遂に、ユニバーサルミュージックさんの
「ロック黄金時代の隠れた名盤」シリーズの
レンタルが始まり、嬉しい限り。
「聴きたいけど、原盤が激レアって訳でもないし、
CDや再発LPを買うには及ばないなあ」という
微妙かつ絶妙なラインの作品群を、低価格の国内盤で
リイシューしてくれる素晴らしい企画。
「なんだ、またこれかいっ！」っていう、
国内盤にありがちな過去の再発との重複も
今回は少ないように思います。
日本の大手レコード会社さんも、
J-POPやアイドルもので儲けた分を、
こういう企画で私のような日陰の音楽マニアにも
お裾分けしてくれると、本当に有難い。
もちろん、レンタルしてくれるDISCASさんにも感謝。

つい等閑視されがちな中堅どころの
渋い作品が目を惹くラインナップの中で、
僕が真っ先にリストに上げたのが、このグループ。
韓国版CDが出回ってた頃から
ずっと聴きたかったのに、なぜか
手に入れるチャンスがありませんでした。

激レア廃盤界の定番・ヴァーティゴというと、
アフィニティーやクレシダ辺りに代表される
管楽器なんかも加えたオルガン・ロックの
イメージが強いけれど、そんな中にあって
このグループは比較的ストレートなハード・ロックです。

とはいえ、メジャーどころみたく
キレッキレにテクニカルな感じじゃなくて、
グループ名とは裏腹な
いい感じに濁って荒れた音像が心地良い。
プログレッシブに屈折した
クセの強いアレンジや曲構成も印象的で、
一本調子にならず楽しませてくれます。
ヴィンテージなUKハードの中でも、ストレイやバッジー、
スキッド・ロウ(アイルランドの)辺りが好きな方なら
間違いの無い作品です。