、愛や憎しみを、きちんとひとつの心にまとめていて、見ている側も心が揺さぶられます。

映画祭とかイベントとかで、女優さんなどの衣装を事細かく報じることに、今まで何の意味も見出せませんでしたが、この映画を見て、少しだけ興味を持とうと思いました。

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　王宮に仕えるデザイナーさんたちとか王様とか王妃様たちの話。

　「男のくせに服を作ってる」とバカにされながら指や爪がボロボロになっても服を作り続けて出世した伝統を重んじている男と自由な発想で出世していく若いデザイナーの対比で見せていく中盤まではスピード感あって、若き才能に嫉妬する展開なのかな?　と思いきや、結構2人で仲良くやって協力していくのがバディものとして面白く見ることができました。

　この2人に感情移入して見せていくのかと思いきや、後半からは王宮の陰謀劇になっていって、哀しき王様、王妃様。それに翻弄されるデザイナーたち。という構図になっていって、今までとはまるで違う作風になってしまうので、少し戸惑ってしまう展開でした。

　服がモチーフになっている映画なので、さすがに服は綺麗に撮られていてそれを見られるだけで満足の映画でした。

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良い映画ではありましたが、コ・スさんの役柄が「やっぱり」な最後になってしまったので。
作り話なんだから助けてあげればいいのに。
ハン・ソッキュさんは流石で、ちょっと卑屈な演技が巧いです。
パク・シネさんが、とても綺麗で宴での白い衣装は素晴らしかったです。
このシーンだけでも、この作品を見た価値はあったと思います。