サイレント・ナイト

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監督は決してテキトーではなく（そりゃそうだろうが）、イギリス風ユーモアを練り込みつつ、ニッチな立ち位置を狙ったようだが、
いかんせん「面白くない」ので微妙な評価となります。
謎の毒ガスが地球全土を覆い明日には人類滅亡という設定の話ならば、
なにもローランド・エメリッヒみたいに描けとは言わないし、韓ドラみたいに死体が積み重なった荒野を見せろ、とも言わないが、
それにしたって9割方、お屋敷に集まった12人のパーティの会話で、その会話はセンスもなければ面白みさえない。
「毒ガスは世界征服を目論むロシアの陰謀」と言い切ってる所はジョークなんだろうけどね。


これはつまり、このような凡人たちだから、政府の（有毒ガスを吸うと神経がやられ苦しんで死にます。自殺用のピル『EXIT』を全員に配布したので
苦痛のない尊厳ある死を迎えましょう）
という告知を鵜呑みにし、何の疑問も抱かずあきらめきって、（じゃぁ仲良くみんなで死にましょう）という事になっちゃったわけだね。

（ちなみに・・・「誰が信じるか！そんなもん！嘘こけ！」と私なら思うが。）
（世界には、滅亡と聞いて暴動を起こす人間たちがいるぞ。イギリス人は従順すぎるというアンチメッセージになっているのだろうか？
もし、毒ガスから逃れた人がいるならばそれはピルの配布されないホームレスか移民という事になる。）
でも、自殺はキリスト教じゃ「ご法度」のはずだ・・政府の告知って、実は宇宙人のなりすましじゃないの？

などと、作品本編より観客の妄想（考えさせる部分）の方が面白いかもという訳わからん状態ですが。
会話も、地味な映像も、面白くはないんですが、俳優さんたちはそこそこ魅力ではありました。
主演はキーラ・ナイトレイ。その夫にマシュー・グード。長男のローマン・グリフィン・ディヴィス（「ジョジョ・ラビット」に出てた子）。
あ、リリー＝ローズ・デップもいました。
冒頭でリリーが車の中で「屋敷に行きたくないなー」とつぶやくので、よほど人間関係が苦手なのかと思いきや
「死にたくないなー」という意味だったのですね。
そしてその理由も本編で明らかになります。

　まるで終末論が現実となったときの取説のような映画。しかもそれが救い主イエスキリストの誕生を祝う日だというのだから、辛辣な皮肉が効いている。キーラ・ナイトレイのファンなので観たのだが、彼女の出演した今までに観た一番面白くない映画じゃなかろうか。両親にスポイルされて甘ったれた女の子キティと反抗的で気丈な少年アート以外は、どのキャラクターも没個性的で平凡、面白みに欠け、全然魅力的に思えない。好きなキーラ・ナイトレイでさえも、どうでもいいようなつまらない役柄。あえてそういう設定にしているのかもしれないけれど、面白くないにもほどがある。

　死が迫っているのに平静を装って、郊外の邸宅に大切な家族や友人たちと集まり、いつも通りのクリスマス・ディナーの夕べを共にする。（つまり一緒に死を迎えようとしている。みんなで渡れば怖くないというわけだ。）とても従順で、まさに物言わぬサイレントマジョリティー、羊のようにおとなしく無抵抗で、政府の配る尊厳死のためのピルにも何の疑問も抱いていない。ただひとりアートだけが、もし間違っていたら？もし嘘だったら？と真剣に疑問を投げかけるが、誰も耳を貸さない。

　邸宅の周囲もパニックが起こっている様子もなく、何の緊迫感も感じない、まさしくサイレントそのもの。猛毒ガスによる死が近づいていたら、いくら何でももっと騒然としているのが普通なのではないだろうか。それとも、世界の終末を描く、新手のディザスターパニック映画にしたかったのだろうか。社会批判めいた台詞がないわけではないけれど、大して有効に機能しているとは思えない。最後、アートが正しかったのかもしれないと暗示して映画は終わる。

　長い目で見たら、様々な要因から、世界の至るところで人類は主体性や思考力を失って判断停止状態に陥り、ひっそりとゆるやかに滅亡に向かっているのかもしれない。そんなことを考えさせられた。

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劇的な事件が起きるわけでもなく、個人の心情が爆発するシーンもあまりなく、淡々と死を迎えます。

設定自体は良いとは思うのですが、哀れな人間の滑稽さを描くと思ったのですが、そこまでみんなうろたえることはなく死を享受しております。なんだろう、本当にそんな風になるのかな。

まぁ、最後の一日なので諦めにも似た感情が沸いていての状況なのかも知れませんが、なんとも言えません。

サイレントナイトというキリストの生誕の日に、最後の日を迎えるという設定になっておりますから、キリスト教が根差している世界においては、死を享受し、死後の救済を求めるという感じなのかな、そういうこと思いました。

悪くはないんだけど、じゃあ、これまた見たいかってなると別に・・・わざわざ作るほどのものでもなく、淡々としたストーリーで、ふーーーんって感じで終わりました。

致死ガスが地球を覆い、クリスマスの夜に全員が死を迎えなければならない。安楽死が正しい選択なのか？まずまずのブラック・コメディ

　毒ガスが充満するとされる世界。その最後のクリスマス。
　ともに死を迎えようとする人たちが集まる。

　自死を選ぶ人もおり、それぞれが死を迎えていく。

　その中で生を求めた少年。彼は真実を見抜いていたのかもしれない。


　毒ガスは実在したのか。真実は不明ながらも、死と向き合った人たちの話。