言わずと知れたメガヒット・アルバムにして、
70年代の彼らを代表する作品ですね。
ここ数年、ピーター・グリーンが抜けた中期以降のアルバムを
ほぼ発表順に聴いているのですが、
ようやくここまで辿り着きました
(前作も随分前にこちらで借りているのだけど、
自分が書いた感想を読んでも、
どんなだったか全く思い出せません。笑)。

それはともかく、個人的に特に好きなのはM2。
この淡々とした雰囲気、いいですねえ。
黄昏た曲調、抑えたバッキング、そこに乗る
スティーヴィー・ニックスの微かに爛れた歌声、
全てのバランスが完璧な名曲だと思います。
この曲、作曲もスティーヴィーなんですね。
お色気担当かと思っていたけど、御見逸れしました。

アメリカの大統領選の応援歌的に使われるなど有名なM4が、
クリスティン・マクヴィーの作曲なのも意外でした。
この人、こういうメジャー感のあるキャッチーな曲も
書けるんですね。枯れて渋い人っていう印象を持ってましたが、
新加入のリンジーとスティーヴィーに触発されたのかな。

そして、不動のバンマスであるミックのドラミングも
相変わらず味わい深い。
タムの翳りのある音色とか叩き回さない使い方とか、
地味ながら実に英国的なツボを押さえたプレイで、
ウィッシュボーン・アッシュのスティーブ・アプトンとも
通じるものを感じます。

全体的に、ダニー・カーワンやボブ・ウェルチがいた中期の、
曲調も音像もモヤっとした感じ(僕は大好きですけど)が
クリアかつシンプルに整理されて、分離の良い
はっきりとした音楽になっています。
コンポーザーも3人体制の充実ぶりで、
セールス的に大ブレイクしたのも納得です。