メグレと若い女の死 / ジェラール・ドパルデュー
メグレと若い女の死
/パトリス・ルコント
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全体の平均評価点: (5点満点)
(7)
解説・ストーリー
『髪結いの亭主』などの名匠、パトリス・ルコントがジョルジュ・シムノン原作の人気ミステリーを映画化。1953年、パリで高級ドレスを着た若い女性の刺殺体が発見される。死体を見たメグレ警視は、この事件が複雑なものになることを予感する。 JAN:4532318016184
『髪結いの亭主』などの名匠、パトリス・ルコントがジョルジュ・シムノン原作の人気ミステリーを映画化。1953年、パリで高級ドレスを着た若い女性の刺殺体が発見される。死体を見たメグレ警視は、この事件が複雑なものになることを予感する。 JAN:4532318016184
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「メグレと若い女の死」 の解説・あらすじ・ストーリー
解説・ストーリー
『髪結いの亭主』などの名匠、パトリス・ルコントがジョルジュ・シムノン原作の人気ミステリーを映画化。1953年、パリで高級ドレスを着た若い女性の刺殺体が発見される。死体を見たメグレ警視は、この事件が複雑なものになることを予感する。 JAN:4532318016184
「メグレと若い女の死」 の作品情報
「メグレと若い女の死」 のキャスト・出演者/監督・スタッフ
メグレと若い女の死の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
89分 |
日・日(大字幕) |
仏:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
ALBD11940 |
2023年11月03日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
2位登録者: |
40枚
|
2人
|
0人
|
メグレと若い女の死の詳細
収録時間: |
字幕: |
音声: |
89分 |
日・日(大字幕) |
仏:ドルビーデジタル5.1ch |
レイティング: |
記番: |
レンタル開始日: |
|
ALBD11940 |
2023年11月03日
|
在庫枚数 |
1位登録者: |
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40枚
|
2人
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ユーザーレビュー:7件
メグレの捜査には、信念やポリシー(哲学)がある
そういう意味では、台詞に重みのある、とてもフランス的な映画だ。地味だけれど、メグレ警視の堅実そのものの事件捜査を通して、彼の考えが明瞭になっている。医師に早期引退を勧められるほど体調に問題を抱えながら、身元不明の若い女性が殺されるという事件に感情的に深入りし、なぜそこまで彼がこの事件に執着するのかも明らかにされている。メグレは自分の娘を亡くしている。それは彼にとって、また彼の妻にとっても、埋めようのない心の空白だ。捜査過程で出会ったカプラン老人は、「我が子を失ったら何もかも消えて暗闇しか残らない」とメグレに語る。喪った娘への想いはそれほどまでに深く痛切だ。
1950年代のパリを舞台に、映像は終始暗い色調で、事件へと堕ちていく様々な形の醜く歪んだ愛憎が描かれ、映画全体に一種の虚しさや儚さが漂っている。殺された娘が着ていた、戦前にデザインされ、「一夜の夢」と名付けられた、一流ブランドのシルクの高価なドレスは、赤く血に染まる。結婚式の宴での、華やかにセッティングされた真っ白なテーブルは、虚栄と空虚そのものだ。そのような物語のなかで、メグレを理解する良き妻、彼が助ける万引きしようとした若い女性ベティとの交流、名も無き被害者を何とか名前のある存在として埋葬したいと奔走する彼の強い意志等々は、この作品に於ける僅かな救いかもしれない。
ベティを自宅に泊めた翌朝、妻とベティの楽しそうな様子に笑みを浮かべるメグレ、ベティとメグレが語らいながらセーヌ川沿いを歩くシーン、バスターミナルでのふたりの別れ、埋葬されるルイーズの墓に花を手向け、彼女はもうすぐ20歳だったと、メグレは妻に語る。悲惨な事件のなかで、数少ない心の和む場面だ。この作品は、ミステリーとしては平板で、もの足りなく感じられるかもしれないけれど、確固たる信念に基づくメグレの捜査を通して、何気ないひとつの事件がはらむ様々な、個人的、社会的、側面を鮮やかに浮き彫りにしている。
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パリに憧れた若き女性の死の真相
(2022年製作・フランス)パトリス・ルコント監督
日本でもおなじみのメグレ警視。小説家ジョルジュ・シムノンの推理小説の登場人物で、過去に映画やテレビでジャン・ギャバンなどが演じている。
今回、メグレ警視を演じるのはフランスの名優ジェラール・ドパルデュー。
1953年。パリ・モンマルトルの広場で、シルクのイブニングドレスを着た若い女性の刺殺体が発見された。
手がかりがほぼない中、メグレ警視は聞き込みを続けて真相に迫ってゆく。
えーとぉ、まず1953年と言えば70年前の事件ですね。
作品は暗く地味でテンポも良くなく、せっかちな人には向かないと思いました。
あと「おとり捜査」とか「危険な再現」で現代は許されないやり方が多々あったのが気になりました。
それとそもそも、犯行の動機が「弱い」です。モヤモヤします。スキャンダルが怖かったのでしょうか。
70年前はそんなにその性癖が問題でしたか。
被害にあったのは、田舎からパリを夢みて出てきた娘。パリの残酷で希望のない現実。
待ち構えていたのは「危険」だけだった。
メグレ警視が自分の娘を若くして失くしているので、若い娘に親切であるという見方があります。
(でもそれは公私混同というものではないでしょうか)
娘さんに親切にする場面もあれど、一方では、被害者と同じ服装をさせて同じ場所に送り込み(間一髪で救助)、
もうひとりの娘さんには、急いで階段を降りさせるという暴挙に出てます。私にはちょっと理解できません。
奥さん役の女性が自然な芝居で、お墓に付き添い、メグレに散歩しましょうと誘うシーンなどは良かった。
ドパルデューの哀愁漂うその巨体は、存在感が半端ない。しみじみ出来ればいい映画だと思えると思う。
あと、なぜ今メグレ警視なんだ?という疑問も残る。
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夜会の秘密
監督:パトリス・ルコント(2022年・仏・89分)
原題:Maigret
原作:ジョルジュ・シムノン『メグレと若い女の死』
メグレ警視シリーズは有名ですが、私は1冊も読んだことがありません。NHKのテレビドラマのシリーズで何度か観た程度です。
小説ではかなりのパイプ愛好家で、身長は180cm、体重は100sの巨漢だそうですね。その点で言えば、本作でメグレを演じたジェラール・ドパルデューは、原作のイメージどおりのようです。
舞台は1953年のパリ。冒頭のシーンでは、若い娘が象牙色のシルクのドレスに着替えています。この時は何も分からないままですが、後のシーンで次第に事情が分かって来ます。
せっかちな方のために掻い摘んで説明すると、この時の若い娘が、胸や腹部を5か所も刺された遺体で見つかります。この娘がどこの誰なのかも分かりません。警視庁犯罪捜査部のメグレ警視が事件を担当しますが、どうやって真相を突き止めるのでしょうか。
司法解剖の結果、死因は刺し傷ではないことが分ります。首の骨が折れたことが直接の死因のようでした。何処かで殺され、遺体発見現場まで運ばれた後、めった刺しにされたのです。彼女の持ち物と言えば安物の口紅と履きつぶした靴。下着も高級なドレスとは格違いの物でした。メグレの奥さんが、ドレスはきっと貸衣装だと気が付き、それが身元を探る糸口になりました。身元不明の娘の名は、ルイーズ・ルヴイエールだと分かります。
メグレは万引きしようとしていた若い娘ベティと出会い、保護します。彼は一人娘を亡くしていて、放っては置けなかったのでしょう。ところが、ベティがルイーズと年恰好も顔立ちも似ていることから、利用するのです。ベティの協力で、ある夜会の秘密がわかります。この秘密のせいでルイーズは犠牲になったのですね。
もう一人、この事件に大きく関与する女性ジャニーヌがいます。
ルイーズとジャニーヌとベティの3人には、成功を夢見て田舎からパリに出て来たという共通点があります。都会で夢が叶うのは、ほんの僅か。大抵は家政婦となるか、あるいは街角に立つか…戦後の混沌とした時代。東京でも似たようなハナシが沢山あったと思います。
この3人が辿る運命(人生)を比較してみると、誰と出逢うかも大きく影響するのだと思いました。メグレと出逢ったベティは幸運だったのかも。
メグレ警視はその巨体の圧迫感と、不愛想であまり笑わないことから、最初は親近感を感じませんでした。でも、ベティを自宅に連れて帰り、メグレの妻とベティが会話して笑っているのをひげ剃りしながら聴いていて、穏やかな笑みを浮かべるのです。その表情で彼の優しさが伝わってきました。きっと、彼を知れば知るほど好きになるかも知れません。
それにしても画面(特に冒頭)が暗くて苦手でした。暗くて状況が分かりにくいと、私は直ぐに眠たくなってしまうのです。
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ドラマとして観るべき
ミステリーとしての謎解きの面白さはないと言ってよかろう。たいして複雑でもないし、恐くもないし、よく言えばストレート、悪く言えば古臭い。しかし、この映画のよさは全体に感じる悲しさと優しさとウィットであって、それを表現する台詞や演技、つまりドラマそのものにあるのだと思う。役者について言うと、ドパルデューってこんなだったかなあと思うほど落ち着いた感じで、それでいてウィッティで、画面の寒々として湿った感じから言ってもフランス的というよりはイングランド的な印象だったけど、これはこれでよかった。
東京も、恐らく90年代の終わり頃までは、地方出身の若い女性の苦悩を飲み込む魔界的な側面が強かったのだと思う。今世紀になって女性の雇用が一般化し、SNSなど新たなつながりの手段が生まれ、社会の倫理観や常識も変化して、魔界的な悲劇性よりも動物的な滑稽さが目立つようになったように思うけど。コスパやタイパよりも夢を追っていた時代ならではの暗さというのは、時々思い出してみてもいいんじゃないかなと思ったりした。今夜はコニャックを飲んで寝よう。
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母と息子の倒錯した闇世界
投稿日:2024/04/01
レビュアー:趣味は洋画
メグレと若い女の死 (2022年・フランス、カラー、89分)
メグレの巨体が歩いていく...後姿に淋しさを背負って。
パリ警視庁犯罪捜査部のメグレ警視。
知人から、 ‘(犯人を)自白させる秘訣は?’ と訊かれ、 ‘ひたすら話を聞く’ と答える。
そして、 ‘明白なことを疑う’ とも言う。
メグレは静かな男だ。 哀愁を感じ、男の優しさを感じ、誠実さを感じる。
1953年、パリ。洋装店で若い女性がドレスを試着しているが、何か思いつめたような不安な表情だ。試着をし終えると、その女性はあるパーティ会場に姿を現した...。やがて彼女は、モンマルトルのヴァンティミーユ広場で他殺体となって発見される。報せを受けたメグレ警視(ジェラール・ドパルデュー)が現場へ着くと、血で真っ赤に染まったドレスを身につけた女性の死体があった。身体の5か所に執拗な刺し傷がある。切り口の角度から、犯人は左利きと思われる。だが、女性の身元を明らかにするものは何もなく、手掛かりは身に着けていた高級ドレスのみだ。メグレはドレスを仕立てた店を調べ、洋装店を割り出す。更に、若い女性が多く住むアパートを聞きつけ、大家に会う。殺された女性の特徴を話し、その女性らしき人物が住んでいた部屋を調べる。ところが、大家は ‘もともとその部屋を借りていたのは別の女性だ’ と言うのだが...。
若き同年代の女性が3人登場する。
殺害された女性はルイーズ・ルヴィエールと判る。(演じている女優はクララ・アントゥーン)
女優志願のジャニーヌ・アルメニュー(演じている女優はメラニー・ベルニエ)
メグレに万引きを見つかる女性ベティ(演じている女優はジャド・ラベスト)
さすがに皆フランス女優で、名前を口にすると、舌を噛みそうだ。
だが、3人とも田舎から大都会パリへやって来た娘たち...それぞれに夢を抱いてのことだろう。
事件の捜査が進むにつれ、孤独感に苛まれる女性たちが浮き彫りにされていく。
ヴァロワ未亡人役で、懐かしきオーロール・クレマンが登場する。
「地獄の黙示録」(79年)、「パリ・テキサス」(84年)に出ていた彼女も、今は78歳になっているが、当時の面影はある。
前者はフランシス・フォード・コッポラ監督だが、そういえば、コッポラ監督の妻エレノア・コッポラが監督した「ボンジュール・アン」(2016年)にも、オーロール・クレマンは出ていた。
メグレは自分の娘を失っている。
そのことが、事件の捜査に挑む彼を凛とさせているのか。
メグレの良き理解者である妻も、メグレにとってはかけがえのない存在だ。
メグレは、捜査線上に浮かんでくる人物すべてに対し、丁寧に接していく。
ジェラール・ドパルデューの名演は言うに及ばないが、パトリス・ルコント監督の細部に渡る演出の細やかさに唸らされる。
プロデューサーは「ファーザー」(2020年)のフィリップ・カルカソンヌとジャン・ルイ・リヴィのコンビ。
音楽は「クリムゾン・リバー」(2000年)、「あるメイドの密かな欲望」(2015年)のブリュノ・クーレ。
そして編集は「仕立て屋の恋」(89年)、「髪結いの亭主」(90年)でもルコント監督と組んだジョエル・アッシュ。
事件の発端には倒錯した闇世界を感じる。
事件を解決したメグレ、やはり後姿に哀愁を感じる。
このレビューは気に入りましたか?
3人の会員が気に入ったと投稿しています
ユーザーレビュー
メグレの捜査には、信念やポリシー(哲学)がある
投稿日
2023/11/15
レビュアー
hinakksk
そういう意味では、台詞に重みのある、とてもフランス的な映画だ。地味だけれど、メグレ警視の堅実そのものの事件捜査を通して、彼の考えが明瞭になっている。医師に早期引退を勧められるほど体調に問題を抱えながら、身元不明の若い女性が殺されるという事件に感情的に深入りし、なぜそこまで彼がこの事件に執着するのかも明らかにされている。メグレは自分の娘を亡くしている。それは彼にとって、また彼の妻にとっても、埋めようのない心の空白だ。捜査過程で出会ったカプラン老人は、「我が子を失ったら何もかも消えて暗闇しか残らない」とメグレに語る。喪った娘への想いはそれほどまでに深く痛切だ。
1950年代のパリを舞台に、映像は終始暗い色調で、事件へと堕ちていく様々な形の醜く歪んだ愛憎が描かれ、映画全体に一種の虚しさや儚さが漂っている。殺された娘が着ていた、戦前にデザインされ、「一夜の夢」と名付けられた、一流ブランドのシルクの高価なドレスは、赤く血に染まる。結婚式の宴での、華やかにセッティングされた真っ白なテーブルは、虚栄と空虚そのものだ。そのような物語のなかで、メグレを理解する良き妻、彼が助ける万引きしようとした若い女性ベティとの交流、名も無き被害者を何とか名前のある存在として埋葬したいと奔走する彼の強い意志等々は、この作品に於ける僅かな救いかもしれない。
ベティを自宅に泊めた翌朝、妻とベティの楽しそうな様子に笑みを浮かべるメグレ、ベティとメグレが語らいながらセーヌ川沿いを歩くシーン、バスターミナルでのふたりの別れ、埋葬されるルイーズの墓に花を手向け、彼女はもうすぐ20歳だったと、メグレは妻に語る。悲惨な事件のなかで、数少ない心の和む場面だ。この作品は、ミステリーとしては平板で、もの足りなく感じられるかもしれないけれど、確固たる信念に基づくメグレの捜査を通して、何気ないひとつの事件がはらむ様々な、個人的、社会的、側面を鮮やかに浮き彫りにしている。
パリに憧れた若き女性の死の真相
投稿日
2023/11/05
レビュアー
くまげらの森
(2022年製作・フランス)パトリス・ルコント監督
日本でもおなじみのメグレ警視。小説家ジョルジュ・シムノンの推理小説の登場人物で、過去に映画やテレビでジャン・ギャバンなどが演じている。
今回、メグレ警視を演じるのはフランスの名優ジェラール・ドパルデュー。
1953年。パリ・モンマルトルの広場で、シルクのイブニングドレスを着た若い女性の刺殺体が発見された。
手がかりがほぼない中、メグレ警視は聞き込みを続けて真相に迫ってゆく。
えーとぉ、まず1953年と言えば70年前の事件ですね。
作品は暗く地味でテンポも良くなく、せっかちな人には向かないと思いました。
あと「おとり捜査」とか「危険な再現」で現代は許されないやり方が多々あったのが気になりました。
それとそもそも、犯行の動機が「弱い」です。モヤモヤします。スキャンダルが怖かったのでしょうか。
70年前はそんなにその性癖が問題でしたか。
被害にあったのは、田舎からパリを夢みて出てきた娘。パリの残酷で希望のない現実。
待ち構えていたのは「危険」だけだった。
メグレ警視が自分の娘を若くして失くしているので、若い娘に親切であるという見方があります。
(でもそれは公私混同というものではないでしょうか)
娘さんに親切にする場面もあれど、一方では、被害者と同じ服装をさせて同じ場所に送り込み(間一髪で救助)、
もうひとりの娘さんには、急いで階段を降りさせるという暴挙に出てます。私にはちょっと理解できません。
奥さん役の女性が自然な芝居で、お墓に付き添い、メグレに散歩しましょうと誘うシーンなどは良かった。
ドパルデューの哀愁漂うその巨体は、存在感が半端ない。しみじみ出来ればいい映画だと思えると思う。
あと、なぜ今メグレ警視なんだ?という疑問も残る。
夜会の秘密
投稿日
2023/11/09
レビュアー
kazupon
監督:パトリス・ルコント(2022年・仏・89分)
原題:Maigret
原作:ジョルジュ・シムノン『メグレと若い女の死』
メグレ警視シリーズは有名ですが、私は1冊も読んだことがありません。NHKのテレビドラマのシリーズで何度か観た程度です。
小説ではかなりのパイプ愛好家で、身長は180cm、体重は100sの巨漢だそうですね。その点で言えば、本作でメグレを演じたジェラール・ドパルデューは、原作のイメージどおりのようです。
舞台は1953年のパリ。冒頭のシーンでは、若い娘が象牙色のシルクのドレスに着替えています。この時は何も分からないままですが、後のシーンで次第に事情が分かって来ます。
せっかちな方のために掻い摘んで説明すると、この時の若い娘が、胸や腹部を5か所も刺された遺体で見つかります。この娘がどこの誰なのかも分かりません。警視庁犯罪捜査部のメグレ警視が事件を担当しますが、どうやって真相を突き止めるのでしょうか。
司法解剖の結果、死因は刺し傷ではないことが分ります。首の骨が折れたことが直接の死因のようでした。何処かで殺され、遺体発見現場まで運ばれた後、めった刺しにされたのです。彼女の持ち物と言えば安物の口紅と履きつぶした靴。下着も高級なドレスとは格違いの物でした。メグレの奥さんが、ドレスはきっと貸衣装だと気が付き、それが身元を探る糸口になりました。身元不明の娘の名は、ルイーズ・ルヴイエールだと分かります。
メグレは万引きしようとしていた若い娘ベティと出会い、保護します。彼は一人娘を亡くしていて、放っては置けなかったのでしょう。ところが、ベティがルイーズと年恰好も顔立ちも似ていることから、利用するのです。ベティの協力で、ある夜会の秘密がわかります。この秘密のせいでルイーズは犠牲になったのですね。
もう一人、この事件に大きく関与する女性ジャニーヌがいます。
ルイーズとジャニーヌとベティの3人には、成功を夢見て田舎からパリに出て来たという共通点があります。都会で夢が叶うのは、ほんの僅か。大抵は家政婦となるか、あるいは街角に立つか…戦後の混沌とした時代。東京でも似たようなハナシが沢山あったと思います。
この3人が辿る運命(人生)を比較してみると、誰と出逢うかも大きく影響するのだと思いました。メグレと出逢ったベティは幸運だったのかも。
メグレ警視はその巨体の圧迫感と、不愛想であまり笑わないことから、最初は親近感を感じませんでした。でも、ベティを自宅に連れて帰り、メグレの妻とベティが会話して笑っているのをひげ剃りしながら聴いていて、穏やかな笑みを浮かべるのです。その表情で彼の優しさが伝わってきました。きっと、彼を知れば知るほど好きになるかも知れません。
それにしても画面(特に冒頭)が暗くて苦手でした。暗くて状況が分かりにくいと、私は直ぐに眠たくなってしまうのです。
ドラマとして観るべき
投稿日
2024/04/27
レビュアー
icy
ミステリーとしての謎解きの面白さはないと言ってよかろう。たいして複雑でもないし、恐くもないし、よく言えばストレート、悪く言えば古臭い。しかし、この映画のよさは全体に感じる悲しさと優しさとウィットであって、それを表現する台詞や演技、つまりドラマそのものにあるのだと思う。役者について言うと、ドパルデューってこんなだったかなあと思うほど落ち着いた感じで、それでいてウィッティで、画面の寒々として湿った感じから言ってもフランス的というよりはイングランド的な印象だったけど、これはこれでよかった。
東京も、恐らく90年代の終わり頃までは、地方出身の若い女性の苦悩を飲み込む魔界的な側面が強かったのだと思う。今世紀になって女性の雇用が一般化し、SNSなど新たなつながりの手段が生まれ、社会の倫理観や常識も変化して、魔界的な悲劇性よりも動物的な滑稽さが目立つようになったように思うけど。コスパやタイパよりも夢を追っていた時代ならではの暗さというのは、時々思い出してみてもいいんじゃないかなと思ったりした。今夜はコニャックを飲んで寝よう。
母と息子の倒錯した闇世界
投稿日
2024/04/01
レビュアー
趣味は洋画
メグレと若い女の死 (2022年・フランス、カラー、89分)
メグレの巨体が歩いていく...後姿に淋しさを背負って。
パリ警視庁犯罪捜査部のメグレ警視。
知人から、 ‘(犯人を)自白させる秘訣は?’ と訊かれ、 ‘ひたすら話を聞く’ と答える。
そして、 ‘明白なことを疑う’ とも言う。
メグレは静かな男だ。 哀愁を感じ、男の優しさを感じ、誠実さを感じる。
1953年、パリ。洋装店で若い女性がドレスを試着しているが、何か思いつめたような不安な表情だ。試着をし終えると、その女性はあるパーティ会場に姿を現した...。やがて彼女は、モンマルトルのヴァンティミーユ広場で他殺体となって発見される。報せを受けたメグレ警視(ジェラール・ドパルデュー)が現場へ着くと、血で真っ赤に染まったドレスを身につけた女性の死体があった。身体の5か所に執拗な刺し傷がある。切り口の角度から、犯人は左利きと思われる。だが、女性の身元を明らかにするものは何もなく、手掛かりは身に着けていた高級ドレスのみだ。メグレはドレスを仕立てた店を調べ、洋装店を割り出す。更に、若い女性が多く住むアパートを聞きつけ、大家に会う。殺された女性の特徴を話し、その女性らしき人物が住んでいた部屋を調べる。ところが、大家は ‘もともとその部屋を借りていたのは別の女性だ’ と言うのだが...。
若き同年代の女性が3人登場する。
殺害された女性はルイーズ・ルヴィエールと判る。(演じている女優はクララ・アントゥーン)
女優志願のジャニーヌ・アルメニュー(演じている女優はメラニー・ベルニエ)
メグレに万引きを見つかる女性ベティ(演じている女優はジャド・ラベスト)
さすがに皆フランス女優で、名前を口にすると、舌を噛みそうだ。
だが、3人とも田舎から大都会パリへやって来た娘たち...それぞれに夢を抱いてのことだろう。
事件の捜査が進むにつれ、孤独感に苛まれる女性たちが浮き彫りにされていく。
ヴァロワ未亡人役で、懐かしきオーロール・クレマンが登場する。
「地獄の黙示録」(79年)、「パリ・テキサス」(84年)に出ていた彼女も、今は78歳になっているが、当時の面影はある。
前者はフランシス・フォード・コッポラ監督だが、そういえば、コッポラ監督の妻エレノア・コッポラが監督した「ボンジュール・アン」(2016年)にも、オーロール・クレマンは出ていた。
メグレは自分の娘を失っている。
そのことが、事件の捜査に挑む彼を凛とさせているのか。
メグレの良き理解者である妻も、メグレにとってはかけがえのない存在だ。
メグレは、捜査線上に浮かんでくる人物すべてに対し、丁寧に接していく。
ジェラール・ドパルデューの名演は言うに及ばないが、パトリス・ルコント監督の細部に渡る演出の細やかさに唸らされる。
プロデューサーは「ファーザー」(2020年)のフィリップ・カルカソンヌとジャン・ルイ・リヴィのコンビ。
音楽は「クリムゾン・リバー」(2000年)、「あるメイドの密かな欲望」(2015年)のブリュノ・クーレ。
そして編集は「仕立て屋の恋」(89年)、「髪結いの亭主」(90年)でもルコント監督と組んだジョエル・アッシュ。
事件の発端には倒錯した闇世界を感じる。
事件を解決したメグレ、やはり後姿に哀愁を感じる。
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メグレと若い女の死
(C)2021 CINE-@ F COMME FILM SND SCOPE PICTURES. ※ジャケットデザインは変更になる場合がございます。