高速道路家族

（2022年製作・韓国）イ・サンムン監督
高速道路のサービスエリアを転々としながらテント生活を送るホームレス一家。
エリアのトイレでシャンプーまでする。父親のギウ（チョン・イル）は駐車場でドライバーに声をかけ、
財布を盗まれたから2万ウォンだけ貸してほしいと金をだまし取り、何とか食いつないでいた。
9歳の女の子ウニは学校に行ってなくて字も書けない。おまけに妻は3番目の子供を妊娠している。
次のサービスエリアまで「歩き」だ。足が痛いと泣く男の子。
子供たちは父親が大好きなようだし、仲の良い家族に見える。

本作は、もうちょっと明るいサバイバル系の話かなと思ったのだが、
救いのない結末にア然としてしまった。
一体いつからこんな放浪生活をしているのだろうか。9歳で学校へ行った事がないとは。
韓国に福祉事務所はないのだろうか？
父親はある種の精神的な病気を抱えているらしい。（それなら生活保護だって一発なはず。）

やがて、父親は通報されて逮捕される。
残された妻と子供二人は、中古家具販売店のヨンソン（ラ・ミラン）に引き取られる。
（ヨンソンの夫はカゲでは不服を言うのだが。）

家の中で寝るということが、テントや空き倉庫で寝るより、ずっと体が楽だと感激するウニ。
母のジスク共々、その生活が続く事を望んでいたが。
物語は、ある意味強引に、力技で終わる。（私はその方が良かったと思う。）
子供たちには将来があるのだ。

一体、この作品は何を言いたかったのだろうか。
貧富の差や格差社会とは別に個人の生き方みたいなものがあるとでも？
投資詐欺に引っかかっちゃ、こんな事になると？
あるいは家族家族と重く見ると破滅しかないと言いたい？
よくわからないなりに、父親として母親として、そんな事じゃダメだと思うばかりだった。
（あまりオススメする気持ちにはなれない）

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韓国の格差社会と社会の無関心にメスを入れた作品。

高速道路のサービスエリアで暮らすギウ一家。
若い父親と母親（妊娠中）、9歳の娘と5歳の息子の4人。
見ず知らずの人に、財布を落として家に帰れない
ガソリン代を貸して欲しいと2万ウォン（日本円で約2200円）の
寸借詐欺をしながら何とか生き延びている一家。
トイレの手洗いで髪を洗い
エリアの脇でテントを張って寝る。
でも、家族が一緒にいることがとても幸せそう。
これ以上の生活を知らないからだろう
現状が一番幸せだと思っているのだろう。
若い父親は何故働かないのか？
次第にその理由は明らかになっていく。
身重の母親は子供たちの将来のことを考えないのか？
決して諦めたわけではないのだろうけれど
この若い母親は夫に頼るしか手がないのだ。

詐欺で告発され捕まる父親。
告発した当人であるヨンソンは、残された母親と子供たちに同情して
自分の中古家具店に母親と子供たちを住まわせてあげることにする。
彼女は子供を失くしているので(おそらく事故）
そこから来る子供たちへの同情心ではあったが
やがてその同情が深い愛情へと変わっていくのだ。

結末はとても重い。
幸せそうな映像は、父親の大暴れが無ければ
こういう幸せな光景が待っていたはずなのに。。。という幻想なのだと思う。
というのは、そのシーンの後で、現実に戻り、
ヨンソンとその夫、そして子供たちが4人で抱き合って
火事現場で泣きじゃくるシーンで物語は終わるから。
両親は助からなかったのだろう。
4人が新たな家族になって、暮らしていけるのか？
果たしてそれを社会が許すのか？
そこは観ている人たちへ託されたように思う。

　ある事情から無一文になったお父さんが、妊娠中の妻、9歳の娘、4歳くらいの息子を連れて、高速道路のサービスエリアでホームレス生活をする。親切そうな人をみつけては、財布を落として困っています、2万ウォン貸してくれませんかと嘘をついて金を巻き上げる。お父さん、おなかすいたー、とあらわれる子供たちも芝居がうまい。うまく騙せたあとは、レストランでご馳走にありつく。トイレで体を洗い、テントで寝る。首をかしげてしまうのは、健康そうな若い夫婦なのに働く気がまったくなさそうなこと。娘は自分の名前が書けない。子供たちは両親のことが大好き。でもはたからみたら児童虐待だ。
　特典映像のインタビューで父親役のチョン・イルは家族の意味について考えさせられた、そして貧困のために社会から疎外されている人に手を差しのべなければと思った、と答えていた。 イ・サンムン監督は作品をみたあと世の中、あるいは自分のまわりの人々について考える時間を持ってほしいと挨拶していた。
　詐欺にあったら警察、破産したら行政に相談するものではないのか、フツー？韓国ではそのまま乞食になってしまうのか？お父さんが警察に拘束されると、妻と娘たちは寒空の下で文字通り路頭に迷っていた。彼らを救おうと思ったら親切な個人の善意だけが頼りなのか？仮病を使ったお父さんに逃げられ、いつまでも捕まえることができない韓国警察にもあきれた。
いろいろモヤモヤして監督さんのメッセージを受け取るところまで行けなかった。

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お父さんだけが亡くなりお母さんは生きていて、お母さんと子供たちは家具店夫婦と暮らしていった、だと思います。

理由
・火事になり家具が倒れてきた時、お父さんが覆いかぶさるように倒れ
そして消化後に消防隊員が二人を発見し、覆いかぶさっているお父さんをどけた時
お母さんの口が動いた（開いた）と言う点（お母さんが生きているという隠喩）

・後日談として娘が小学校に通っていて、その帰り道に歩道橋に座り込んでいるホームレスを見て
一瞬お父さんの姿を映すが、実際は他人であった点（お父さんが亡くなっているという隠喩）

・家具店で仕事をしている所に、お母さんが新しく生まれた子供を抱えて、家具店の奥さんと話している。（お母さん生きていた）

・娘さんのナレーションで「お父さん、会いたいよ」「しっかり食べて元気でね」と言っている点から
お父さんが現在一緒にはいない事、前述のホームレスにお父さんの姿を見た事から
娘は「まだお父さんがホームレスでどこかで生きているかもしれない（だから「しっかり食べて元気でね」）」
と思っている。（頭では理解していると思うが、まだ現実を受け入れられていない）（お父さんは生きているかもしれない）

・最後に、火事の時、家具店夫婦と子供達が抱き合って泣いているシーンを持ってきたのは
「不幸はあった、誰かは亡くなっている」という印象を与え
前述の娘さんの想いは希望であって、現実は違った、という事を示した。（実際はお父さんは亡くなっている）

ではないかと思います。

個人的には好みのジャンルとは違ったのでこの評価ですが、かなり面白かった。

特に最後の、お父さんが家具店に火の玉持ってやってきた時
現場は修羅場、子供たちにとって全員大切な人になっている人達（普通の精神状態ではないお父さんと
それを止めようとしている家具店旦那と従業員）の争い、それを止めたい子供の苦悩
頑張って子供が考える解決方法は「みんなで一緒に住む」それを家具店奥さんへ。
家具店奥さんは、他人の子供だが、もう大切な絆ができ始めている子供から「お父さんも一緒に」と嘆願されるが
しかし、お父さんの今までの対応や現在の状態から見ても、絶対に一緒に暮らせないという直感にも近い認識
そんな状態でその子供から嘆願され続ける中「良い」とも「ダメ」とも言えず
ただただ無言で立ち尽くすしかない。
受け入れた場合ほぼ確実に今の生活は崩壊するし
受け入れない場合もその子供との間に一生禍根を残すだろうから同じ生活にはならないから。
子供の苦悩から絞り出すように考えだす解決策が、更に家具店奥さんの苦悩へと繋がる。

これどうするの！？家具店奥さんどうするの！？というこの場面の作り方は中々素晴らしかった。

主観で捉える映画のメッセージとすれば
・ホームレスにも様々な背景があってなってしまっているのでその理解を。
・学校でのいじめによる影響の大きさがどれほどなのか。
・詐欺ダメ絶対（騙された人が更に、と連鎖する）
月並みな感想ですがこれくらいしか思い浮かびませんｗ

　高速道路でホームレス生活を送る一家。
　少額の詐欺をしながら生活している。

　とんでもない家族なんだよな。主に父親が。彼がもう最悪。息子もたいがいだけど。

　母親とお姉ちゃんはいい人なのに。

　そんな一家と出会った中古家具屋社長夫人。彼女との出会いが物語を動かしていきます。

　なんとも歪ながらもまともに生活をしようとするのを、やっぱりこの父親が崩壊させていくんだよな。
　ラストの急展開もだけど、父親の狂気が終始恐ろしい。

　格差とか社会問題もあるんだろうけど、そもそもこの父親がヤバすぎるって。基本的に彼のせいだし。