きさらぎ駅

　そこから抜け出せるのはひとりだけ。物語に意味というか、合理性を求めてしまう質なので、２月を意味する「きらさぎ」駅というタイトルから、失踪はうるう年と関係するのかもしれないと思っていた。葉山純子が行方不明になった2004年は、うるう年。ところが、映画には、それ以降の時間がはっきりとは示されていない。分かっているのは、失踪したのが2004年で、現実世界に戻ってきたのが2011年。異界ではわずか１日の出来事なのに、７年の月日が経過したことになっている。大学生の春奈が卒論のために葉山純子を取材し、彼女の行動を追体験してみるのが何年のことなのか、女子高生の明日香はいつ現実世界に戻ってきたのか、あるいは、純子の姪の級友が同じ試みをしようするのがいつなのか、判然としない。

　異界のコンセプトがやや平凡で驚きがなく、映像もチープなのには少々がっかり。仕掛けが単発すぎて量的にもの足りないので、怖さとか、まがまがしさやおどろおどろしさをあまり感じない。ナイフで脅迫する若者の方が迫力があってよっぽど怖い。神社が結界となって、そこに抜け出す扉があるというのも、よくある設定ではないだろうか。大学生の春奈を惹き寄せて利用し、結果的に彼女の暴力性や利己心を顕わにさせる葉山純子を、もっと不気味に悪魔的に描いてもよかったんじゃないだろうか。ループ地獄を描きつつ、奇妙で不思議な出来事にとどまっていて、ホラーには少し毒気が足りないかも。

Uにて770ポイントもしたよ デスカス来る ちょっと前に高くして
のストリーミングは 中々ずるいよね ちょっと話題作でしたね

ゴダールさん亡くなりましたが その評論集の中で アストリックの
「女の一生」を評して 「この映画の真の美しさは ベラスケスの
灰色をしたノルマンディの砂丘で風になびく パスカルプティの
黄色のドレスにある」とあるのですが ゴダールのレトリカルな
文章のうまさは流石ですね

さてこの きさらぎ駅においては それほどではないですが やはり
主演のお嬢さんの美形な顔立ちと共に その衣装が際立って突出で
なんか意味が出て来るのかと思ってたのですが 単なる衣装でしたw
そんなとこ悪くなく 如何にも映画してるのが良いのです

お話は カメラを止めるなの様に 反復する物語で 特に新鮮さは
ありませんが 見ていられます 399ポイントでいいでしょうか

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良作のホラーっぽいので観てみることにしました。
結論からいうとタイトルにも書きましたが、わたくし的にはイマイチ。
ホラー作品ですが、まったく怖くなかったのも残念な点。
きさらぎ駅に降り立ってから起こる怪異が微妙すぎます。

良かった点は、低予算ですが、かなり頑張った方だと思います。
最初の記憶の再現シーンをPVスタイルで、後半はしっかりとしたカメラワークでした。
この点は好感が持てました。

勿体ないのが主人公の動機がイマイチ伝わって来ないこと。
なぜ、危険を冒してまできさらぎ駅に行ったのか？
神隠しを調べるため、生還者の話を聞き、興味本位で行ったようにも見えます。
でも聞いた後、何の準備もせずに行くってのはどうなのか？
あまりもリスキー過ぎます。
ちと疑問でした。

エンディングのクライマックスで、主人公の重大な選択がありますが、それまでの行動との整合性が良く分かりませんでした。
このあたりのストーリーや設定をしっかりと作りこんでいるともっと良かったと思います。

アニメの異世界ピクニックに出てくるきさらぎ駅の方が良かったです。

2004年、高校教師の葉山純子は見慣れぬ「きさらぎ駅」で降車し、奇怪な一夜を体験した。
時は流れ現在、民俗学専攻の大学生・春奈が、彼女の家を取材に訪れる。
純子の体験談を聞いた春奈は「きさらぎ駅」に行く方法を思いつき、実行に移すのだった…

匿名掲示板2ちゃんねるオカルト板に書き込まれた「きさらぎ駅」を元に制作された。
祭り太鼓の音、謎の老人、伊佐貫トンネル等々、純子が体験する怪異は書き込みの再現に近い。
本作では、純子と共にきさらぎ駅で降車した乗客5人の描写が加えられている。
会社員男性、女子高校生・明日香、カップルとその友人だ。
明日香は純子が勤務する高校の生徒だった。彼女たちは互いに助け合い絆を結ぶ。
しかし、きさらぎ駅から生還したのは純子だけだった…

2004年にきさらぎ駅へ行った純子（佐藤江梨子）が帰ってきたのは、2011年だった。
きさらぎ駅での一夜で、7年の歳月が経過していたのだ。
7年も行方不明だった純子が語った話は人々の好奇心を煽り、興味本位の取材も多い。
彼女が取材を受け体験を語るのは、明日香を異界に残してきた後悔があるからだ。
想いを秘めた純子の表情が意味深で良かった。

一方、きさらぎ駅に行く方法を思いついた春奈（恒松祐里）は、早速、これを実行に移す。
明日香を助けたいと思ったのか、学問的好奇心なのか…
そして、春奈は「きさらぎ駅」到着に成功した。
純子に取材していた彼女は、これから起こるであろう出来事を把握している。
春奈は、5人の乗客たちの行動や怪異への対処をサクサクこなしていく！チートであるｗ
まあ、不測の事態も起きるわけだが…
ラスト、居眠りをする春奈は目覚めて何を思うのか…興味は尽きない。

ネットロアをベースにした「きさらぎ駅」だが、そこへ行く方法もネットロア由来であった。
純子の心情と行動、「きさらぎ駅」に迷い込んだ人々の法則などを考察すると、面白く観られるかも知れない。
純子が体験した「きさらぎ駅」での怪異は、POV撮影（純子視点）で描かれる。
鑑賞者に怪異を体感させるためなのか、純子と同化させるためなのか。

人間的な純子や春奈、乗客たちに比べ、明日香（本田望結）の心が清く正しい。
他者が危機に陥った時、彼女は母の教えの下に清廉な行動をとっていた。涙…
監督は「真・鮫島事件」や「2ちゃんねるの呪い」の永江二朗。

原案は２ちゃんねるで話題となった都市伝説だという。
ある日、乗っていた電車が
全く知らない駅に降り立った。
かなり興味をそそられます。
と同時に
もし実際にこんな体験をしたなら
そりゃー怖いだろうなぁと思いました。
そう
観る前はかなり「怖がれそう」だったんです。
整ってたんです。
しかしながら実際は
全く怖がれない代物でございやした。
これはもう完全に脚本と演出が
しょーもないことに尽きます。
なんで現実と異世界を
シームレスにしてくれなかったんでしょう。
明らかに「異世界」という境界線が存在し
ガラリと雰囲気が変わる画面。
そんなもん求めてねーし。
現実と異世界が地続きであるからこそ
シームレスであるからこそ
その境界に気づかずに足を踏み入れ
時すでに遅しなことに気づいた瞬間
全身を鳥肌が駆け巡り
それなのにジっとりネっとりとした怖さが身を覆う。
それが求めていた怖さでした。
が、展開されるのは
コメディに振り切っているともいえる「怖さ」で
アイデアも予算もないんだなと
諦めが身を覆っていくのです。
予算がない
故にこのキャスティング
演技レベルを疑うキャスティング
名のあるキャストである佐藤江梨子さんは
出番がかなり少ない
それも深読みすれば
予算の問題なのか・・・・と。
これは確実に
２ちゃんねるで文字を追っている時こそが
最高の恐怖の瞬間なんだと思います。
というか断言します。
それを超えるのは
自らが体験することぐらいしかないでしょう。