天間荘の三姉妹　−スカイハイ−

高橋ツトムの漫画『スカイハイ』の番外編にあたるらしい。
『スカイハイ』は20年前、テレビドラマ化され、釈由美子扮するイズコ様の「おいきなさい」というキメ台詞が話題になったらしい、
が、私にはまったく記憶がない。
（むしろ、ミル・マスカラス登場曲♪スカァ〜イィ　ハァァァい〜の音楽が胸にバッキュンバッキュン来る・・って、関係なかったわ。ハイー。）

天界と地上の間にある街、三ツ瀬。（と言っても街はひとつしかないから、3つに分かれる分岐点といったくらいの意味か。）
映画化では2つに分かれ、（臨死状態の人間が、ここで魂の疲れを癒やして地上に帰るか、
それともそのまま天に召されるか、）選択できる場所となっている。
うひょ〜。悩みますなぁ。三途の川？日本人の死生観にバッチリのイメージかも。

魂の旅館「天間荘」に、謎の女性・イズコ（柴咲コウ）に連れられ、小川たまえ（のん）がやってくる。
『人生の走馬灯』なんてグッズもあり、生まれてからこんにちまでの出来事がグルグル早回しで映される。
小川たまえは、幼い時母親と死別、のち父親も失踪して孤児院育ち。そして、交通事故にあって臨死状態と、不幸の詰め合わせみたいな人生。

だが、天間荘にきてみれば、天間荘を取り仕切っている大女将（寺島しのぶ）こそ他人だが、
若女将ののぞみ（大島優子）とかなえ（門脇麦）は腹違いの姉たちで、「のぞみかなえたまえ」と、欽ちゃんファミリーの完成。
（お父さんは萩本欽一ではなく永瀬正敏。画面に隠れているから見つけてね！）
それで家族が出来て嬉しいたまえ（のん）は、旅館で働いたり、孤独な客（三田佳子）やわがままな客（山谷花純）と交流して、
また門脇麦にイルカショーを教えてもらったり、
のんらしい邪心のないキャラクターで、傷ついた魂を知らず癒やしてゆくことになる。

だが、ここまでは前段階で本筋は、12年前の『東日本大震災』で、突然命を奪われて彷徨っている沢山の魂。
天国へ行く前にお別れを言いたい。愛する人に会いたい。言い残したことがある。どうしてもわかってもらいたい事がある・・・
などの魂の叫びに寄り添う映画であるらしい。（その役目は「あまちゃん」の「のん」しかいないっぺ！。）

ファンタジーぽい作風になってゆくが、前半は勢いがあったので、続けてなんとなく見てしまう。
ややアバウトな展開と思わない事もないが、のんのイルカ乗りで大拍手だ。（そこかよ）
のんは自分の生きる意味を見つけちゃったんだね。
そこここにウォーリーみたいに埋もれている、中村雅俊、柳葉敏郎、高橋ジョージを探せ！
エンドロールで歌う絢香と玉置浩二の歌は最高の感動だった。
メッセージ性のあるいい作品だと思いました。
（やっぱり152分は長いと思う。だけど、ここを削ったら？と言えるシーンがないんだよね、飲んだくれ寺島しのぶもいい味だし。）

現世とあの世の間にある街・三ツ瀬
(三途の川のイメージ？）
そこで旅館・天間荘を営む若女将・のぞみ
妹のたまえは水族館でイルカのトレーナーとして働く。
ある日、腹違いの妹・たまえが天間荘にやってくる。
たまえは現生で交通事故に遭い、昏睡状態なのだ。

たくさんのメッセージ性がつまった作品。
家族の大切さ
命の尊さはもとより
現生にやり残したことや、後悔の念がある人たちの
ここに留まる理由が切なかったです。

大切な人を失ったことがある人は
最後には思いを馳せて心にぐっと来るはず。
のんちゃんの自然体の演技が凄く良かった。
良い映画でした。
(苦言を呈するなら、ちょっと長い！）

来年も沢山の素晴らしい映画にめぐり合いますように。
映画って本当にイイですよね！
皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

優しい優しい鎮魂の映画。

最後のショーでの、のんの顔つきが今までとはがらりと変わっていて驚いた。
え？あまちゃんから抜け出てないようなぎこちなさは全部演技だったの？
この別人の様な顔つきが本当の、のん？

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美しい海の景色とおいしい料理が自慢の和風旅館、天間荘。美人の女将が客をもてなす。ここは、実はこの世とあの世を結ぶ場所、という設定。終末期にある盲目のがん患者や、交通事故にあって生死の間をさまよう身寄りのない少女、人生に絶望して自殺を試みたのに死に損なった女性など、臨死状態にある人々の「魂」が泊まりにくる。一息ついて「走馬灯」にうつる自分の人生を振り返りながら、あの世に行くか、この世にとどまるかを自分で決めるのだという。
命の選択を前にして葛藤する彼女たちの姿をとおして、みるものは生と死について考えさせられる。よくできた脚本で、泣かされそうになるシーンがいくつかある。
人は必ず死ななければならない。だからこそよく生きたい。そして、人は死んでも終わりじゃない。残された人たちの心の中で生き続ける・・・
天間荘がある三ツ瀬という街には、たくさんの住人がいる。東日本大震災で亡くなった人たちの「魂」が、この世に思いを残して、迷っているのだ。彼らに選択の自由はない。終盤はそういうたくさんの魂に、お行きなさい、とやさしく声をかける鎮魂のストーリーになっている。

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「天間荘の三姉妹」を観ました。
どこかでみた気がする話ですが、三姉妹が大島優子、門脇麦、のん　で豪華です。
この世とあの世の間の世界が舞台で、三途の川の手前、または川の中洲といった所でしょうか。一見宗教映画にも見えます。これも震災を扱っていますが、ハッピーエンドなので後味が良い作品です。
それにしても、のぞみ・かなえ・たまえは年配者には「わらべ」ですよね。