シン・エヴァンゲリオン劇場版　ＥＶＡＮＧＥＬＩＯＮ：３．０＋１．１１　ＴＨＲＩＣＥ　ＵＰＯＮ　Ａ　ＴＩＭＥ

とっくにレビュー書いていて、原稿をパソコンのどこかにしまっておいたのだが、見つからない。
もう１回書くのなら、もう１回観たほうがいいのだろうが、ちょっとその気になれない。

庵野秀明監督は、このシリーズをスタートさせた時点では結末を考えていなかったらしい。
当時の庵野氏はまだ若くて独身で、内気な少年の気持ちをたっぷりと自分の中にためこんでいて、それで碇シンジというキャラクターをつくったのだろう。で、内気な少年が殻に閉じこもる気持ちをSF的に表現して、自分と他人との境界を顕すATフィールドなるものを発案し、これが宇宙パワーの源泉のような設定をつくった。で、作品に重みをつけるためにゼーレという謎の組織をつくり、人類補完計画なるものをめぐる謎のストーリーを展開した。
人類補完計画の中身をバラすと、それは寂しい少年が他の人類全てと合体して寂しくなくなる・・というものなのだが、それをそのまま見せてしまうと、なんだそりゃ・・となってしまうので、ゼーレやネルフなどの謎の組織を使って使徒という謎の生命体と戦うプロットをつくり、それで中身をくらましていた。
で、そのままテレビシリーズを終わらせてしまったのだが、それでは視聴者たちが納得しなかった。
で、「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」をつくったのだが、その結末は「AKIRA」の二番煎じだった。

で、話を仕切り直して完成度の高いSFにしようと思ってヱヴァンゲリヲン新劇場版シリーズをつくりはじめたのだが、どうやってもテレビシリーズの設定を超えるカラクリを考案することができず、そのために完結編を組み立てられなかったようだ。庵野氏もそのころは中年になっており、すでに奥さんもいて、寂しい少年の気持ちもどこかに消え失せており、とにかく終わらせたいという一心だったのだろうが、納得のいくものがつくれず、自殺も考えたらしい。
が、「シン・ゴジラ」で気分転換ができて、とにかく終わらせればいいんだ・・という結論に達し、ヱヴァンゲリヲンをエヴァンゲリオンに戻し、テレビシリーズの設定のまま完結編をつくることにし、シンをつけて画像の迫力だけ極限まで膨らませたのがこの作品である。

難しいセリフがやたらと飛び交い、主役をシンジから碇ゲンドウに変えて話をそれらしくしてあるが、すべては目くらましである。
複雑な内容の背後にはきちんとしたカラクリとスジガキがあるのだろうと思って観てしまうと頭の中がこんがらかる。が、実は、すべてはハッタリのゴマカシで、きちんとしたスジガキもカラクリもないようだ。

初期作からずっと見ているが、駄作と言わざるを得ない。
意味が分からないことに拍車がかかり、まったく印象に残らないお話であった。

印象的な映像は素晴らしい。
スピード感あるバトルシーンは大迫力。
ストーリーは・・・理屈っぽい。
それがエヴァだといえばそれまでだが。
もう少し分かりやすくしてほしかった。
少なくとも僕の頭じゃ話に付いていくのがやっと。
終盤、怒涛の説明セリフは半分くらいしか理解できなかったかも？
なんせ観たのは夜中。
眠くはなかったが一日の疲れをお酒でリフレッシュさせながら観たので
理解力が下がったかな？

「謎」の種明かしはは想定内。
今までの作品で匂わされた謎は想像の範囲内。
もうちょっと意外性も欲しかったな。

でも観終わってホッとした。
ようやく終わったと。
上映時間が長かったのもあるし、
そもそも旧エヴァと出会ってからが長かった。
よく終わらせてくれた。
最近、漫画家の訃報が多い。
未完のまま強制終了した作品も数多く。
なので、長い作品が終わったら嬉しい。

８５点

よかった
とりあえずよかった
観終わって最初に思ったことは
それひとつでした。
旧テレビシリーズの最後のような
旧劇場版のような
あんなことにならなくてよかった
それが何よりもうれしいです。
難しいです。
今回も例に漏れず
わけのわからない用語単語の波
置いてきぼりをくらう設定にアイテム
世界観がもう
理解の範疇を超えています。
が、その表層を丁寧に剥いでいけば
辿り着くのは至極シンプルで
どこの世界にも
どこの国にも
どこの街にも
どこの家族にもある
誰しもが体験するような
家族ゲームという名の王道でした。
そして一人の男の
小さな愛の物語でした。
素晴らしい物語は
スタート地点に帰るものなんだそうです。
そういう意味では
このストーリーも
その道を踏み外してはいません。
描かれていないことも
知りたいことも
まだまだたくさんありますが
それでもこの結末を用意してくれたことが
素直に嬉しく思います。
この
昔を懐かしく思うときのような
何とも言えないあの気持ち
それと同様の感覚になるこの結末
個人的には
こうなってほしいという結末がありましたが
そういう結びつきがありましたが
これでよかったのかも
と思えました。
それが
踏み出した一歩に
進んでいく世界に重なりました。
さよならエヴァンゲリオン

死・・・物語の終わり
ン・・・終わりの言葉

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　また超展開過ぎて理解が追い付かない。

　ひとつわかるのは、この物語は一人の男が愛する女性を失って、それを乗り越えられずに引きずり続け、周囲どころか世界全てを巻き込んで駄々をこねるだけの物語だったという事。

　少年少女たちの奮闘は、愚かな大人への慰め。

　自らの弱さを理解せず受け入れられない大人のエゴ。

　世界を崩壊させてまで叶えたかった願いは、実に壮大ながらも陳腐。


　ゴチャゴチャ理屈をこねたけど、最終的にはシンプルでしたね。
　ややこしくしただけで、結局帰結する場所はそこでした。


　愛を求めた悲しい男の物語。