パラダイス・ネクスト

妻夫木君が好きなら、楽しい作品かもしれない。
台湾の台北の、民家の屋根を逃げ回る牧野（妻夫木）、日本で何やらかしたの？
島（豊川悦司）さん、助けてくれよー、とすがりつくが、ま、アウトローだもん、
そうかいとは言いませんて。
ヘラヘラ笑って、軽〜い感じの妻夫木、やらかした男にしてはどっか優し気な
たたずまいが何とも言えません。
豊川悦司は、汚ったない顔（ごめん！）は南国焼けだろうか、いつも白いはだけたシャツ
で（入れ墨をちらつかせ）タバコをスパスパ。
逃げ切りたい豊川は妻夫木を連れて、台北をあとに、花蓮まで移動する。
花蓮はきれいな風景の街だ。そこでシャオエンという女の子に会った二人。
妻夫木とシャオエンの、スキップしたり小突いたりの道ゆきが、追われている事を
思わせず、楽しい。

だが、罪ある二人にまだ逃げ道はあるのか？
「楽園にゆこうよ！」シャオエンの提案に、人生をリセットしたい二人は賛成するが。。
楽園がまだあるって信じてるんですね。だからそんないい笑顔ができるんですね。

中間、タレる所があるがラストがいいので、初めからまた見たくなる映画。

アパートまで追ってきた殺し屋。窓から脱出し屋根伝いに逃げる男。香港ノワール風のクライムサスペンスか？と期待したが・・・。逃げてる途中、シャンパンに毒を盛られて倒れる？若い女、振り返るトヨエツが数秒間挿入される。そして持ち主を失って、殺し屋に踏んづけられて黙るスマホ。まだオープニングクレジットの途中。意味がぜんぜんわからないが、スルーしないで、巻き戻して、その意味をよく考えることが大事。自分はそれをしなかったので、最後までストーリーが理解できず、途中で寝てしまった（ビールのせいもあるが）。ネットで親切な方々のレビュー、解説を読んで初めて、あー、そうだったのか、なるほど、最初からもう一度みなおさないと、となった。アカキャラの牧野（ツマブキ）とクラキャラの島（トヨエツ）が出会う食堂、ふたりが食べてた麺が、うまそうだった。

日本台湾の合同制作、オール台湾ロケで撮影がおこなわれたとのこと、二人の日本人が異国台湾の地で逃避行するというストーリーで豊川悦司、妻夫木聡が好対照の二人を演じているし音楽は坂本龍一となかなか豪華な顔ぶれ。
しかしながら二人の置かれている立場、関係、境遇が明確にされないままストーリーが展開して行くのでなかなか先の読みずらい流れになっている。
台湾でひっそりと暮らす島、寡黙でほとんど語らない、地元を仕切る闇社会の顔役ガオにかくまわれているようだが、そこに日本のヤクザが絡んだりしてくるが何故そうなっているのかはよくわからない。
そこに現れた青年牧野、故あって台湾に逃げてきたようだが、その根元は島と繋がっているようだ。
牧野は島と好対照で口数が多いし、かなり軽いノリ、そんな二人がガオの計らいで台北を離れ田舎町への逃避行、ゆっくりと時間が流れて行く。
田舎町で知り合ったバーでアルバイトをしている若い女性シャオエンの家で世話になる二人、彼女は豪邸にすんでいるがその素性もよくわからない。
でも彼女は島と牧野が過去に関係した事件の女性に似ているらしい。
なんとなく楽しそうな3人の生活が映しだされるが、なんかよくわからないままにストーリーは終盤にさしかかる。
彼らはパラダイスを探す仲間だったのだろうか、そして「楽園」のその後には何が待っているのだろうか。
わかったようなわからないような奇妙な感覚の作品。

アウトローに生きてきた二人が束の間のパラダイスを過ごす話。会うまでの悪行も人間背景もこの話だけでは読み取れなくてアウトローを演じる二人のプロモみたいだった。

どーしたもんか。。。ごめんなさい。お暇なかな方はどうぞ。