決戦は日曜日

　主演の宮沢りえや窪田正孝は言うには及ばず、サブキャストを含めて、俳優陣はとても健闘していて、総選挙の雰囲気や舞台裏を皮肉たっぷりに巧く描き出していると思います。笑えない現実を笑いのオブラートに包んで甘辛なウェルメイド映画ではあるのですが、ただ、選挙がもはや利権の馴れ合いで形骸化している様を面白おかしく描いて、どうするんだろうという気はします。もはや当選した議員の善意に委ねるしかないと、言いたいのでしょうか。ナイーブ過ぎるのかもしれませんが、投票の無力を感じて暗澹たる気分になります。

　宮沢りえ演じる二世候補の川島有美（衣裳はお洒落で素敵です）が、もっと信頼するに足るキャラクターになっていたら、もう少し肯定的に考えられたのかも。弁は立つが世間知らずで、責任感もなく、言動が突飛で極端。お世話係兼お目付け役の議員秘書（窪田正孝）を自分勝手に振り回す。それなのに途中から、汚職には断固反対、不正にまみれた選挙には当選したくないと、突然正義の人に早変わり。彼女に従順な秘書は、彼女の落選の手伝いをする羽目になる。

　衆院選挙の立候補者の舞台裏をブラックユーモアでコミカルに描く映画なので仕方ないのかもしれませんが、有権者の視点も必要かと。これでは、選挙に投票する意欲が失せます。

ことなかれ主義の議員秘書と、熱意が空回りしてばかりの新人候補者による
選挙活動の行方をシニカルに描いた社会派コメディ

主演の宮沢りえのキャラにイラつく（笑）
でもこんな人いそうだ。
本当に知り合いだったりしたら迷惑この上ないが、
映画のキャラとしては面白い。
宮沢りえだけでプラス１０点（笑）

出馬表明してまだ日も経ってないというのに、
漢字が苦手で読み間違え、失笑を誘う。
街頭挨拶では炎上目当てで挑発してくるYouTuberにブチギレて暴言に暴行。
後援会の古株面子とは喧嘩になる。
などなど、こんあんで大丈夫か？
観ながら心配してしまう。
でも時々、的を射た事も言う。
コレがあるからキャラの魅力が出ている。

笑えるけど恐ろしい政治の世界。
面白いです。

８０点

議員秘書やスタッフの視点から眺めた国政選挙の裏側を描いた笑える社会派コメディーでなかなか愉快な作品。
元大臣である父親が急に病に倒れ急遽後継候補に選ばれたのは娘の川島ゆみ、本人は父親の意志だと思っているが、実は地元後援会や地方議員たちの思惑で担ぎ出されたみたい。
勿論ゆみは政治に関しては全くの素人、熱意はあるが空回り、自由奔放な世間知らずのお嬢様、問題発言や空気読まないし、思った事を直ぐに口に出す、秘書に任命された谷村やスタッフに導かれるまま選挙戦に突入。
後援会など地元の古株たちにとって操りやすいから後継者に担いだのに、その言動に激怒して後援会解散の危機にも、谷村たちのとりなしでなんとか乗り切る。
この谷村、典型的な事なかれ主義、そんな彼もゆみの「違うと思ったことはうやむやにしない」と言う彼女のブレない姿勢にかなりの影響を受けている。
父親の大臣時代の不祥事が明るみに出ると、古株の秘書が全責任を被って辞任するという「トカゲのしっぽ切り」作戦に絶対納得しないゆみ、この段階で候補辞退が出来ない彼女の考えたのはなんと落選作戦、谷村も同調し彼女の不利になる動画を投稿するも結局地盤も固く、当選してしまうという皮肉な結果に。
いろいろと選挙戦の裏側をみせてくれるが、さほど違和感を感じないのは我々も実際の選挙とはこんなもんだろうと思っているからなのだろう。
当選は失敗ではなくゆみと谷村にとっては新たな改革のはじまりなのか。
現代社会の問題点を浮き彫りにしながら笑える社会派コメディーとしては異色の作品。

なかなか面白かったです。
そして怖かったです(笑)

コメディタッチですが、けっこう現実的で怖い政治ドラマです。
川島有美役の宮沢りえの演技がうますぎる！
こんな議員候補、いそうです。
窪田くん演じる秘書が、現実的でクール。
有美に振り回されて、そりゃあもう、なんとも気の毒なんだけど
この若さで、酸いも甘いも噛み分けることを知ってしまっているというのが
議員秘書の恐ろしさよ！

最初は世間知らずのお嬢である有美が鬱陶しい存在なんだけど
物語が進むにつれで、応援している自分がいました(笑)
ほんとうは議員なんかなりたくないのに
無理やり立候補させられ、世襲議員として利用されるだけの存在である有美。
こうなったら落選するしかない！と秘書の谷村を巻き込んで大奮闘。

いやはや、政治の世界は怖いし、汚いですね 。
この映画を見ると、選挙に行くのが嫌になりそうです(;^_^A
本当に、日本を良くしたい！国民の生活を守りたい！と純粋に思って
議員に立候補する人なんて、果たしているのでしょうか？
と疑心暗鬼にさせる内容でもありました。

政治家や選挙をひやかしたコメディ。
宮沢りえが父親の後継で衆議院選に立候補して、支援組織の幹部たちとスッタモンダするお話。
ホントの立候補者ってどいつもこいつもひどい顔してるので、宮沢が候補者として登場すると、おおぉぉ・・となる。さすが芸能人。
芸能人も歳とって人気がなくなると選挙に出るが、宮沢はまだ芸能人としてやっていけそう。

が、お話の中身はちゃんちゃら可笑しかった。
公示になってるのに選挙カーに乗ってないし、遊説隊も登場しない。挨拶回りもほとんどやってないようで、えらくヒマそう。で、ヒマをもてあまして父親の秘書や後援会幹部や地元の県議会議員たちなどともめていた。
で、「やめます」と言って逃げを打とうとすると、それは無理・・と秘書の窪田正孝に言われ、落選を目指して運動をはじめる。
さて、どうなるか・・ってところが見どころなのかな・・？
窪田の前髪がいつも鼻のあたりまで垂れ下がっていて、政治家の秘書に見えず、イライラした。