ハウ

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　思いもかけないアクシデントで飼い主と遠く離れ離れになった犬が、飼い主に会いたい一心で様々な危険を乗り越えて、ひたすら自分のホームを目指すという定番のストーリー。定番すぎるので、最後を捻って変化をつけていますが、それが良かったのか、悪かったのか、はなはだ微妙。そのために犬がどれだけの労苦を払ったのかを思いやると、やっぱり帰るべきところに帰る結末にすべきではなかったのかと、思わざるを得ません。犬は人間を癒すためだけにいるのではなく、愛する飼い主からたっぷり愛情をもらうべき、かけがえのない存在です。だからこそ、800キロもの距離をはるばる帰って来たのに。

　「捨てられた一匹の犬、ちょっぴり気弱な青年、その出会いから物語が始まります」と、優しい声のナレーション。横浜の区役所に勤める赤西民夫は、結婚直前に婚約者に振られ、新婚用に購入した新築の一戸建てに、ひとりで住む羽目になる。上司の赤西課長の妻麗子は、犬や猫の保護活動をしていて、白いモフモフの大型犬を飼わないかと民夫に提案する。その犬は、無慈悲な飼い主に声帯を切られて正常に吠えることができない。突然の話に最初は当惑するものの、民夫と犬はすぐに意気投合して、民夫はハウと名付けた犬と暮らし始める。ふたりで過ごす、秋の紅葉からクリスマス、冬の雪、春の桜と、巡っていく季節がとても眩しく美しい。

　ところが幸せな日々も束の間、民夫の不注意と、飛んで行ってしまった子どもたちの野球のボールを探そうとしたハウの優しい遊び心とによって、とんでもない事態になり、ハウは遥か遠い青森までトラックで運ばれてしまう。東京まで798キロ。民夫の匂いと記憶を頼りに、自分の家に戻ろうとするハウの、長い長い旅路が始まる。もうこのあたりから健気なハウに涙が止まらない。傷ついた人に優しく寄り添ったり、勇敢に人を危機から救ったり、助けたり助けられたりしながら、様々な出会いと別れを繰り返して、ハウはひたすら民夫のいる我が家を目指して歩き続ける。旅の途上でハウの出会う人々の感情や気持ちがとても細やかに描かれている。

　１年をかけて、ハウはやっと元の家に戻ってくるのですが、もうその家には民夫は住んでいません。その後民夫と再会はするものの、その家に転居したばかりの、父親を亡くした少年によって、新しい名前で飼われることになるのです。これはあり得ません。迷子になった犬が我が家に戻ってくるという話は山のようにあるのに、飼い主が1年もたたずにその家から引っ越ししてしまうなんてあり得ない。猫派の私だってそう思うのだから、愛犬家のほとんどの人は、絶対に戻ってくると信じて、いつまでもその家で帰りを待っていることでしょう。少年には気の毒ですが、再会したのなら、ハウの労苦に報いるためにも、絶対に引き取って自分で飼います。迷子用のチップが入っているから可能なはずです。そうでなければ、ハウは何のためにあんなに苦労して帰ってきたのでしょう。ハウが余りにも不憫です。ハウはとっても健気で可愛いけれど、それでも、このあり得ない結末に星ひとつマイナスです。

ペットにまつわる奇跡のような話は時々報じられている、元の飼い主を求めて1000キロ以上も旅して戻った犬の話なんかは嘘のようで本当の事でもあるようだ。
米映画で犬は死んでも別の犬種として生まれ変わり、最終的に最初の飼い主に再会するというストーリーもあつた。
それだけ人間とペットの結びつきは強いものがあるのだろう。
私は犬派なのでネコの事は良く分からないが、４年前と16年前に天寿を全うしたわんこたちの写真は今でも机の上に飾ってある。
本作は結婚直前で婚約者から捨てられた気弱な青年と飼い主に捨てられ動物保護シェルターで保護されていた白い大型犬のお話。
結婚後の新居として購入した戸建てに白い犬「ハウ」と暮らし始めた民夫、なかなか楽しそう、「ハウ」を洗ってやったり、散歩したり、広場でボール遊びをしたり、そして勤務先の役所から帰って来た民夫を迎える「ハウ」、そんな暮らしが１年以上続いたある日、突然「ハウ」が居なくなった。
「ハウ」は実に賢いワンコ、賢すぎるが故に野球していた子供たちのボールを追って停車中の大型トラックに乗り込んでしまいそのままなんと青森まで旅することに。
ここからは「ハウ」の物語、動物の本能で民夫の元へ帰ろうとする旅の途中でいろいろな人を幸せにする「ハウ」、盛岡でイジメに合っていた少女に勇気を与えたり、前橋のシヤッター通りと化した商店街で老女に癒しを与えたり、群馬の修道院では奇跡的に「ハウ」を捨てた最初の飼い主と巡り会うが彼女の優しさを覚えていた「ハウ」は彼女を守り、DV夫の命を救ったりもする。
人の表情を読み、その人間に寄り添おうとするこんな賢いわんこが本当に居るかどうかは分からないが、ともかく心温まる。
エンディングは多分大抵の人が予測していた結末とは少し違うものだったかもしれないが、そこは民夫の優しさというものだろう。
なにはともあれ「ハウ」の演技は素晴らしい。

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最近にしては珍しい「愛犬が長旅をして帰ってくる」系作品。過去にはよく見かけたけどなー。

飼い主の身勝手な事情で声帯除去手術をされ、掠れた声しか出せなくなり、保護犬となったハウ。
ひょんな事から民夫と出会い、かけがえのない存在になる。
落胆し自暴自棄になりかけていた民夫は、天真爛漫なハウに救われ、生きる喜びを取り戻しかけた矢先、運命のイタズラで離れ離れに。
青森から東京を目指すハウは、途中様々な人間ドラマに触れる事に。
（あの女子高生の話必要？あれだけ何故かダレたし印象薄い）
ほとんどが穏やかでほっこりとしたヒューマンドラマの連続。色々な触れ合いが心地いい。

それにしても、個人的に元の飼い主に全く同情出来なかった。いかなる理由あれど、自分の都合で犬の声を奪うか？
おまけに飼育放棄。
こういう奴、一定数いるんだろな、リアルに。
ハウはそれでも天真爛漫で人懐っこい。そんな事されても人間を好きでいてくれる彼の姿はなんか複雑だった。
恥ずかしいな、人間って。
動物を足蹴にし、天下取ったつもりなんだろなー。人間と思いたくない。
だから余計に、劇中の「人間」にほっこりした。

ラストもお約束かと思ったら意外なオチ。そうきたかー。
民夫の優しさとハウの表情に久しぶりに男泣きしかけたｗ



この作品を通じて、命の重さや動物の存在の大きさを感じてくれる人が増えればなー。




おすすめ度 ８５％

５点

面白かった