この人たちも、先日借りたトーキング・ヘッズと並び
日本の音楽誌でやたらと評価の高かったグループ。
個人的には、ロバート・フリップとの
リーグ・オブ・ジェントルメン(※)での
バリー・アンドリュースのプレイが好きだったので、
彼が在籍していた初期2作辺りを聴きたいと思い、
借りてみました。

残念ながら、お目当ての時期からは数曲のみ。
しかし、初期ならではのパンキッシュな雰囲気と
バリーのチープでトイフルなプレイは楽しめます。
改めて全体を聴いてみると、やはり
中高生時代にリアルタイムで耳にした
「ブラック・シー」「イングリッシュ・セツルメント」辺りの
収録曲が印象深い。
思いの外、影の薄い「マーマー」からの曲も良かったです。
捻りのあるメロディーとアレンジの冴えや、
先鋭性とポップさのバランス具合という点では、
この頃が最も面白いんじゃないかな。

その後の「スカイ・ラーキング」や
「オレンジ・アンド・レモンズ」の頃になると、
一気に視界が晴れたようにニューウェーブ的な屈託が抜けて
高品質で普遍的なブリティッシュ・ポップに。
評論家が絶賛したのは分かりますが、
ここまで来ると自分にはあんまり用は無いみたい。

シングル集ではあるけれど、時系列で並べられているので
彼らの作風の変遷を大掴みに辿ることができます。
通して、アンディ・パートリッジの鋭角的なギターと、
どこかしらビートルズ的なメロディーの良さが耳に残りました。

※最近、めでたく再発されたリマリンバのロバート・コックスが、
フリップの音楽、とりわけこの単発グループからの影響を
語っているのは意外でした。
確かに、クリムゾンを解散してニューヨーク辺りで
フラフラしてた頃のフリップは面白い。
プログレの枠を越え、マイナー・ニューウェーブ、DIYの世界にまで
影響を及ぼしたのも納得です。

シングル曲が発売順に収録されているので
XTCの歴史というか、曲の変遷を知ることができます。
僕は初期のパンク〜ポストパンク的な曲が好きなので、Disc1は大満足です。
Disc2は本当に同じバンドか？と思うほど感じが違いますね。
それだけ多様性があって、新しい音楽を模索していたということですかね。