５月の花嫁学校

1967年フランス、アルザス地方にある家政学校に、18人の女子生徒が入学した。
校長ポーレット（ジュリエット・ビノシュ）は女子生徒に良妻賢母のあり方を説く。
しかし、時代の波が彼女の価値観を揺さぶり…

1968年「5月危機」前後の家政学校を舞台にした物語。
この頃、フランスでは大学生を中心に自由や男女平等などが叫ばれ、
やがて大きな運動となり政策に大きな影響を及ぼしたらしい。
この出来事に詳しくないので、ミュージカル調で解放を讃える登場人物に、
置いてきぼりな気分を味わった。

何の予備知識もなく借りてしまったため「花嫁学校」に勝手な幻想を抱いて視聴。
セレブな方達が集うフィニッシングスクールを妄想していたが、激しく違った…
「お金持ちは進学する。ここに来るのは地方の庶民の子」らしい。
いや、私も庶民なんで別にそれは良い。でも…
灰色がかったスモックのような制服、夜間の排尿用として4人に一つ至急されるオマル、
看守よろしく怒鳴り散らす尼僧、トイレは最後の人が流す…
花嫁学校というより刑務所のようだった。

学校経営者の夫が急死し、ポーレットが代わりに立つ。
その過程で、彼女は自分が夫のいいなりだったことに気づく。
経営状況も知らされず、銀行口座もなく、車の運転も止められていた。
夫の妹で調理指導担当の独身女性ジルベルトは、無給だった。
本当かよ…と鼻白む。
さらに、学校は経営破綻同然にも関わらず、銀行支配人アンドレが財政援助を申し出る。
なんと彼は、ポーレットの元恋人だった！
本当かよ…と鼻白む。

戦争中、アンドレもポーレットも「収容所」で親族を失ったと涙ながらに発言しており、
まとまりに欠けるご都合な物語の中で、この部分は胸を突かれた。
時代錯誤の迷信を信じる尼僧が、戦中はレジスタンスの闘志だったりするのもいい。
ジュリエット・ビノシュが好きなので星三つ。

　花嫁学校に５月革命の影響が及ぶ前にリタイアしたので、評価は単なる予測です。

　フランスの花嫁学校なるものに興味があって観たのですが、舞台となるアルザス地方のヴァン・デル・ベック家政学校は、経営担当の夫ロベール、妹のジルベルト、妻で校長のポートレット、そしてシスターひとりの、4人による家族経営のこじんまりとした寄宿学校。いかにも古色蒼然の鉄則７カ条なるものはあるのですが、きちんとしたカリキュラムに基づいて運営されているようには見えません。

　誇張して描いたコメディなのだとは思うけれど、楽しくも面白くもなくて困惑します。校長役のジュリエット・ビノシュはクラシックな女性らしいスーツを着こなしてステキですが、コメディに向いているようには見えなくて、むしろ、何だか痛々しく感じてしまいます。

　18人の新入生が入学してくるのですが、彼女たちの入学の動機や家庭環境、人物像がほとんど描かれていないので、何を考えているのかよく分かりません。葬儀の後、生徒４人がなぜ勝手に行動しているのかも、途中経過や説明がないので、唐突に感じるばかり。登場人物や物語のどこに共感したらいいのか途惑います。

　単に時代遅れというだけで、良妻賢母教育の理不尽さを嘆く映画でもなさそうなので、５月革命による変化も期待はずれに終わりそうな予感。たぶん花嫁学校の行く末を、とっても軽妙に描いているのだろうと思います。

1968年、フランスのパリで五月革命が起きた年。アルザス地方の小さな家政学校では「良妻賢母」になるための教育を行っていた。自分で縫ったウェディングドレスで愛するひとに嫁ぎ、掃除のゆきとどいた部屋で美味しい手料理をふるまう。庭にはお花畑、夜のお相手と育児、朝はパリッとアイロンのかかったワイシャツで送り出す。すべては愛するご主人様のをよろこばすため。でもご主人様は外では競馬、酒、女。私たちは奴隷じゃない！革命だ！・・・作品のテーマに新鮮さはない。古くて新しいテーマなのかもしれないが。
美しいアルザスの山々やパリ郊外の田園風景、雪道を疾走するシトロエン・DS、よだれの出そうな料理（ウサギ技の狩人風、シュークルート、シュトゥルーデル（レシピのみ））そしてジュリエット・ビノシュの、相手かわれば全然違うベッドシーンなどは楽しめた。

昔の時代は「良い妻、良い母」になるのをマナーや料理などを学んで完璧な女性になるという学校があったが女性の権利、女性の自由という内容だと思う。

今でも、私からすると「子育て支援」「少子化」「子供の」「イクメン」というのはストレスの一つだ。それはもともと子供は可愛いけど産んで育てるかというとそこまで興味をもないし、実際には病気などで子供ができない身体になった。時代が変わっても女性は、男性は、大人は、子供はというのは本当の自由とはならないのでは？