ひそひそ星

　まったくどんな映画か知らず、ただタイトルだけで観てみようと。観始めて
「あれ、SFなのか」と気づく。 観る人を完全に選ぶ映画で、ダメな人は５分と
耐えられないかもしれない。
　チープな道具立てとレトロな風合いは、巧みとは言えないレベルではあるが
『イレイザーヘッド』を連想させる音と画作りに、どこかくすぐられる。
　南相馬の街を『ストーカー』の “ゾーン” に見立ててみせて、それがある程度
奏功している。薄いオレンジフィルターをかけたようなモノクロ画面に、音の
止まった相馬の街…。不謹慎だが、こんなにハマっている使い方は、これまで
無かったように思う。

　そしてこの映画の魅力は、タイトルの通り「ひそひそ」にある。園子温らし
からぬと思うのは、暴力やエロが無いということよりも、この「ひそひそ」と
いうコンセプトのせい。
　鈴木洋子も、船載コンピューターも、全ての人物がひそひそと話し続ける。
その音量が崩されることはない。感情は排されるが、それがゆえに哀しみは
つのる。いつもの、画面に顔面を押し付けて怒鳴りつけてくるような園の
フィルムとは明らかに異質だ。それがまたうすら怖くもある。

　鈴木洋子は残り８１個の荷物を他惑星へ運ぶ任務を担っている。テレポート
技術があるのにあえて使わず、手渡しで荷物を運び続ける。童話SFのような
設定だが、そちらに振り切らないようにコントロールされている。

　どこまでも哀しく、解りやすい希望を描こうともしない。歌は無く、声も
無く。世界は、ひそひそと消えていく。

心に触れ、胸に染み入る。
こんなSFが、この世にはまだあったのだ。

ありがとう、ヨーコ。自分も、君を待つ人間の一人だったのかもしれない。

２０年も構想を暖めた作品というので期待していたのですが、単なる監督の自己満足でしかない映画だと思います
低予算でSFを作るのは大変難しいのは理解出来ますが、別に、SF仕立てにしなくてもいい内容だと思います

おそらく、ストーリーは震災漂流物の返還にインスパイアされているんだと思いますが、この映画で得る物というか、新しい発見は何も無いです

園子温は、現在の邦画制作環境で、金が集まらない事を盛んに嘆いてるようですが、このレベルの映画ばかり作っていたら、金が集まらないのは当然で、この映画も「自主制作で自分だけが得意になって自慢気に親戚に見せるレベル」だと思います

園もそうですが、現在の多くの監督がそうだと思いますが、自分の独りよがりな表現ばかり主張して、金払って映画を見に来る客の存在を考えて無いのでしょう

この映画の内容ならば、上映時間を半分にして、ショートフィルム+αレベルにした方が良いと思います
ストーリーのラストも全く決着が付かず、ダラダラで終わりますが、このラストを、監督は「意図してやった」と主張するとは思いますが、実際は、決着をつける脚本が書けなかった、能力の限界がこのレベルなんだと思います

「園作品なら全部見る」という人限定で、おすすめの作品でしょう

みんな、ひそひそ話します。
コンピュータも、ひそひそひそ.......

けしてファンってわけではないんだけど、園子温、新作出るたびに観てしまいます。個人的にハズレな作品のほうが多いんだけど、鬼才だなんだと、回りが持ち上げすぎな気もするけど、無視できない何かがあるんだなぁ。誰に何を言われようが自分の作りたいものを作っちゃう、強固な作家性に惹かれるんでしょうかね。

「ひそひそ星」、近年の作品の中では一番好きです。
確かに退屈です。油断すると寝ます( 一一)........
こんな感じのＳＦ、２０世紀によく観たり読んだりしてた気はしますが。

松本零士作品を連想してしまったのは自分だけでしょうか？
大宇宙と四畳半が融合してる感じ。
アンドロイド役は、松本零士のヒロインのように、超スレンダーな美女で
お願いしたかったです。

神楽坂さん、肉感的すぎます(^-^;.......

というだけで見たのですが、ちょっと理解不能でした。。。