エンテベ空港の７日間

2018年イギリス／アメリカ）

1976年にイスラエル人106名が乗るエールフランス機で武装派組織にハイジャックされた事件を、実録的に描いた映画です。

なんとも緊迫感のないダラダラした展開で、ハイジャック犯の視点にも寄り添い、
そしてイスラエルのラビン首相の視点から多角的手法で描くことが、
人質救出を最大にフォーカスすべき一大事件の緊張感を大きく削いでいました。

ハイジャック機が最終的に7日間も待機したのはウガンダのエンテベ空港でした。
ウガンダの悪名高き独裁者・イディ・アミン大統領がハイジャック犯を引き受けた動機や政治的背景はなんだったのでしょう？
パレスチナとイスラエルの関係に疎い私には、アミン大統領の立ち位置が一向に分かりませんでした。

「エンテベの勝利」として有名な事件で何回もドラマ化映画化されているので、
独創的切り口の映画を狙ったのは分かりますが、
イスラエルで有名な前衛舞踊団の「バットシェパ舞踏団」のダンスがタイトルロールとエンドロールに長々と流されます。
舞踏そのものはとても独創的で惹きつけられました。
しかし山場の7日目の大事なシーンでもダンスシーンが切れ切れに挟み込まれて、
流れは止まる、迫力は欠けると、盛り下がることになり逆効果でした。

ドイツ人革命家を演じたロザムンド・パイクとダニエル・ブリュール。
ビジュアル的には魅力的でしたが、革命家の内面の苦悩が観る者に迫って来なかったのです。
イスラエルとパレスチナは44年経っても和平への道筋が一向に閉ざされ続けていることも、
スッキリしない要因でしょうか。
映画的な楽しみの薄い作品でした。

そこそこ面白かったが、30分程度で終わる話を107分にひっぱってあるので途中何度か眠った。
ま、事件は7日間だったわけだが、実際に動きがあったのは数時間でしかなく、あとは人質も犯人もダラダラとヒマをつぶしていたのだろうから、観客にもそのダラダラ感を味わせるつくりになっていると解釈してもいいのかもしれない。
それでも、監督はいろいろと苦心したみたい。
冒頭とクライマックスシーンとエンディングに前衛的なダンスの映像を挿入したりして、味気ない話を一生懸命味つけしている。もっとも、それが成功したかどうかはなんとも言えない。わたしは、よかったと思ったが・・

面白いのは、1976年当時のテロリストやテロ対策がどういうものだったかがわかるところ。
これは岡本公三ら３名の日本人によるテルアビブ空港乱射事件の４年後の事件なのだが、無差別殺人的なテロ事件というのはそれ以来発生していなかったようで、ヨーロッパの空港のセキュリティチェックなどはまだ甘くて犯人たちは簡単に飛行機内に銃を持ち込めたらしい。が、ハイジャックが成功してもなかなか人質を殺さない。ユダヤ人ではない人質を順次解放したりしている。
尚、犯人６名のうち２名はアラブ人ではなくて西ドイツ人である。パレスチナ解放人民戦線（PFLP）のメンバーではなく、西ドイツの革命細胞（RZ）のメンバーだったようだ。パレスチナ人へのイスラエルの残虐行為を批難するためのデモンストレーションとして参加していた。革命細胞が結成されたのはテルアビブ空港乱射事件の翌年であるから、おそらく岡本公三らの行為に影響を受けて学生運動などをはじめたインテリ層の者であろう。「おまえらには人質を殺す勇気がないだろう！」とパレスチナ人に怒鳴られるシーンは、おおぉぉ・・と思った。パレスチナ人は思想運動をやっているのではなく、自分たちやその家族たちの生活のために戦っているわけだが、ドイツ人２名は左翼思想に溺れて他人のもめ事に首を突っ込んでいる。言うなれば左翼思想の被害者なのである。

さて、ここからはネタバレになるので、予備知識なしで映画を観たい人はここで読むのをやめてください。

ウィキによれば、クライマックスの人質救出作戦はハイジャック犯との戦闘が３分で終了しており、ウガンダ兵との銃撃戦はその後も長引いたらしいが、それでも攻撃開始から人質105人とともに空港を去るまでには５３分しかかかっていない。
尚、映画はあくまでもテロリストとの戦闘に焦点をあてているのでウガンダ兵との戦闘はほとんどカットしている。殺害されたテロリストは６名だが、ウガンダ兵も20人から45人くらい死んだようだ。
ちなみに、最後まで人質になっていたのは106名で、うち１名は病院にいたために取り残され、これは、あとでアミン大統領の指示で殺害されたようだ。
あと、救出された105名のうち３名は作戦中に死亡している。これは、部隊がヘブライ語で「伏せろと」と言ったのが聞き取れず、そのまま犯人たちと一緒に突っ立っていたため犯人と思われて撃たれたようだ。もしかすると、ヘブライ語のわからないユダヤ人だったのかもしれない。
映画では、この場面がきちんとわかるように描かれていない。「伏せろ」という指示を出したのもイスラエル軍ではなくてテロリストのひとりになっている。で、テロリストたちもみんな伏せていて、突入してきたイスラエル軍は銃撃してくる者を撃つという感じになっていた。

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良くも悪くも、差し込まれるダンスに目が行ってしまう

5分も見れない。面白くない。

有名な事件なのに全然知らなくてこの映画でネットで調べて知りました。中東の事件というか紛争イスラエルとパレスチナの問題はどこかで遠い国の問題と思ってしまっていて自分の無知が恥ずかしくなりました。
今も解決してないことは知ってるけどそのきっかけや原因はここ数年で世界史の本で知りました。
どうしてハイジャックされた飛行機がウガンダのエンテベ空港になったのかが分からなくて不思議でした。
イスラエル政府は強気だなと思いました。
イスラエルの人、パレスチナの人どちらにも言い分があると思うので本当にすごく難しい問題だなと思いました。
でもいつかイスラエルの国に一度は行ってみたいです。怖いところもあると思うけど