ひとくず

（2019年製作／117分／PG12／日本）
面白いといえば語弊がありそうだが、虐待をテーマの本作、身構えて観賞したわりには展開の面白さ、
不思議な感覚の役者たちの演技で一気観、最後は涙を抑えるのに苦労した。
意地悪な気持ちも、温かい気持ちも鏡のように呼応してゆくんだなぁと思ったことだった。
いいタイミングで挿入される河島英五風の主題歌、吉村ビソー「Ｈｉｔｏｋｕｚｕ」
久々の昭和メロディの慟哭に泣けた。
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ガスも電気も止められた家に食料もなく置き去りにされた少女、鞠（小南希良梨）。
鞠は母親の男から、アイロンを押し付けられるなどひどい虐待を受けていた。
ゴミ屋敷のような部屋で、マーガリンの空箱をかじっている鞠。
そこへ、泥棒として窓から侵入したのが金田（上西雄大）だ。

自分も親に虐待され、さまざまな犯罪を繰り返してきた金田は、ひと目みて鞠の状況を理解する。
金田は言葉や態度が乱暴すぎるが（苦手な人もいそうだ）、やってる事は、鞠におにぎりやジェースを買ってきて、
浴場につれてゆき、新しい衣服も与えるなど優しいことこのうえない。おまけに観覧車にまで乗せてやる。
かたくなだった鞠も、ようやく「このラーメン食べていいの？」と金田を「ドロボーのおじちゃん」と呼び、なつくのだった。

鞠の窮状と、金田の遠い昔のひどい出来事が二層構造で展開する。
男が、連れ子である自分に入院するほどの暴力を加えているのを黙って見ているしかない母親。
（いかにも昔は生活力がある男に頼らなければ生きてゆけなかったろう。だが、現代の鞠の母も自立できない底辺というばかりでなく、
自身の母から育児放棄されて、子供の愛し方など知らないという母だった）

児童虐待という世の中の構造的な問題をしっかり把握して表現している。
ヤクザが関与してくるところ、学校でいじめられること。
出来ないという鞠の母親を脅してでも母親役をやらせようとする金田、そういう方法しか思い付かないにしても、
鞠に向けた感情が、次第に母親の凛にも及んでいくし、凛も金田の気持ちがわかってくる。

「負の連鎖」があるように人から受け取った優しさが、次の優しさに繋がるような「正の連鎖」もあるのではないか。
世の中は無情でも強く生きていきたいと考えさせた作品だった。

「劇団テンアンツ」を主宰する上西雄大さんの演技がとても良かった。

上品な映画ではない、評価は分かれるかもしれないが十分に★4.5！
舞台を観て号泣し、DVD見ずに居られなかった。
主演・監督・脚本・編集・プロデュース全て担当した上西雄大って本当に凄いと感じた。
人間の悪い部分、汚い部分、正直な思い、相手への愛情等を包み隠さず出し切って、人間としての生き様を真正面から描いた作品だと思う。
久しぶりに胸が引き裂かれる思い、強烈な余韻の残った作品だった。。。

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まず、かなり痛々しい虐待シーンがちょくちょくあるので、そういうのが苦手なら注意。

個人的にほとんど知らない俳優陣だったけど、それが逆に新鮮で、俳優イメージに囚われず鑑賞出来ました。

それにしても、リアルにうじゃうじゃいるんだろなー、こんな親。
人間になりきれないサルがサル真似して子供作るとこうなるという典型的なパターン。
もうオープニングから憐れで切なくてキツかった。
こんな女と絶対結婚したくねー。

子役の子達も上手かったなー。それがリアルさを感じさせてて余計ツラい。
カネマサの生い立ちもツラい。自分がされた事をするんじゃなく、救おうとする言動は、ぶっきらぼうながら本当に感動した。ちょっと微笑ましくもありコミカルにも感じられるカネマサの想いと行動には脱帽。
なかなか出来る事じゃないよなー。

人を殺めてまで守ろうとした彼の行動は、賞賛すべき事じゃないんだろうけど、
この殺人と虐待とどっちが悪だよ？と考えると難しい。
クズだった２人の母親さえ変えていったカネマサ、すげーよほんと。
もう聖人。空き巣でも殺人者でも許してやってくれｗ

クライマックスの誕生日のシーンもほんとよかった。
なんか嫌な予感はしたけど案の定かよー。

ラスト、あのシーンはなかった方がいい気もしたけどなー。
なんか不自然だし、せっかくの感動があのシーンのせいで押し売り的な印象に。




久しぶりにいい作品を観ました。
おすすめ度 ８５％

好き嫌いはあると思いますが、私は泣きました。

ひとくず

虐待を受けて大人になった、ヒモとコソ泥で生活している主人公。

虐待を受けている小学生の女の子とクズな母親。

ひょんな事から三人は出会い、荒れた生活を送っていく。

この三人は希望の小さな光を見つけられるのか？

★彡良くある虐待の映画かと消沈して鑑賞してが、メッセージをガッチリ受け取れる素晴らしい作品でした。

◎79B点。
★彡特に凄かったという事ではないが、私の感情が揺さぶられた、メッセージ強な良い作品でした。昭和感あるエンドロールも好き。


◇感想。
�@子役の子がすごく良い。
★彡役者さん全般みんな凄い。

�A主人公の親父の無計画さが嫌いではないかも。
★彡全く後先を考えてない、今を生きて、思いついた事をする感じがたまらんでした。

�B伝えたい事は虐待の連鎖か！
★彡子供に愛や優しさを伝える方法を知らない大人達が切ない。

�C神様はちゃんと見ている。
★彡家族再生したいだろうけど、神様は許しちゃくれないのか？誰が悪いんだろうか！負の連鎖は続く。

�Dよくある話だけど、この作品は本当に良かった。
★彡この手のストーリーの中でもかなりお気に入りです。オススメ！