最高の花婿

フランス、ロワール地方に住む敬虔なカソリック教徒のヴェルヌイユ夫妻。４人の美しい娘たちの誰ひとりとしてフランス人のお婿さんを連れてこないと嘆いています。末娘ロールだけはカトリックのフランス人と結婚してほしいと願っていたものの、ロールが連れてきたのは、カトリック教徒なれど、コートジボワール出身の黒人青年だったから大変です。

花婿たちのいざこざや父親たちの対立と、どうしようもない理由で衝突するのは男達。
娘たちの結婚相手をめぐる騒動記は、移民の多い現代のヨーロッパを象徴しているようで面白いです。

キャストもみんな全く知らなかったのですが、四姉妹は美人で可愛いし婿さんたちはアルジェリア人、ユダヤ人、中国人。そして四人目はコートジボアール人と、皆個性的です。
そんな婿の父親とロールの父親が魚釣りに出掛け思わぬ展開を見せます。お互いに分かりあおうとする気持ちが大切なのかもしれません。

　４人の自立した美しい自慢の娘たちそれぞれが、宗教や文化、人種の異なる相手と結婚してしまう。ヴェルヌイユ夫妻でなくたって、普通の両親なら誰でも、卒倒したり、鬱になったり、寝込んでしまったりしても無理もない。（それでも女性の方が適応性が高く、より柔軟なのが面白い。）

　最初はおっかなびっくり、ぎくしゃくしながらも取り繕わず、言いたいことを言い合って本音で喧嘩し、自分のなかの偏見や差別意識と向き合う。次第次第に歩み寄って、距離の取り方を学び、お互いに理解を深めていく。

　人種差別のタブーに大胆に切り込んで、ドキッとする台詞を吐きながら、危ない主題を喜劇にしてしまう。こんな映画、フランスのエスプリ無くしては絶対に作れないだろう。世界がこんな風に和解できればいいのにな、と思える映画。きれいごとではない異文化コミュニケーションの、いささか強烈なお手本になる。

とても面白かったです。

多様化を受け入れようという現代ですが
いろいろな人種が住むフランスというお国柄
娘が外国人と結婚しても不思議ではないでしょう。
ところが、長女がアルジェリア人と結婚したと思ったら
1年後には次女がイスラエル人と
その一年後には三女が中国人と、
とこの一家のお嬢さんたちはグローバルな結婚をします。
人種が違えば、宗教も違う、特にアラブとイスラエルなんて
会えば互いの悪口を言い合っています。
そこに中国が混ざって、三つ巴の闘いのようになる婿殿たち。

四女こそフランス人、それも白人と結婚して欲しいと願う両親ですが
四女もまたコートジボワール出身の黒人を婚約者として連れてきたから
さあ、大変。
結婚式を目前に反目しあう両家の父親たちが
右往左往する様が笑えました。
これは差別用語では？という台詞が沢山出てきてハラハラします。
それでも言いたいことを言い合いながらも
互いを理解し合い、やがては共存していく様が
最後は優しい気持ちにさせてくれる良作でした。

肌の色の違い、宗教の違い、人種の違い
そんなことは人間である前には何の意味の無いことなんだよ
ということをこの映画はコメディタッチで教えてくれるのです。

宗教＆国＆人種コメディです。

＜　ストーリー　＞
フランスで暮らす カトリック教徒のヴェルヌイユ家には、４人の娘がいました。
長女は アラブ出身のイスラム教徒の男性と結婚し、
次女はユダヤ教徒の男性、三女は中国人の男性と結婚します。
敬虔なカトリック教徒である両親は、
せめて四女だけは カトリック教徒のフランス人と結婚して欲しいと願いますが、
四女が連れてきた婚約者は なんとコートジボワール出身の黒人だったのです。

フランス、ロワール地方の町シノンに暮らす夫妻は、カトリック教徒で、3人の娘がそれぞれユダヤ人、アラブ人、中国人と結婚

末娘がアフリカ系男性の婚約者を連れてきたことから一家に大騒動が起きる

多様な人種や宗教が混在するフランス社会を背景したヒューマン・コメディ作品