いつもながら、中島みゆき嬢が、歌を唄うというよりも演じています。それぞれの曲に合わせて歌唱法を変えていて、曲の世界にどっぷりと浸れます。

１曲目「1旅人のうた <2nd Version> 」
季節風のように旅から帰ってきた（ご無沙汰していた）みゆき嬢の挨拶代わりの一曲。リズミカルな曲に中に、風のようにこれから始まり消え去るドラマのイントロダクションともとれる。

２曲目「伝説」
ここでも「風」という消え行くものに、想いの儚さをうたっている。深山幽谷を思わせるようなアレンジ。

３曲目「永遠の嘘をついてくれ 」
（「プロジェクトＸ」の田口トモロヲ調で）

１９９５年。吉田拓郎は自信を失っていた。
もう、自分の時代ではないのかもしれない・・・

吉田は、次のアルバムに入れる１曲を、
中島みゆきに、直接会って依頼した。

「遺書のような曲を」・・・
それが、吉田の出した唯一の注文だった。

拓郎が詞曲の両方を他人に依頼したのは初めてだった。
それから、寝付かれぬ夜が続いた。

曲は、吉田がレコーディングのために、
キューバに飛び立つ前日にようやく渡された。

曲名は「永遠の嘘をついてくれ」だった・・・

歌詞は、中島の”吉田拓郎”に対する感情を託したものであった。

アルバム「Long time no see」に収録されたその曲は、
発表された当時、両方のファンから様々な憶測をよんだ。

２００６年のつま恋で、シークレットゲストとしてステージに登場した中島は、
この曲を吉田と並んでデュエットした。

曲が出来てから、１１年越しのデュエットであった・・・

（以上、ムーンの妄想入りですよー。）

４曲目「ALONEPLEASE」
甘えることに不器用だった女性が、去っていった恋人を思いながらも気丈なところを見せる。
スローなリズムで、高級なジャズクラブで生演奏を聞くような、お洒落でゆったりとした雰囲気。歌詞や声よりも、中島みゆきの息づかいを聞くような。艶めいた曲調。珍しい英語のフレーズ。スイート＆ビターな大人のみゆき。「ご免」と独り言を呟いてしまいそう。

５曲目「それは愛ではない 」
もう一つの「永遠の嘘をついてくれ」とも取れる。
アコースティックギターから入るイントロや、字余りのフレーズが拓郎節を髣髴とさせる。歌詞も男性的。シャウトしてます。

６曲目「なつかない猫」
純粋すぎたため過去に傷ついて、恋や男性に臆病になった女性心理を猫に喩えている。少しチャイニーズ調。

７曲目「SINGLES BAR 」
もう「夜会」でやっているだろうか？そのまま使えそうな曲です。

８曲目「蒼い時代」
昔のフォーク全盛時代に戻ったような曲調で、山崎ハコさんあたり（不詳）を思い出すような唄い方、ワザと少し低脳を装って、傷つかない様にしている女性を唄っている。歌詞の内容も含めて過去の清算をしているような曲。

９曲目「たかが愛」
たかが愛、されど愛とでもいった様な曲。ドラマのエンディング曲のような、歌い上げ調。何かに使われたことありそう。ギターの絡み泣きもいい。

１０曲目「阿檀の木の下で」
沖縄民謡の音階や旋律を取り入れた中島みゆき版「サトウキビ畑」
切なくて、おおらかで、ゆったりとしたリズム。

１１曲め「パラダイス・カフェ」
アルバムのタイトル曲。 アップテンポでリズミカルな”みゆきのララバイ”（子守唄）
これを聞いて眠れ。

そして、フェードアウトしていくリズムは、オープニングのフェードインのリズムにシンクロしていく。

なつかない猫は、ちょっと曲調がいつものみゆきさんの曲とは雰囲気違いますね。
広いアメリカの荒野
自由気ままな旅をはじめようとする旅人
そして古びたバーの樽の上でキツイ目で眺める猫
そんな風景が浮かんだ曲でした。

ちなみに私の、一番好きな曲はパラダイス・カフェかな

　そんなに激しく傷ついてもいないのに、音飛びがしましたから、じっくり聞こうとしても無駄でした。
　発送前にいちいちチェックするわけにも行かないでしょうが、中身の腐ったメロンを買わされたようでがっかりしました。