ホドロフスキーの虹泥棒 / ピーター・オトゥール
ホドロフスキーの虹泥棒
/アレハンドロ・ホドロフスキー
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全体の平均評価点: (5点満点)
(3)
解説・ストーリー
「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」のアレハンドロ・ホドロフスキー監督が1990年に制作したイギリス映画。日本では長らく未公開だったが、2016年11月に、監督自身が監修した「ディレクターズ・カット版」(92分版)にて日本初公開が実現。出演はピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、クリストファー・リー。街の下水道を根城に、コソ泥で食いつなぐ風来坊のディマ。その街には変わり者の大富豪ルドルフがいたが、ある晩、どんちゃん騒ぎの末に心臓発作で昏睡状態に。遺産目当てに親族が続々集まってくるが、完全に死ぬまではどうすることもできない。彼らの心配は甥のメレアーグラがすべてを相続してしまうのではないかということ。やがて、街を彷徨うメレアーグラと出会ったディマは、彼を地下水道に匿い面倒を見るのだったが…。 JAN:4562474184151
「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」のアレハンドロ・ホドロフスキー監督が1990年に制作したイギリス映画。日本では長らく未公開だったが、2016年11月に、監督自身が監修した「ディレクターズ・カット版」(92分版)にて日本初公開が実現。出演はピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、クリストファー・リー。街の下水道を根城に、コソ泥で食いつなぐ風来坊のディマ。その街には変わり者の大富豪ルドルフがいたが、ある晩、どんちゃん騒ぎの末に心臓発作で昏睡状態に。遺産目当てに親族が続々集まってくるが、完全に死ぬまではどうすることもできない。彼らの心配は甥のメレアーグラがすべてを相続してしまうのではないかということ。やがて、街を彷徨うメレアーグラと出会ったディマは、彼を地下水道に匿い面倒を見るのだったが…。 JAN:4562474184151
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「ホドロフスキーの虹泥棒」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」のアレハンドロ・ホドロフスキー監督が1990年に制作したイギリス映画。日本では長らく未公開だったが、2016年11月に、監督自身が監修した「ディレクターズ・カット版」(92分版)にて日本初公開が実現。出演はピーター・オトゥール、オマー・シャリフ、クリストファー・リー。街の下水道を根城に、コソ泥で食いつなぐ風来坊のディマ。その街には変わり者の大富豪ルドルフがいたが、ある晩、どんちゃん騒ぎの末に心臓発作で昏睡状態に。遺産目当てに親族が続々集まってくるが、完全に死ぬまではどうすることもできない。彼らの心配は甥のメレアーグラがすべてを相続してしまうのではないかということ。やがて、街を彷徨うメレアーグラと出会ったディマは、彼を地下水道に匿い面倒を見るのだったが…。 JAN:4562474184151
「ホドロフスキーの虹泥棒」 の作品情報
「ホドロフスキーの虹泥棒」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
ホドロフスキーの虹泥棒の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
93分 |
日・吹 |
英:ドルビーデジタル5.1ch、日:ドルビーデジタルステレオ |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TCED3393 |
2017年04月05日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
6枚
|
0人
|
0人
|
英:ドルビーデジタル5.1ch、日:ドルビーデジタルステレオ
ホドロフスキーの虹泥棒の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
93分 |
日・吹 |
英:ドルビーデジタル5.1ch、日:ドルビーデジタルステレオ |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
TCED3393 |
2017年04月05日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
6枚
|
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|
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|
英:ドルビーデジタル5.1ch、日:ドルビーデジタルステレオ
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ユーザーレビュー:3件
「虹泥棒」は、何を盗んだのか……。
邦画で、西田敏行・主演で「虹をつかむ男」(1967・1968)がありましたが、「虹を盗む」とはどんなことか?
と思ったのが、この映画を見たきっかけです。
もう一つ、ピーター・オトゥール、オマー・シャリフの共演となれば、「アラビアのロレンス」(1962)を思い浮かべます。
「吸血鬼ドラキュラ」と「ロード・オブ・ザ・リング」のクリストファー・リーが共演。
「ホドロフスキーの虹泥棒」(1990年、イギリス、カラー、92分)。
原題は、「RAINBOW THIEF」。直訳ですが、秀逸です。「虹を盗む男」としないところが、いいです。
「ホドロフスキーの」と上につくところが、ファン向きのメッセージでしょう。僕は、「ホド」映画初体験者です。
あらすじは……書くのをやめときましょう。謎解きを、ほのめかすことも。
三人の名男優が、名演をする、この映画は、とんでもない破天荒なコメディーであり、高級なメルヘンです。
ルイス・ブニュエルの映画を思いました。また、テリーギリアムの映画も思いました。
ホドロフスキーは、もっと自由です。
ブニュエルよりも、映画のテンポ(編集)の「切れ」がいいと思いました。
ギリアムよりは、役者の芝居を生かしています。
オマー・シャリフは、冒頭では、河で魚を釣って暮らしている浮浪者のような男です。
このあとも、彼の名演が続きます。港でのダンスの場面……。彼が主演であると言っていいです。
クリストファーリーが、うらやましい死に方です。
「虹泥棒」は、ピーター・オトゥールでした。あの青い眼で、ニコッと微笑まれたら、誰だって心を盗まれそうです。
地下水道に、オマーシャリフとピーター・オトゥールの一種の堕天使の世界があります。
二人とも、動物が好きです。犬、鼠、鳥。
二人は地上の欲に無縁ではありません。
去年の秋、法事で、家族旅行(親戚8人)で旅をしましたが、往路で、見事な虹を見ました。
電車から見ていると、それは、川をまたぐように架かった小さな虹でした。
吉野弘さんの「虹の足」を思い出しました。
以下、全行引用します。
===================================
虹の足 吉野弘
雨があがって
雲間から
乾麺みたいに真直な
陽射しがたくさん地上に刺さり
行手に榛名山が見えたころ
山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
眼下にひろがる田圃の上に
虹がそっと足を下ろしたのを!
野面にすらりと足を置いて
虹のアーチが軽やかに
すっくと空に立ったのを!
その虹の足の底に
小さな村といくつかの家が
すっぽり抱かれて染められていたのだ。
それなのに
家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
―――おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。
===================================
昔、中学校の国語の教科書で、この名詩を読んだ人もいらっしゃるでしょう。
虹を見ている者には、ああ、あの家、あの場所に、虹の円弧の二つの始まりが、それぞれ・あると見えますが、そこにいる人には分かりません。
少し考えると、誰かが見ている虹の始まりが、今、自分のからだ、こころから光り初めていることが、あるのではないか、と思いました。
いいえ、たしかに、あることが分かるのです。髪の毛が逆立つときが、あるでしょう。
「あ、風邪を引いちゃった」と思う。
そういう瞬間を、お互いに知らない二人が、虹の両端で、共有している、ということでしょうか……。
ホドロフスキーという監督の映画が、この作品で好きになりました。これからも見続けます。
ちゅく
このレビューは気に入りましたか?
6人の会員が気に入ったと投稿しています
脚本スルーで、細部を楽しむ。
ホーリー・マウンテンがあまりにも強烈で魅力にあふれすぎていて、
瞬間にわたしはホドロフスキーの虜になった。
数秘術、タロットに影響を受けていると聞き、わたしも興味の対象に加えた。
彼の頭はどうなってるんだろう。
彼の思考はどうなってるんだろう。
とにかく、ホドロフスキーに夢中になってしまったのだ。
1990年の作品。
しかも、大手と組んでの作品ということで、
多少期待を差し引いてみたつもりだ。
でも、あれ?
なんか違うー。
なのだ。
全体的に話が悪いわけじゃない。
偏屈へんてこりんなおっさん同士のようやく芽生えた友情にほろっとしなかったわけじゃない。
でも、こんなに単純明快でいいのだろうか。
わかりやすすぎないか。
こんなまるっこい感じになってしまったのか。
ううむ。
と思っていたら、脚本と制作はホドロフスキーはさせてもらえず、
脚本もかなりもめたと聞き納得。
そうだったのか。
お金がなくて、撮りたい作品を作れない。
政治家と同じで、小さな政党で声あげてても、法律は作れない。
実現するには、やっぱり大きいところと組まなきゃいけないのか。
という結論に至ったのだろう。
で、できてきたのがこの作品。
それを知って納得。
ほんっとに、別に悪い脚本じゃないんだけど、
ホドロフスキーの作品って言われると、全体に流れるものも、展開も
なんか違うのだ。
脚本はそういうことで不満は残りつつ、
でも映像は興奮する部分がいくつか。
植物園の温室をそのまま家にしちゃった富豪の家の中がすごい。
巨大なダルメシアンだらけの家の中を遊園地とかにあるこどもがまたがって
ゆるゆる進むカートをダルメシアン柄にカスタマイズしたやつで移動する。
眉毛のカットも左右非対称。
ダルメシアンのご飯は山盛りのキャビア。
ジュークボックスから流れるのは日新カップヌードルのあの曲。
イギリスのものと彼の出身地である南米の原色のポップなものが
面白くミックスされている。
下水道の中の、富豪の甥っ子の住まいも愉快。
隅々までホドロフスキー色満開で、見ていて飽きない。
甥っ子のかわいがっていたどでかい犬のモップみたいな剥製パペットもかわいい。
お金があったらなー。
もっと、面白い脚本でとれるのになー。
俺のやりたいこと、こういうんじゃないんだけどなー。
ホドロフスキーの声が聞こえてきそう。
クリエイターは大変だ。
特に映画監督なんて、撮りたいものにもよるけど、とてもじゃないけど
個人の資金ではどうにもならない映画だってある。カラックスもそこでこけてる。
かといって、資金提供をこぎつけられたらこぎつけられたで、
資金提供者から口出しされる。
映画監督って大変だね。
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
ワイダとギリアムとデリカテッセン。
投稿日:2017/04/22
レビュアー:ぴよさん
(うっすらネタバレあります)
らしからぬ、という感想が一番あてはまるような気がする。予備知識無く
これがホドロフスキーの映画だとただ言われても、絶対信じない自信がある。
『サンタ・サングレ』の翌年に、ホドロフスキー初のイギリス映画として
撮られた。ロケ地は美しき街、グダニスク(ポーランド)
勝手に推測するに、たっぷり予算を出してくれたけど「まともに客の入る
映画を作れ」という制作側の注文に応えざるをえず、しぶしぶ撮ったんじゃ
ないのかな。それにしても画面に絵ヂカラというか、説得力がある。ロケ撮影
も素晴らしい。しかしなんだろう、漂う「これじゃない」感。
以降、映画を撮ることを中断し、次作『リアリティのダンス』までに、23年
もの空白が空いてしまう。
大人のダークな童話といった趣きだが、そこに教訓めいたものはなく、かと
言って『エルトポ』から続く、あの観念的表現やイメージの洪水のような
手法は一切封印され、よくもわるくも真っ当なフィルム。オマー・シャリフに
ピーター・オトゥール、クリストファー・リーと、よだれが出そうな配役だが
どうもホドロフスキーって、メジャーどころと組むと良さが出ない。だって
血まみれ糞まみれにしたり、無茶苦茶な脚本で演じさせられないから。
奇矯だったり、欲深だったり、野蛮だったり、しかしその誰もが、従来の
ホドロフスキーが造形するようなキャラクターでは無い。ちょっと変わった
人達だね、くらいのレベルなのだ。
いつもなら誰が観て分かるはずのホドロフスキー・フィルムが、なんだか
テリー・ギリアムが撮った『デリカテッセン』みたいだ。
人々が住み、豊かで猥雑で欲望がうずまく「地上」。下水に膝まで浸かり
ながら、本音で生きられる「地下」。ポーランドで地下水道となれば、もち
ろんアンジェイ・ワイダで、ワイダの下水道は「地獄」であったが、ホドロ
フスキーはアンチテーゼとしての「理想郷」を描いている。アジトの美術が
ノリノリだ。
コソ泥デュマはメレアーグラを遺産目当てに庇護しているが、地上から
大水が流れ込んだ時、ある行動をとる。その歪んだ愛に、ホドロフスキー
のかすかな片鱗を見る(でもやっぱり、らしくない)
全てを洗い流す洪水は聖書的で、人々がグダニスク駅に殺到するのは
ノアの方舟に乗るためだ。しかしデュマは方舟から降りることを選択する。
そして神の選択から漏れ、再生した犬と、虹の街で生きようとするのだ。
いやぁまったく、らしくないったら。
このレビューは気に入りましたか?
2人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
「虹泥棒」は、何を盗んだのか……。
投稿日
2018/01/27
レビュアー
ちゅく
邦画で、西田敏行・主演で「虹をつかむ男」(1967・1968)がありましたが、「虹を盗む」とはどんなことか?
と思ったのが、この映画を見たきっかけです。
もう一つ、ピーター・オトゥール、オマー・シャリフの共演となれば、「アラビアのロレンス」(1962)を思い浮かべます。
「吸血鬼ドラキュラ」と「ロード・オブ・ザ・リング」のクリストファー・リーが共演。
「ホドロフスキーの虹泥棒」(1990年、イギリス、カラー、92分)。
原題は、「RAINBOW THIEF」。直訳ですが、秀逸です。「虹を盗む男」としないところが、いいです。
「ホドロフスキーの」と上につくところが、ファン向きのメッセージでしょう。僕は、「ホド」映画初体験者です。
あらすじは……書くのをやめときましょう。謎解きを、ほのめかすことも。
三人の名男優が、名演をする、この映画は、とんでもない破天荒なコメディーであり、高級なメルヘンです。
ルイス・ブニュエルの映画を思いました。また、テリーギリアムの映画も思いました。
ホドロフスキーは、もっと自由です。
ブニュエルよりも、映画のテンポ(編集)の「切れ」がいいと思いました。
ギリアムよりは、役者の芝居を生かしています。
オマー・シャリフは、冒頭では、河で魚を釣って暮らしている浮浪者のような男です。
このあとも、彼の名演が続きます。港でのダンスの場面……。彼が主演であると言っていいです。
クリストファーリーが、うらやましい死に方です。
「虹泥棒」は、ピーター・オトゥールでした。あの青い眼で、ニコッと微笑まれたら、誰だって心を盗まれそうです。
地下水道に、オマーシャリフとピーター・オトゥールの一種の堕天使の世界があります。
二人とも、動物が好きです。犬、鼠、鳥。
二人は地上の欲に無縁ではありません。
去年の秋、法事で、家族旅行(親戚8人)で旅をしましたが、往路で、見事な虹を見ました。
電車から見ていると、それは、川をまたぐように架かった小さな虹でした。
吉野弘さんの「虹の足」を思い出しました。
以下、全行引用します。
===================================
虹の足 吉野弘
雨があがって
雲間から
乾麺みたいに真直な
陽射しがたくさん地上に刺さり
行手に榛名山が見えたころ
山路を登るバスの中で見たのだ、虹の足を。
眼下にひろがる田圃の上に
虹がそっと足を下ろしたのを!
野面にすらりと足を置いて
虹のアーチが軽やかに
すっくと空に立ったのを!
その虹の足の底に
小さな村といくつかの家が
すっぽり抱かれて染められていたのだ。
それなのに
家から飛び出して虹の足にさわろうとする人影は見えない。
―――おーい、君の家が虹の中にあるぞオ
乗客たちは頬を火照らせ
野面に立った虹の足に見とれた。
多分、あれはバスの中の僕らには見えて
村の人々には見えないのだ。
そんなこともあるのだろう
他人には見えて
自分には見えない幸福の中で
格別驚きもせず
幸福に生きていることが――。
===================================
昔、中学校の国語の教科書で、この名詩を読んだ人もいらっしゃるでしょう。
虹を見ている者には、ああ、あの家、あの場所に、虹の円弧の二つの始まりが、それぞれ・あると見えますが、そこにいる人には分かりません。
少し考えると、誰かが見ている虹の始まりが、今、自分のからだ、こころから光り初めていることが、あるのではないか、と思いました。
いいえ、たしかに、あることが分かるのです。髪の毛が逆立つときが、あるでしょう。
「あ、風邪を引いちゃった」と思う。
そういう瞬間を、お互いに知らない二人が、虹の両端で、共有している、ということでしょうか……。
ホドロフスキーという監督の映画が、この作品で好きになりました。これからも見続けます。
ちゅく
脚本スルーで、細部を楽しむ。
投稿日
2017/07/05
レビュアー
真
ホーリー・マウンテンがあまりにも強烈で魅力にあふれすぎていて、
瞬間にわたしはホドロフスキーの虜になった。
数秘術、タロットに影響を受けていると聞き、わたしも興味の対象に加えた。
彼の頭はどうなってるんだろう。
彼の思考はどうなってるんだろう。
とにかく、ホドロフスキーに夢中になってしまったのだ。
1990年の作品。
しかも、大手と組んでの作品ということで、
多少期待を差し引いてみたつもりだ。
でも、あれ?
なんか違うー。
なのだ。
全体的に話が悪いわけじゃない。
偏屈へんてこりんなおっさん同士のようやく芽生えた友情にほろっとしなかったわけじゃない。
でも、こんなに単純明快でいいのだろうか。
わかりやすすぎないか。
こんなまるっこい感じになってしまったのか。
ううむ。
と思っていたら、脚本と制作はホドロフスキーはさせてもらえず、
脚本もかなりもめたと聞き納得。
そうだったのか。
お金がなくて、撮りたい作品を作れない。
政治家と同じで、小さな政党で声あげてても、法律は作れない。
実現するには、やっぱり大きいところと組まなきゃいけないのか。
という結論に至ったのだろう。
で、できてきたのがこの作品。
それを知って納得。
ほんっとに、別に悪い脚本じゃないんだけど、
ホドロフスキーの作品って言われると、全体に流れるものも、展開も
なんか違うのだ。
脚本はそういうことで不満は残りつつ、
でも映像は興奮する部分がいくつか。
植物園の温室をそのまま家にしちゃった富豪の家の中がすごい。
巨大なダルメシアンだらけの家の中を遊園地とかにあるこどもがまたがって
ゆるゆる進むカートをダルメシアン柄にカスタマイズしたやつで移動する。
眉毛のカットも左右非対称。
ダルメシアンのご飯は山盛りのキャビア。
ジュークボックスから流れるのは日新カップヌードルのあの曲。
イギリスのものと彼の出身地である南米の原色のポップなものが
面白くミックスされている。
下水道の中の、富豪の甥っ子の住まいも愉快。
隅々までホドロフスキー色満開で、見ていて飽きない。
甥っ子のかわいがっていたどでかい犬のモップみたいな剥製パペットもかわいい。
お金があったらなー。
もっと、面白い脚本でとれるのになー。
俺のやりたいこと、こういうんじゃないんだけどなー。
ホドロフスキーの声が聞こえてきそう。
クリエイターは大変だ。
特に映画監督なんて、撮りたいものにもよるけど、とてもじゃないけど
個人の資金ではどうにもならない映画だってある。カラックスもそこでこけてる。
かといって、資金提供をこぎつけられたらこぎつけられたで、
資金提供者から口出しされる。
映画監督って大変だね。
ワイダとギリアムとデリカテッセン。
投稿日
2017/04/22
レビュアー
ぴよさん
(うっすらネタバレあります)
らしからぬ、という感想が一番あてはまるような気がする。予備知識無く
これがホドロフスキーの映画だとただ言われても、絶対信じない自信がある。
『サンタ・サングレ』の翌年に、ホドロフスキー初のイギリス映画として
撮られた。ロケ地は美しき街、グダニスク(ポーランド)
勝手に推測するに、たっぷり予算を出してくれたけど「まともに客の入る
映画を作れ」という制作側の注文に応えざるをえず、しぶしぶ撮ったんじゃ
ないのかな。それにしても画面に絵ヂカラというか、説得力がある。ロケ撮影
も素晴らしい。しかしなんだろう、漂う「これじゃない」感。
以降、映画を撮ることを中断し、次作『リアリティのダンス』までに、23年
もの空白が空いてしまう。
大人のダークな童話といった趣きだが、そこに教訓めいたものはなく、かと
言って『エルトポ』から続く、あの観念的表現やイメージの洪水のような
手法は一切封印され、よくもわるくも真っ当なフィルム。オマー・シャリフに
ピーター・オトゥール、クリストファー・リーと、よだれが出そうな配役だが
どうもホドロフスキーって、メジャーどころと組むと良さが出ない。だって
血まみれ糞まみれにしたり、無茶苦茶な脚本で演じさせられないから。
奇矯だったり、欲深だったり、野蛮だったり、しかしその誰もが、従来の
ホドロフスキーが造形するようなキャラクターでは無い。ちょっと変わった
人達だね、くらいのレベルなのだ。
いつもなら誰が観て分かるはずのホドロフスキー・フィルムが、なんだか
テリー・ギリアムが撮った『デリカテッセン』みたいだ。
人々が住み、豊かで猥雑で欲望がうずまく「地上」。下水に膝まで浸かり
ながら、本音で生きられる「地下」。ポーランドで地下水道となれば、もち
ろんアンジェイ・ワイダで、ワイダの下水道は「地獄」であったが、ホドロ
フスキーはアンチテーゼとしての「理想郷」を描いている。アジトの美術が
ノリノリだ。
コソ泥デュマはメレアーグラを遺産目当てに庇護しているが、地上から
大水が流れ込んだ時、ある行動をとる。その歪んだ愛に、ホドロフスキー
のかすかな片鱗を見る(でもやっぱり、らしくない)
全てを洗い流す洪水は聖書的で、人々がグダニスク駅に殺到するのは
ノアの方舟に乗るためだ。しかしデュマは方舟から降りることを選択する。
そして神の選択から漏れ、再生した犬と、虹の街で生きようとするのだ。
いやぁまったく、らしくないったら。
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